ホラー小話

桃月熊

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落語・まんじゅうこわいのその後の展開

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「今は一杯のお茶が怖い」


「そうかそうか、お茶が怖いのか」
「なら望み通りにしてやるよ」
「それが望みだよ、俺たちにとってもな」


騙された男たちは、湯船に熱湯を入れ、その中に茶葉を入れた。
結果、熱湯茶風呂が完成した。
いい匂いがあたりに漂っている。

「なにをする気だ!?」
「なあに、ちょっと怖い目に遭わせるだけだ」
「そうだな、この世の地獄をな」
「死んだ方がマシだと思える程度にな」

騙された男たちが、騙した男をがっちりと掴んで逃さない。

「謝るから許してくれ。金なら払うから」
「もう、金の問題じゃないんだよ」
「世の中許せる事と許せない事があるんだよ」
「恨むんなら自分を恨むんだな。食い意地の張った自分をな」

騙された男たちに表情は無い。
能面の様な表情で、
ただ淡々と与えられた業務をこなす、そんな様子で動いている。
目には復讐の為の力がこもっている。

騙した男は必死に暴れるが、逃げ出す事は不可能。
四肢を押さえつけられたまま、熱湯茶風呂へと沈められた。

「あちーーーーーーーーーーーーー、殺す気か!」
「そうに決まってるだろ」
「当たり前じゃないか」

騙した男はやっと事の重大さに気付いたが、解決の手立てはない。
溺死か、火傷死か、窒息死か。
男には自身で選べる選択肢は存在しない。
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