ホラー小話

桃月熊

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夜の学校で肝試しのつづきのつづき

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周囲がざわついた。

「ん、んん、んんん、んんんん?
 うん、まぁそれはそうなのね。だけど仮にそうだとしても
 その説明じゃあ、としあきが犯人じゃないって事も、
 としあきがエミコの血の匂いが分かった事も説明が付かないわよ」
怪訝な表情で友梨佳が追求した。


「としあきはな、エミコの使用済み生理用品を愛用してるんだ」
ヒロミチの発言に、全員がほぼ驚愕。
時が止まった。


私物が無くなる事態の被害者はエミコであった。
エミコはその事を親友の友梨佳にだけは話していたのだ。





「じゃあ、エミコのアレを盗んだのはとしあきだったの?」
友梨佳が問う。


「いや、違う。俺が盗んでとしあきに売ったんだ」
ヒロミチが正直に答えた。



としあきは俯いたまま何も言わない。




暫しの沈黙の後。

「つまりは、ヒロミチが泥棒で、としあきが変態って事だよな」
誰かの呟きが、全員の耳に届いた。
「そうだな」
「そうか、あいつら、そーゆー奴等だったんだ」


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後日、エミコを襲った通り魔は逮捕された。

エミコは五日程入院して退院、後遺症もない。




ヒロミチととしあきは家族ごと引っ越した。

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