ホラー小話

桃月熊

文字の大きさ
上 下
3 / 42

ドッペルゲンガーのつづきのつづき

しおりを挟む
次の日の夕方、リョウは母親と共に電車に乗り、塾前に到着。


「昨日、そっくりさんを見たのは塾の帰り道だったから、この時間にはいないかも」
「そうねぇ……あの子、アンタに似てるんじゃない?」

リョウが確認すると、確かにその少年は自身によく似ていた。

「昨日見たのはあの子だと思う」
「ちょっと話を聞いてくるわね」

リョウコ(リョウの母親)は、リョウのそっくりさんに近づき、
何やら会話をしている。
戻ってきて、リョウに情報を伝えた。

「あの子は坪裏ケンジって、子だったわ。
 あんたは塾に行きなさい」
「うん、分かった。これで安心したよ」

リョウコは無言で険しい表情をしていたが、その事にリョウは気付いていなかった。
リョウは軽い足取りで塾へと向かった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


リョウが塾で学習していると、講師から呼び出されて帰宅準備をさせられた。
リョウの父親から電話があり、此処に向かっていると伝えられた。


リョウは塾を早退、父と合流し、父の車に乗り込んだ。
リョウの父親は憔悴しながらも平静を装っている。

「お父さんどうしたの? 何かあったの?」
「いいか冷静に聞きなさい。リョウコが病院に運ばれた」

「え? 病気、それとも交通事故なの?」
「警察の話だとリョウコは何処かの親子二人を殺害して、
 自身も自殺を図ったそうだ。
 詳しい事は病院で聞く事になっている。
 ここ最近、母さんの様子はどうだった?
 何か可笑しな所とかなかったか?」


リョウは昨日からのドッペルゲンガーの件について細かく話した。
「お母さんと最後に会ったのはその時だよ。
 その子の名前は坪裏ケンジ君だったと思う」

その名前を聞いたケンイチ(リョウの父親)は全身から血の気が引いた。
「リョウコはまだ許してくれてなかったのか」






ケンジは、ケンイチが他所で作った子供であった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

怪異語り 〜世にも奇妙で怖い話〜

ズマ@怪異語り
ホラー
五分で読める、1話完結のホラー短編・怪談集! 信じようと信じまいと、誰かがどこかで体験した怪異。

こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

【一話完結】3分で読める背筋の凍る怖い話

冬一こもる
ホラー
本当に怖いのはありそうな恐怖。日常に潜むあり得る恐怖。 読者の日常に不安の種を植え付けます。 きっといつか不安の花は開く。

処理中です...