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16話
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「悠太、身体の力を抜いていろ」
さっきまで指を受け入れていた場所に、熱いものが押し付けられた。それが四条のものだとわかったとたん、俺は怖くて必死に逃げ場を探す。どこにも逃げ場がないとわかっていても、怖いものは怖い。
「……うそ……っ、……まって……」
まさかそんなところにそんなものを入れられるなんて、想像だってしたことないのに……。
「すぐに良くなるからね悠ちゃん」
「んんっ、……やっ、……無理……許し……て」
強引に押し付けられた四条の熱い塊がゆっくり入ってくる。俺は両足を後ろから雨宮に取り押さえれた恥ずかしい格好でそれを受け入れていく。指とは比べ物にならない存在感に息を詰める。
「息、止めるな悠太」
「……いっ! ……だめ、……できなっ……ぁ」
「怖がらなくいい、……力を抜け」
熱に引き裂かれそうな激痛に、痛みしか感じない。どんなに優しい言葉を掛けられても、痛いものは痛い。痛みで俺自身もすっかり萎えかけていたが、雨宮がそっと包みとると、上下に扱きだした。
「……あっ、……ぁ……ん」
「悠、いい子だからこっちに集中しててね」
二度もイったはずの俺自身は雨宮の巧みな愛撫で、容易に堅さを取り戻し、次第に追い立てられていく感覚に、痛みが退いていく。俺の身体から力が抜けると、四条が容赦なく身体を進めてきた。
「や……ぁあ……っ」
「大丈夫だ悠太、……誰よりも愛してるから……」
四条の声が遠くに聞こえる。最奥まで進めたところで四条の動きが止まる。
「動くぞ」
入っただけでも奇跡なのに、四条がゆっくりと動き始める。その上雨宮の愛撫も止まらない。痛みとは違う気持ちよさが俺を襲う。
「いっ……、や、あぁ……っ、――んんっ」
内壁を擦られて、溶けてしまいそうな快感に押さえられない自分の甘い声。恥ずかしくて恥ずかしくて、俺は自分の手を噛み何とか声を殺そうとする。今にも果ててしまいそうだった俺は、指を噛んだ痛みで少しだけ、ほんの少しだけ快楽から逃れた。
「悠! 指を食べちゃだめだよ」
雨宮は心地よく聞こえていた俺の声が、聞こえてこなくなったことにいち早く気づくと、噛みしめていた俺の指を優しく口からはずす。はずされた手は雨宮の唇を滑り、口の中へ運ばれる。そして、雨宮はしっとりと湿った舌を絡ませる。
「くっ……、悠太締めるな」
四条の苦しそうな声が耳に届く。
「っは……、やあぁ……しじょ、……許し……てっ」
「そんな可愛いことを言うと、手加減が出来なくなる……」
「朝人、ちゃんと私の分も残しておいてね。私だって悠の可愛い声聞いてるだけで限界に近いんだから……」
「保障は出来ないな」
次の瞬間、四条はギリギリまで引き抜いた熱で俺を深々と貫いた。頭の中が真っ白になる。
「ああぁっ―――――!」
四条の欲望が俺の中で放たれたのを感じたのと同時に、俺は悲鳴にも近い声を上げて雨宮の手の中に熱を放っていた。
信じられない!
マラソンの後のように乱れた呼吸を整えながら、俺はぐしゃぐしゃに泣きじゃくっていた。まさか男にイカされて、気持ちよかったなんて……、死んでも認めたくない。
「結局私は悠太を泣かせてしまうようだ」
「痛かったの悠ちゃん?」
雨宮に問われても何も答えられない。確かに痛くなかったといえば嘘だけど、痛みよりも快感のほうが強くて、もうそれどころではなかったのだ。泣きじゃくる俺からゆっくりと引き抜いた四条は、顔を近づけて唇で涙を拭う。
「ごめんな悠太」
切ない声で謝られた。謝ってほしいわけじゃない。それに嫌じゃなかった……。
自分の心に問い返す。嫌だったから泣いてるんじゃない、それだけははっきりとしていた。じゃぁなんで泣いているのか? ショートしてしまった頭ではわからないのだ。
「もう何もしないから、泣くな悠太。お前に泣かれると、どうしていいかわからなくなる」
「……ひっ……く、……やっ、……だ」
「わかったから悠太。もうなにもしないよ」
何もしないと言った四条に俺は抱きついた。不意をつかれた四条は少しだけ後ろに倒れる。何もしないなんて言って欲しくなかった。四条のキスは好きだった……。優しく包み込むようなキス。雨宮の噛み付くようなキスも好きだ。俺こんなことされたのに、二人とも好きだよ。俺の勘違いかもしれないけど、今は好きな気持ちがどんどん溢れてくる。
「……キスして」
「悠太……!」
俺の口から出た言葉は、四条の心臓を止めるほどに驚かせた。
「悠ちゃん、私は?」
すかさず雨宮が割って入ってくる。俺が『雨宮も』と言うと、すぐに噛み付くようなキスが落とされた。呼吸が出来ないほどキスされた後は、四条の優しいキスが降ってくる。
それだけで熱が戻ってきた俺は、四条と何度目かに入れ替わった雨宮にも深く貫かれることとなった。
さっきまで指を受け入れていた場所に、熱いものが押し付けられた。それが四条のものだとわかったとたん、俺は怖くて必死に逃げ場を探す。どこにも逃げ場がないとわかっていても、怖いものは怖い。
「……うそ……っ、……まって……」
まさかそんなところにそんなものを入れられるなんて、想像だってしたことないのに……。
「すぐに良くなるからね悠ちゃん」
「んんっ、……やっ、……無理……許し……て」
強引に押し付けられた四条の熱い塊がゆっくり入ってくる。俺は両足を後ろから雨宮に取り押さえれた恥ずかしい格好でそれを受け入れていく。指とは比べ物にならない存在感に息を詰める。
「息、止めるな悠太」
「……いっ! ……だめ、……できなっ……ぁ」
「怖がらなくいい、……力を抜け」
熱に引き裂かれそうな激痛に、痛みしか感じない。どんなに優しい言葉を掛けられても、痛いものは痛い。痛みで俺自身もすっかり萎えかけていたが、雨宮がそっと包みとると、上下に扱きだした。
「……あっ、……ぁ……ん」
「悠、いい子だからこっちに集中しててね」
二度もイったはずの俺自身は雨宮の巧みな愛撫で、容易に堅さを取り戻し、次第に追い立てられていく感覚に、痛みが退いていく。俺の身体から力が抜けると、四条が容赦なく身体を進めてきた。
「や……ぁあ……っ」
「大丈夫だ悠太、……誰よりも愛してるから……」
四条の声が遠くに聞こえる。最奥まで進めたところで四条の動きが止まる。
「動くぞ」
入っただけでも奇跡なのに、四条がゆっくりと動き始める。その上雨宮の愛撫も止まらない。痛みとは違う気持ちよさが俺を襲う。
「いっ……、や、あぁ……っ、――んんっ」
内壁を擦られて、溶けてしまいそうな快感に押さえられない自分の甘い声。恥ずかしくて恥ずかしくて、俺は自分の手を噛み何とか声を殺そうとする。今にも果ててしまいそうだった俺は、指を噛んだ痛みで少しだけ、ほんの少しだけ快楽から逃れた。
「悠! 指を食べちゃだめだよ」
雨宮は心地よく聞こえていた俺の声が、聞こえてこなくなったことにいち早く気づくと、噛みしめていた俺の指を優しく口からはずす。はずされた手は雨宮の唇を滑り、口の中へ運ばれる。そして、雨宮はしっとりと湿った舌を絡ませる。
「くっ……、悠太締めるな」
四条の苦しそうな声が耳に届く。
「っは……、やあぁ……しじょ、……許し……てっ」
「そんな可愛いことを言うと、手加減が出来なくなる……」
「朝人、ちゃんと私の分も残しておいてね。私だって悠の可愛い声聞いてるだけで限界に近いんだから……」
「保障は出来ないな」
次の瞬間、四条はギリギリまで引き抜いた熱で俺を深々と貫いた。頭の中が真っ白になる。
「ああぁっ―――――!」
四条の欲望が俺の中で放たれたのを感じたのと同時に、俺は悲鳴にも近い声を上げて雨宮の手の中に熱を放っていた。
信じられない!
マラソンの後のように乱れた呼吸を整えながら、俺はぐしゃぐしゃに泣きじゃくっていた。まさか男にイカされて、気持ちよかったなんて……、死んでも認めたくない。
「結局私は悠太を泣かせてしまうようだ」
「痛かったの悠ちゃん?」
雨宮に問われても何も答えられない。確かに痛くなかったといえば嘘だけど、痛みよりも快感のほうが強くて、もうそれどころではなかったのだ。泣きじゃくる俺からゆっくりと引き抜いた四条は、顔を近づけて唇で涙を拭う。
「ごめんな悠太」
切ない声で謝られた。謝ってほしいわけじゃない。それに嫌じゃなかった……。
自分の心に問い返す。嫌だったから泣いてるんじゃない、それだけははっきりとしていた。じゃぁなんで泣いているのか? ショートしてしまった頭ではわからないのだ。
「もう何もしないから、泣くな悠太。お前に泣かれると、どうしていいかわからなくなる」
「……ひっ……く、……やっ、……だ」
「わかったから悠太。もうなにもしないよ」
何もしないと言った四条に俺は抱きついた。不意をつかれた四条は少しだけ後ろに倒れる。何もしないなんて言って欲しくなかった。四条のキスは好きだった……。優しく包み込むようなキス。雨宮の噛み付くようなキスも好きだ。俺こんなことされたのに、二人とも好きだよ。俺の勘違いかもしれないけど、今は好きな気持ちがどんどん溢れてくる。
「……キスして」
「悠太……!」
俺の口から出た言葉は、四条の心臓を止めるほどに驚かせた。
「悠ちゃん、私は?」
すかさず雨宮が割って入ってくる。俺が『雨宮も』と言うと、すぐに噛み付くようなキスが落とされた。呼吸が出来ないほどキスされた後は、四条の優しいキスが降ってくる。
それだけで熱が戻ってきた俺は、四条と何度目かに入れ替わった雨宮にも深く貫かれることとなった。
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