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10章『恋慕編』
207「あいつを助けたいんじゃないのか」(R)
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「姫、そのようなことしなくてよい!」
「……わかった」
「それでいい、さあ陸、私に口づけを」
天王寺の静止の声を無視して、ベッドに仰向けに横たわったアデルに乗り上げるように、ゆっくりと近づく。
しっかりと目を閉じて、俺はアデルの唇に自分の唇を重ねた。緊張と恥ずかしさと恐怖で、唇が震える。
「口を開け、俺の舌を絡めろ」
言われるままに、俺はそっと口を開き、アデルが差し出す舌を舌で絡め取る。ピチャと淫らな水音が鳴る。
ぎこちない俺の動きに痺れを切らしたアデルが、俺の後頭部を抑えて、深く濃厚に口腔を犯す。飲み込めない唾液が糸を引いて垂れる。
「ふぁっ、ん……」
「今夜は、蜜のように甘いな」
執拗以上に舌を絡めとり、貪りつくようにアデルは俺を離さない。
そんな俺を見ていられなくて、天王寺が顔を背ければ、アデルがしっかりと見せるように言いつけ、天王寺は俺を見るように顔を固定される。
苦虫を噛み砕いたように、険しく苦痛の表情を浮かべた天王寺は、奥歯が鳴るほど噛み締め、唇を血が滲むほど噛んだ。
たっぷりと俺の口づけを堪能したアデルは、満足そうに微笑むと、俺の頭を押さえつけて自分の下肢に宛がう。
「咥えろ」
服の上からでも反り返っているのが分かるほど、大きくなっている下肢を口に咥えろと命令する。逆らえない。逆らえば天王寺が危ない。
俺は震える手でアデルのズボンを下げる。下着に窮屈そうに収まっていたソレは、衣類から解放されると、天を仰いで卑猥にそそり立った。
先端から蜜が零れ、濡れていた。
ゴクリと生唾が溢れる。こんなもの咥えたくない、触りたくもない、ましてや、天王寺にそれを見られるのは嫌だ。
けど、
「どうした、あいつを助けたいんじゃないのか」
アデルは俺を追い詰める。
「今するから、だから……」
天王寺に手を出すなと、意を決して、俺はそこに手を添えると口を寄せた。
「姫っ!!」
「大丈夫、だから……、お前は大人しくしてろよ」
こんなこと大したことじゃないと、俺は男で犯されても何かあるわけじゃないと、苦笑してみせた。
「う、ぐぅっ……」
大きすぎるソレは、俺の口に収まりきらず、いっぱいに開いた口が苦しさを訴える。とても動けそうもなかったが、アデルは咥えた俺の頭を押さえつけると、ぐいぐいと押し込んでくる。喉が焼ける。
「いい、陸、すごく気持ちいいぞ」
「ぅ……う゛っ……」
「舌を使え、もっと吸うんだ」
指示される通り、俺は精一杯奉仕を続ける。溢れてくる体液にむせかえりそうになりながらも、舌を絡めて、必死に吸って、俺は押さえつけられるまま何度も何度も奥にソレを咥えこまされる。
「もっとだ、もっと深く咥えろ」
「ぬ、ぐぐっ、んふっ……ぅッ」
「陸、イイッ……出すぞッ……」
苦しいと顔を顰めた時、アデルの下肢が大きく震えて、信じられない量の熱く迸る、白濁としたものを口の中に吐き出された。
達したせいで、力が抜けたアデルから解放された俺は、咳き込みながらそこから口を離し、独特の匂いと感触が気持ち悪いと吐き出す。
「今度は陸の中に俺を埋めろ、いいな」
吐き出しただけでは満足しなかったアデルは、俺に自らの後ろにアデルの下肢を入れよと、命令してきた。
自ら解して、アデルを受け入れろと。
天王寺の前で他の男を挿入するなんて、俺は唇を歯型がつくほど噛み締めた。動きを止めてしまった俺に、アデルがゆっくりと体を少しだけ起こす。
「陸、足をこちらに寄こせ」
俺が解してやると、アデルは口角を緩めて、俺の足を掴んだ。上下逆になるように重なる身体。
「やぁっん! だ、だめ……ぇ……」
アデルの顔に俺の下肢が乗るような体勢にされ、熱を持ってしまっていた下肢を口に含まれた。舐められて吸われると、甘い痺れが生まれる。
「陸、お前もするんだ」
体勢が逆になっているため、俺の目の前にはアデル自身がある。与えられる甘美な快楽が俺から力を奪い、俺は必死にアデル自身に手を伸ばす。
「あぁぁぁっ……っ! ……ぁ」
ようやくソレに触れたと思った瞬間、一際強く吸われて、俺は悲鳴に近い甲高い嬌声をあげていた。背中が弓のように反る。
「可愛い声を出す。そんなに良かったのか」
喉の奥から絞り出すように笑ったアデルは、視線を天王寺に合わせる。
「……わかった」
「それでいい、さあ陸、私に口づけを」
天王寺の静止の声を無視して、ベッドに仰向けに横たわったアデルに乗り上げるように、ゆっくりと近づく。
しっかりと目を閉じて、俺はアデルの唇に自分の唇を重ねた。緊張と恥ずかしさと恐怖で、唇が震える。
「口を開け、俺の舌を絡めろ」
言われるままに、俺はそっと口を開き、アデルが差し出す舌を舌で絡め取る。ピチャと淫らな水音が鳴る。
ぎこちない俺の動きに痺れを切らしたアデルが、俺の後頭部を抑えて、深く濃厚に口腔を犯す。飲み込めない唾液が糸を引いて垂れる。
「ふぁっ、ん……」
「今夜は、蜜のように甘いな」
執拗以上に舌を絡めとり、貪りつくようにアデルは俺を離さない。
そんな俺を見ていられなくて、天王寺が顔を背ければ、アデルがしっかりと見せるように言いつけ、天王寺は俺を見るように顔を固定される。
苦虫を噛み砕いたように、険しく苦痛の表情を浮かべた天王寺は、奥歯が鳴るほど噛み締め、唇を血が滲むほど噛んだ。
たっぷりと俺の口づけを堪能したアデルは、満足そうに微笑むと、俺の頭を押さえつけて自分の下肢に宛がう。
「咥えろ」
服の上からでも反り返っているのが分かるほど、大きくなっている下肢を口に咥えろと命令する。逆らえない。逆らえば天王寺が危ない。
俺は震える手でアデルのズボンを下げる。下着に窮屈そうに収まっていたソレは、衣類から解放されると、天を仰いで卑猥にそそり立った。
先端から蜜が零れ、濡れていた。
ゴクリと生唾が溢れる。こんなもの咥えたくない、触りたくもない、ましてや、天王寺にそれを見られるのは嫌だ。
けど、
「どうした、あいつを助けたいんじゃないのか」
アデルは俺を追い詰める。
「今するから、だから……」
天王寺に手を出すなと、意を決して、俺はそこに手を添えると口を寄せた。
「姫っ!!」
「大丈夫、だから……、お前は大人しくしてろよ」
こんなこと大したことじゃないと、俺は男で犯されても何かあるわけじゃないと、苦笑してみせた。
「う、ぐぅっ……」
大きすぎるソレは、俺の口に収まりきらず、いっぱいに開いた口が苦しさを訴える。とても動けそうもなかったが、アデルは咥えた俺の頭を押さえつけると、ぐいぐいと押し込んでくる。喉が焼ける。
「いい、陸、すごく気持ちいいぞ」
「ぅ……う゛っ……」
「舌を使え、もっと吸うんだ」
指示される通り、俺は精一杯奉仕を続ける。溢れてくる体液にむせかえりそうになりながらも、舌を絡めて、必死に吸って、俺は押さえつけられるまま何度も何度も奥にソレを咥えこまされる。
「もっとだ、もっと深く咥えろ」
「ぬ、ぐぐっ、んふっ……ぅッ」
「陸、イイッ……出すぞッ……」
苦しいと顔を顰めた時、アデルの下肢が大きく震えて、信じられない量の熱く迸る、白濁としたものを口の中に吐き出された。
達したせいで、力が抜けたアデルから解放された俺は、咳き込みながらそこから口を離し、独特の匂いと感触が気持ち悪いと吐き出す。
「今度は陸の中に俺を埋めろ、いいな」
吐き出しただけでは満足しなかったアデルは、俺に自らの後ろにアデルの下肢を入れよと、命令してきた。
自ら解して、アデルを受け入れろと。
天王寺の前で他の男を挿入するなんて、俺は唇を歯型がつくほど噛み締めた。動きを止めてしまった俺に、アデルがゆっくりと体を少しだけ起こす。
「陸、足をこちらに寄こせ」
俺が解してやると、アデルは口角を緩めて、俺の足を掴んだ。上下逆になるように重なる身体。
「やぁっん! だ、だめ……ぇ……」
アデルの顔に俺の下肢が乗るような体勢にされ、熱を持ってしまっていた下肢を口に含まれた。舐められて吸われると、甘い痺れが生まれる。
「陸、お前もするんだ」
体勢が逆になっているため、俺の目の前にはアデル自身がある。与えられる甘美な快楽が俺から力を奪い、俺は必死にアデル自身に手を伸ばす。
「あぁぁぁっ……っ! ……ぁ」
ようやくソレに触れたと思った瞬間、一際強く吸われて、俺は悲鳴に近い甲高い嬌声をあげていた。背中が弓のように反る。
「可愛い声を出す。そんなに良かったのか」
喉の奥から絞り出すように笑ったアデルは、視線を天王寺に合わせる。
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