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6章『忘却編』

121「何度でも溺れよ」(R)

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俺は与えられる快感を受けながら、全力で窓から離れようと手を突っぱねた。
シートを思いっきり押したせいで、俺の身体は後ろに反り、そのまま天王寺を下敷きにして車の床に尻もちをつくような形で座席から落ちる。

「―――――っ?!」

天王寺の膝の上に乗るように落ちた俺は、中に入っていた天王寺に深く強く深部を突かれ、息を詰まらせて達してしまった。

「それほど欲しかったのか」

俺が天王寺を求めて、こんな行動にでたと勘違いした天王寺は、ズルリと自身を引き抜くと俺を床に押し倒してきた。

「ちがッ、……これは……や、待っ……あ!」

押し倒した俺の両足を開き足を抱えると、天王寺はすぐに熱を打ちつけてきた。イッたばかりの俺の身体は敏感で、打ちつけられる熱にただ浮かされる。
窓の外に走行車両の音が微かに響く。

「ヤダッ……外、誰かに……、あっ、見られ……ぁ、あ……っ」

両足を抱えられ、腰を揺すられれば内壁が擦られ、そこからまた熱が生まれる。俺は甘い声を抑えられないまま、天王寺を睨んでやった。
外から誰かに見られたかもしれないと、腹を立てて。
なのに、天王寺は怒る俺にふわっと笑みを浮かべやがったんだ。よぉ~く言っておくがお前と違って、俺は一般人! 露出狂でも変人でもない! 他人に見られるのなんか死んでもイ・ヤ・ダ。

「熱に浮かされ、潤んだ瞳も愛らしいぞ」

だぁ――っ、俺は怒ってんだ。
再度天王寺を睨めば、

「ああ、あ……っ……」

激しく腰を進めてきて、ガクガクと揺さぶるように何度も打ちつけてきた。
断続的に上がる声は、少し高い喘ぎ声。

「やッ、天王寺っ……外、外ヤダっ……っああ、ぁ」
「そのように心配せずともよい。窓には特殊な加工がしてあるがゆえ、外からは何も見えぬ」
「……でも……、やぁ、あ……奥、やっ……っあ」
「姫の可愛い顔も、淫らな姿も、誰かに見せるつもりなどない」

強く言った天王寺は、そのまま動きを止めることなく、俺を追い立てていき、床に敷かれた絨毯の短い毛に縋るように、俺はそれを掴んで悶える。

「あ、やめ、……あぁ……動くな……っ」
「私を見よ」

激しく揺さぶりながら、天王寺は自分を見ろと指示を出す。埋め込まれた火傷してしまいそうな熱が、内壁を抉り、粘膜を掻きまわしながら、奥を何度も穿つ。
押し出される声が、嬌声に代わり、狂おしい快感が全身を支配していく。

「あっあ、ぁあ……はっ、あ……熱い……」
「そなたを抱いているのが誰であるか、その身にしっかりと覚えよ」
「ぅん、ああっ、……ぁン、いっちゃ……っ……」

両膝を胸につくまで折り曲げた天王寺は、体重をかけながらドクドクと脈打つ塊でズンッと深く強く最奥を突いた。

「……姫、愛しておる、……ぅ……」
「い……っ、あ、っく――あぁ……っ!」

咥えこまされていた天王寺が一瞬大きく膨らむと、奥に熱いものが叩きつけられた。
びくびくと痙攣する身体を落ち着かせるように、口を開いて大きく呼吸すれば、天王寺がその口を塞ぐ。

「ぅン……ん、……やぁッ……待っ……だめ……ッ」

呼吸ごと奪うような激しいキスをしながら、天王寺は再度腰を進めてくる。
敏感になりすぎている俺の身体は、されるがまま卑猥に動いてしまう。感じすぎて死んじゃうと、涙が出て、俺は助けてほしいと天王寺に両手を伸ばしていた。

「愛しい、私の姫……」

蕩けるような甘い顔をした天王寺は、俺の両手を自分の肩へと誘い、ゆっくりと抱き起すと、下から突き上げるように動き出す。

「やっ……っぁ……ああッ」

上下に揺すぶられ、強制的に与えられる刺激に、俺はもう頭の中真っ白で、甘ったるい声を吐きながら、天王寺の肩に爪を立てていた。

「……ヘンにな、る……ッ……、もっ、ダメ……」
「私に狂えばよい。そなたは私だけのもの」
「やぁっ、いっちゃ……、……またいっちゃ、う、……」
「何度でも溺れよ」

打ちつけてくる旋律に合わせるように、俺は喘がされ、繋がった場所が擦れるたび、痺れるみたいな刺激が駆け抜けていく。
快楽に、天王寺に溺れていく自分が怖くて怖くて、俺は泣きながら縋る。

「もう、ヤダ……ぁ……天王寺、……怖い……」

引きずり出される快感が全身を襲う。持て余す熱を逃す術が見つからない。
感じすぎて怖いと言った俺の背に、天王寺は腕を回し優しく抱き寄せる。そして耳元に口を寄せると、甘く心地よい声色をくれる。

「心配せずともよい、私はここに、姫のそばについておる」
「ふぁ、っ……天王寺……っぁ……」
「離さぬ……、どのようなことがあっても、姫は私のものだ」
「……だったら……すな……、……俺を離すな……」
「姫っ」
「ぁああ――っ!」

一際強く突き上げられた瞬間、目の前がチカチカと明滅し、背中を弓なりに大きく逸らせて、俺は天王寺の服へ白濁とした液を放ってしまった。
同時に天王寺が大きく震え、中に熱い液を溢れるほど注ぎ込まれた。
俺は全身から力が抜け、天王寺にもたれかかったところで記憶が途切れた。
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