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5章『偏愛編』
100「二人しかおらぬ」(R)
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何考えてんだっ! そう叫びたかった俺は、振り返ろうとしてなぜか身体を東屋の手すりに押さえつけられた。
尻を天王寺に突き出すような格好を取らされ、俺はまさかここでするつもりじゃと、焦って暴れ出すが、いまだかつて力で天王寺に勝ったことはなく、結局力でねじ伏せられる。
「姫が欲しい」
「──ッ、ここどこだと思ってんだ!」
「二人しかおらぬ」
「そういう問題じゃ……なっ……何してんだッ……やぁっ」
両足を左右に開かれ、後ろに湿った感覚を感じ、俺は天王寺が何をしているのか分かってしまった。奥まった窄まりに舌を這わせている。
「い…やだっ、あっ……そんなと、こ……ひゃ、あっ……ん」
舐めんな、そう言いたかったのに、閉ざされたそこを溶かすように舌先を侵入させてきて、俺の拒絶の声は甘い喘ぎに変わってしまう。
「やだッ! ……汚いから……もう、っあ、……やっ、ぁ……」
そんな場所を舐められているという行為に、俺の羞恥心はもう限界だった。それなのに天王寺は止めることはなく、俺の前にまで手を伸ばしてきて、一度硬さを失ったそれをやんわりと再度包み込んできた。
天王寺に触られたらすぐに反応してしまって、また熱を帯びてしまった俺自身は、天王寺の手に弄ばれるようにまた高みへと導かれてしまう。
「この身体に触れてよいのは、私だけである」
「だからって、そんな場所……ぅあ……あ…っ」
「慣らさぬと辛いのは姫であるぞ」
「んぁ……っ、だ…め……だ……ぃやって……」
全身を喰いつくす熱が焼ける。舌を這わされ舌先を抜き差しされ、送り込まれてくる唾液の感触が淫らな音を立て、俺に上擦った声をあげさせる。
「あ! ぁ…あ……っ、ぁ」
手すりにしがみつくように抱きつく俺は、天王寺が湿らせた指を挿入してきたことで、大きくのけ反った。
「まだ一本しか入っておらぬぞ」
「ぃや……ッ、……」
「大人しくしておれ、姫を傷つけたくはない」
そう言った天王寺は、逃げる俺の腰をしっかりと捕えて、指で入り口を広げてくる。
「……や、……だ……っ、抜いて……あぁ」
俺の言葉なんか全然聞かず、天王寺は湿らせたそこへ指を突き立て、中を擦るように掻き回す。出入りされる指の感覚に身体がわずかに強張るが、そこはゆっくりと徐々に溶かされていき、天王寺の指を受け入れていく。
俺は指が増やされたことにも気づかないまま、ただ甘い声を外へ響かないように必死に指を咥えた。夜の東屋にくぐもった声が籠る。
「んぅ……ぅぅ……」
「何をしておるのだ、姫」
突然聞こえなくなった俺の声に、天王寺が指を挿入したまま背後から俺を覗き込み、事情を把握して俺の腕を掴んで少し強引に引き離す。とたんに声が溢れてしまう。
「あっ、ぁぁン……」
「指を噛むでない。傷になったらどうするつもりなのだ」
「声……でちゃ…ぅ……から……ひゃぁ……んんん…ッ」
外なのに声が抑えられないと白状した俺の中にあった指が、折り曲げられ俺のいいところを強く刺激し、悲鳴のような声が喉を出てしまった。けれどその声は公園に響くことはなく、天王寺の手のひらで抑え込まれた。
「夜の闇にも眠る草木にも聞かせたくないと申すのなら、私が塞ぐ」
だから自分の指を噛むようなことはしないで欲しいと、天王寺は声を出した。
俺の口を手のひらで覆った天王寺は、抜き差ししていた指を引き抜き、代わりにその場所に熱い塊が押し当てられる。
「いっ、ぁあ…っ」
ぐっと腰を掴まれ、その先端が確実に奥に埋め込まれていく。
「……く、息を止めるでない」
「あ……っ、やッ……」
指とは比べ物にならないほどの質量に、粘膜が引きつる痛みを伴い、俺は息が詰まる。火傷しそうなほど脈打つ天王寺の昂ぶりは、慎重に進んでくるが、その圧迫感は拭い去れず俺は止めるなと言われた息を止めてしまう。
「姫、……声を。……私が誰にも聞かせぬ、だから声を」
息を止めるなと、天王寺の声が響き、背後から貫く身体を抱きしめながら、天王寺が俺の口元に自分の腕を差し出す。
「ぅあ…ッ、ああっ……んぐぅぅ……」
律動を速めてきた天王寺の動きに、俺の身体は揺さぶられ、奥にその熱を感じてしまい高い声が上がりそうになり、差し出されたその腕に噛みついてしまった。
声をあげた俺を確認すると、天王寺は穿たれた屹立を抜ける寸前まで引き抜き、内壁を抉るように一気に突き上げる。
「ああっ、んぅ……ん──っ」
擦り上げられる快感に跳ねるように背を弓なりに撓らせ、俺は天王寺の腕に噛みつきながら声を殺して、手すりに縋るように手をつく。
腰を突き出すような態勢のまま、天王寺は中を掻き回すように動き、奥を執拗に突き上げ、俺は腰が溶けていくような感覚を覚える。
「あぁ……ッン、……ぃ、……」
「ここがよいのか」
「……そこ……っ、やッ……」
ゆっくりと深く抉られた場所から、砕けてしまいそうな痺れが全身を襲い、俺は目じりに涙を浮かべた。後ろから優しく強く抱きしめる天王寺と繋がった場所が溶け合っていく。
擦られる摩擦に熱が生まれ、震える腰を強く引かれる。
「愛しておる」
引き寄せられた瞬間、天王寺が耳元でそう囁いた。
「ふっ……あ、ぁ、……っあ」
「……そなたを愛しておる」
「やぁ、っ……言う…な」
「私が愛する者は、姫ただ一人である」
ドクドクと脈打つ塊を打ちつけながら、天王寺は俺に愛を囁き続ける。愛してると包まれるたびに、俺の心が色づいていく。染まってはダメだとわかっているのに、天王寺に告げられるたびに、俺はいつもその言葉を恥ずかしくも期待してしまう。
卒業するまでの期間限定の恋人同士。
なのに……。
尻を天王寺に突き出すような格好を取らされ、俺はまさかここでするつもりじゃと、焦って暴れ出すが、いまだかつて力で天王寺に勝ったことはなく、結局力でねじ伏せられる。
「姫が欲しい」
「──ッ、ここどこだと思ってんだ!」
「二人しかおらぬ」
「そういう問題じゃ……なっ……何してんだッ……やぁっ」
両足を左右に開かれ、後ろに湿った感覚を感じ、俺は天王寺が何をしているのか分かってしまった。奥まった窄まりに舌を這わせている。
「い…やだっ、あっ……そんなと、こ……ひゃ、あっ……ん」
舐めんな、そう言いたかったのに、閉ざされたそこを溶かすように舌先を侵入させてきて、俺の拒絶の声は甘い喘ぎに変わってしまう。
「やだッ! ……汚いから……もう、っあ、……やっ、ぁ……」
そんな場所を舐められているという行為に、俺の羞恥心はもう限界だった。それなのに天王寺は止めることはなく、俺の前にまで手を伸ばしてきて、一度硬さを失ったそれをやんわりと再度包み込んできた。
天王寺に触られたらすぐに反応してしまって、また熱を帯びてしまった俺自身は、天王寺の手に弄ばれるようにまた高みへと導かれてしまう。
「この身体に触れてよいのは、私だけである」
「だからって、そんな場所……ぅあ……あ…っ」
「慣らさぬと辛いのは姫であるぞ」
「んぁ……っ、だ…め……だ……ぃやって……」
全身を喰いつくす熱が焼ける。舌を這わされ舌先を抜き差しされ、送り込まれてくる唾液の感触が淫らな音を立て、俺に上擦った声をあげさせる。
「あ! ぁ…あ……っ、ぁ」
手すりにしがみつくように抱きつく俺は、天王寺が湿らせた指を挿入してきたことで、大きくのけ反った。
「まだ一本しか入っておらぬぞ」
「ぃや……ッ、……」
「大人しくしておれ、姫を傷つけたくはない」
そう言った天王寺は、逃げる俺の腰をしっかりと捕えて、指で入り口を広げてくる。
「……や、……だ……っ、抜いて……あぁ」
俺の言葉なんか全然聞かず、天王寺は湿らせたそこへ指を突き立て、中を擦るように掻き回す。出入りされる指の感覚に身体がわずかに強張るが、そこはゆっくりと徐々に溶かされていき、天王寺の指を受け入れていく。
俺は指が増やされたことにも気づかないまま、ただ甘い声を外へ響かないように必死に指を咥えた。夜の東屋にくぐもった声が籠る。
「んぅ……ぅぅ……」
「何をしておるのだ、姫」
突然聞こえなくなった俺の声に、天王寺が指を挿入したまま背後から俺を覗き込み、事情を把握して俺の腕を掴んで少し強引に引き離す。とたんに声が溢れてしまう。
「あっ、ぁぁン……」
「指を噛むでない。傷になったらどうするつもりなのだ」
「声……でちゃ…ぅ……から……ひゃぁ……んんん…ッ」
外なのに声が抑えられないと白状した俺の中にあった指が、折り曲げられ俺のいいところを強く刺激し、悲鳴のような声が喉を出てしまった。けれどその声は公園に響くことはなく、天王寺の手のひらで抑え込まれた。
「夜の闇にも眠る草木にも聞かせたくないと申すのなら、私が塞ぐ」
だから自分の指を噛むようなことはしないで欲しいと、天王寺は声を出した。
俺の口を手のひらで覆った天王寺は、抜き差ししていた指を引き抜き、代わりにその場所に熱い塊が押し当てられる。
「いっ、ぁあ…っ」
ぐっと腰を掴まれ、その先端が確実に奥に埋め込まれていく。
「……く、息を止めるでない」
「あ……っ、やッ……」
指とは比べ物にならないほどの質量に、粘膜が引きつる痛みを伴い、俺は息が詰まる。火傷しそうなほど脈打つ天王寺の昂ぶりは、慎重に進んでくるが、その圧迫感は拭い去れず俺は止めるなと言われた息を止めてしまう。
「姫、……声を。……私が誰にも聞かせぬ、だから声を」
息を止めるなと、天王寺の声が響き、背後から貫く身体を抱きしめながら、天王寺が俺の口元に自分の腕を差し出す。
「ぅあ…ッ、ああっ……んぐぅぅ……」
律動を速めてきた天王寺の動きに、俺の身体は揺さぶられ、奥にその熱を感じてしまい高い声が上がりそうになり、差し出されたその腕に噛みついてしまった。
声をあげた俺を確認すると、天王寺は穿たれた屹立を抜ける寸前まで引き抜き、内壁を抉るように一気に突き上げる。
「ああっ、んぅ……ん──っ」
擦り上げられる快感に跳ねるように背を弓なりに撓らせ、俺は天王寺の腕に噛みつきながら声を殺して、手すりに縋るように手をつく。
腰を突き出すような態勢のまま、天王寺は中を掻き回すように動き、奥を執拗に突き上げ、俺は腰が溶けていくような感覚を覚える。
「あぁ……ッン、……ぃ、……」
「ここがよいのか」
「……そこ……っ、やッ……」
ゆっくりと深く抉られた場所から、砕けてしまいそうな痺れが全身を襲い、俺は目じりに涙を浮かべた。後ろから優しく強く抱きしめる天王寺と繋がった場所が溶け合っていく。
擦られる摩擦に熱が生まれ、震える腰を強く引かれる。
「愛しておる」
引き寄せられた瞬間、天王寺が耳元でそう囁いた。
「ふっ……あ、ぁ、……っあ」
「……そなたを愛しておる」
「やぁ、っ……言う…な」
「私が愛する者は、姫ただ一人である」
ドクドクと脈打つ塊を打ちつけながら、天王寺は俺に愛を囁き続ける。愛してると包まれるたびに、俺の心が色づいていく。染まってはダメだとわかっているのに、天王寺に告げられるたびに、俺はいつもその言葉を恥ずかしくも期待してしまう。
卒業するまでの期間限定の恋人同士。
なのに……。
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