2 / 3
ep2.それはティータイムのように
しおりを挟む
くすぐったい、それに、なんか温い。
私は違和感で目が覚めた。
「タロ……あ、おはよう。」
キーが私の寝間着をまくり上げ、胸をなめていた。
「こら、こら……!同意なしに性的なことをするんじゃない!
イギリスの動画見せたでしょ?性行為はティータイムと同じだって!」
ぽかん、とした様子でこちらを見ているキー。私は慌てふためいた様子で説明を続ける。
「気を失ってる人や飲みたがらない人に紅茶を無理に飲ませないでしょ?」
「あ、そういうことか。ごめん。」
キーは申し訳なさそうにして、私の寝間着を下げた。
……今気づいたが、脚にキーの張りつめた息子が当たっている。
「……ごめん、キーちゃん。触ってあげたり、応えてあげることはできないよ」
「いいよ。もしかして、僕が嫌いになった?」
「なってない。なってないけど、君未成年だろ」
「タロだってまだ18になってないじゃん」
あれ?まだ18になってない?もしかして私の小説、非合法だった???
と、そんなことが頭をぐるぐると駆け巡った。(どのみち攻めが未成年なのだが、キスしかしていないので一応合法のはずだ)
「タロ、タロ……?どうしたの?」
「あ、いや、なんでもない」
「じゃあ、キスならいい?」
「だめ」
「なんで……。昨日まであんなにキスしてくれたのに……」
キーは寂しそうにうつむいた。私はたまらず白状した。
「キーちゃん、よく聞いて。私はこの物語の作者なの。タロじゃない。アカリだよ」
「は……?」
キーちゃんは真顔になって、私をみおろした。
「アカちゃんなの……?」
私はその呼び方に違和感を持った。確かその呼び方は、
「もしかして、あなたはヨシエさん……?」
腐女子仲間の、ヨシエしかその呼び方では私を呼ばない。
*
紅茶を入れ、改めてキーことヨシエと話をしようとした。
「驚いた。タロかと思ったらアカちゃんだったとは」
「ヨシエこそ。てかなんでキーになってんの。」
ヨシエはキーの姿で、気まずそうに紅茶を飲んでいた。
「わかんない。気が付いたらこの姿で、タロに絆されてた。いつからここに?」
「昨日から。ロリータ服割いてそのまま眠ってるシーンから」
「よかった。私アンタとヤってない」
「ヤってたまるか!w」
ケラケラ私たちは笑っていたが、それどころではない。
「どうやって帰ろう……。」
「問題はそこよね。私はお酒を飲んでたらキーになってた」
「わたしもタロに。たしかチューハイ飲んでて」
「酒……そうだ、ちょっと待ってて」
ヨシエはどこからか菓子用のブランデーのボトルを持ってきた。
「飲もう」
「……うん」
二人でグラスにブランデーを注ぎ、一気に飲み干した。苦い。
そのまま倒れこむようにソファーベッドへなだれ込んだ。
*
「あーあー……頭痛い。」
日が昇るころには、酔いも目も覚めていた。
ただ、未成年の体にはブランデーはきつかったようだ。
「今日休みでよかったよ…そうだ!ヨシエ!ヨシエおきて!?」
私はキーの体をゆすった。
キーは頭を押さえながら上半身を起こすと、
「タロ、どうしたの?ヨシエってだれ?」
と言っていた。どうやら、ヨシエはどこかに行ってしまったらしい。
「ヨシエー?!」
「だから、ヨシエって誰?」
「あなたのなまえは?!」
「キー。角野啓。」
「あー!」
私が混乱していると、無理やりキスされた。人生初のキス。いや、タロは何回目なんだろう?
ヨシエは無事に帰れたのか?それとも、酒の勢いで見た夢?
今は舌で舌を感じて、しびれるような感覚にめまいを起こしていた。
意識が遠のく。
「大丈夫?!タロ、タロ!」
キーの声がむなしく部屋に響いた。朝日が部屋の窓から差し込む。
私は違和感で目が覚めた。
「タロ……あ、おはよう。」
キーが私の寝間着をまくり上げ、胸をなめていた。
「こら、こら……!同意なしに性的なことをするんじゃない!
イギリスの動画見せたでしょ?性行為はティータイムと同じだって!」
ぽかん、とした様子でこちらを見ているキー。私は慌てふためいた様子で説明を続ける。
「気を失ってる人や飲みたがらない人に紅茶を無理に飲ませないでしょ?」
「あ、そういうことか。ごめん。」
キーは申し訳なさそうにして、私の寝間着を下げた。
……今気づいたが、脚にキーの張りつめた息子が当たっている。
「……ごめん、キーちゃん。触ってあげたり、応えてあげることはできないよ」
「いいよ。もしかして、僕が嫌いになった?」
「なってない。なってないけど、君未成年だろ」
「タロだってまだ18になってないじゃん」
あれ?まだ18になってない?もしかして私の小説、非合法だった???
と、そんなことが頭をぐるぐると駆け巡った。(どのみち攻めが未成年なのだが、キスしかしていないので一応合法のはずだ)
「タロ、タロ……?どうしたの?」
「あ、いや、なんでもない」
「じゃあ、キスならいい?」
「だめ」
「なんで……。昨日まであんなにキスしてくれたのに……」
キーは寂しそうにうつむいた。私はたまらず白状した。
「キーちゃん、よく聞いて。私はこの物語の作者なの。タロじゃない。アカリだよ」
「は……?」
キーちゃんは真顔になって、私をみおろした。
「アカちゃんなの……?」
私はその呼び方に違和感を持った。確かその呼び方は、
「もしかして、あなたはヨシエさん……?」
腐女子仲間の、ヨシエしかその呼び方では私を呼ばない。
*
紅茶を入れ、改めてキーことヨシエと話をしようとした。
「驚いた。タロかと思ったらアカちゃんだったとは」
「ヨシエこそ。てかなんでキーになってんの。」
ヨシエはキーの姿で、気まずそうに紅茶を飲んでいた。
「わかんない。気が付いたらこの姿で、タロに絆されてた。いつからここに?」
「昨日から。ロリータ服割いてそのまま眠ってるシーンから」
「よかった。私アンタとヤってない」
「ヤってたまるか!w」
ケラケラ私たちは笑っていたが、それどころではない。
「どうやって帰ろう……。」
「問題はそこよね。私はお酒を飲んでたらキーになってた」
「わたしもタロに。たしかチューハイ飲んでて」
「酒……そうだ、ちょっと待ってて」
ヨシエはどこからか菓子用のブランデーのボトルを持ってきた。
「飲もう」
「……うん」
二人でグラスにブランデーを注ぎ、一気に飲み干した。苦い。
そのまま倒れこむようにソファーベッドへなだれ込んだ。
*
「あーあー……頭痛い。」
日が昇るころには、酔いも目も覚めていた。
ただ、未成年の体にはブランデーはきつかったようだ。
「今日休みでよかったよ…そうだ!ヨシエ!ヨシエおきて!?」
私はキーの体をゆすった。
キーは頭を押さえながら上半身を起こすと、
「タロ、どうしたの?ヨシエってだれ?」
と言っていた。どうやら、ヨシエはどこかに行ってしまったらしい。
「ヨシエー?!」
「だから、ヨシエって誰?」
「あなたのなまえは?!」
「キー。角野啓。」
「あー!」
私が混乱していると、無理やりキスされた。人生初のキス。いや、タロは何回目なんだろう?
ヨシエは無事に帰れたのか?それとも、酒の勢いで見た夢?
今は舌で舌を感じて、しびれるような感覚にめまいを起こしていた。
意識が遠のく。
「大丈夫?!タロ、タロ!」
キーの声がむなしく部屋に響いた。朝日が部屋の窓から差し込む。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
モノクロスカイ-年下の友達とBLっぽくなる話-
よくうつ
BL
高校生・山田太郎は二歳下の角野啓と、真冬の学校の屋上に閉じ込められてしまった。漆黒の墨汁のような空に浸りながら、空気は冷えていく。その時二人がとった行動は―?!
BLっぽい友情の話です。女性の皆様、お待たせいたしました。webの再録ですがお楽しみください。
普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。
山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。
お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。
サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。
王道学園なのに、王道じゃない!!
主食は、blです。
BL
今作品の主人公、レイは6歳の時に自身の前世が、陰キャの腐男子だったことを思い出す。
レイは、自身のいる世界が前世、ハマりにハマっていた『転校生は愛され優等生.ᐟ.ᐟ』の世界だと気付き、腐男子として、美形×転校生のBのLを見て楽しもうと思っていたが…
いじめっこ令息に転生したけど、いじめなかったのに義弟が酷い。
えっしゃー(エミリオ猫)
BL
オレはデニス=アッカー伯爵令息(18才)。成績が悪くて跡継ぎから外された一人息子だ。跡継ぎに養子に来た義弟アルフ(15才)を、グレていじめる令息…の予定だったが、ここが物語の中で、義弟いじめの途中に事故で亡くなる事を思いだした。死にたくないので、優しい兄を目指してるのに、義弟はなかなか義兄上大好き!と言ってくれません。反抗期?思春期かな?
そして今日も何故かオレの服が脱げそうです?
そんなある日、義弟の親友と出会って…。
BLゲームの脇役に転生した筈なのに
れい
BL
腐男子である牧野ひろはある日、コンビニに寄った際に不慮の事故で命を落としてしまう。
その朝、目を覚ますとなんと彼が生前ハマっていた学園物BLゲームの脇役に転生!?
脇役なのになんで攻略者達に口説かれてんの!?
なんで主人公攻略対象者じゃなくて俺を攻略してこうとすんの!?
彼の運命や如何に。
脇役くんの総受け作品になっております。
地雷の方は回れ右、お願い致します(* . .)’’
随時更新中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる