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露天風呂

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「タロ、綺麗だね。お空」

露天風呂。


キーと、ボク。

キーの痩せた四肢がぼうっとしろく浮かんでる。
ふぅ、と吐いた息が湯気に混じって消えた。
空は漆黒の闇に夕方の青が少し混じっていて、キレイ。

「お外なのになんだか寂しくないね。お湯…あついけどきもちいい…」

少しのぼせ気味の僕ら。
キーの頬が少し赤く染まっていて、なんだかぬいぐるみみたいでかわいい。

「あつい…」
「キー、のぼせてない?」
「のぼせた…」
「だめじゃん」

くたー、と僕に寄りかかったキーは熱くて、半目で少し辛そうだった。

キーを引き上げてバスタオルでくるんでやった。
僕は腰だけだから、あついようなさむいような。
熱が逃げるのが心地よい。

「あつーぅ」
「キーチャン無理するから…」

倒れそうなキーがもたれ掛かってきた…微妙な暖かさと体重に幸せを感じた。

「タロー。あつさむいよぅ」
「わけわかんないよ」

ぽーっとしてしまった友人の体を支えつつ、暮れゆく空と水の音、夜の香りを感じていた。
なんだか止まっているような、でもゆったり流れるような…
青が好きな僕には最高な気分だった。
いつもとちがうのは、暖かい友人がいること。

ふと気がついたら友人・キーが風呂に入ろうとしていた。

「キーチャン、また入るの?」
「うん。あとで牛乳のむ。タロもね?」
「今じゃなくて?」
「今はタロとお風呂であったまるの。ゆざめしちゃうから」

キーは僕より体が小さいから、早く冷めてしまったのだろう。
きゅ と抱きしめて、また仲良く入った。
白い星が輝いている。
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