1 / 1
懐かしい人
しおりを挟む
しゃりしゃり
と
鳴る
土手の上の
ノスタルジア
足の裏に
空と剥離した
太陽を感じて
匂いのない川が
鳥のように
地面を這っていく
騒々しい下流の
伸びていく松の枝
その日の当たらない影に
私の実家はあった
水と水の表面張力のように
思い出の中のあなたは
私をいつだって溺死させる
懐かしい人
久しぶりの邂逅に
遠くに見える月が割れる
背中に張り付いた真っ赤な手形
それを見る度に
私はいつかの海を思い出す
懐かしい人
真夜中の虫にように
無意識に打つ寝返りが
夜空に浮かぶ魚を捕まえて
キラキラと光る鱗に
苦しかった過去を反射する
懐かしい人
死んだ兄を思い出すとき
どこからともなく鳴る音は
太陽が殺す影の音か
しゃりしゃりしゃりしゃりと
ああ涙の人
と
鳴る
土手の上の
ノスタルジア
足の裏に
空と剥離した
太陽を感じて
匂いのない川が
鳥のように
地面を這っていく
騒々しい下流の
伸びていく松の枝
その日の当たらない影に
私の実家はあった
水と水の表面張力のように
思い出の中のあなたは
私をいつだって溺死させる
懐かしい人
久しぶりの邂逅に
遠くに見える月が割れる
背中に張り付いた真っ赤な手形
それを見る度に
私はいつかの海を思い出す
懐かしい人
真夜中の虫にように
無意識に打つ寝返りが
夜空に浮かぶ魚を捕まえて
キラキラと光る鱗に
苦しかった過去を反射する
懐かしい人
死んだ兄を思い出すとき
どこからともなく鳴る音は
太陽が殺す影の音か
しゃりしゃりしゃりしゃりと
ああ涙の人
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
詩「春の影」
有原野分
現代文学
・詩と思想2024年7月号の佳作に選ばれた作品です。
※2024年4月の作品です。
読んでいただけると幸いです。
いいね、スキ、フォロー、シェア、コメント、サポート、支援などしていただけるととても嬉しいです。
これからも応援よろしくお願いします。
詩「青い夜」
有原野分
現代文学
※2022年8月の作品です。
読んでいただけると幸いです。
いいね、スキ、フォロー、シェア、コメント、サポート、支援などしていただけるととても嬉しいです。
これからも応援よろしくお願いします。
あなたの人生の
貴重な時間をどうもありがとう。
詩「昭和のカラス」
有原野分
現代文学
※2022年9月の作品です。
読んでいただけると幸いです。
いいね、スキ、フォロー、シェア、コメント、サポート、支援などしていただけるととても嬉しいです。
これからも応援よろしくお願いします。
あなたの人生の
貴重な時間をどうもありがとう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる