1 / 1
真夜中の幽霊
しおりを挟む
真夜中に幽霊が出る理由は
きっと寂しさに酔いたいからなのです。
地上すれすれの空間で
ぶつかり合う雨の音
静寂として切り取ればいいのか
惰性として切り取ればいいのか
空の定義を私はまだ知らないので
水没した街を想像しながら
あなた以外の思い出を
深く
光の届かない場所に
そっと置き去りにして
「幸せとは
日々目の前の人に届けた
感謝の相対的な跳ね返りなのよ」
彼女が教えてくれた
夕暮れの言葉は
太陽の光を吸い込んだ
形のない布団のように
頭の中に広がっていく宇宙のように
手の届かない深海のように
そっと膨らんでいく
「ほら
夕暮れの風に乗って
一羽の鳥が
頭の上を飛んでいったわ」
その方角を
ベランダから
家族揃って
ただ
見つめる
そんな未来がやってくる
「真夜中に幽霊が出る理由は
きっと寂しさに酔いたいからなのです。
きっと寂しさに酔いたいからなのです。
地上すれすれの空間で
ぶつかり合う雨の音
静寂として切り取ればいいのか
惰性として切り取ればいいのか
空の定義を私はまだ知らないので
水没した街を想像しながら
あなた以外の思い出を
深く
光の届かない場所に
そっと置き去りにして
「幸せとは
日々目の前の人に届けた
感謝の相対的な跳ね返りなのよ」
彼女が教えてくれた
夕暮れの言葉は
太陽の光を吸い込んだ
形のない布団のように
頭の中に広がっていく宇宙のように
手の届かない深海のように
そっと膨らんでいく
「ほら
夕暮れの風に乗って
一羽の鳥が
頭の上を飛んでいったわ」
その方角を
ベランダから
家族揃って
ただ
見つめる
そんな未来がやってくる
「真夜中に幽霊が出る理由は
きっと寂しさに酔いたいからなのです。
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
詩「父と温泉」
有原野分
現代文学
・2023金澤詩人賞に掲載された作品です。
※2023年3月の作品です。
読んでいただけると幸いです。
いいね、スキ、フォロー、シェア、コメント、サポート、支援などしていただけるととても嬉しいです。
これからも応援よろしくお願いします。
詩「春の影」
有原野分
現代文学
・詩と思想2024年7月号の佳作に選ばれた作品です。
※2024年4月の作品です。
読んでいただけると幸いです。
いいね、スキ、フォロー、シェア、コメント、サポート、支援などしていただけるととても嬉しいです。
これからも応援よろしくお願いします。
詩「夕立」
有原野分
現代文学
・詩人会議2024年1月号に入選した作品です。
※2023年8月の作品です。
読んでいただけると幸いです。
いいね、スキ、フォロー、シェア、コメント、サポート、支援などしていただけるととても嬉しいです。
これからも応援よろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる