異世界ヒーロープリティ☆デビル~魔族と組んで腐った王政から民を救います!~

ふぃる汰

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41話 その幻想をぶち壊せ

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「ボウギャアアアアク!!!!」


「うわっなんだアレ!?」


 ボウギャーク出現アラームを聞きつけて急いで第7エリアへとやってきた俺たち。
そこには、まるで大仏のような巨大な石像が第7エリアの街を破壊し続けるという非常にインパクトのある光景が広がっていた。
さすがにこの事態では警備も機能していないのか、第8エリアと第7エリアを遮る壁門も素通りできた。
一応第7エリアだとお尋ね者だからね、俺たち。


「あれは……ハーピィエルフ様ですの!」


「いやあれが信仰対象だったらもう邪教もいいところだぞあんたら」


 めちゃめちゃ破壊の限りを尽くしてるんだよなあ。
あんなのが正教であってたまるか。


「いえ、そうではなくてですね、あの石像は第7エリアの大教会に置かれていたハーピィエルフ様の像なんですの」


「ああ、管理局に押収されたっていう……」


「なるほどルナ、それを管理局の連中がボウギャークに改造したんだルナ」


「まったく、卑劣な手を使いおってからに」


「ひれつだ~!」


 フレイムは良く分かってないで言ってるだろ絶対。
まあそれはそれとして、たしかに卑劣な手ではある。
信仰対象の石像が暴れまわっていても破壊するのはバチが当たりそうだもんな。


「まあ無宗教の俺には関係ねえけどな!」


「拙者もじゃ!」


「フレイムは良くわかんない!」


「いくぜみんな!」


「「「プリデビ☆トランスフォーム!!」」」


 キラキラキラキラ♪テッテッテレレレー♪


「あ、フルで変身バンク流すの久々じゃない?」


「そろそろクライマックスだから一応やっとくルナ」


 パアアアアアアアアアアア……!!


「ジメジメ人生に一筋の光! 毎日が日曜日! デビル☆サンデー!」


「地獄の沙汰もキラキラ次第! 無敵の土曜日! デビル☆サタデー!」


「子供はもふもふ、大人は火の海! 灼熱の火曜日! デビル☆チューズデー!」


「「「異世界ヒーロープリティ☆デビル! 見参!!」」」


 __ __


「おらっくらえ!! サンデーウルトラハイパーミラクルドロップキイイイック!!」


 ドガッ!!!!


「ボ、ボウギャークッ!!」


「くたばるのじゃっ!! サタデーデストロイヘルズ右ストレート!!」


 ボガッ!!!!


「ボウギャクッ!!」


「いっけ~!! フレイムローリングロケット~!!」


 ギュイイイイイイン!!!!


「ボッ!?」


 的がデカいので俺たちの攻撃も食らわせ放題だ。てかフレイムのなんちゃらロケットとかいうやつマジでエグイな。
頭突きで回転しながらボウギャークに突っ込んでったぞ。


「ボウ、ボウギャーク……」


「結構効いておるようじゃの。見た目はデカいがそこまで頑丈ではないようじゃ」


「よーし、このまま削りまくってぶっ倒そ」


「やめてえええええですのおおおおお!!!!」


「うわっ!!」


 ゴン!!!!


「サンデー、大丈夫?」


「顔面からいったのじゃ。あれは地獄突きの痛みじゃな」


 ボウギャークに向かって飛び出そうとしたところ、ハイドロに足を掴まれてそのまま顔面から地面にダイブしてしまった。
正直めちゃめちゃ痛い。鼻折れてないよね?


「な、なにすんだハイドロ……」


「ハーピィエルフ様を攻撃しないでですの~!!」


「いや、あれは管理局の奴らに操られてだな……」


「そんなの信じないですの!! きっとなにかお怒りになっていることをわたくしたちに伝えようとしてるんですの!!」


「あ~……? 伝えようとしてるだあ?」


「ほら、耳を澄ませるですの。ハーピィエルフ様の嘆きの声が……」


「うわっ街がめっちゃめちゃじゃ~ん! ウケるんですけど(笑)」


 なんか古のJKみたいな口調の声が聞こえたな。


「なっ!? 誰ですの!?」


「誰ですのっ!? っと聞かれたら~答えてあげるが世の情け~」


「いやロ〇ット団かよ」


「ども~★ 第7エリア管理局責任者、モッツァレルちゃんで~す★」


 ハーピィエルフ像が壊した建物の上に座っている一人の若作りをした女性がヒラヒラとこちらに手を振っている。
なんか頑張ってるけど多分アラフォーとかだなアレは。わりい、やっぱキチイわ。


「あれが第7エリアのボスってことか」


「ババアじゃババア」


「あはははは! ばばー!」


「オイゴルァだれだババアっつったやつはァ!!」


「チューズデーじゃないよ! チューズデーじゃないよ!」


「あっこらチューズデー! 拙者にだけ罪を擦り付けるでない!!」


「俺は美魔女って言いました」


「貴様もなにしれっと嘘ついとんじゃ!!」


「デビル☆サタデー……ちょっと若いからって調子に乗って~! ギルティ!!」


 やれやれ、若さの妬みは恐ろしいぜ。


「モッツァレル! ハーピィエルフ様返してくださいですの!」


「ウチに様を付けろよクソシスターがよお!! コイツはもうボウギャークになっちまったから無理だよお~!!」


「許せねえですの! 許せねえですの!」


「なあハイドロ、もうあれはお前の知ってるハーピィエルフ様じゃねえんだ。もうぶっ壊すしかねえんだ」


「うう……」


「一緒にモッツァレル、ぶん殴ろうな」


「わかりましたの」


「ちょっとちょっと~!」


 次回、ハイドロとモッツァレルの激アツキャットファイト! お楽しみに!


「やらないわよ!」
「やらないですの!」


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