SweeT&BitteR ~甘く甘く 時に苦く 僕らは恋をする~

樹々

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番外編

3-11

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「…………!! ん……ぅん……ぁふっ! ……んっ」

 深いキスが舞い降りた。割って入った舌が俺の口内を温めてくる。奥に引っ込んだ俺の舌に、優しく絡めてきた。

 唇も、手も、震えてしまう。

 優しく、深い大人のキスにプルプルした俺を抱き締めるように、体を寄せた修治さんは腰に手を触れさせてきた。

 そうして、俺のトランクスを引き下ろしてくる。いくら布団を被っているとはいえ、恥ずかしさに身が竦んだ。

「……ぅう……!」

 見ないで欲しい。

 きっと、そこは大変なことになっているから。

 体が熱くて、溶けてしまいそうだ。

 修治さんのモノを握ったまま、動かすこともできなくて。

 ベッドに沈んでいた俺は、握っていたモノと、俺のモノが、触れ合った事に全身が熱く火照った。

「……ぁ……!」

「最後まで……しない……約束は……守る……でも……!」

 大きな修治さんの手が、俺と彼のモノを一緒に合わせてくる。たったそれだけで、そこに熱が集中していくのが分かった。

 体が竦んだ。恥ずかしくてたまらない。



 でも。



 なんだろう。



 嬉しくて仕方がない……!



 修治さんの目が、俺だけを見ている。

 俺だけを感じている。

 俺を、求めている。

「君が好きすぎて……体が壊れてしまいそうだよ……!」

 重なった唇が離れてしまわないよう、修治さんの首に抱き付いた。温かい手に包まれて、俺の体も感じていく。

 一緒に握られたそれは、二人分の興奮で立ち上がっている。

 一生懸命、キスに応えた。絡まる唾液も、より一層、煽ってくる。



 好きだ。



 修治さんが好きだ。



「……ん……大好き……修治さん……」

「僕も……君が大好き」

 鼻先を触れ合わせたまま笑い合った。

 修治さんの目は雄の目をしていて。

 きっと俺も、同じ目をしているのだろう。

 ギュッと背中を抱き締めた俺は、彼が促してくれるままに達した。二人分の興奮が、ベッドを包み込んでいる。

 滲み出た汗が全身を濡らした。一気に脱力した体を抱き締めてくれる。

「……大介に、怒られるかな」

 ちょっとだけ心配そうに言う修治さんに、大丈夫だと笑って見せる。

「俺、負けないから」

「……頼もしいな」

 俺の黒髪を掻き上げた修治さんが布団を捲っている。お互い凄い姿だと、噴き出してしまった。

「お風呂入ろう」

「……良いの?」

「うん。素喜君のおかげで、息子さんは満足したみたい。もう少し我慢できるって」

 面白い言い方に、また噴き出してしまう。俺も修治さんも、我慢しすぎて、お互いを意識しすぎていたみたいだ。

「時々、お手伝いするよ」

 ベッドから降りながら言った。これくらいなら、兄だって何も言わないだろう。自分は純と、今頃きっと、大人の関係を結んでいるはずだから。

 俺だって、エッチは駄目でも、エッチの練習はしたい。

 男だし。

 修治さんが好きだし。

 きっと良いはずだ。

「だから、お泊まりして良い……?」

 振り返りながら言った。我慢できない時はお手伝いをするから、お泊まりさせてほしい。俺の体に反応してくれるのなら、それは嬉しいことだ。

 あんなになるまで我慢しなくて良い。

 俺が解放してあげる!

 照れながら笑ったけれど。

「…………あれ。修治さん?」

 彼は腰を丸めて蹲っていた。ベッドの端にしがみついている。

「修治さん? 修治さん?」

 ゆさっと肩を揺さぶれば、赤い目が俺を見上げた。

「……息子さんが……元気になりました」

「…………!!」

「もう……! 僕のど真ん中ストライクゾーンに決めすぎ……!!」

 そう言った修治さんは、俺を抱き上げるとベッドに戻した。

 熱い、男の目が、雄の目に戻って、俺を見つめている。

「…………お手伝い……お願いして良い?」

 揺れる眼差しに、息を飲み込み凝視した。



 キュ~~~~ン……パアアァァァァァ~~…………!!



 俺の中の何かが開けた気がした。

 キュッと唇を引き結びながら、強く頷いた。

「俺が……してあげる!」

「……うん」

 自分から修治さんを抱き寄せると、熱いそこに手を当てた。

 修治さんの熱は、俺をとても温めた。





 弟が確実に大人への道を進んでいる事を知らない大介は、純ととろけるホワイトデーを過ごし。

 一方、大人に憧れる素喜は、修治とちょっぴり大人になって、とろけるホワイトデーを過ごした。



 甘い、あま~い二組のカップル達は。



 それぞれの想いを噛み締めながら、とろける夜を過ごした。


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