SweeT&BitteR ~甘く甘く 時に苦く 僕らは恋をする~

樹々

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番外編

3-7

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***


 修治と素喜がもどかしい夜を過ごしている頃。




 エロくさいんだよ……!



 エロくさすぎんだよ……!!



「こら……そんな……激しくするなって……」

「ぅ……うるせぇ……!」

「もっと……ちゃんとしろって……」

 ビジネスホテルの、決して明るくはない明かりの下で、純が跨っている。

 俺の腹の上に。

 繋がった場所は火が点いているみたいに熱くてたまらない。

 ビジネスホテルは寝るだけのものだとばかり思っていた俺は、いきなりベッドに押し倒されて驚いた。俯せに倒れた体に純が飛び掛かり、何をするんだと怒鳴る前にズボンが剥ぎ取られていた。


『……我慢の限界!』


 そう囁きながら。純の気迫に押された俺は、上半身はシャツを着たまま、下半身は剥き出しという、普通なら恥ずかしくて死にそうな格好で彼を受け入れている。

 シャツのボタンはいつの間にか外されていた。下準備も純が率先してやったし、俺はもう、何が何だか分からないままに彼と繋がっていた。

 久しぶりに感じた純の体温は、俺を煽って仕方がない。

 寝るだけだと諦めていた分、彼の急襲についていけていなかった。

「ん……まだ……ビックリしてる?」

「おま……お前が……! ビジネスホテルっつーから……!」

「その割に腰……激しいね~」

 指摘され、顔が赤くなる。上に跨る純を、下から突き上げているのは俺で。

 腰が勝手に動くというか。

 純のエロくささに歯止めが利かないというか。

 体が暴走している。

 純が落ちていかないよう、俺の両手を絡め取って掴まっているのも、正直興奮している。

「……可愛いな、お前」

「……あ?」

 何の事だ。万歳するみたいに両手は顔の横へ付けられている。腰を揺らめかせながら顔を近づけた純が、近い距離で笑った。

 イケメンの顔が、エロくさくなる。

 唇を引き結んだ俺に重ねてきた。

「……ん……可愛い……!」

「誰が……可愛いって!?」

「お前だよ……俺の父性本能擽ってくる……!」

「んだよ、父性本能って…………うぁっ! ば、ばか……は……ぁあ!」

 彼の中を探っていた俺のモノが締め上げられた。その状態で出し入れされ、体が疼きまくる。身を竦めた俺を唇を舐めながら見ていた純は、首筋に軽く歯を立ててきた。

 ビクッとなった体。唇が下っていくと、上下していた胸にも噛み付いてくる。

「ぉ……おぃ……純……! やべーって……!」

「ん……もっと……感じなよ」

「……ぅ……はぁ……ぁ……」

 体中が痺れていく。力が入らない。

 得体の知れない何かがこみ上げてきた。

 目頭が熱くなってしまう。

 フルフル震えた体を純が見下ろしているけれど。怒鳴る気力も削がれてしまった。

 ただただ、熱い純の体に震えた。

「…………くっ!! 鼻血出そう……!」

 何を言っているのか。荒い呼吸をなんとか整えようと奮闘する俺の頬を撫でてくる。

「……もう、イキたい?」

 彼の問いに、何度も頷いた。声も出せないくらい、体がやばい。

 必死に純を見上げた。彼ならなんとかしてくれると思って。

「…………もう、マジたまんないから……!!」

「し……締め……な……!」

 これ以上、刺激されたら壊れてしまう。目を瞑った俺に抱き付いた純が、肩に顔を埋めている。

「俺も……もう駄目……! お前が……して!」

「…………!」

 耳たぶを噛まれた時、何かが壊れてしまった気がした。

 震える手で純の腰を掴み、片腕の力だけで体を起こしていく。向かい合わせになった俺達は、純を下にすることで入れ替わる。

 覆い被さりながら、止まらない腰を動かした。

 夢中でしがみ付いた。

「……ぁ……純……! 純……!」

「……もっと……おいで……大介!」

「純……!」

 力一杯抱き締めた時、俺は達していた。

「ぅ……!」

 呻いた純も達している。俺の腹に、彼のモノが放たれていた。

 現場でもこんなに疲れることなんかないのに、体は一気にだるくなる。次第に緩和していく体を純に預けた。

「はぁ~~凄かった~~」

 俺を受け止めた純が溜息をついている。くしゃくしゃと髪を撫でられた。

「てか、また中だね」

「…………あ! わ、わりぃ……!!」

「良いよ。余裕なかったの、お互い様だし」

 急いで抜こうとした俺を抱き締めてくる。未だ中に入ったままのモノが温かく包み込まれていた。

 急に恥ずかしくなった。冷静になってくると、暴走した自分を思い返してしまう。

 チラリと、俺を抱き留めている純の横顔を見た。彼は満足そうに天井を見上げ、笑っている。余裕の顔だ。

「……ちっ」

「ん? 何?」

「何でもねぇよ!」

 純の腕を外して中から出ていった。そのままベッドから降りようとした俺の腕を掴んでくる。

「……俺、何かした?」

 少し、不安そうな声音が混じっている。しくじった、と髪を掻き回した。

「お前じゃねぇよ。俺に腹立ってんだよ」

「何で?」

「……なんつーか、いっつも俺、余裕ねぇからよ」

「あはは! 余裕ないのはお互い様じゃない」

 腕を引かれ、隣に寝るよう促される。ここで無理矢理離れたら、傷付けてしまいそうな気がした。

 けっ飛ばしていた掛け布団を拾うと二人で寝転んだ。汗ばんだ体が気持ちが悪かったけれど、純の体温は嫌いじゃない。

「俺もね、もっと冷静に、お前煽ってやろーって思ってんだよ? でも必死なお前見てると俺まで必死になっちゃって」

「つかよ。お前どこで覚えてくんだ?」

「何を?」

「……エロくさいことだよ」

「……聞きたい?」

 隣に潜っていたはずの純が、俺の腕に絡んでくる。掌を握り込まれ、それを自分のあそこに導いてくる。

 思わず払い除けようとしたけれど。

「……ん」

 純のあれに手が触れただけで、彼が喘いだりするから。

 知らず手を動かしていた。彼のあれを握ってしまう。

「ぁ……大きな手……」

「……教えろよ」

「ん……知りたいなら……もう一回やって……」

 唇が重なった。深い口付けに体は素直に火を点けている。

「……ふふ、今夜は寝かさないよ」

 エロくさい言葉に身震いした。

 俺はまた、純の体に抱き付いた。
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