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番外編
1-3
しおりを挟む「……純! おい、純!」
中途半端な状態のまま、大介が俺の口に手を当てた。食いしばっていた歯を開かせてくる。
「はぁっ! ぁ……はっ!」
「息止めんな! 死にてぇのか!?」
「むちゃ……言うな……!」
でかいんだよ!
でかすぎるんだよ!!
叫びたいのを何とか堪え、未だ進んでくる痛みに全身を強張らせた。本当に大介は日本人だろうか。俺を抱き込みながら、ふんっと気合いを入れて最後まで入れてきた。
広がった場所がじんじん、痛んでいる。もう少し、知識を付けてからすれば良かった。
大介に加減を求めるのが無理な話で。明日俺は無事だろうか、とぼんやり思った。
「……いてぇんだな?」
動かない俺の髪を撫でている。兄ちゃんの顔をした大介は、滲んでいた俺の涙を指で拭った。
「わりぃ……やっぱ突っ込みは無しの方が良かったな」
「……そんな……こと……ない……」
「頼むから、いてぇ時はいてぇって言ってくれ。分かんねぇんだよ、俺は……こういったこと……興味無かったからよ」
軽いキスが目元に落とされた。泣いた兄弟も、こうやって宥めるのだろうか。
そんなことを思いながら、宥めてくれる大介を見つめた。
「……痛いよ。でもする……!」
「純……」
「ここまできて、待ったは無しだよ、大介」
硬い頬を撫でてやる。
最強兄ちゃんに笑って見せた。
「やっちゃって」
「……お前ね」
「何とか入ったし、さっきのとこ、狙ってみて」
「……分かった。んでも、すげーいてぇ時は止めろって言えよ?」
「うん」
大介の体が俺を包むように覆い被さってくる。見つめ合いながら、グッと押し出された彼のモノに顔をしかめた。今度はゆっくりと入ってくる。
腰がたまらなく痛かった。大介の手に顔や髪を撫でてもらいながら、早く快感がくれば良いのにと願っているけれど。なかなかさっきの所に当たらない。
もどかしい俺の顔を見つめていた大介が、思い出したようにブツブツ呟き始めた。
「胸触れっつってたな……つか、男でも触るもんなのか?」
「大介……?」
「まあ、やってみっか」
一人完結した大介が、大きな手で俺の胸に触れた。張った胸を揉んでくる。
「……何してんの?」
「いや、親方達の話だとよ、男でも胸で感じるらしいんだが……」
そう言って、親指で突起を潰してくる。
「……ぁっ!」
思わず後ろを締めてしまうほどビリッときた。驚いた大介が手を離している。
「い、痛かったか?」
「……もう一回やって」
「……マジで?」
「うん……なんか……キタ」
恐る恐る、大介が胸に触ってくる。突起を今度は軽めに潰してきた。
「ぁ……ぁ……ぅん……!」
「…………!」
「はぁ……ぁ……けっこう……クル……!」
自分で触ったことはなかった。大介の手に自分の手を重ねた。
「もっと……やって」
「…………!」
「大介……」
気持ち良くなれば、後ろもきっと、受け入れやすくなる。早く大介にも感じて欲しくて、促すように握り締めた。
思い切ったように、手が動く。上から凝視しながら、腰も動いている。痛みと快感が、混ざり合ってきた。
「ぁ……ん……ぁ……大介……大介……」
胸への刺激で、後ろも解れてきた。体から力が抜けていく。大介の律動に、素直に身を任せて揺られる。
「はぁ……はぁ……ん……ぁ……ん!」
両手が、胸の突起を押し潰し始める。揉みしだかれ、我慢できない声が溢れていた。
早く、大介も。
俺ばかりじゃ、悪い。
「……ぁ……ぁ……大介……大介……!」
もっと動いても良いと、促そうとしたけれど。
胸に触れていた両手が外れた。顔の横に手を突かれ、どさりと、俺の体に覆い被さってくる。
「……やべ――」
フルリと、大介が震えた。
「マジ……やべぇ――!」
「……大介……?」
肩に埋もれている彼の頭に手を乗せた。そっと顔を起こした大介は、俺を熱く見つめていて。
赤く潤んだ鋭い目元。
引き結んだ形の良い唇。
震えている逞しい体。
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