78 / 123
番外編
1-2
しおりを挟む「手伝おうか?」
「……へ?」
「俺がやってやるよ」
そう言って、俺の手を引かせると、長い指を入れてきた。彼の指にローションが絡んでいく。
「……だ、大介!?」
「心配すんな。よく弟達に座薬入れてやってたから。慣れてる」
「……ざ、座薬って……!」
「大人しくしてろ」
宥めるように俺の頭を撫でながら、長い指を入れてくる。それも全く、遠慮がない。
座薬と一緒にしないで欲しい。
兄弟のお尻にそこまで指突っ込むか?
突っ込まないだろう!?
心の中で訴えるけれど、かなり真剣な顔をしている大介に何も言えず、広い肩に掴まった。自分で入れるだけでも恥ずかしさに震えていたのに、大介が入れているなんて。
顔を見られたくない。肩を引き寄せ、顔を埋めた。彼の長い中指が、ピタリと止まった。
「……いてぇのか?」
心配そうな声に顔を上げた。
「……大丈夫」
「でも……」
「恥ずかしいだけ。てかお前こそ、何でそんな無表情? 俺だけ恥ずかしいって、よけい恥ずかしいだろう?」
明かりも点けっぱなしで、掛け布団も被っていない。
丸見えだし、大介は淡々とお尻探っているし。
何で俺だけ赤面しているのか。
「男の尻に指入れてんだぞ? もうちょっと緊張しろよ」
「んなこと言ってもよ。お前が痛くねぇようにって、そっちが先だろうが」
当然のように言われ、指を増やしてくる。
「俺の……でけーんだろう? 蓮司が言ってた」
「でかいね。ビッグサイズ!」
「はは……こいつが入るまでってことだよな?」
「たぶんね」
俺も詳しくは知らないから。たぶんの連続だ。
再び真剣な目で俺のそこを解している。まるで弟を心配するお兄ちゃんの顔だ。
俺の体に興奮しないのだろうか? してくれないと困るんだけど。
さっきからこっちは恥ずかしいやら、大介の体が逞しいやらで、ドキドキしっぱなしだというのに。相手は解すことに集中している。
もう、そこは任せよう。力を抜いて大介の髪や肩を撫でていた俺は、増えた三本目に眉をしかめた。さすがに広がり過ぎだろう。
「いてぇか? 抜くか?」
「……だい……じょうぶ」
「汗噴き出してんぞ。やっぱ無理じゃねぇか?」
指を引き抜くような動作を感じ取り、咄嗟に抱き付いた。
「抜くなよ……」
「いてぇんだろうが」
「やだって……なあ、大介……」
ここまで来て止められない。こっちは決死の覚悟だ。
「大介……大介……」
「…………!」
ヒクッと肩を震わせた大介は、抜き掛けた指を深く入れてくる。グッと喉に詰まる息をなんとか吐き出しながら、彼の指を受け入れた。
長い、本当に長い。奥まで入り込んだ指は、ローションを馴染ませるように動いている。
その指が、もっと奥に入ってきた時、腰がビリッと痺れた。
「……ぁ!」
「何だ? どうした?」
「……んぁ……!」
「お、おい……!」
大介の首にしがみ付いた。今のは何だろう? 腰が痛みとは違う痺れを感じとった。心配そうに見つめる大介を見上げると、息が上がっていく。
キタ気がする。
そこが、あれだろうか。
「そこ……もう一回……擦ってくれる?」
「そこって……」
「さっき動かしたとこ」
「こ、こうか?」
注意深く、長い指が動いた。
そこを掠っていく。
「ぅあっ!」
「おい、純!?」
「はぁ……ぁ……たまんない……!」
「…………!」
「そこ……感じる……!」
大介にしがみ付いて、腰を進めた。男の性だ、快感は欲しい。
「大介……もっと……!」
「お、おう……」
長い指が何度も触れる。そこに触れると、腰が震える。
痛いのも、忘れてしまうくらい痺れた。逞しい肩にしがみ付いたまま、これなら痛みを乗り越え、二人で気持ち良くなれそうだと微笑んだ。
「大介……いいよ……来て」
「……でも!」
「ぅん……今なら……いけそう……!」
「…………!」
三本の指が抜かれた。両足が抱えられる。
数度呼吸を整えた大介が、いつの間に立たせていたのか、猛々しいモノを宛ってくる。なるべく力を抜いて、大介に任せた。
グッと、入ってくる。
ミシミシ、広がっていく。
正直な感想は。
すんごい痛いんですけど――――!!?
指三本では不十分だった。ローションの滑りでも限界はある。
でかい。
でかすぎる!
大介超ビッグ!!
ぶわっと変な汗が噴き出した。のしっと覆い被さる大介の体重も重たい。めり込むように入ってくるモノも、苦しくてたまらなかった。
先ほどの快感なんて、全て吹っ飛んだ。程良く立ち上がっていた俺のモノは、しゅんっと項垂れている。
「…………っ!」
痛いと言えば、大介は止めてしまうだろう。歯を食いしばって堪えた。
10
お気に入りに追加
74
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ハルとアキ
花町 シュガー
BL
『嗚呼、秘密よ。どうかもう少しだけ一緒に居させて……』
双子の兄、ハルの婚約者がどんな奴かを探るため、ハルのふりをして学園に入学するアキ。
しかし、その婚約者はとんでもない奴だった!?
「あんたにならハルをまかせてもいいかなって、そう思えたんだ。
だから、さよならが来るその時までは……偽りでいい。
〝俺〟を愛してーー
どうか気づいて。お願い、気づかないで」
----------------------------------------
【目次】
・本編(アキ編)〈俺様 × 訳あり〉
・各キャラクターの今後について
・中編(イロハ編)〈包容力 × 元気〉
・リクエスト編
・番外編
・中編(ハル編)〈ヤンデレ × ツンデレ〉
・番外編
----------------------------------------
*表紙絵:たまみたま様(@l0x0lm69) *
※ 笑いあり友情あり甘々ありの、切なめです。
※心理描写を大切に書いてます。
※イラスト・コメントお気軽にどうぞ♪
思い出して欲しい二人
春色悠
BL
喫茶店でアルバイトをしている鷹木翠(たかぎ みどり)。ある日、喫茶店に初恋の人、白河朱鳥(しらかわ あすか)が女性を伴って入ってきた。しかも朱鳥は翠の事を覚えていない様で、幼い頃の約束をずっと覚えていた翠はショックを受ける。
そして恋心を忘れようと努力するが、昔と変わったのに変わっていない朱鳥に寧ろ、どんどん惚れてしまう。
一方朱鳥は、バッチリと翠の事を覚えていた。まさか取引先との昼食を食べに行った先で、再会すると思わず、緩む頬を引き締めて翠にかっこいい所を見せようと頑張ったが、翠は朱鳥の事を覚えていない様。それでも全く愛が冷めず、今度は本当に結婚するために翠を落としにかかる。
そんな二人の、もだもだ、じれったい、さっさとくっつけ!と、言いたくなるようなラブロマンス。

初恋はおしまい
佐治尚実
BL
高校生の朝好にとって卒業までの二年間は奇跡に満ちていた。クラスで目立たず、一人の時間を大事にする日々。そんな朝好に、クラスの頂点に君臨する修司の視線が絡んでくるのが不思議でならなかった。人気者の彼の一方的で執拗な気配に朝好の気持ちは高ぶり、ついには卒業式の日に修司を呼び止める所までいく。それも修司に無神経な言葉をぶつけられてショックを受ける。彼への思いを知った朝好は成人式で修司との再会を望んだ。
高校時代の初恋をこじらせた二人が、成人式で再会する話です。珍しく攻めがツンツンしています。
※以前投稿した『初恋はおしまい』を大幅に加筆修正して再投稿しました。現在非公開の『初恋はおしまい』にお気に入りや♡をくださりありがとうございました!こちらを読んでいただけると幸いです。
今作は個人サイト、各投稿サイトにて掲載しています。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

好きなあいつの嫉妬がすごい
カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。
ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。
教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。
「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」
ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる