SweeT&BitteR ~甘く甘く 時に苦く 僕らは恋をする~

樹々

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番外編

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「手伝おうか?」

「……へ?」

「俺がやってやるよ」

 そう言って、俺の手を引かせると、長い指を入れてきた。彼の指にローションが絡んでいく。

「……だ、大介!?」

「心配すんな。よく弟達に座薬入れてやってたから。慣れてる」

「……ざ、座薬って……!」

「大人しくしてろ」

 宥めるように俺の頭を撫でながら、長い指を入れてくる。それも全く、遠慮がない。

 座薬と一緒にしないで欲しい。



 兄弟のお尻にそこまで指突っ込むか?



 突っ込まないだろう!?



 心の中で訴えるけれど、かなり真剣な顔をしている大介に何も言えず、広い肩に掴まった。自分で入れるだけでも恥ずかしさに震えていたのに、大介が入れているなんて。

 顔を見られたくない。肩を引き寄せ、顔を埋めた。彼の長い中指が、ピタリと止まった。

「……いてぇのか?」

 心配そうな声に顔を上げた。

「……大丈夫」

「でも……」

「恥ずかしいだけ。てかお前こそ、何でそんな無表情? 俺だけ恥ずかしいって、よけい恥ずかしいだろう?」

 明かりも点けっぱなしで、掛け布団も被っていない。

 丸見えだし、大介は淡々とお尻探っているし。

 何で俺だけ赤面しているのか。

「男の尻に指入れてんだぞ? もうちょっと緊張しろよ」

「んなこと言ってもよ。お前が痛くねぇようにって、そっちが先だろうが」

 当然のように言われ、指を増やしてくる。

「俺の……でけーんだろう? 蓮司が言ってた」

「でかいね。ビッグサイズ!」

「はは……こいつが入るまでってことだよな?」

「たぶんね」

 俺も詳しくは知らないから。たぶんの連続だ。

 再び真剣な目で俺のそこを解している。まるで弟を心配するお兄ちゃんの顔だ。

 俺の体に興奮しないのだろうか? してくれないと困るんだけど。

 さっきからこっちは恥ずかしいやら、大介の体が逞しいやらで、ドキドキしっぱなしだというのに。相手は解すことに集中している。

 もう、そこは任せよう。力を抜いて大介の髪や肩を撫でていた俺は、増えた三本目に眉をしかめた。さすがに広がり過ぎだろう。

「いてぇか? 抜くか?」

「……だい……じょうぶ」

「汗噴き出してんぞ。やっぱ無理じゃねぇか?」

 指を引き抜くような動作を感じ取り、咄嗟に抱き付いた。

「抜くなよ……」

「いてぇんだろうが」

「やだって……なあ、大介……」

 ここまで来て止められない。こっちは決死の覚悟だ。

「大介……大介……」

「…………!」

 ヒクッと肩を震わせた大介は、抜き掛けた指を深く入れてくる。グッと喉に詰まる息をなんとか吐き出しながら、彼の指を受け入れた。

 長い、本当に長い。奥まで入り込んだ指は、ローションを馴染ませるように動いている。

 その指が、もっと奥に入ってきた時、腰がビリッと痺れた。

「……ぁ!」

「何だ? どうした?」

「……んぁ……!」

「お、おい……!」

 大介の首にしがみ付いた。今のは何だろう? 腰が痛みとは違う痺れを感じとった。心配そうに見つめる大介を見上げると、息が上がっていく。

 キタ気がする。

 そこが、あれだろうか。

「そこ……もう一回……擦ってくれる?」

「そこって……」

「さっき動かしたとこ」

「こ、こうか?」

 注意深く、長い指が動いた。

 そこを掠っていく。

「ぅあっ!」

「おい、純!?」

「はぁ……ぁ……たまんない……!」

「…………!」

「そこ……感じる……!」

 大介にしがみ付いて、腰を進めた。男の性だ、快感は欲しい。

「大介……もっと……!」

「お、おう……」

 長い指が何度も触れる。そこに触れると、腰が震える。

 痛いのも、忘れてしまうくらい痺れた。逞しい肩にしがみ付いたまま、これなら痛みを乗り越え、二人で気持ち良くなれそうだと微笑んだ。

「大介……いいよ……来て」

「……でも!」

「ぅん……今なら……いけそう……!」

「…………!」

 三本の指が抜かれた。両足が抱えられる。

 数度呼吸を整えた大介が、いつの間に立たせていたのか、猛々しいモノを宛ってくる。なるべく力を抜いて、大介に任せた。

 グッと、入ってくる。

 ミシミシ、広がっていく。

 正直な感想は。



 すんごい痛いんですけど――――!!?



 指三本では不十分だった。ローションの滑りでも限界はある。

 でかい。

 でかすぎる!



 大介超ビッグ!!



 ぶわっと変な汗が噴き出した。のしっと覆い被さる大介の体重も重たい。めり込むように入ってくるモノも、苦しくてたまらなかった。

 先ほどの快感なんて、全て吹っ飛んだ。程良く立ち上がっていた俺のモノは、しゅんっと項垂れている。

「…………っ!」

 痛いと言えば、大介は止めてしまうだろう。歯を食いしばって堪えた。
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