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初恋トルネード
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「……お、落ち着け!! 話せば分かる……!」
「大介……!」
「お……うわっ!?」
ボヨンと跳ねた自分の体。大きなダブルベッドの上に転がった。
すぐに純が乗ってくる。危機迫る顔でキスしようとしている。
「待て待て待て!! いきなりラブホってありなのか!?」
「だって……キスしたい!」
「意味分かんねぇよ!」
彼の顔をわし掴み、なんとか止めた。
車で連れて来られ、ここは何処なのかと訊ねても教えてくれなくて。人気のないロビーを突っ切るように歩いた彼に手を取られたまま廊下を進んで、あれよあれよと言う間に部屋に連れ込まれた。
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全体重を掛けてきた純に押さえ込まれた俺も負けてはいられない。しがみ付かれながらも、脱がそうとしている彼の手を取って封じた。
「落ち着け! な!?」
「……大介……!」
「逃げねぇから!」
「…………大介……」
歯を食い縛っている純を見上げ、そっと胸に導いた。大人しくなった彼が素直に体を預けてくる。ホッとしながら、柔らかい黒髪を撫でた。
重たい男の体だ。
それなのに、こんなに惹かれている。
あんなに素喜と修治を反対した俺が。
純という存在を求めている。
グッと奥歯を噛み締めると反転し、彼を見下ろした。
「……スーツ、皺になるよ」
「そうだな……」
「大介……」
「純……」
緊張しながら唇を重ねた。純が上着を脱がせてくれる。ベッドの下に落としながら、軽いキスを繰り返した。不器用に重ねる俺に合わせるように、純も軽いキスを返してくる。
ネクタイが解かれた。シュルリと外され、枕もとに置かれている。ワイシャツのボタンを一つ一つ外していった彼は、広げた俺の上半身を見てしみじみ呟いた。
「男だね」
「……お前だって」
「素喜君くらい可愛ければって、すんごい悩んだよ。風邪引いてさ、意識朦朧としてて。目開けたらお前が居て。すんごいビックリして、すんごい落ち込んだ」
「何で落ち込むんだよ」
ワイシャツがベッドの下に落とされた。今度はベルトを握られている。カチャカチャ言わせながら外した彼は、そこで手を止めた。
「……望み無いって、思ってた。ダチの関係まで潰したくないのに、何でお前の所行っちゃってんだーって。素直になりすぎでしょ? イケメン探偵団なんて番組に出るから、住所調べちゃってたし……まさか無意識に行ってるなんてね」
「確かにな。あの状態で良く来たぜ……」
高熱のまま、どうやって来たかも覚えていないと言う。
それだけ俺に会いたかったということだ、と親方や蓮司に言われて、ちょっと照れてしまったのは秘密だ。
「俺、どう見ても男じゃん? 素喜君はさ、可愛い部分があるんだよ。修治の気持ちも分かるくらい、あ、可愛いな~って思えるけど」
自分でシャツのボタンを外した純は、胸元を広げて見せた。
「俺、それなりにムキムキしてるっしょ。テニスやってるから腕もカチカチだし。せめてこう、艶めかしい肌でもしてれば良いんだけど……」
「……あんま、広げんな」
「だよね」
自分で自分の胸を撫でて、感触を確かめている純。
そんな彼を見つめながら、頭の中がガンガン、鳴っていた。
先輩達の指導を思い出す。
1.キスして
2.胸に触って
3.あそこを触って
4.いざ、合体!!
「……って分かんねぇし!!」
「な、何だよ! ビックリするじゃん!」
怒鳴った俺を見上げた純がビクッと体を竦めると、ハラリとシャツが捲れて広がった。
健康的に焼けた両腕とは違い、胸元辺りは少し白い。テニスウェアの部分だけが浮き彫りになって白いままだ。
何度か見ているはずなのに、ドキドキ、ドキドキ、異常な興奮が俺を支配していく。
「あのさ。とりあずぶっちゅ~して良い? ずっと溜まってたっていうか、妄想するのも限界で」
「……俺も……だ」
「じゃ、遠慮なく……って、大介……? あれ……」
純のシャツを剥ぎとり、ズボンも剥ぎ取り、下着姿に剥いた。やはり太股から上は白いのに、下は焼けている。
呆然となった純が横たわっている。のしっと覆い被さりながら、胸の中心にキスをした。
「…………や、優しくしてね」
硬直したように強張った彼の体に寄り添いながら、硬い太股に触れてみた。撫でながら、顔を上げる。
「……つか、どうすんのか知らねぇんだけど」
「え……ってことは、お互い、初体験だったりする?」
「お前も?」
「う~ん、ちょい怖いかな」
俺の手を取り、自分の頬に当てている。顔を寄せれば、惹かれるようにキスをしていた。
「……止めとくか?」
「……それもやだ」
「でも……」
「せっかく、俺のために帰って来たんでしょ? すんごい胸キュンだった」
首にしがみ付いた純は、俺の耳に囁いた。
「すんごい好き」
「……たぶん、俺もだ」
「たぶんは駄目」
「……惚れてる」
「うん」
耳に噛み付かれ、むず痒い。彼の手が俺の体を下っていくと、ズボンを引き下ろし始めた。
「やってみっか」
「うん」
体を起こしてズボンと下着を脱ぎ捨てた。純もまた、最後の下着を放り投げている。
男二人ベッドの上で。
格闘技さながらに抱き締め合う。
弾んだベッドの上で、純の体を強く抱き締めた。
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