抱き締めても良いですか?

樹々

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抱き締めても良いですか?

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「……やっぱりしたいです」
 可愛いおねだりを断ることはできなかった。ベッドまで連れて行く。降ろすと、パジャマの下と下着だけ脱がせた。
「茜さんの期待に応えるね」
 少し反応していた茜のモノを口の中に招き入れていく。喉奥まで咥えると、腫れ上がっていくのが分かる。
「ぁっ!」
 舌を絡め、吸い上げる。ビクッと腰が浮き上がろうとしたので押さえた。お腹の子がビックリするといけない。
 口内を行き来させるように上下に動かすと、茜の体が快感に震えていく。後ろが、ずいぶん濡れていた。
 構わずに吸い上げる。先端を舌先で弄ると顔を覆って堪えている。その仕草に私の体も火が点き始めたけれど、茜の男としての部分を愛した。もう、イキそうだ。
 一気に喉奥まで迎え入れてあげる。根元まで咥えた私に、茜が我慢できずにイッた。
「ああっ!」
 腰が浮かないよう押さえつつ、喉奥に放たれた茜の白濁をゆっくり飲み込んだ。咥えたまま飲むからか、茜の細い両足がもどかしげに動いている。
「も……いいですから……!」
 放して、そう弱々しく囁いた茜に満足し、出して満足している茜のモノを解放した。綺麗に舐めてあげたそれは、てれんと垂れた。
 口の端に残っていた白濁も指で取ると口に入れてしまう。その姿を見ていた茜は、顔を赤くしながら両足を広げている。
「だめ……瑛太さんが欲しい……!」
「きつくない?」
「だって……そんな顔されたら……!」
「どんな顔してる?」
 茜の体が冷えるといけない。上はそのままに細い両足を広げた。茜の手が伸びてくると、私のパジャマの上着のボタンを外していく。
「僕が欲しいって顔してる……!」
「正解。我慢できない」
 濡れている場所へ指を入れた。もう、緩んでいる。指で掻き回すと震えている。
「も、良いから……!」
 入れて、掠れた声でおねだりされると我慢ができそうにないけれど。茜の体を横向きにさせ、濡れている後ろに私の腫れたモノを擦りつけながら彼の太腿の間を行き来する。
「なに……!?」
「も、入れると我慢できないから……!」
「やだ……! 入れて良いって言って……!」
「子供が……びっくりするから、これで我慢するよ」
 細い太腿の間に入れては出した。もどかしげに茜が動こうとするので腕を絡めて封じた。茜の後ろから溢れてくるモノと、私の先走りのモノが混ざっては太腿を濡らしている。
 どろどろになっていく太腿。いつの間にか茜のモノも立ち上がり、濡れている。
「ぁ……ぁっ!」
「はは、すっごい」
 強烈なΩのフェロモンが私を包み込んでくる。項に鼻先を押しつけた。思い切り嗅いでしまう。
「もう、イクから」
 耳に囁けば、茜が太腿に力を入れてくれた。挟み込まれ、刺激にイッた。更に濡れた太腿に満足しながら、茜のモノを指で弾いてやるとイッている。素早く後ろに指を入れて、Ωとしての彼もイかせてあげた。

 本当は、ここに入れて、掻き回して、愛したい。

 でも、二人の間にできた子がとても大切だ。濡れた手を彼のお腹に当ててしまう。その手に茜の手も重なった。
「まだ……出てくるまでずいぶんかかりますよ。我慢できるんですか?」
「するさ。茜さんのフェロモンで充分、満足してるよ」
 少しの間、お腹の中の子と親子三人でまったりした私は、拭く物を持ってくるためベッドを降りた。茜も起き上がっている。
「いいよ、いいよ。私がやるから!」
「そんなに気を遣わなくても大丈夫なのに」
「子供を宿すってすっごいことなんだから。気を遣わせてよ」
 タオルを取ってくると濡れているお尻やモノを丁寧に拭いてあげた。擽ったそうに笑っている茜の笑顔が眩しい。太腿も拭き上げると一緒に寝転んだ。滑らかなおでこにキスをしてあげる。
「妊娠しても茜さんは美人だなー」
「そろそろお腹は出てくるけど」
「貴重な体験だね。この細い腰が膨らむなんて」
「……大丈夫ですか?」
「何が?」
 腰やお尻を撫でる私の胸に顔を埋めてくる。
「体型……かなり変わるから……」
「変わらない方が怖いって。大丈夫、ふっくらしてくる茜さんも愛してるから」
 可愛いことを気にしているようだ。妊娠して、赤ちゃんが成長すればお腹が膨らんでくるのは当たり前のこと。体型が崩れるということは、赤ちゃんが元気に育っている証だから。
「私の愛を見くびっちゃ駄目だよ、茜さん?」
「……はい」
「二人とも、満遍なく愛するから」
 父と母がそうであったように、私と茜で、子供を愛して守る。
 抱き締めると嬉しそうに笑ってくれる。
「お休みなさい、瑛太さん」
「うん、お休み、茜さん」
 腰に回る細い腕を感じながら目を閉じた。茜の安らかな呼吸音は、私の癒やしだった。
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