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抱き締めても良いですか?
31-2
しおりを挟む「できない」
「……あ、や、やっぱりまだ肉付きが……!」
「ヒートの最中って、あんま覚えてなくて……! 真澄さんとの初めてを忘れるなんて嫌だ」
「……ぇ」
「ちゃんと……正気になったら……! 抱きたい……!!」
真澄の腫れているモノと、俺のモノを一緒に握りしめた。激しくこすってしまう。
「ぅん……!? あ、ま、待って……! 僕、どうしたら!?」
「頭……撫でて」
「え?」
「こっちも触って……!」
後ろが苦しくなっている。真澄の匂いを嗅ぎながら後ろに指を突き入れた。前が連動して腫れ上がる。
「ぁ……はぁ……真澄さ……!」
「……!!」
「……ん……前……くるしっ!」
「ぼ、ぼ、僕がする!」
俺の頭を撫でながら、腫れたそこを握ってくれる。お互いの手で刺激し合った。真澄のモノと触れ合わせているせいか、じんじん、じんじん、熱くなる。
「……好きです……」
「ぇ……?」
「すげー好き……!」
指で奥を刺激すると、腰を震わせながらイッた。暴れている俺のモノを捕まえた真澄は、顔を真っ赤にしながらイッている。少し仰け反った体に覆い被さると、細い首筋にキスをした。
首筋から胸元へと、何度もキスしてしまう。首筋から流れている良い匂いの汗を舐め取った。
「あの……あのね……!」
「ん……ちゅっ」
「ぅん! キス……したいな……?」
「俺も……でも……加減できそうになくて……!」
「加減……しなくて良いよ……?」
上目遣いで求められて、断る事なんてできなかった。覆い被さってしまう。俺は自分で後ろを刺激し、真澄が俺達のモノを刺激してくれる。
塞いだ唇から、真澄の舌を探り当てると吸い上げた。ビクッと仰け反る体を逃がさないよう体重を掛けてしまう。
絡める舌に、真澄が苦しそうにしている。頭では分かっているのに、彼を求める謎の声に意識が半分飛んでいて。
「ごめ……ますみさ……! ん、ぅん! とまんねぇ……!」
離しては、塞いでしまう。真澄のキスが、唾液が、もっと欲しくて離れられない。カタカタ震えた真澄は、一緒に握っていたモノから手を放した。
駄目だ、やり過ぎだ。
真澄さんがもたないから……!
震えながら唇を離した。真澄の唇が真っ赤に色づいている。濡れた唇の端から、俺のなのか彼のなのか、分からない唾液が溢れ首筋へと流れていく。真澄の頬にも、彼の涙が流れていた。
「ごめ……おれ……!」
もっとキスしたい。
でも真澄が苦しんでいる。
抱きたい。
抱き締めたい。
抱いて欲しい?
抱きたい……!
まだヒートは収まりそうにない。腫れ上がったままの前に苦しくなってくる。後ろも濡れたままだ。
意識は戻っている。後は自分でできる、そう言おうとした俺の頬に、濡れていた真澄の手が触れた。俺が出したモノと、彼が出したモノが付いた手から、αとΩのフェロモンを感じた。
「愛歩君の……超エッチ……!!」
小さな手が俺を引き寄せている。押しつけるようなキスを受けた。不器用に伸ばされた真澄の舌に自分の舌を絡めながら受け止める。
「我慢、しないで」
「真澄さん……!」
「好きなだけ触って。キスして。抱き締めて」
伸ばされた細い両腕。惹き寄せられるようにその腕の中に入る。真澄から溢れる温かいαのフェロモンに、苦しくてたまらなかった体の熱が引いていくのを感じた。
***
腕の中に、温かい人がいる。静かな寝息が、聞こえている。
気怠いけれど、どこかすっきりした気分で目が覚めた。部屋の明かりは点いたままで、時計を確認すると午前一時を過ぎていた。窓の外は暗い。
ヒートは収まっていた。頭の中の声も消えている。
何となく覚えているのは、犯人が吸った粉で自らヒートを起こし、その影響で俺もヒートになって。
気付いたら真澄が俺のを発散させてくれていて。
そのまま真澄のαのフェロモンに包まれながら、ヒートが収まるまで相手をしてもらったことだ。
「……真澄さん!! 大丈夫ですか!?」
腕の中の人は、とても静かな呼吸をしている。俺が、無理をさせてしまったのではないだろうか。軽く揺さぶると、瞼を震わせている。
「……愛歩君?」
「体、大丈夫ですか? きつくない?」
「……あっ!! だ、大丈夫!? ヒートは!?」
お互い大丈夫なのかと聞き合った。俺は真澄の体を、真澄は俺の体を、確かめ合っている。
「ヒートは収まってます」
「良かった……!」
「それより、真澄さんは? 俺……結構……色々したんじゃ……」
触って、キスしまくっていたような気がする。俺の記憶は曖昧だけれど、真澄は覚えているのだろう、真っ赤になっていく。白い肌だからよくわかる。
「うん……愛歩君、すっごくエッチだった」
俺の胸に顔を埋めている。
「……あんまり覚えてないけど、真澄さんに包まれてる感じがしてたのは覚えてます。おかげで、苦しかった体が楽になったから」
細い体を抱き締めた。じんわり、温かくなる。
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