97 / 152
抱き締めても良いですか?
31.Ωとして求め 男として求め
しおりを挟む*真澄に……抱かれたい……!
うる……さい!
*抱いて欲しい……!
黙れ……!
頭の中に鳴り響く声。
体が熱くてたまらない。
苦しい。
息ができない……!
*真澄……めちゃくちゃにして……!!
俺は……違う!
俺が……真澄さんを……!
息が止まりそうだった。
後ろが焼けたみたいに熱くてたまらない。
手を伸ばしたいのに、自分の体がどこにあるのかも分からなくなっていた。眠っているのか、起きているのか、生きているのか、分からない。
苦しくて、誰かに助けてほしくて。
頭の中に響く声を止めて欲しくて。
何かにしがみついていた。
「……うぅっ!」
ビクッと体が揺れた。こもっていた熱が、少し薄れた気がして。頭の中で響く声が遠ざかっていく。
「愛歩君!? 愛歩君!!」
大好きな声が聞こえる。瞼を開けても滲んでいて、姿はよく見えないけれど、手にした温もりが誰なのか、分からずにはいられなくて。
「ますみ……さっ!」
「良かった……!」
小柄な真澄をめいっぱい抱き締めた。俺は脱がされていたけれど、真澄は服を着ていた。彼の小さな手が、俺の腫れていたモノを握っている。
「ごめんね、勝手に触って」
「おれ……」
「何度かイッてたけど、なかなか目が覚めなくて……! 僕が下手だから、ちゃんとできてないんじゃないかって思って……!」
真澄の首筋から、αのフェロモンの匂いがしている。大きく吸い込むと、震えていた体が落ち着いてきた。Ωを誘うフェロモンとは違う。前に感じた、良い匂いだ。安心する。
涙を拭うと、真澄の顔が良く見えた。頬が上気し、服の上からでも分かるほど下が腫れている。
そこに触れた。苦しそうなそれを解放してあげたくてチャックを下ろしてしまう。
「真澄さん……! 真澄さん!」
直接体温が欲しい。彼が着ていたシャツに手を掛けると脱がせていく。上も下も脱がせる俺を見つめていた真澄は、まだ腫れている俺のモノを撫でるように梳き始めた。
真澄に触れてもらっていると、腰が砕けそうになる。抱き締めると、彼のモノと俺のモノが触れ合った。真澄が両手で俺達を愛撫している。漂うαのフェロモンに酔いしれていく。
もっと、もっと抱き締めたい。
*……抱いて欲しい! 真澄に……!
俺が、抱きたいんだ……!
*抱いて欲しい……!!
頭の中がぐしゃぐしゃだ。肉付きが良くなった真澄の尻を握り締めてしまう。この奥にある場所へ、腫れたモノを入れて抱きたいのに、抱いて欲しいと後ろが濡れている。
「ぅ……頭……割れそう……!」
「いいよ……」
俺の手を後ろへ導いてくる。濡れていないその場所は、αである彼が、受け入れる場所ではない。
「本当は卒業式が終わってから、ちゃんと言うつもりだったんだけど」
俺の体に抱きついている。見上げてくる潤んだ瞳と、真っ赤になった顔が近づいてくる。そっと、頬に唇が当たった。
「愛歩君が好きです……!」
「真澄さん……」
「も、もっと肉付きが良くなってたらよかったんだけど……! 愛歩君みたいに筋肉無いけど……! こんな体で良かったら……!」
仰向けになっている。胸の上で両手を組んだ真澄。
「だ、だ、抱いて下さい!!」
叫んだ真澄は、バッと両腕を広げた。十字架のように横たわっている彼に、ヒートで混乱していた頭が真っ白になる。
触れた胸は、出会った頃より肉付きが良い。あばらも浮いていない。
下を見れば、ずいぶん腫れている。俺のフェロモンで初めて勃起したと言っていた彼のそれは、男として、αとして、立派に立ち上がっている。
「……αでしょう?」
「か、関係ないよ! それに僕は落ちこぼれαだから」
両膝を立てている。プルプル震えながら膝を広げていく。
「愛歩君に、抱き締めてもらう方が好きなんだ! 初めてだからわからないけど宜しくお願いします……!!」
とうとう、顔を覆って隠してしまう。それでも膝は広げたままだった。
引き寄せられてしまう。相変わらず俺の子宮から何か出てきて抱いてくれと訴えてくる。後ろは濡れすぎて溢れていた。
でも。
細いけれど育った体に覆い被さった。彼の両手を顔から離させると、肩に顔を埋めてしまう。強烈な真澄の匂いにクラクラしてくる。
0
お気に入りに追加
341
あなたにおすすめの小説
【BL】SNSで人気の訳あり超絶イケメン大学生、前立腺を子宮化され、堕ちる?【R18】
NichePorn
BL
スーパーダーリンに犯される超絶イケメン男子大学生
SNSを開設すれば即10万人フォロワー。
町を歩けばスカウトの嵐。
超絶イケメンなルックスながらどこか抜けた可愛らしい性格で多くの人々を魅了してきた恋司(れんじ)。
そんな人生を謳歌していそうな彼にも、児童保護施設で育った暗い過去や両親の離婚、SNS依存などといった訳ありな点があった。
愛情に飢え、性に奔放になっていく彼は、就活先で出会った世界規模の名門製薬会社の御曹司に手を出してしまい・・・。
見つめ合える程近くて触れられない程遠い
我利我利亡者
BL
織部 理 は自分がΩだということを隠して生きている。Ωらしくない見た目や乏しい本能のお陰で、今まで誰にもΩだとバレたことはない。ところが、ある日出会った椎名 頼比古という男に、何故かΩだということを見抜かれてしまった。どうやら椎名はαらしく、Ωとしての織部に誘いをかけてきて……。
攻めが最初(?)そこそこクズです。
オメガバースについて割と知識あやふやで書いてます。地母神の様に広い心を持って許してください。
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
俺の番が変態で狂愛過ぎる
moca
BL
御曹司鬼畜ドSなα × 容姿平凡なツンデレ無意識ドMΩの鬼畜狂愛甘々調教オメガバースストーリー!!
ほぼエロです!!気をつけてください!!
※鬼畜・お漏らし・SM・首絞め・緊縛・拘束・寸止め・尿道責め・あなる責め・玩具・浣腸・スカ表現…等有かも!!
※オメガバース作品です!苦手な方ご注意下さい⚠️
初執筆なので、誤字脱字が多々だったり、色々話がおかしかったりと変かもしれません(><)温かい目で見守ってください◀
森の中の華 (オメガバース、α✕Ω、完結)
Oj
BL
オメガバースBLです。
受けが妊娠しますので、ご注意下さい。
コンセプトは『受けを妊娠させて吐くほど悩む攻め』です。
ちょっとヤンチャなアルファ攻め✕大人しく不憫なオメガ受けです。
アルファ兄弟のどちらが攻めになるかは作中お楽しみいただけたらと思いますが、第一話でわかってしまうと思います。
ハッピーエンドですが、そこまで受けが辛い目に合い続けます。
菊島 華 (きくしま はな) 受
両親がオメガのという珍しい出生。幼い頃から森之宮家で次期当主の妻となるべく育てられる。囲われています。
森之宮 健司 (もりのみや けんじ) 兄
森之宮家時期当主。品行方正、成績優秀。生徒会長をしていて学校内での信頼も厚いです。
森之宮 裕司 (もりのみや ゆうじ) 弟
森之宮家次期当主。兄ができすぎていたり、他にも色々あって腐っています。
健司と裕司は二卵性の双子です。
オメガバースという第二の性別がある世界でのお話です。
男女の他にアルファ、ベータ、オメガと性別があり、オメガは男性でも妊娠が可能です。
アルファとオメガは数が少なく、ほとんどの人がベータです。アルファは能力が高い人間が多く、オメガは妊娠に特化していて誘惑するためのフェロモンを出すため恐れられ卑下されています。
その地方で有名な企業の子息であるアルファの兄弟と、どちらかの妻となるため育てられたオメガの少年のお話です。
この作品では第二の性別は17歳頃を目安に判定されていきます。それまでは検査しても確定されないことが多い、という設定です。
また、第二の性別は親の性別が反映されます。アルファ同士の親からはアルファが、オメガ同士の親からはオメガが生まれます。
独自解釈している設定があります。
第二部にて息子達とその恋人達です。
長男 咲也 (さくや)
次男 伊吹 (いぶき)
三男 開斗 (かいと)
咲也の恋人 朝陽 (あさひ)
伊吹の恋人 幸四郎 (こうしろう)
開斗の恋人 アイ・ミイ
本編完結しています。
今後は短編を更新する予定です。
【R18】番解消された傷物Ωの愛し方【完結】
海林檎
BL
強姦により無理やりうなじを噛まれ番にされたにもかかわらず勝手に解消されたΩは地獄の苦しみを一生味わうようになる。
誰かと番になる事はできず、フェロモンを出す事も叶わず、発情期も一人で過ごさなければならない。
唯一、番になれるのは運命の番となるαのみだが、見つけられる確率なんてゼロに近い。
それでもその夢物語を信じる者は多いだろう。
そうでなければ
「死んだ方がマシだ····」
そんな事を考えながら歩いていたら突然ある男に話しかけられ····
「これを運命って思ってもいいんじゃない?」
そんな都合のいい事があっていいのだろうかと、少年は男の言葉を素直に受け入れられないでいた。
※すみません長さ的に短編ではなく中編です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる