抱き締めても良いですか?

樹々

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抱き締めても良いですか?

26-4

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「決してあなたを拒んでいる訳ではありません!」
「……分かってる。嫌われてるなんて思ってないから」
 浩介の頬に触れた。引き寄せると唇を奪った。
「でもさ、好きでたまらないって、分からせて欲しい時もある」
「……どうすれば?」
「分からないか? さっきから俺、濡れてるんだけど?」
 浩介の大きな手を後ろへ導いた。
「脱がせてくれないか?」
「……お腹は空いていませんか?」
「お前……ムードぶちこわすなよ」
 浩介のワイシャツに手を掛けた。力一杯引きちぎってやる。弾け飛んだボタンが転がっていく。拒まれる前に肩から脱がせてしまう。
「もう、駄目って言うなよ! ここまで来て止められたら、俺が狂うからな!」
「落ち着いて下さい。腕に響きますから」
「お前……えっ?」
「助言をして頂きましたから」
 そう言った浩介は、俺を横向きにさせてくる。左腕を上にされ、背後から浩介が抱き締めてくる。ズボンのベルトに手を掛けられると、下着ごと脱がされていく。先ほどまでハンバーグをこねていた指が、濡れていた後ろへ入ってきた。二本で広げられ、たまらない。
「……こんなに、求めて下さっていたんですね」
「ぁ……ぁ……!」
「私も……あなたをずっと抱き締めたかった!」
 まだ、充分に解れていなかったけれど、浩介の腫れ上がったモノが入ってくる。狭い中を進む彼のモノを締め付けてしまう。
「ぁ……なに……!?」
 広げるように左足を抱え上げられていた。そうすると受け入れ易くなるのか、浩介が中まで入ってくる。右腕はしっかりと俺の腹を支え、背後から突き上げてくる。
 いつもこねていたのに、出し入れされるとたまらない。浩介の腕にしがみついてしまう。
「浩介……浩介!」
 奥を抉られイッてしまう。男のモノから白濁が飛び散ったけれど、浩介は止まらない。なおも奥を打ってくる。仰け反る俺の項を嗅ぐように唇が滑っていく。
 噛み跡が残る項へ、浩介が噛みついた。痺れが全身に広がっていく。最奥へ入ってきた浩介がイッた。中に出された刺激で体が震えてしまう。後ろが、甘い痺れに震えている。
「触れたかった……ずっと!」
「……だったらもう、拒むなよ?」
「怪我をしないで下さい!」
「怪我しても、お前とすれば治るし」
 笑った俺にまた項に噛みついてくる。甘い痺れに酔いしれながら、浩介の体に触れた。
「まだ、熱があるな」
 入ったままの浩介を刺激する。どろどろになっているそこへ触れると、中で膨らんでいるのを感じた。
 αのフェロモンが強烈に出ている。俺を誘ってくる。
「なあ、顔が見えない。キスできない」
「……腕は痛みませんか?」
「平気。俺に夢中になってる顔が見たい」
 言えば体勢を変えてくれた。いつものように正面からこねてくる。もどかしい刺激にじわりと熱を上げなら、浩介の顔を引き寄せた。キスをするつもりだった浩介の、耳目がけて噛みついた。
「ぅん……!」
「良い声……たまんねぇ!」
「に、苦手ですから……ぁっ!」
 もう片方の耳たぶに触れ、甘噛みし、息を吹きかけると崩れ落ちてくる。フルフル震えている逞しい長身は、無意識にだろう、俺にしがみついてくる。
「もう……止めて下さい!」
「だめ。まだ満足できない」
 唇で愛し、手で揉むと震えが増した。繋がっている場所がじんじんしている。耳穴を舐めようとした俺を引き離すと、これ以上、悪戯ができないよう唇で塞がれた。差し込まれた舌は奥まで入ってくる。絡められ、吸い上げられている。
「ぅん……足りねぇ!」
「申し訳ありません……もう……!」
 浩介が腰を引いた。奥をこねていたモノが抜けそうになる。
 かと思うと奥へ一気に突いてきた。
「ああぁっ!」
「こんな……あまり煽らないで下さい……!」
 俺を抱き込んだまま、腰だけで出し入れを繰り返される。何度も奥を突かれ、あまりに気持ちが良くて涙が出てしまう。
「……とま……らなくて……!」
「いい……もっと!」
 両腕でしがみついてしまう。浩介を求める俺に、彼は全身で応えてくれた。
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