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抱き締めても良いですか?
18-2
しおりを挟む警察の説明に追われ、被害者女性と女性スタッフのケアに追われ、看護師への指示に追われた私は、結局、茜の側に戻ることができなかった。浩介が時々、意識確認は行っていてくれた。大丈夫だと、返事はあった。
けれど。
「ごめんね、戻ってあげられなくて」
抱き締めた体は震えている。私にしがみ付く力も無かった。
強制的に引っ張られ、番になって初めてヒートを起こした茜は、抑制剤も効かず、ただただ、独りで発散していた。
終わったと、出てきた時は酷くやつれてしまって。被害者女性も、女性スタッフも、疲れ果てていた。
二人の番を呼び、家に帰らせたけれど、私はすぐに帰るわけにはいかず、茜を執務室で寝かせていた。浩介に事務処理を手伝ってもらっても、事件のことをおろそかにはできず対処に追われた。
警察官として、琴南慎二も来ていたから。私も浩介も慎二も、Ωを狙う今回の事件を嫌悪していた。出来るかぎりの情報と、協力を約束した。
「茜さん? まだ痺れてる?」
頬に流れている涙を唇ですくい取った。二人で家に戻れたのは、日付が変わろうとする頃だった。それまでずっと、茜を独りにしてしまった。
「お願い、声を聞かせて。私の声、届いているかい?」
家に帰ってすぐに、茜を抱いた。散々、指で弄ったその場所は赤くなっていた。まだ濡れていた中へ入ると、小さく震えていた。
「茜さん……茜さん、返事して」
奥を刺激するように、軽く腰を動かした。ぼうっとしていた茜の視線が、ようやく私に絡まっている。
「え……いた……さ……!」
「うん、待たせてごめん!」
胸に抱き締めた。しゃくりあげながら泣いている。
「くる……しかった……!」
「うん、ごめん。よく我慢したね」
頭を撫でてやると、細い両腕が私にしがみついている。茜の項に残る私の噛み跡を軽く噛んでやった。繋がりが強くなれば良いと思って。
「抱いて……くださ……!」
「好きなだけ、乱れて」
意識が戻った茜の奥を強く突いた。私を締め付けるように体に力が入っている。押しつけるようなキスに応え、中に招き入れた。涙を流しながら私を求めてくる。
指では届かなかった場所へ、入ってあげたい。
茜の腰を掴むと胡座をかいた上に座らせた。奥まで押し進む。
「ぅん……!」
「体重かけて」
腰を引きそうになった茜を抱き締め、最奥まで突いてあげた。細くしなやかな両足が無意識に私の腰に絡んでくる。
「瑛太さん……!」
私の頬を掴み、何度も唇を奪ってくる。唇は彼に任せ、腰を掴むと下から突き上げた。喘ぎ、唇が離れては覆ってくる。飲みきれない唾液が茜の顎を伝っていく。
意識が吹っ飛びそうだ。貪るように私を求める茜のΩのフェロモンが私を刺激している。私から出るαのフェロモンも抑えられない。
「やばいね、茜さん。これ以上色っぽくなったら外に出せなくなる……!」
ベッドに押し倒した。腰が浮くほど打ち付けてしまう。奥を何度も打つ私に茜の涙が止まらない。中に注ぎながらイクと、茜もまた仰け反りながらイッている。
「ああぁ……!」
「きっつ……!」
私を離すまいと、茜の締め付けは凄かった。搾り取られてしまいそうなほどに。小刻みに震えている茜をベッドに寝かせると抜いた。私のモノが溢れてくる。
「どう? 落ち着いた?」
茜を抱き込んでやった。私のフェロモンを嗅ぐように鼻先を近づけた茜は、首筋に吸い付いた。
「まだ……足りない」
「分かった。どうして欲しい? こっちを、たくさん愛してあげようか?」
Ωとしての茜も、男としての茜も、私には大切で。触らずともイッていた茜のモノを握った。
「……ぅん」
「良いよ。意識飛ばさないでね? ちゃんと見てるんだよ?」
柔らかい髪を撫で、茜の細くしなやかな両足を広げると、白濁で濡れていたモノにキスをした。舐めながら口に招き入れていく。時折吸ってあげると、腰が浮き上がっている。
「ん、ん、はぁ~久しぶり、たくさん出したんだね。濡れてる」
「瑛太さ……!」
「良いよ、また出して。受け止めるから」
喉奥まで一気に咥えた。張り詰めたモノを押しつけるように腰が浮き、私の喉奥でイッている。吐き出された白濁を受け止め、飲み下していく。
綺麗にしながら唇を離すと、茜の体は満足したようにベッドに沈んでいた。その姿はあまりに扇情的で、美しく、誰にも見せたくない。
「こっちへ……」
細い腕が伸ばされ私の顔を掴んだ茜は、まだ口内に残っていた自分の白濁を絡め取るようにキスをしてくる。二人で茜の白濁を飲み込んだ。
「眠って。綺麗にしておくから」
「……瑛太さんも……疲れてるから……」
「綺麗にしたら一緒に眠るよ。誰にも渡さない」
柔らかい髪にキスをすると、茜の瞼が閉じていく。Ωとしての体が満足したのか、強ばっていた顔が緩み、芯から眠ってしまう。
頬に残っていた涙を拭うとベッドから下りた。眠っている体を抱き上げる。私に全てを任せた茜の眠りは深かった。
抱きかかえたまま浴室へ連れて行くと、シャワーで体を洗ってあげた。中に出していたモノも掻き出しておく。指で弄りすぎているこの場所に、後で薬を塗ってあげなければ。抑制剤が効かないままで発散しようとして、無理矢理指を入れていたのだろう。
「ごめんね。辛かったね」
想いを込めてキスをした。茜を綺麗にするとベッドへ戻る。薬を塗ってやり、疲れ果てた体を横たえ抱き込んだ。
ΩがΩを何故襲う?
犯人の思考回路が理解できない。男Ωなら、ヒートの苦しさは分かるだろうに。無理矢理ヒートを起こさせる薬があるだけでも開発した人間を憎んだのに、ΩがΩをヒートにさせるなんて。
「見つけたら……どうしてくれようか」
私の大事な者を傷つけた。そしてこれからまた、誰かを傷つけるつもりなのだろう。捕まるまで、繰り返すかもしれない。
眠っている茜を確認し、壁に掛かっている時計を見上げ、携帯を手に取ることをためらったけれど。
眠っているなら仕方が無い。だが、どうしても守らなければならない。
通話を押すと、相手が出た。
「ごめん、遅くに。琴南さん、寝てる?」
[はい]
「ちょっと良いかな?」
[構いません]
私も浩介も小声で話した。浩介も考えていたようで、快諾してくれた。
通話を切ると、眠る茜を胸に抱き込んだ。私も眠っておいた方が良いのだろうけれど、頭が冴えてしまって眠れない。
細い茜の背中をなんとなく撫でながら、愛しい人の体温を感じながら体を休めた。
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