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抱き締めても良いですか?
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しおりを挟む「俺も、どんなお前でも受け止めるから。無表情でも、甘えん坊でも、泣き虫でも。全部浩介だから。甘えてこい」
「……私は泣き虫ではありません」
「そう? 俺は結構、泣き虫浩介も好きだぞ」
αのフェロモンが溢れてくる。俺を誘うように。
起き上がる浩介を、もう止めなかった。はだけたパジャマをソファーに置いている。筋肉逞しい体は、男の俺を苦も無く抱き上げる。
ベッドに下ろされると見下ろされた。重なった唇に俺も感じてしまう。Ωのフェロモンを出して応えた。
「……たくさんしますから」
「おう、やってみ?」
挑発してやると、ティシャツを脱がされる。愛撫を覚えた男浩介は、胸の突起を吸い始めた。舌で弄りながら吸い上げてくる。生温かい感触にぞわぞわする。
今までそこは、されたことがない。軽くキスをしてくるくらいだった。
「お、おい……!?」
「甘えて……ん、良いのでしょう?」
そこでしゃべられると感じてしまう。前が立ち上がってきた。ズボンと下着をずり下ろされ、それを躊躇いなく握ってくる。胸とそこの刺激に仰け反ってしまう。
「ちょっとたんま……! それ……無しっ!」
「ん……ちゅっ」
「……っ!」
カリッと甘噛みされるとイッていた。浩介の手が濡れていく。
もう、後ろもどろどろになっていた。折り重なってくる浩介の体に、後ろが早く欲しいとヒクついている。
それなのに、浩介は反対側を攻めてくる。まるで子供が母の乳を吸うように吸い上げてくる。こんなエロい子供は知らない。
「おまっ……! まだ酔ってるな!?」
「酔ってません」
赤い顔のまま吸い付かれ、甘噛みされ、舌で転がされている。下をゆるゆる撫でられるとたまらない。浩介の頭を掻き抱く。
「こんな……たまんないから!」
「……たくさん、して良いのでしょう?」
「だから……早く……!」
「たくさん、キスしたいです」
首筋に顔が埋まる。浩介の唇が、キスをしながら下りていく。散々弄られた胸も、脇腹にも、啄むように唇が這っていく。
片足を持ち上げられると、太腿にも唇が滑っていく。
まさか。
たくさんして良いというのは。
キスだけなのか!?
「こ、浩介……?」
「はい?」
脛にも丁寧にキスをしている。脹ら脛に舌が這っていくのを見ているだけでもおかしくなりそうなのに、一向に後ろに触れてくれない。
片足を持ち上げているから分かるはずだ。俺の後ろが大変なことになっているのに気付かないはずがない。
それでも浩介は、反対側の足に取りかかっている。何度も這っていく唇と舌に、奥が早く欲しいと震えている。
「ぁ……はぁ……狂い……そう……!」
もういっそ、自分で弄るしかない。濡れている場所へ指を入れようとした手を取られた。両手が絡め取られ、頭上に縫い付けられてしまう。
「……ここも」
「ぅ……」
「ここも……」
「……もぅっ!」
男のモノ同士は触れている。浩介のモノも立派に立ち上がっている。擦れているのに入れてくれない。二の腕にキスをしては両手を絡めてくる。指と指を絡められ、動けなかった。
αのフェロモンが強烈に出ている。手の甲にキスをしている浩介が、涙で滲んだ。快感に負けて流れ落ちていく。
「……ぇ」
「つらっ……! 苦しいって……!」
「……!!」
弾かれたように起き上がっている。流れてしまった涙を大きな手が拭ってくれた。
「私は何を!? 酷いことをしましたか!?」
「体が……壊れるから……!」
「申し訳ありません! どこが痛いですか!?」
「もう……!!」
これ以上、我慢できない。自分から入れにいく。浩介の腰を掴み、自分の腰を浮かせると力尽くで入れた。奥まで届かない。もどかしい。
驚いて動けない浩介を押しのけながら仰向けにさせ跨がった。奥まで貫いてくる。
「ああぁっ!」
「……!!」
堪えきれずにイッた。前から白濁が飛び散ってしまう。浩介の腹にかかってしまう。カタカタ震えた体は、それでも満足できていない。奥が馬鹿みたいに痺れてしまっている。
まるでヒートの状態みたいだった。このままでは狂ってしまう。
「浩介……頼むからちゃんと抱いてくれ……!」
快感に涙が止まらない。抱き寄せられると、ベッドに戻された。奥をこねるように突いてくれる。しがみつく俺に、優しい手が撫でてくれた。
「すみません、もう、お酒は飲みませんから」
「それは……いい! 俺が、飲ませたから……!」
「こんなに泣いて……!」
掻き抱かれた。中を掻き回され、痺れていた奥が落ち着いてくる。奥でイッた浩介のモノで、Ωとしての俺がやっと満足している。
体から力が抜けていった。しがみついていた腕が外れてしまう。
気絶するように眠ってしまった。浩介の手が頬を打っていたけれど、瞼を開けることができなかった。
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