妖艶幽玄奇譚

樹々

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第一幕

奇ノ六十七『限界を超えてなを』

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 目まぐるしい夜が明けて、暑い一日が始まっている。
 照りつける日差しは、特別機関があるビルにも降り注いでいる。悪鬼が打ち破った大きな窓は、修理業者を呼ぶ暇が無いため、段ボールを貼り合わせて作った簡易窓になっている。強い風が吹くと今にも吹き飛んでしまいそうだ。
「ですから、その辺はお任せしますよ。こちらは被害状況の収集と、悪霊の強さを測っているところです。強い悪霊は札だけでは留めておけませんからね。見本に一体、連れて行きましょうか?」
 剣はハンドフリーの電話に応対しながら、モニター画面からも目を離さないでいる。折れた右手は治療され、肩から吊された紐で固定されている。左手でキーボードを触ると画面を切り替えている。
「少々お待ちを。葵さん、政宗さんに連絡を。一体、漏れているようです。あの子はもう、成仏して頂くしかないようです。急いで下さい」
「了解です」
「あ、デカブツから連絡入った」
 チッと舌打ちしながらも、心路がどうするかと視線を送っている。剣はそのまま待つよう伝え、通話中のままだった相手に笑っている。
「すみませんが電波ジャックの件は質の悪い悪戯、吹き飛んでしまったビルや壁はガス爆発ということでお願いします。ええ、他の理由でも構いません。男の子? 空を飛んでいた?」
 俺のことだろうか。剣を見れば彼も俺を見ている。
「あなたは空を飛べますか? 気のせいですよ」
 そう言って笑った剣は、後は任せるといって切ってしまった。男の子、というのは俺のことだろう。暗かったとはいえ、ビルとビルの間を飛ぶように移動していたから、誰かしらに見られていたと思う。
 それを気のせい、で片付けられるものだろうか。忙しなく連絡を取っている剣のすぐ側のデスクに座らせてもらいながら七海を振り返る。
「七海の言霊は悪戯だってよ」
「達也君は気のせいだね」
 二人して笑ってしまう。今度は一希と連絡を取り始めた剣を見守った。椅子に座りながら長い足を組んでいる。
「状況は? そうですか。着き次第、政宗さんに合流して下さい。華枝さんでも無理な悪霊は、一カ所に集めて蘭丸さんの帰りを待つしかありませんね」
 無意識にだろう、右手で顎を摘まもうとして顔をしかめている。声には出さなかったけれど、なんとなく一希は気付いたようだ。
「あなたが私を心配するなんて。慰めなら言葉ではなくベッドの上でお願いします」
 ふふっ、と笑っている剣の額には、汗が滲んでいる。いつも通りの自分でいようとしているけれど、体は正直に反応しているようだ。
 少しの間、初音の膝枕で眠っていたけれど。数時間で起き上がり、発生した悪霊の対処と、電波を使ってしまった後始末に追われている。破壊された建物、その影響で一部の地域で停電や断水が起きている件もどんどん問い合わせがきている。
 謎の男の子が空を飛んでいた事件は話題になるだろう。動画を撮られていたら俺だと知られるかもしれない。
 それを気のせいで片付け様としている辺り、たとえ見られていてもそれほど問題だとは思っていないのだろう。生きている人間が空を飛べるはずがない、と世間の人たちは思うはずだ。
 映っているのは霊か、合成だと思うだろう。俺に霊感がなく、普通の人間だったらきっとそう思う。
「こちらは大丈夫です。初音さんにも他の地区へ向かってもらいました。早く対応しないと見逃してしまう悪霊が増えてしまいますからね。外は頼みましたよ」
 一希を戻す気はないようだ。俺と七海はそっと立つと、電話している剣の真横から叫んだ。
「隊長めっちゃ汗だくだぞー! いてーんだって!」
「強がってるけど、辛いんだと思います!」
 叫んだ後、すぐに逃げた。右手が使えない剣になら捕まらない。じろりと睨んでくる彼に舌を出してやった。
「……子供達は元気ですよ。まったく、困ったものです」
 最後に一言、二言話した剣は電話を切っている。額の汗をそのままに立ち上がっている。
「心路、まだいけますか?」
「うん。僕は大丈夫」
「では葵さん、少し休憩して下さい。ほとんど寝ていないでしょう」
 本来なら、葵は朝組なので、夜は寝ているはずだった。それが交代して眠っている間に悪霊が発生したので、かなりの時間、起きていることになる。
 少し前に七海と一緒にコーヒーを淹れてやったけれど、時々、瞼を擦って睡魔に耐えていた。
「すみません、お言葉に甘えて少しだけ眠らせてもらいます」
「七海君、葵さんを手伝ってあげて下さい」
「はい」
 七海は小走りになると葵の車椅子を押している。その時にはもう、気が抜けたのかうとうとと頭が前後に揺れていた。
 起こさないよう七海がゆっくりと車椅子を押して出て行った。見送っていた俺の右手を剣が握る。
「念のため、ここに」
「分かってる。心路、睨むなよー」
「……ふんっ!」
 剣が指示を出すデスクから、心路のデスクは少し離れている。囲まれているパソコン越しに睨んでくる心路は、恨めしそうだ。
 悪霊が発生してからというもの、剣が俺の側に居るからか。俺だって好きで側に居るわけではない。
 でも、もう一人の悪鬼が完全に落ち着いたと確証がとれるまでは、変態・剣の側に居なければ。もう二度と、関係ない人たちを巻き込みたくない。
 それに。
 悪鬼が暴走すれば、この人はきっと、無理をする。
 また別の誰かと連絡を取り始めた剣を見上げた。流れ落ちていく汗が首筋からシャツへと染みこんでいく。握られている右手は、彼の汗で濡れていた。
 俺を助けるためにも、悪霊になってしまった霊達のためにも、剣は体を張って助けようとする。大量に発生してしまった悪霊を恐れもせずに救っていた。折れた右手を頑なに治療させなかったのは、差し伸べる手が要るからだ。
 死んだ人たちに対して、剣はとても優しい人だった。
 普段は変態だけれど、そこさえ無ければ良い男だと思う。

 だから、もうちょっとだけ我慢してくれ。

 聞こえているかは分からない、俺の中の悪鬼に声を掛けた。
 会いたい人、もう一人の悪鬼、炎に包まれて亡くなった弟。
 一つになっていた魂が、二つに引き離されてしまった悪鬼達。彼らはもう一度会いたいだけ。一緒になりたいだけ。
 その望みを叶えてもらえるよう、紫藤や剣に頼むつもりだ。七海の言霊もある。俺と、もう一人の人の意識を保ちながら、悪鬼達も会わせてやりたい。
 これほど想い合っているのだから。

 考えてもらうから。俺も協力するから。

 中に呼びかけながら、剣に握られている手に力を込めた。
 彼の手は、とても温かかった。


***


 夕方頃に、紫藤から特別機関へ連絡が入った。
 紫藤の封印の珠と、もう一人の悪鬼を宿す人の封印の珠と、繋げている現在、安定している、と。
 俺と繋げた時は、紫藤は酷く衰弱していた。俺から噴き出す悪鬼の気の量が多かったためだ。もう一人の悪鬼の気の量は、それほどではないらしい。
 だからもう、もう一人の悪鬼からは、俺と繋げにはいけないだろう、という紫藤の見解だった。七海の言霊の力で、細く繋がっていた道筋も切れている。
 俺の中の悪鬼も、力をずいぶん使っている。剣が少しずつ、距離を取りながら確かめていたけれど、中から声は聞こえない。スクリーンを見ているような、妙な感覚もしない。
「大丈夫。封印の珠への意識は外さねぇよ」
[油断をするでないぞ?]
「分かってるって」
 紫藤の念押しにもしっかり応えてやった。
 俺と替わった剣が、再度現状を確認している。七海と一緒に聞き耳をたててみた。紫藤と剣がどんな話をするのか気になって。
「ええ。分かっていますが、まだ眠くはありませんから」
[もう、大丈夫だと言うておろう。悪鬼は私が直接見張っておる。北条もいるであろう。夜にまた活発化するかもしれぬ。さっさと眠れ!]
「一希は戻しません。政宗さんもまだ、工場付近の対応に追われています。苦情の電話も多くてとてもとても」
[この……! 人がせっかく心配してやっているというに!]
「蘭丸さんに心配されるのも良いものですね~」
 笑っている剣の額の汗は凄かった。余裕ぶって見せているけれど、俺から見てももう、限界がきているように見える。
「こちらはご心配なく。では」
[こ、これ……!]
 まだ何か言っている紫藤の電話を切ってしまった。いつもならもっと、どうにかして会話を引き延ばそうとするのに。静かに瞼を閉じると、呼吸を整えようとしている。
 パソコンの群れからこちらを見ている心路に訴えた。これ以上は無理ではないかと。唇を噛み締めた心路が、自分の親指の爪を噛んだ時だった。
 特別機関のドアが開いている。大柄な体が姿を現した。
「すまない。遅くなった」
 大股で歩いてきた北条一希は、葵の車椅子も押していた。途中で手を離すと、葵は心路が座っているパソコンの群れの方へ向かっている。
「心路君、行っておいで」
「……!」
 弾かれたように立ち上がった心路が走ってくる。その時にはもう、一希が剣を立たせていた。
「眠って下さい。暫く代わります」
「悪霊は? まだ帰れと指示は出していませんよ」
「伊達さんが上手く回してくれます。達也君と七海君にはもう少し頑張って起きていてもらいます」
「勝手な行動は許しませんよ。現場に戻りなさい」
 一希の手を振り解いてしまった。左手がドアを指さしている。
 けれど一希も負けてはいなかった。その手を握り締めている。
「痛み止め、飲んでいないでしょう?」
「飲みましたよ」
「心路に聞いています。薬は部屋に置いたままだと」
「……だから何です?」
 もう一度、振り解こうとした剣がよろめいている。足に力が入っていなかった。腰を支えた一希は、そのまま胸に抱いている。
「皆、心配しています」
 大きな手が、剣の頭を撫でている。珍しく一希が剣を甘やかしている。
 これなら言うことを聞くかもしれない。七海と視線を合わせながらホッとしたけれど。力を振り絞りながら、一希の胸を押して離れてしまった。
「まだ、彷徨っている方が居ます。離れる訳にはいきません」
「隊長……」
「私は……私の側に居てくれた……優しい方々を見捨てることは……」
 朦朧としながら話す剣の胸に、細い体がしがみついた。倒れかかった剣を懸命に支えながら抱きついている。
「お願い、隊長。薬を飲んでよ……!」
「心路……」
「隊長が皆を大事にしてるの分かってる。助けたい気持ちも分かってる! でも!」
 汗が染みこむ剣のシャツに、心路の涙も染みこんだ。
「隊長のことも、皆心配なんだよ! 一希さんが戻ってる間だけでも、休んでよ……お願いだよ」
 支えながら抱きつく心路を、剣は引き離さなかった。黙ったまま後頭部を見つめている。しゃくりあげるその体に揺られながら、瞼を閉じると大きな溜息をはき出した。
「何かあればすぐに起こしなさい。良いですね?」
「はい」
「心路、あなたにも無理をさせました。休みましょう」
 泣いている心路の額にキスをした剣は、支えられながら執務室を出て行った。その背中を見送ると、一希がハンドフリーの電話を装着している。
「すまないが達也君、七海君。もう暫く起きていられるかな?」
「おう、大丈夫! さっきうたた寝したし」
「うん。僕も大丈夫です」
「薬、飲んでなかったってことは、痛いまんま仕事してたってことだよな?」
 だからだろう、汗が凄かったのは。病院で治療したし、痛み止めの薬ももらっていたのに、何であんなに汗が凄いのかと思っていた。
 折れている右手も、締められた跡が残る首も、状態は酷いはずだ。レントゲンでは右手は複雑骨折を起こしている。真っ直ぐに戻す作業を見ていただけの俺でも、痛みをもらった気がして思わず顔をしかめてしまった。
「痛み止めに、睡眠薬も入っていたんだろう。眠くなる薬は、あの人は絶対に飲まない」
「何で?」
「……さあ。出会った時からそうだったから。でも」
 天井に備え付けている画面の一つが赤い点滅を起こしている。音は切っているけれど、悪霊の発生を告げるものだった。
 場所は政宗が居る付近だった。葵が指示される前に政宗に繋いでいる。
「一体、隠れていたようです。反応が大きくなりつつあります。いけますか?」
[ああ、大丈夫だ。剣は寝たか?]
「ええ、やっと。あそこまでいくと、心路の言うことしか聞きませんから」
 少し笑った一希は、発生している悪霊の場所を細かく教えている。その間にも、政府からの連絡が入っている。葵が代わりに受けていた。
「七海、飯作ろうぜ」
「うん」
「隊長達の分も作っておくか」
「そうだね」
 剣が離れている間は、七海に側に居てもらう。もちろん、俺の封印の珠も常に意識はしている。
 もしもまた、なりふり構わず出てこようとしたら止める。周りを巻き込むやり方だけはさせない。
 執務室の奥にある台所で、冷蔵庫にある食材を確認した。通常、それぞれの部屋で自炊しているから、執務室にはあまり野菜や肉は置いていない。
 今日は初音が外に出る前に、それぞれの部屋から食材を集めてきている。野菜も肉も残っている。
「野菜たっぷりチャーハンにするか。あと味噌汁もつけて」
「そうだね。隊長さん、左手だとおかず掴みづらいだろうし」
「おーい、コーヒー飲む?」
 一希と葵に声を掛けると、二人とも手を上げている。やかんに水を入れるとコンロに火を付けた。
 その間に米を洗い、炊飯ジャーにセットする。寝かせて炊きあがるまで時間があるので、人参や玉葱を切って下ごしらえまでしておこう。
 玉葱を小さく切っていると、涙と鼻水がぐずぐず出てくる。
「これだけは苦手だな~」
「うん、しみるね」
 七海もちょっと泣いている。思わず手で擦ったからか、玉葱の汁が目に入った。
「いった!」
「大丈夫?」
 急いで手を洗うと、そのまま顔も洗った。七海が取ってくれたタオルで顔を拭いてみても、なんだか目元がヒリヒリしている。涙がポロポロ出てくるのでタオルを押しつけた。
 その手に七海の手が重なった。タオルから顔を出した俺の目元に、柔らかい物が当たっている。
 近い七海との距離。涙で滲む視界いっぱいに、七海の赤い顔がある。
「……ごめん、なんだか可愛くて」
 俯く彼に、持っていたタオルを被せた。目元を隠してしまう。
「達也く……ん」
 赤い唇にキスをした。七海もキスをしたのだから、お相子のはずだ。
「可愛いとか言うな」
「……そこ?」
「つか、可愛いのは……七海の方だし」
 自分からキスしておいて、真っ赤になって俯くなんて。ここが台所ではなかったなら、もっと、キスして、抱き締めたい。
 思った自分に真っ赤になる。七海に見つめられるとますます赤くなってしまう。
 なんとなく七海の唇を見ていると、彼も俺の唇を見つめていて。
 そうっと顔を近づけた。七海も少し伸び上がってくる。唇が触れようとした時、かけていたやかんから、お湯が沸いたことを知らせる音が響いた。
 我に返ると一歩、後ろに飛んでしまう。七海もサッと顔を俯かせている。
 せっかくの良い雰囲気を壊したやかんの火を止めると、七海とは違う人の気配を感じた。
「青春、だね。政宗さんの気持ちが少し分かった気がするな」
 車椅子を操る葵が、クスクス笑いながら唇に人差し指を当てている。どこから見られていたのだろう。固まる俺と七海を交互に見つめると、微笑みながら背を向けている。
「お砂糖二つ、ミルクたっぷりめでお願いね」
「お……おう」
「ああ、それと」
 車椅子を操る手を止めると、ヒラヒラと手を振って見せた。
「そこ、なにげに監視カメラがあるから気をつけてね」
 聞き捨てならない言葉に、慌てて天井を見上げた。どこにカメラがあるのだろう。何故台所にそんな物を仕掛けているのか。
 七海と一緒に探してみるけれど、監視カメラの類いは見つからなかった
 からかわれたのだろうか。とりあえずリクエスト通りの甘いコーヒーを淹れ、一希にはブラックで仕上げるとお盆に乗せて運んだ。
 葵のデスクにマグカップに淹れたコーヒーを置きながら囁いた。
「無かったぜ?」
「あれ、おかしいな。今日、取り付けたはずなんだけど」
「今日?」
「うん。あ、ほら、映るでしょう? 数日は君の様子を細かくチェックすることになったからね」
 執務室の中で死角になる場所には小型の監視カメラを設置したと言う。俺と七海がうたた寝している時にだろう。確かにさっきまで俺達が立っていた台所が映っていた。角度から割り出すと、どうやら上の棚のどこかのようだった。
 後でもう一度、場所を見ておこう。思いながら一希にもコーヒーを運んだ。忙しなく連絡を取っていた彼は、ありがとう、という意味を込めてだろう、右手を挙げている。
 その手が数台あったパソコン画面の一つを指さした。指につられるように視線を向けると、そこには台所が移っていて。
「げっ……」
 声を出してしまった俺に今度は、ごめん、という意味を込めて顔の前で手を挙げてみせている。
 その目は微笑ましそうに笑っていて。
 俺も七海も、真っ赤になることしかできなかった。
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