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第一幕
奇ノ四十二『困った人』
しおりを挟むパソコン画面に映る剣の顔は、笑っているのに、笑っていない。
俺だけじゃない、見ていた皆、感じたようだ。
「こ奴を産んだ者ならば……母ではないか」
紫藤の言葉に、克二が振り返る。
「……そういえば、隊長のご家族のこと、知らないよ」
「私も……。心路君は?」
剣の恋人なら知っているのでは、そう皆の視線が集まる中、彼は舌打ちした。知らないと、言うことか。
画面の中で微笑む剣と、正座したままの一希は向かい合ったままで。特に動揺した様子もなく、一希が切り出した。
〔……それで。葬儀に出られたのですか?〕
〔まあね。急に連絡が来たんですよ。一応、息子だから、葬式に出ないか、とね〕
〔……今まで一度も連絡はないと、おっしゃっていましたよね?〕
〔おや? そんな事をお前に教えた覚えはないよ?〕
剣は首を傾げて見せている。一希は正座したまま、じりっと近づいている。
〔……それで、葬儀に出てどうでしたか?〕
〔普通ですよ。お葬式の場面なんて、どれも似たり寄ったりじゃないですか〕
〔……言葉を変えます。何を、見ましたか?〕
剣の目の前までにじり寄った一希は、話すのを待っている。一希を見上げ、にこりと笑って見せた剣は、何でもない、と肩を竦めながら話した。
〔産んだ人がね、参列者の顔を確かめるように見ていました。おかしなものです。死んだ人間として、遺影まで飾られているのに、その人が動き回っているのですから〕
〔……それで?〕
〔特に何と言うことはないんですよ。私の顔を見て、通り過ぎていった、それだけのことです〕
〔……それで?〕
〔ああ、そうそう。後から入ってきた男性が来ると、その人の側から離れなくなりましたね。気付いて欲しかったのか、目の前にずっと、浮かんでいましたよ〕
にこにこと笑いながら、剣の口は滑らかに動いた。その手が、微かに震えているように見えるのは気のせいだろうか。
〔誰なのか少々、気になりましてね。フランス系の人でしたし。聞けば、私という子種を仕込んだ人だそうです〕
〔……隊長の父親、ですか〕
〔私に親は居ませんよ〕
冷ややかな、剣の言葉に一希の目が鋭くなる。笑っていた剣の顔が、だんだん無表情に変わっていく。
誰も、何も言えなくなった。ただ、二人の会話を聞いている。
〔一希。お前でも私の中に入ってくることは許さない〕
〔入るつもりはありません。ただ……〕
〔ただ? 何です? 同情ですか?〕
もう、剣の表情からは、何も読み取れなくなった。一希を遠ざけるように、冷たい声音が雑音に混ざる。
葬儀に出て、自分を産んだ人の魂がさ迷っている姿を見たのだろう。参列者の顔を見て、剣の前を通り過ぎていった。
それはつまり、剣に気付かなかったということになる。詳しい事情は分からないし、剣は母親と認めていない人の死。ずっと連絡が無かったのなら、一緒に住んだこともないのだろうか。
無表情になった剣の顔からは何を考えているのか、何を感じたのか、分からないけれど。
俺には、泣いているように見える。
母親に気付いてもらえなかった剣と。
母親に背を向けられた俺と。
だぶって仕方が無くて。知らず知らず、隣に立っていた七海の手を握っていた。七海も俺の手を握り返しながら、画面に映る剣を見守った。
〔……くだらない。お前に同情される覚えはないし、私は産んでくれたことには感謝している。産まれて来なければ、何もできないからね〕
〔……隊長〕
〔その目は何だい? 何が言いたい?〕
〔隊長〕
〔……もう、話すことはない。蘭丸さんのお仕置きを受けに行きますね〕
立ち上がろうとした剣の腕を一希が取った。引き寄せ、腰を抱いている。
まるで子供をあやすように、大きな手が剣の背中を撫でた。
〔……本当に困った人だ〕
〔何の真似です、一希? ああ、私に欲情したんですね?〕
膝立ちになった剣の手が、一希のネクタイを解いている。シャツのボタンを外し始めた。
〔良いですよ。好きなだけ抱いて。お前が初めての相手なら……〕
〔泣き方を何処に忘れてきたんですか〕
一希の手が、剣の頭に添えられる。そのまま広い胸に抱きこんだ。
顔が隠れるように、抱いてやっている。
〔泣く? 私がですか? どうして?〕
〔隊長……〕
〔何を馬鹿なことを。何も悲しくないのに、どうして泣くんです?〕
〔……最初で最後です。あなたを慰めるのは。達也君にしたことは、後で必ず謝罪してもらいます〕
言い終わると同時に、剣を抱き上げている。すぐ側のベッドに運んだ。
「あいつ……!! 隊長!!」
「待って、心路君! 兄さんを信じて!」
「冗談じゃない! だいたい……何であいつだけ知ってるんだ!? 僕だって……知らなかったのに!」
克二に押さえられたまま、悔しそうに唇を噛み締めている。長めの黒髪が、顔に張り付いた。
画面の中では、ベッドに寝かされた剣が映し出されている。掛け布団を捲った一希は、それを剣の体に掛けた。
顔が隠れるほど、上まで引っ張り上げて。
そうしておいて、ベッドの上に座っている。一希が座ると、大きく軋んだ。
一希は一緒に入らなかった。ただ、側に座っている。掛け布団ごしに、剣の体を撫でてやっている。子供を寝かしつける親の姿のようだった。
しばらくじっとしていた体が、横を向いたのか、もぞもぞ動いている。丸く盛り上がった布団が、少し震えている。
一希は何も、声を掛けなかった。ただ、撫で続けている。
小さな嗚咽が、雑音に混じって聞こえる。時折、盛り上がる布団が大きく揺れた。
〔……かず……き……〕
震える声が押し出される。俺達も、一希も、耳を傾けた。
〔一希……!〕
布団から白い右手が出てきた。その手を一希が取っている。ベッドから降りると、側に跪いて両手で包み込んでやっている。
〔どうしました?〕
〔……一希〕
〔ここに居ます〕
〔一希……〕
〔はい〕
何度も名前を呼ぶ剣に、優しく応えてやっている。無理やり聞くこともなく、ただ、側に居てやっている。
剣のことを一番知っているのは、一希のようだった。彼がどうして親を親として認めていないのか、一緒に暮らしていないのか、知っているのは一希だけなのだろう。
でも、剣は自分から話してはいないようだった。どうして知っているのかと、不思議そうにしていたし。
一希がわざわざ調べたのだろうか?
いや、人のプライベートを根掘り葉掘り調べる人ではない。剣が話したことを忘れているだけかもしれない。
それでも、心路にしてみれば憎らしいだろう。自分の知らないことを知っているうえに、今、一希は剣に対してこの上なく優しく接している。
チラリと心路を見てみれば、唇を噛み締めたまま画面を凝視していた。自分の知らないことを一希が知っているのが、やはり歯がゆいようだ。ギリギリと奥歯を噛み締める音までしている。
まして一希の優しさは、剣を素直にさせている。電話でセクハラされていた時は突き放していたのに、今は剣を受け入れている。
この瞬間だけを見れば、二人は恋人同士のようだった。
〔一希……〕
〔隊長。今だけは、弱音を吐いても忘れます。吐き出したい事があればどうぞ〕
〔…………厳しいね。今だけなんて〕
〔あなたは特別機関の隊長ですから〕
〔そうか………………私は隊長か〕
少しずつ、一希の手が引かれていく。布団の中まで引っ張り込んだ剣は、上体を屈めることになった一希に抱き付いている。
一希の眉間に皺が寄ったけれど、引き離すことはなかった。
〔…………少しの間で良い、こうしていておくれ〕
一希の肩に顔を隠した剣の表情は、俺達から見えなくなった。体重を掛けた一希は、そっと布団ごしに腰を抱いてやっている。
二人は仲睦まじく抱き締め合っている、ように見える。
少なくとも、真っ赤な顔になった心路にはそう見えたようだ。
「あいつ……見てるの知ってて……!」
もう、我慢ができないと心路が立ち上がる。克二の制止を振り切って、執務室を飛び出してしまった。
「困ったな。心路君じゃないとロック、外せないよ」
克二がどうにか、剣の部屋のロックを外せないかとパソコンを操作しているけれど、どうにもできないようだ。画面からは、外からドアを叩く音がしている。
〔隊長! 隊長……!〕
〔……お迎えが来ましたよ。後は心路に任せます〕
一希が起き上がっている。ベッドを軋ませ、一人降りている。
大股でドアまで歩き、中から開けてやっている。心路が飛び込み、一希の胸を全身で押しのけた。大してよろめきもせず、道を空けてやっている。
ベッドに寝ていた剣に、飛び込んだ心路がしがみ付いた。
〔隊長……!〕
〔心路……〕
〔僕が……慰めなら僕がするのに……!〕
力いっぱい抱き付いている。両手を伸ばした剣は、心路の背中を抱いた。
〔……生きているね……温かい〕
〔……隊長?〕
〔……温かい〕
長い黒髪を撫で、心路を甘やかしている。そんな二人を見つめた一希は、大きな溜め息をついた。
安心したのか、鋭い目が緩んだ。
〔心路、隊長の顔を冷やしてやってくれ。私は先に戻る〕
画面から一希が消える。ベッドの上では、まだ心路が剣にしがみ付いたままで、剣は言葉もなく髪を撫で続けている。
剣の目は、ぼうっと天井を見上げていた。泣いたはずなのに、目はあまり潤んでいないように見える。パソコン画面だから、細かくは見えないのかもしれない。まして盗撮の映像だから、はっきりと映らないのかもしれない。
涙の跡を確認しようと、画面に顔を寄せた時、執務室のドアが開いた。足早に戻ってきた一希は、一直線に俺の所までやってくる。
目の前に、膝を着いて座っている。そうすると俺より視線が下がってしまう。鋭い目が、キリッと俺を見上げた。
「済まなかった、達也君。隊長の暴走を止められなかったのは、副隊長である私の責任だ。罰は私が受ける」
「ちょ、ちょっと待った! 北条さんは関係ないじゃん!」
世話になった一希に、膝を着かせるなんてできない。引っ張り上げようとしたけれど、筋肉の塊でできている彼の体はビクともしない。真剣な目が向けられている。
「隊長が突然、一人で休暇を取った時に、おかしい事に気付くべきだった。……あの人は、一人になるのを極端に嫌がる人だから」
「どういうことだ?」
紫藤が割り込んできた。俺と一希の間に入り、彼を見下ろしている。膝を着いたまま紫藤を見上げた一希は、一瞬、言うべきかどうか迷うように視線を外している。
けれど意を決したように、紫藤を真っ直ぐに見上げた。
「特別機関のメンバーは、ご存知のとおりこの下の階に住むことが義務付けられています。例外なのは、紫藤様と清次郎さん、後は轟さんだけで、私達はここに住んで居ます」
「それがどうした? もうずいぶん前からそうであろう?」
「はい。だから、隊長は隊長になったんです。この機関に居る間は、誰かが必ず、側に居ますから」
一希の言葉に、紫藤が首を傾げている。俺も紫藤の背中越しに一希を見ながら頭を掻いた。何が言いたいのか、よく分からない。
剣が隊長になった理由と、休暇を取った理由と、俺がセクハラされた理由と。
繋がるのだろうか?
皆が一希を見る中で、彼は紫藤を通り越して、俺を見上げてくる。
「達也君」
「……何?」
「隊長は君が、羨ましかったようだ」
「……俺が?」
唐突な言葉に、目が丸まってしまう。俺のどこが羨ましいのだろう?
霊が見えるせいで、それも霊感が高いせいで、まともに友達もできなかったし、親からも見離されて一人で生きてきたのに。
羨ましがられるところなんてない。そう言おうとした俺を見つめながら、大きな手が動く。
その手は、スッと紫藤を指し示した。
「紫藤様、そして清次郎さん、七海君が、いつも君の側に居て、愛してくれている」
「……どういうこと?」
「隊長が特別機関の隊長になったのは、そういう環境を欲していたからだ。誰かに側に居て欲しい、あの人はいつもそう、望んでいる。それを手にしている君が、羨ましいんだよ」
だから、と続けた。やや足を広げた状態で正座している。
「守られている君が、目の前に居た。抑えが利かなくなったんだと思う。同時に、君を手にする事で、必ず紫藤様と清次郎さんが出てくると考えたんだろう。どんな形でも良い、自分を……」
「か~ずき。あなた、いつから私のことをあれこれ説明できるようになったんです?」
艶やかな声に、皆が振り返る。ゆっくりと歩いてきた剣は、黒いスーツから着替えていた。新しいシャツに、ジーンズを履いている。上から一つ、下を二つ、シャツのボタンを開けている。彼の後ろからは、心路がそっぽを向いたままついて来ている。
剣の左頬は腫れたままだった。ブラウンの髪が顔に掛かると、年齢の割りに若く見える。薄い色の瞳が俺を見つめると、一希の隣に膝をついた。
「済みませんでした」
ストレートな謝罪に、俺を守るように手を広げていた紫藤がビクッと飛びのいている。俺を庇うように後ろ手に守りながら、じりじりと後退してくる。
「実に不愉快なことが重なりまして。悪鬼が暴走した時も、せっかく蘭丸さんと清次郎さんの愛の営みを撮影できるチャンスが来たというのに一希に邪魔されてしまいましたし、今度は産みの親が死んだと聞かされてとても不愉快でしてね。可愛い君が可愛いお尻を突き出していたのでつい、手が伸びてしまいました。実に触り心地の良いお尻でしたよ」
ペラペラと、滑らかに話し続ける剣に、紫藤の肩がわなわな震えている。反省しているのかしていないのか、剣は話し続ける。
「唇も若く柔らかく、キスの味も申し分ありません。あなた、将来有望ですよ。続きを知りたいなら遠慮なく言って下さいね。いつでも教えて差し上げます」
「……この不届き者が! そこを動くでないぞ!! 今切り刻んでやる!!」
叫んだ紫藤が掌から扇子を取り出した。振りかぶり、振り下ろそうとした手が取られる。素早い清次郎が、紫藤を自分の方へ引き寄せ、俺の背中を押した。
二人が跪く前に立たされる。ポリポリと頬を掻きながら、剣を見下ろした。
「もう、良いよ。北条さんが一発、入れたし。それで終わり」
「達也!! この者を許せば突け上がるだけぞ!」
「なら、これで終わり!」
一希にぶたれ、腫れていた左頬を軽く打った。顔をしかめた剣が、頬を押さえている。
目の前にしゃがんで、ニッと笑ってやった。
「あんたにも、理解してくれる人がすげー側に居るじゃん。産んだ親がなんだっつーの。イラつく前に吐き出せよ?」
「……可愛い唇をしているのに、生意気ですね~。私に説教ですか?」
「あんた、ガキっぽいし」
「君の体の方がまだまだ子供ですよ」
グッと握られたシャツが、勢い良く広げられた。弾け飛んだボタンが転がっていく。抵抗する間もなくシャツを剥ぎ取られていた。
驚く暇も無かった。胸に抱き寄せられてしまう。両腕で抱き締められると、頭に手を添えられた。
「おおおお……お主! 何をして……」
「心路。持ってきて」
叫ぶ紫藤を気にもせず、部屋の隅に居た心路を呼んでいる。ふてくされたまま近づくと、ずいっと何かを差し出した。
白い洋服だった。首が隠れる、タートルネックになっている。袖は無く、体にフィットする服だ。
それを俺の頭からかぶせてくる。顔を出すと、首がしっかり隠れた。剣の服なのか、少し大きい。
そっと頬に白い手が当てられる。間近にある薄茶色の瞳に、泣き跡は残っていなかった。
「責任は取りますよ。夜、我慢できなくなったらいつでもお電話下さい。相手をして差し上げますから」
「我慢って……何が?」
「ふふ……いずれ分かります。蘭丸さんも清次郎さんも、性教育には遠慮があるでしょうし、私がじっくり教えてあげますね」
チュッ、とおでこで音がする。吸い付かれたおでこから、今度は頬へ唇が滑ってくる。耳をかすめ、そのまま唇に重なろうとした。
「もう我慢ならぬ!! この戯け者が!!」
清次郎を振りほどき、自由になった紫藤の渾身の一撃は、剣には届かなかった。軽やかに立ち上がり、一歩後ろへ飛んでいる。
「おや、怖い。心を込めた謝罪じゃないですか」
「隊長……」
一歩飛んで逃げた先に、ゆらりと一希が立っている。両手を広げたかと思うと、剣の体を背負い投げた。
背中から落ちた剣は、さすがに苦しいのか顔をしかめている。
「まったく、あなたという人は……!」
「隊長に何するんだよ!」
心路のタックルが一希に決まっているけれど、全く効いてはいなかった。よろめきもせず、剣の背後に回り、首を締め上げている。
「反省したかと思って見守れば。まだ手を出しますか」
「……良い素材なんですよ……! 今から躾けておけば将来私の相手も……」
「隊長! 僕が居るのに!」
締め上げている一希と、その太い腕を何とか外そうとしている剣と、二人を揺さぶっている心路と。
揉めている三人を見ていると、笑いがこみ上げて仕方がない。またキスされてしまったけれど。
『本当に済みませんでした』
たぶん、俺以外には聞こえていないだろう、とても小さな声で謝ってくれた。耳にキスされた時、囁くように言ってくれたから。
「……蘭兄、もう良いからさ。扇子直せって」
「しかし!」
「反省してんだって、あの人なりに。すっげー分かりづれぇけどな」
「……達也」
「ぶきっちょなんだな、あの人」
俺も不器用だけれど、剣はそれ以上だ。
本気で首を締められているのか、白い肌がどんどん青白くなっていく。ギブアップを告げるように一希の腕を何度も叩いている。
ギリギリまで締め上げた一希は、ふっと腕の力を緩めた。咳き込んだ剣が崩れ落ち、心路が一希を押しのけ、背中を撫でてやっている。
「死んだら一希の裸を覗き見し放題になりますよ……!」
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「サンキュー」
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お盆に乗せてコーラを運んでくれたのは初音だった。ポンッと頭を撫でられると、何だか照れくさい。
一気にコーラを飲み干し、乾いていた喉を潤していく。
「絶対にお前の裸を見るまで諦めませんから!」
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