妖艶幽玄奇譚

樹々

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第一幕

奇ノ三十四『真実』

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「……己……! 人が急ぎ駆け付けてやったというに! 二人で楽しんでおったとは何事ぞ!」

「紫藤様、お声が大きいですぞ。もう少しお静かに」

「されど! 私とてお主との甘い一時を我慢してわざわざ出向いてやったのだぞ!? それをこ奴らは二人きりで……」

「分かりましたから。さ、はよう中へ」

 駄々をこねる主、紫藤蘭丸を玄関の中に押し込んだ。申し訳なさそうに立っていた大場幸人がスリッパを用意してくれる。

 プリプリと怒っている紫藤をなだめすかしながら、スリッパを履かせた。半裸に近い状態の幸人の体には、見える位置にも口付けの跡が残っていたから、何をしていたのか聞かなくても分かった。

 部屋の中に通され、リビングで待つよう頼まれる。乱れた幸人の髪と、慌ただしい様子に、もしかしたらまだ、抱き合っていたのかと推測した。

「……少々、早く来すぎたようですな」

「早く来てくれと言うたのはあ奴ぞ!」

 ソファーに座り、ふんぞり返っている紫藤に苦笑した。

 大場隼人の悪鬼の暴走が、達也の悪鬼にも影響を与えてしまった。やはり強い繋がりがあるのか、封印の珠で直接封じている達也まで、危うかった。遠く引き離した二人だというのに。

 隼人の悪鬼の状態を見るため、福岡まで駆け付けたのだが。まさか俺達がヘリコプターを使ってまで来るとは思わなかったようだ。日が昇る前に着いてしまったので、二人の時間を邪魔してしまった。

「まったく! この付近の悪霊も退治して帰らねばならぬと言うに!」

「数が増えているのでしょうか?」

「ああ。突発的に変わってしまった者が出てきておる。白崎が抑えておる間にこちらを片付けねばならぬというに! ……清次郎! 口付けよ!」

「……口付けは関係ないでしょう?」

「いいや! あ奴らだけではずるいではないか!」

 俺の顔をむんずと掴み、無理矢理口付けてきた。咄嗟に歯を噛み締めた俺に、舌先でつついてくる。

 やれやれだ。唇を開き、受け入れようとした俺は、カチャリと開いたドアの音に、急いで紫藤を引き離した。

「これ、清次郎!」

「後でいくらでも甘やかして差し上げますから、今はどうか」

 隼人を抱き抱えながら出てきた幸人に聞こえないよう、紫藤の耳に素早く囁いた。

「…………その言葉に二言はないな?」

「……少々不安ですが、二言はありませぬ」

「……うむ」

 ぶすっと唇を尖らせながらも、どうにか大人しくなってくれた。ホッとした俺の前に、大場兄弟が座っている。

 双子の二人は、どちらも口付けの跡が付いていた。半裸に近かった幸人は、今はパジャマに着替えている。弟の隼人もまた、ティシャツとジャージ姿になっている。

 気まずそうに顔を見合わせた二人に、紫藤が指を突き付けた。

「情をかわすのは私達が帰ってからにせよ!」

「紫藤様。その話はもう、ようございましょう」

 たしなめ、二人の顔を見つめた。

「体は大丈夫でしょうか?」

「……え……」

「……ぁ」

 顔を赤らめた隼人。いつもは冷静な幸人まで咳払いをして冷静さを保とうとしている。

 不思議に思いながら、もう一度聞いた。

「影は収まりましたか?」

「……あ、はい! 影……はい、大丈夫です」

「……隼人様?」

「ほ、本当です。もう見えません」

 背筋を伸ばし、大きく呼吸をした隼人は、深々と頭を下げてきた。

「わざわざ来て頂いてすみませんでした。兄貴から聞いています。俺のことで、お話があるとか」

 一房跳ね飛んでいる髪をそのままに、顔を引き締めた彼に頷いた。紫藤が腕を組み、じっと隼人の体を見つめている。

 正確には、彼の胸と腹の間を。

「……これから話すことは、お主等以外、誰にも話してならぬ。良いな?」

 紫藤の言葉に、二人は頷いている。

 溜息のような、疲れた息を吐き出した紫藤は、俺の膝をポンッと叩いた。心得え、鞄から小さなケースを取りだし、その中に収められていた珠を取り出した。

 封印の珠を、一つ。

 緑色をした封印の珠を紫藤の手に乗せれば、明かりに透かすように持ち上げている。

「これは封印の珠だ。お主等には馴染みがなかろうが、昔から伝わるものだ」

「封印の珠……? 頂いた札のようなものでしょうか」

「働きとしては似た力を持つが、札とは比較にならぬほど、力を封じ込める。これをお主に預ける」

 隼人の顔を見つめた紫藤は、スッと目を細めている。

「珠の力は強すぎる故、本来ならば霊媒師から直々に教わりながら引き継ぐものだ。だが、お主の側にずっと付いてやる訳にはいかぬ。故に、この珠を使うことは許さぬ」

「……意味が分かりかねます」

 兄の幸人が綺麗な眉をひそめている。頷いた紫藤は、封印の珠を入れていたケースに戻している。

「こ度のように、力が暴走した時にのみ、使うことを許す。珠を通じ、より強く、お主の中にいる悪鬼を封じることができるようになるでな」

「……悪鬼?」

 聞き返した隼人に、紫藤は目を伏せ、俺の膝をポンッと叩いた。

 説明を引き継いだ俺は、二人の顔を相互に見つめ、隼人の目を真っ直ぐに見つめた。

「大場隼人様」

「……はい」

「あなたの魂に、古より世に害を及ぼしてきた悪鬼と呼ばれるものが憑いております。人が死に、魂となり、この世に留まることで悪霊に変わりますが……悪鬼は更にその先にいったものです」

 俺の目を見つめる隼人に、視線を逸らすことなく告げた。

「悪鬼は意思を持ち、人を襲います。力も強く、悪鬼同士で群れる習性もあります。故に、あなたの悪鬼が、達也の中に居る悪鬼を求め、外に出ようとしているのです」

「……達也? もしかして、隼人が助けたあの少年ですか?」

 幸人の言葉に頷いた。隼人の目が、静かに見開かれていく。

 紫藤が顔を上げたので、俺は口を閉ざした。

「達也が十七になった夜、あ奴の中で眠っていた悪鬼が目を覚ました。恐らく、達也の霊力が最も盛んになる時を待っておったのだろう。よいか、お主の悪鬼が目覚めるきっかけとなったのは達也だ」

 紫藤が腕を組んでいる。一言一言、考えながら話している。邪魔をしないよう見守った。

「お主は大人故、話す。心して聞け」

「……はい。大丈夫です」

 隼人の顔が引き締まっている。支えるように、幸人の手が彼の手を握っている。

「繋がりは江戸の頃、お主等が生まれ変わる前からに遡る。悪鬼を率い、江戸を半壊させた男、それがお主の前世だ」

「……俺が?」

「推測だがな。その男は達也の前世の男と深い繋がりがあった。恨んでおったのか、或いは慕っておったのか……分からぬが、執着はあった」

 自分の組んだ腕をトントンと指で叩いている紫藤。どこまで話すかを考えているようだ。

 達也とは違い、隼人はもう、成人した男性だ。だから達也には話さなかったことまで話しているのだろう。隼人の方から達也に接触が出ないように。彼に賭けたようだ。

「生まれ変わった魂は、本来ならば前世の記憶は無い。だが、達也に聞けば、誰かを探しているようだと言う。お主もか?」

「……はい。俺とは違う誰かが、誰かを捜しています。その人のもとへ行こうとしています」

「それが悪鬼であろう。前世の記憶ではなく、悪鬼の記憶であろう。悪鬼同士が惹かれあっておる」

 組んでいた腕を外した紫藤は、今度は顎を摘んだ。じっと虚空を見つめながら話ている。

「達也の悪鬼が目覚め、お主に接触したことでお主の中の悪鬼も目覚めた。互いに引き寄せようとしておる。現在は達也の中の悪鬼を直接封じ、落ち着いてはいるが……お主の方が野放しに近い」

「隼人はトラックに引かれそうになりました。その時に暴走したようです。札を付けていなかったせいで命は助かりましたが、影が噴き出してしまって」

 紫藤が携帯電話を通じ、ひとまず吸えるところまで隼人の体から漏れ出た悪鬼の影を吸い取った。今の状態を見る限り、落ち着いている。

 達也の方の悪鬼を先に封じ、繋がりを断ち切っているからだと、紫藤は見ている。

「力は達也の方が強い。故に、達也の体内に封印の珠を入れておる。お主の中におる悪鬼は、達也の悪鬼がおらねば充分に力を出すことができぬよう故な」

「つまり?」

「たとえ暴走したとしても、繋がりの先である達也の悪鬼が応えない限り、お主の悪鬼はどうすることもできぬ」

 それが紫藤が出した結論だった。

 隼人の悪鬼が暴走し、単体で動くことが可能だったならば。

 達也の悪鬼を封じている間に、外に出ていたはずだった。札を身に着けていない状態で暴走していたのだから。

 だが、隼人の悪鬼は外に出ることも、自由になることもなかった。彷徨い、もがき、それでも動けずにいた。

 達也の中にいる悪鬼を求め続けている。

「達也の悪鬼を完璧に封じ込めることが何より先決だ。とはいえ、いつどうなるかは分からぬ。故に、この珠をお主等に預けておく」

 ケースごと押しやっている。ずっと紫藤が守ってきた珠の一つを。

「達也が落ち着いた後、いずれこれをお主の中に入れ、直接封じるつもりだ。それまでは人に知られぬよう、常に側で保管せよ」

「今度、悪鬼が暴走した時は?」

「珠を握らせよ。それは私の友が使っていた封印の珠だ。私と良く呼応する。珠を握り、噴き出す影を吸い込んで欲しいと願え。私と通じるまで、守ってくれよう」

「分かりました」

 隼人の代わりに幸人がケースを手にした。掌に乗せ、目を閉じている。弟を守る封印の珠だ、想いが募っているのだろう。

 そんな幸人の隣りで、顔を引き締めた隼人は、背筋良く一礼した。

「話して下さってありがとうございました。俺の中に、もう一人居る、そう思うと、少し気が楽になりました」

「お主の魂と結びついておる故、引き離すことはできぬ。それは達也も同じだ。お主と達也は……」

「会ってはいけない。そういうことですね? 俺が福岡に転属になったのも、彼から引き離すためだったんですね」

「そうだ。会ってはならぬ。良いな?」

「はい」

 しっかり頷いた隼人に、紫藤はホッと溜息をついた。そんな彼の背中をそっと撫で、慣れない説明を続けた彼をねぎらった。

 達也に絡むことだ、いつもなら俺に任せる説明を自分で行った。可愛い弟のためにと頑張った主を誇らしく思う。達也の前でも素直に心配していると言えたらもっと嬉しいのだが。

 微笑みながら紫藤を見つめていた俺は、スッと立ち上がった彼に合わせて立った。

「ではな。お主の悪鬼は落ち着いておるよう故、戻るとしよう」

「せめてお茶でも飲んでいって下さい。わざわざ足を運んで頂いたのですから」

 幸人が素早く立ち上がって勧めてくれるけれど。丁寧に断った。

「そうもいかないのです。正直に申し上げますが、悪鬼が暴走すると、悪霊になるにはまだ早い霊達もまた、影響を受けてしまいます」

「……まさか、俺のせいで悪霊が増えているんですか?」

 顔をしかめた隼人に、紫藤の白い指が突き付けられている。

「そうだ。故に、必ず札と珠を身に着けておけ。暴走させてはならぬ。良いな?」

「はい。肝に命じます。申し訳ありませんでした」

 立ち上がった隼人が頭を下げている。慌てて彼の顔を起こした。

「隼人様が望んで行ったことではありません。どうかあまり気になさらないで下さい。我等で封じてきます故」

「そうはいきません。今回は俺が兄貴に拒まれて飛び出したせいで……」

「拒む?」

 聞き返した俺に、顔を赤らめている。俯いた彼に変わって、幸人がにこやかに笑っている。

「私を抱きたいとだだをこねましてね」

「あ、兄貴!」

「拒んだことで弟が危険になったんです。こんな想いは二度としたくない」

 隼人の体を抱き込んだ幸人は目を閉じている。

「今後、拒みませんのでご安心を」

「……兄貴」

「お前を一人、行かせるものか」

 隼人もまた、目を閉じると抱き返している。

 フルフル、フルフル、紫藤の手が震えると、抱き合う二人をドンッと押した。

「イチャイチャするでない!!」

「紫藤様!?」

「私とて清次郎に甘やかしてもろうておる時間なのだぞ!? それを割いて来てやったというに……!」

 両手を振り上げた紫藤が、なおも二人を叩こうとしている。寸前で押さえ込み、肩に担ぎ上げた。肩で暴れている紫藤を落とさないよう、足をしっかり持ってしまう。

「失礼致しました。また何かありましたらご連絡下さい」

「……あ! こ、こちらこそすみません! ご足労頂いたのに……!」

「いえ。ではこのまま失礼させて頂きます。札と封印の珠、お忘れなきよう」

「はい!」

 二人に頭を下げると、紫藤を降ろさずそのまま運んだ。玄関で靴を履き、紫藤の靴を片手で取ると、ドアを開けた。

 大場兄弟に見送られながら、足早に外に出る。紫藤がジタバタ暴れているけれど、降ろす訳にはいかない。

「これ、清次郎! 降ろせ! 降ろさぬか!」

「お静かに! まだ皆、眠っているのですぞ」

 エレベーターが来るまで、紫藤を降ろさなかった。ようやく上がってきたエレベーターに乗り込み、紫藤を降ろしてやれば。

 白い顔が真っ赤になっていた。目まで血走っている。よほど目の前で甘い雰囲気を出した二人が許せないと見える。

 叫ぼうとした体を抱き締めた。乱れた白髪を整えるように撫でてやる。肩に顔を埋めた紫藤の動きが、ピタリと止まった。

 エレベーターが下っていく。一階に着くまで、あまり時間は掛からないから。

 滑らかな額に、一つだけ口付けを落とした。

「それで、どうやって甘やかしたら宜しいでしょうか?」

 大人しくなった紫藤に問い掛けた。ぐんぐん下っていくエレベーター。下に引かれるのを感じながら、白髪を撫で続ける。

「……熱い口付けをせよ」

 しがみ付く体に微笑んだ。

 一階に着いたエレベーターから降りると紫藤に靴を履かせ、外に出た。マンションから離れ、薄暗い道を行く。

 人が居ないことを確かめ、灯っている街灯から離れた場所で、紫藤の唇に口付けた。最初は優しく、触れた。

 誘うように開かれた唇。合わせるように舌を滑り込ませた。絡まる舌の熱さに吐息をこぼしながら重ねていく。首に回された彼の両腕が、甘えるように抱き付いた。

 唇が痺れていく。紫藤と俺の熱が混ざり合っていく。

 深い口付けに息が乱れる頃、そっと離した。

「……さ、次は白崎様の所へ行かねばなりませぬ」

「ちっ……」

「紫藤様」

「分かっておる!」

 ギュッとしがみ付く主をそのままに、携帯を取り出した。迎えに来てもらおうと思って。

 悪霊退治に各地を回っていた紫藤と俺は、一時、退治を中断して福岡まで来ている。東京の特別機関に残っていた白崎剣も、福岡に来ていた。

 彼が福岡で不意に発生してしまった悪霊を一カ所に集めているはずだ。

 紫藤の家には、達也と七海を守ってくれている北条一希が居る。彼に連絡し、珠の保管場所を教え、大場隼人に渡す珠を用意してもらっていた。二人の様子を聞けば、ちょうど眠ったと教えてくれた。

 二人に知られることもなく、封印の珠は一希から剣に渡った。

 乱れたパジャマ姿がそそられた、と熱心に語っていた剣を思い出すと吹き出してしまう。一希から受け取った封印の珠を持って、先に福岡入りしていた俺達と合流した剣は、早々に悪霊の動きを封じ込めるために動いている。

 さすがに紫藤をからかう余裕はないようだった。少々、困った人だが、隊長として働く彼の腕は確かだった。

「日が昇る前に片付けた方が宜しいかと」

「……うむ」

 携帯で運転手の松尾に連絡を入れた。彼も福岡に来てもらっている。剣を乗せてヘリコプターを飛ばしたのは彼だった。

 一回目のコールですぐに出た彼は、側に居ると言っている。

 携帯を持ったまま首を巡らせた時、パッとライトに照らされた。黒いリムジンが近付いてくる。

「相変わらず仕事の早い男だの」

 紫藤が感心したように頷いている。

 俺はそっと携帯を切り、光に照らされながら顔を赤くした。

 願わくば、見られていませんように。

 松尾が運転するリムジンは、俺達の側まで来ると静かに停車した。スッと降り立った松尾は、いつも通りの綺麗なお辞儀をした。

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