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第一幕
奇ノ二十四『四人の絆』
しおりを挟む嫌な季節がやってきた。梅雨ってやつは、外はもちろん、家の中もじめじめさせるから苦手だ。
雨音激しい外に干せない洗濯物が、家の中で干されている。湿度倍増だが、文句は言えない。俺や七海の洗濯物も干されていたから。時々、湿気取りを点けてくれるのはありがたかった。
じめじめする中、俺は封印の珠の修行を続けている。ずいぶん自然になってきた、と師匠の紫藤はふんぞり返って言っている。梅雨が明けた頃、庭を中心に外に出る練習も始める、と言っている。
そんな修行中の俺の隣では、七海も言霊を操るため、言葉の発生練習をしていた。落ちても問題のない雑誌や新聞を相手に、言霊を使っている。清次郎の手によって切られた髪は、綺麗に整えられている。ますます清次郎に似ていると、紫藤の鼻息は荒かった。
最初は言霊のせいで何度も耳鳴りが鳴るので頭が痛かったけれど、慣れてしまった。また、浮かせる気のない新聞紙がぶわっと宙を飛んでいっても、気にしないで続けられるまでになった。
「七海。今のは力がこもっておったぞ。己の中の力の流れを掴むのだ。感情に流された時でも、力を使わずに済むようにな」
「……はい」
「うむ、もう一度だ」
紫藤は真ん中のソファーで足を組みながら清次郎を呼んでいる。そろそろ三時のおやつの時間だからだろう。俺達の休憩時間にもなる。
今日のおやつは何だろう、思った時、紫藤が振り返る。
「達也。乱れたぞ」
「……ちぇっ」
「まあ、その程度なら問題はないがの。なるべく完璧に近づけよ」
「分かってるよ」
そうは言っても、四六時中意識するのは大変だ。紫藤はいつも、珠を意識しているのだろうか?
そう言えば彼の中には珠が複数あるみたいなことを言っていた。説明を面倒くさがっていたけれど。
おやつはホットケーキが良いと清次郎にねだっている紫藤を見ながら、隣の七海の肩を引き寄せた。
「なあ、蘭兄の珠について聞いてくれよ」
「……何で?」
「俺が聞いても面倒くさがるからさ。お前なら喜んで教えると思うし」
可愛い清次郎と、七海を可愛がっている紫藤のことだ。彼が聞けばきっと教えてくれる。少しずつ話すようになった七海の耳に囁いていた俺は、紫藤の掌から出てきた扇子をおでこにぶつけられた。
「これ、七海に手を出すでない!」
「うっせーな! 変なことはしねぇよ。あんたじゃあるまいし」
「ふん、分からぬぞ。清次郎に似て愛らしい顔をしておる七海に、お主が狼にならぬとも限らぬ故な」
「はんっ! それはあんたの方だろう? 清兄に似てるからって、七海に手、出すんじゃねぇぞ!」
「はい、そこまでです」
キッチンから仲裁に来た清次郎が笑いながら俺達を引き離した。落ちていた扇子を拾って紫藤に渡し、シロップや蜂蜜、バターをテーブルに並べている。
「今、焼いていますので」
「うむ!」
「お前達は他に何か付けるか? ジャムが良ければ持ってくるが」
「俺はこれで良いよ」
「……僕も」
「そうか」
にこりと笑った清次郎が戻っていく。俺と七海は立ち上がり、皿とナイフとフォークを取りに行った。一人、紫藤だけはふんぞり返っている。
清次郎がホットケーキを焼き、その他の準備は俺と七海でやり終えた。
テーブルに並べた皿に、出来上がったばかりのホットケーキが置かれている。
「さ、できましたぞ」
「うむ」
紫藤は心なしかうきうきしていた。白い肌を紅潮させている。清次郎が一口サイズに切り分け、たっぷりシロップを垂らすと、手を合わせて一番に食べ始めた。
「……ほんっと、何もしねぇんだな」
思わず呟けば、清次郎が笑っている。
「紫藤様は俺の主故、何もしないのではなく、俺がさせないようにしておる。誤解するでないぞ?」
「私が手伝おうとすると怒るのだ」
はふはふ、熱いホットケーキに息を吐き出した紫藤が横から割り込んでくる。清次郎は紫藤を見て微笑むと、俺達にも食べるよう勧めてくる。
「お前達はいずれ、独り立ちせねばならぬ。今の内に覚えておいて欲しくてな、手伝ってもらっている」
「ただで置いてもらってんだ。文句はねぇけど……」
幸せを噛み締めている紫藤に吹き出しながら、俺はバターを塗った。七海はシロップをかけている。
「蘭兄だって、一応できた方が良いんじゃねぇ?」
「馬鹿にするでないぞ、達也。私とて、清次郎の帰りを待って食事を作ったものだ」
「……へぇ~」
「何だその目は! 信じておらぬな! 味噌汁も、焼き魚も、ご飯だって炊けるぞ!」
「んじゃ、聞くけど。コンロの点け方は? 炊飯ジャーのスイッチは入れられるのか?」
大きくホットケーキを頬張った俺に、紫藤がきょとんとしている。
「……何だ、それは」
「清兄。駄目だって、やっぱ教えた方が良いって」
「……そのうちな」
清次郎は苦笑しながら、蜂蜜をかけて食べている。その腕を紫藤が引っ張っている。
「のう、清次郎。すいはんじゃーとは何だ?」
「ご飯を炊いている機械のことですよ」
「……ほう。便利な釜だと思うておったぞ」
「名前は炊飯器、または炊飯ジャーとも言います」
「うむ、覚えたぞ!」
「……五歳児か!」
自慢げに笑った紫藤に、俺はツッコミ担当になっていた。隣の七海が思わず吹き出すほど、なかなか良いツッコミだったらしい。
クスクス笑った七海は、口元にいっぱい、シロップを付けていた。
「……子供か!」
七海にまでツッコンだ俺は、側にあったティッシュで拭き取ってやった。清次郎似の七海は目を丸め、恥ずかしそうに俯いた。
***
おやつを食べ終えた俺と七海は、紫藤が食べ終わるのを待っていた。彼は時折、口の周りに付いてしまうシロップを清次郎に拭かれながら、二枚を完食した。
食べ終わった頃、おやつの後のコーヒーを運んだ清次郎。紫藤と七海のコーヒーはミルクと砂糖をたっぷりめ、俺は砂糖だけ、清次郎はブラックコーヒーで飲む。好みを覚えている清次郎は、すでに砂糖を入れたコーヒーを置いてくれた。
「……七海、頼む」
「……うん」
七海の腰をつつき、促せば小さく頷いた。甘いミルク入りコーヒーをまったり飲んでいる紫藤の方へ体ごと振り返る。
「蘭兄さん」
「ん? 何だ?」
にこりと笑った紫藤の隣に清次郎も座っている。二人の視線が俺の隣に座っている七海に注がれる。もう一度促すように腰をつついた。
「あの……蘭兄さんの珠の事をおし……」
七海は一度、言葉を切った。言霊が出ないよう、呼吸を整えている。無意識に俺のつなぎの袖を握った七海は、ゆっくりと続けた。
「珠の事を教えて欲しいです」
教えて、と言霊を使ってしまえば、力で無理矢理聞いたことになる。それは嫌だったのだろう。言霊が出ないよう注意した七海は、何とか言い切った。ホッと息を吐き出している。
「ふむ。可愛い清次郎に頼まれては断れぬの」
コーヒーカップを置き、足を組んだ紫藤は顎を軽く摘んでいる。七海を見つめ、どうしてか俺も見つめ、頷いた。スッと立ち上がっている。
「少々待っておれ。清次郎、来い」
「はい」
先に立って歩き、すぐに従った清次郎がついていく。二人して二階の方へ行ってしまった。
珠の事を聞いただけなのに、どうして二階に行くのだろう?
「他にも珠があんのかな」
「達也君も持っているんでしょう?」
「ああ。こいつが無いと、俺の中の悪鬼って奴が出てきちまうからな」
ポンポン、自分の胸と腹の間を叩いて見せた。七海にも珠のことは説明済みだった。
この家に居る以上、俺の中に居る悪鬼の事を話さない訳にはいかない。俺に少しでも変化があれば、すぐに紫藤を呼んでもらうためにだ。
まあ、家の中に居る間は大丈夫だろうとは思っている。紫藤も居るし、俺もずいぶん封印の珠の力の流れを感じられるようになった。後は溢れてきた力を自力で吸えるようになれば完璧だ。
そこまで出来るようになればこの家を出て、普通の男として働いて、お金を稼いで、生きていける。誰の世話にもならず、自分がしたい生き方ができるだろう。
七海だってそうだ。言霊さえしっかり操れれば、家に戻ることができるだろう。
紫藤と清次郎が戻ってくるのを待っていた俺達は、なかなか出てこない二人に首を傾げた。二階の寝室に何をしに行ったのだろう?
「……おっせーな。何してんだ?」
「あ、ドアが開いたみたいだよ」
やっと二人の寝室のドアが開く音が聞こえ、俺と七海は自然と階段の方へ視線をやった。紫藤が先に立ち、清次郎が続いているけれど。
「……何で着替えんだよ」
浴衣姿になった紫藤。俺達の所まで歩いてくると、ソファーには座らずに、少し離れて立っている。長い白髪を手で掻き揚げる姿は、花魁みたいだと思った。浴衣姿になると、妙な色気が出てくる。
とはいえ、相手は紫藤だ。口を開けば煩い、焼き餅焼きの男だ。
「珠のことを説明するには、見せるのが一番故な。ゆくぞ」
そういって、浴衣を留めていた細い帯に手を掛けている。シュルリと解き、はだけそうになった浴衣を清次郎が素早く押さえている。
何をしているのだろう、思った俺達の目の前で、紫藤の長い白髪がふわりと浮かび、体が膨張していく。
綺麗だった顔から嘴が突きだし、巨大化していく体に白いふさふさした毛が生えてくる。浴衣が千切れる前に清次郎が脱がせると、ますます大きくなっていく。
「……は……はぁっ!?」
「…………!」
俺も七海も立ち上がってしまう。むくむく大きくなった紫藤は、巨大な白い鳥になってしまった。赤くなった目が立ち尽くす俺達を見下ろしている。
【……ふむ。どうだ?】
白い翼を広げて見せている。俺は思いきり指を突き付けた。
「どうだじゃねぇよ! ありえねぇし!」
「……本当に蘭兄さん?」
【驚いたか!】
「ったりめぇだ!!」
嬉しそうな紫藤の声につっこんだ。
驚かない人間が居るだろうか?
ふさふさした毛が生えただけでも驚くだろう。人間が鳥になるなんて。SF世界か、ここは。
「あんたがまともじゃないってのは分かってたけど……まさか鳥になっちまうなんて」
短い自分の金髪をがしがし掻いた。心臓がバクバク鳴っている。自慢げに羽を広げる紫藤に、だんだんムカついてきた。
近付くと羽をブチッと一本、抜いてやる。
【痛いではないか!】
「うっせー! なんかムカついたんだよ!」
もっとむしってやる。思った俺の隣に並んだ七海は、ふさふさしている紫藤の体に埋もれた。目を閉じている。
「……温かい」
七海が寄り添ってしまったので、さすがにもう一本、抜くことはできなくなった。紫藤も羽を広げ、包み込むように抱いている。赤い目が七海を見つめ、抜き取った羽を持つ俺も見つめている。
【……この姿はな、私の中にある三つの珠のせいだ。私は珠を宿して産まれた故、命と繋がっておる】
七海を抱いていない方の羽が、俺の頭に被さった。引き寄せられてしまう。ふさふさした毛に包まれた。
【封印の珠と、破壊の珠、そして治癒の珠が私を生かし続けておる。この奇怪な姿は、三つの珠が合わさることで生まれた】
真っ白な毛に包まれ、紫藤の顔は見えなかった。体に触ると、ふさふさだ。綺麗な毛並みをしている。大型犬に抱きついているような感覚だ。
【この姿になれば、力は増大するが……あまり見せられるものではない】
「そりゃまあな。とっつかまるぞ」
【……そうだな】
笑った紫藤が俺達を離した。羽をたたむと、縮んでいく。静かに控えていた清次郎が浴衣を広げて待ち、人の姿にまで戻る頃、俺達から隠すように浴衣を着せた。手慣れたように帯紐も巻いている。
いつもの綺麗な紫藤に戻った。乱れた白髪を手で掻きあげている。
「……怖いか?」
聞かれ、はんっと鼻で笑った。
「人間のまま空飛んだ姿見てんだぞ? 目の前で散々、SF世界見てきたんだ。今更あんたが鳥になったくらいでびびるかよ」
心臓がバクバク鳴っているのは秘密だが。これは驚いたからで、怖いからではない。
絶対に!
「……蘭兄さんは蘭兄さんだから」
七海も俺の隣に立つと笑っている。俺は両腕を頭の後ろで組むと、高い天井を見上げた。
「霊が見えるくらいでびびってた自分が懐かしいぜ」
「……怖かったの?」
「そりゃお前、色々あったんだよ」
「ふ~ん」
「あ、てめー、馬鹿にしてんな?」
七海の細い首に腕を巻き付けると、軽く締め上げた。クスクス笑っている七海の腰に手を当てる。細い腰を思い切り擽った。
「や……あは……あはは……!」
「ほれ、ほれほれ!」
捩れる体を離さないよう、擽り続ける。良く笑うようになった七海は、俺の腕の中で元気に暴れている。
「……うむ! なかなか肝が座ってきたようだの」
偉そうに仁王立ちした紫藤は腰に手を当て、俺達の前で胸を反った。鳥になる変わった男でも、こんな姿を見て何が怖いだろう?
紫藤は紫藤だった。
「話しの続きだが……」
「その前に、着替えた方が宜しいかと」
説明を続けようとした紫藤の体がひょいっと抱え上げられた。彼も予想外だったのか、横抱きにされたまま目が見開いている。抱え上げた清次郎を見つめ、ゴクリを生唾を飲み込んでいる。
「……着替えましょう」
低く囁き、微笑んだ清次郎に、俺も、七海も、暴れるのを止めて紫藤と同じく生唾を飲み込んだ。
清次郎が、いつもの清次郎ではなかった。精悍な顔立ちが緩み、愛しそうに紫藤を見つめている。俺達の存在を忘れてしまったみたいだ。二人だけの世界が、何だかピンク色に見える世界が広がっている。
紫藤の白い肌が真っ赤に染まった。
「お運び致します」
「……お……おおぅ……!?」
奇妙な叫び声を上げた紫藤を抱えたまま、颯爽と歩いていく清次郎。階段を上り、二人の寝室まで真っ直ぐに向かっていく。
ドアが閉まる音が聞こえるまで、俺も七海も、動けなかった。静かになったリビングで、ぼうっとしてしまう。
「……すっげー機嫌良さそうだったな、清兄」
「……うん」
「俺達の前でイチャイチャムード全開って珍しいな」
「……うん」
じゃれ合うのを止めた俺達は、ソファーに座った。テレビを点け、音量は上げておく。
背もたれに埋もれながら、ふいに爆笑した。七海も笑っている。
「暫く出てこねぇよな~!」
「……清兄さん、本当に蘭兄さんが好きなんだね」
「ずっと一緒に居るくらいだ。好きじゃねぇと飽きんじゃね?」
ラブラブをからかう俺からいつも隠そうとしていた清次郎が、自ら紫藤をかっ攫って行った。よほど何か、嬉しいことがあったのだろう。何がそんなに嬉しかったのか分からないけれど、今頃二階は大変なはずだ。
まったく、子供の前なんだから、少しは遠慮して欲しい。聞かない振りをするのも大変だ。
「ま、のんびりしようぜ」
「うん」
テレビ画面の映像を追いながら、無意識に足を組んで頭の中身を整理した。
紫藤の中には三つの珠がある。俺と同じ封印の珠と、破壊の珠に、治癒の珠。三つの珠があるから、紫藤は死ねないらしい。鳥になるのも、珠のせいか。
掌から扇子や札が出てくるのも、三つの珠のせいだろうか。説明の続きをしようとした紫藤を清次郎が連れて行ってしまったから、また後で聞くしかない。
紫藤が自分で説明しようとしたことも、清次郎が俺達の前で甘い雰囲気を醸し出すのも。
珍しいことばかり起こる日だ。
今日は雪でも降るかもしれない。
「永遠の命か~。すげーな」
「……でももし、清兄さんが居なかったら、とても寂しかったと思うな」
凄いと思う俺の隣で、七海は目を伏せている。清次郎似の彼は、言葉に力を込めないよう注意しながら続けた。ここへ来た時よりもずいぶん、スムーズに話せるようになっている。
「清兄さん、いつも言ってるでしょう? 蘭兄さんは蘭兄さんのままで良いって。……なんとなく、気持ちが分かった気がする」
「……まあ、ひねくれなかったのはすげーかもな」
江戸からずっと、生きてきて。
出会った人の死を見てきた紫藤。詳しくは聞けなかったけれど、俺も想像してみた。
凄く仲が良くなった友達が、先に死んでいくことを。
例えば七海とか。
俺がもし、永遠の命を手に入れて。俺一人が歳を取らず、七海にも追い越され、いつか彼や、紫藤や清次郎が先に死んでいく。
俺だけが残される。
そしてまた、友達ができるけれど、その人達も死んでいく。
ずっと、ずっと俺は独りで。
「……いらねぇな、永遠の命なんて」
「……清兄さんが居てくれて良かった! ね?」
にこりと笑った七海に、頭を掻きながら頷いた。
「蘭兄の世話できる人なんて、清兄以外居ないんじゃね?」
「お似合いだよ。蘭兄さんも、清兄さんも、大好き」
笑った七海は、俺を真っ直ぐに見つめてくる。
「達也君も!」
「……は?」
「ありがとう」
清次郎の顔をして笑った七海は、何に対して礼を言ったのだろう?
分からなくて頭を掻いた。にこにこと笑っている七海に、まあ、良いかと組んでいた足を降ろす。
気を取り直し、俺は封印の珠がある胸と腹の間に手を当て、七海は七海で、目の前の新聞紙と向き合っている。
「自主練すっか」
「うん」
今頃、二階では大人の事情が始まっている頃だろう。
子供だって、それなりに気を使える。今は邪魔せず、後でからかってやろう。
キンッと耳鳴りがし、ぶわっと隣で浮いた新聞紙に笑った俺は、七海の頭をくしゃくしゃにしてやった。
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