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第一幕
奇ノ十五『紫藤の決意』
しおりを挟む家から少し離れた場所で待っていたリムジンへ、紫藤と俺は急いだ。なるべく早く帰ってきて、達也の側に居てやりたい。ドアを開け、紫藤を先に乗せる。
反対側に回ると俺も隣に乗った。運転手は顔見知りの松尾勤、名前の通り真面目で、誠実な男性だった。白髪の混ざった五十一歳の彼は、常に安全運転を心がけている。口元に生やした髭は、いつも綺麗に切り揃えられている。
「ビルへ行かれますか?」
「その前に、寄って欲しい場所があります。大場幸人様、隼人様の家なのですが」
「畏まりました」
松尾は手元の画面を操作した。特別機関の情報網は、数分ごとに更新されている。そのため、今日引っ越してきた人間の所在地も、すぐに割り出すことができる。
「では、参ります」
松尾は静かに言うと、言葉と同じく静かに車を動かした。リムジンの広いシートでまったりしている紫藤は、俺の手を握ってくる。
「……ご心配ですか?」
置いてきた達也のことが。そっと顔を伺えば、そっぽを向いている。
「大丈夫のはずだ」
「そうですね」
「今朝は良い顔色をしておったしの」
「はい」
握られている手をそのままに、紫藤の思考を邪魔しないよう心がける。
結界は二重に張っている。だが、一度繋がってしまうと、結界は意味を成さなかった。直接達也の側に現れている。
まずは大場隼人の方を確かめる必要があった。電話の電波を通し、隼人の中に居るモノを封じ込めたけれど。それが成功しているかどうか、実際に見てみなければ分からない。
リムジンがマンションの一角へと入っていく。空いていた駐車スペースに停めてくれた。
「清次郎」
「はい」
携帯を取り出すと、大場幸人の方へ掛けた。携帯電話に直接掛けている。二コール目で出た彼に、下に居ることを告げた。
数分後、大場幸人が降りてきた。大きなリムジンが停まっているせいで、マンションの住民がこちらを見ている。あまり目立ってもいけないし、顔を見られるのもまずい。
「松尾さん、申し訳ありませんが……」
「畏まりました」
運転席をしなやかに降りた松尾は、俺達を探している幸人に声を掛けている。そのまま連れて来ると、ドアを開けて中に入れた。気が利く彼は、そのまま外で待っている。スモークガラスになっている中は、外からは見えないはずだ。
「まさかリムジンで来られるとは」
「申し訳ありません。これからお二人のことを上に話しに行きますもので」
「そうでしたか。隼人が苦しまないで済むのなら、何処へでも行きます」
俺達の前に座った幸人は、紫藤の顔を見つめている。紫藤もまた、見つめながら左手を差し出した。
「持ってきたか?」
「はい。電話に貼っていた物と、隼人の体に貼った物です」
封筒に入れていた二枚の札を取り出している。それを紫藤の手に乗せた。
右手を札の上に翳した紫藤は、力を感じているようだった。札は光輝き、何かを伝えている。
「……ふむ。どうにか封じているようだが……」
「何ですか?」
幸人が身を乗り出している。紫藤は腕を組み、少し考えをまとめているようだ。
「……全てを話す訳にはいかぬが……恐らく、お主の弟の魂そのものに、憑いておるモノが居る」
「何ですか、それは?」
「言えぬ。知らぬ方が良い。なまじ知ればそれが気になり、引き出すきっかけにもなりかねぬ」
「しかし……」
「目覚めるきっかけになったのは、達也だ」
幸人の言葉を遮り、言葉を続けている。
「達也の中にも、居てはならぬモノが居る。故に、お主の弟と達也を二度と、会わせてはならぬ」
「達也君にも……」
「今回のことで分かったが、達也とお主の弟が出会った事で、お主の弟の中に居るモノが目覚めようとした。ならば……」
「会わせなければ、目覚めることはない、と?」
「そうだ。確証ではないが、近いであろう。引き離している間に、達也の中に居るモノを完全に封じる。さすればもう一度目覚めることになったとしても、繋がる先を失ったお主の弟の方は、自然と収まるはずだ」
ポンッと俺の膝を打った紫藤。頷き、用意していた封筒を差し出した。
「紫藤様の札です。二十枚、入っています」
「では……」
「家の中、車、できれば仕事先でも、体にも、貼って下さい。気になることがあればいつでも電話でご連絡下さい」
「……分かりました。信じましょう」
札を受け取った幸人の表情は暗かった。弟が心配なのだろう。
「……すまんな」
紫藤がポツリと呟いている。
「様子を見てやりたいが、私が行けば勘付かれよう。いずれ中から直接封じる。今、達也と共に修行させるよりも、離す方が良いと判断した」
「修行……ですか?」
「これ以上は言えぬ」
少し、多く説明しすぎたかもしれない。紫藤もそう思ったのか、口をつぐんだ。
まだ、聞きたそうにした幸人だったけれど、一つ小さく溜息をついてにこやかに笑った。
「ありがとうございました。今日は一日、家に閉じこもるつもりです」
「隼人様は?」
「寝ています。昨晩、足腰が立たなくなるまで抱きました」
「……ほっ!?」
奇妙な声を出した紫藤は、思わずだろう、俺にしがみ付いた。腰を抱きながら俺も困ってしまう。
そうなのだろう、とは思っていたけれど。こうも隠さず言われると、反応に困った。
「隼人を愛しています。誰にも渡したくはない」
俺達を見据えるように囁いた幸人は、ドアを開けている。
「では、戻ります。色々とありがとうございました」
「……う、うむ」
車の外で綺麗なお辞儀をした幸人は、颯爽と帰っていく。彼が出ていったからか、少し離れて待っていた松尾が戻ってきた。
「ビルへ向かっても宜しいでしょうか?」
「はい、お願いします」
しがみ付く紫藤を見ても、何も聞いてはこなかった。自分の仕事を真面目にこなしている。
動き始めたリムジンの中で、ようやくしがみついていた紫藤が顔を上げた。
「……兄弟の愛とは真深いものよの」
「左様ですな」
応えながら、目を伏せた。
兄弟の愛……それ以上の愛が、二人にはあるのだろう。
何としてでも止めてやらなければ。
達也のためにも。
道を進んだリムジンは高速に乗っている。速度を上げて目的地へ向かった。
その間、飲み物でも、と備え付けの冷蔵庫を開けた。入っていた冷たいお茶を貰う。
酒をあまり好まない紫藤のために、迎えに来る時は必ずお茶を入れてくれている松尾に、いつも心で感謝していた。
***
特別機関は、あるビルの最上階を事務所として使っていた。表向きは宿泊施設のある会議室等を備えたビルなのだが。
その最上階には表だっては行動しない、秘密の機関が存在している。
霊を専門にしている、国民の大半が知らない特別機関。
高層ビルの最上階までエレベーターで上がった俺達は、開いたドアから足を踏み入れた。だんだん、紫藤の顔が不機嫌に歪んでいくのを目の端に捕らえながら。
「……あやつがおらねば良いが」
「居て下さらぬと話が進みませぬぞ」
「分かっておる! だが……すかぬ」
「だだをこねないで下さいね」
念を押しておいた。廊下に敷かれた赤い絨毯を踏みしめ歩いていく。
重苦しいドアは指紋認証を受けないと入れないようになっている。紫藤が白い手で触れると、二重に閉ざされていたドアが開いた。
少し薄暗い廊下を歩いていき、やがて開けた室内へと入り込む。眩しい光が室内を照らしている。
「ようこそ、スウィートハニー!」
「……来るでない! それ以上一歩も動くでないぞ!」
駆け寄ろうとしていた男性に指を突き付け怒鳴った紫藤。指先に居る男性は、肩を竦めてウィンクしている。
後ろに軽く流しているブラウンの髪は、首筋に伝うように襟足だけが長い。垂れている目は薄茶色をしていて、肌の色は透明感があった。三十四歳には見えない若々しい彼は、白崎剣、特別機関の隊長をしている男だ。
ワイシャツの裾を出し、上を一つ、下を二つ、いつもボタンを開けている。その上から緩く結んだネクタイをしているのが彼流だった。
身長は紫藤よりも低い。もう少しで百八十センチに届きそうな所で止まっている。
「いつもながらつれないですね。私は毎日だってお会いしたいというのに」
艶やかな声が紡ぎ出される。紫藤の首筋に鳥肌がたった。
「私は会いとうないぞ!」
「ならばお引き取りを。今のところ急ぎの任務もありませんしね」
微笑んだ剣は、俺を見つめて吐息を漏らした。
「できれば清次郎さんは置いて帰って下さい」
「ならぬ!!」
「独り占めはいけません。清次郎さんが駄目なら……あなたでも構いませんがね……?」
にじり寄ってきた剣は、投げキッスを送ってくる。ぞわっと紫藤の白髪が広がった。
「気色が悪いであろう!!」
「紫藤様、失礼ですよ」
「いつもいつも気味の悪い目で見おって! だからここに来るのは嫌なのだ!!」
「私は待ち遠しいですよ? あなたの怒る顔はゾクゾクする……」
フルリと我が身をかき寄せ震えた剣は、熱い目で紫藤を見つめている。
「今日もとてもお美しい……! ああ……その腕に抱かれたい……!」
身を捩る彼に、とうとう堪えきれなくなった紫藤が俺の背中に隠れた。腰にしがみ付いている。
「蘭丸さん、しがみ付くなら私の股間に……」
「ら、蘭丸と呼ぶでない! 呼んで良いのは清次郎だけぞ!」
「おお、股間にはしがみ付いて下さるんですね? さ、どこからでも……」
「……清次郎!」
背中で叫ぶ紫藤に苦笑しながら、にじり寄ってきた剣から遠ざけた。血走った彼の目を見つめながら、礼儀正しく一礼して見せる。
「今日は仕事の話で来ました」
「……残念です。清次郎さんには隙がありませんね」
「主を守っておりますので」
頭を下げ続ける俺から剣が離れていく。腰つきがなんとなくその手の男に人気があると噂の彼は、並んでいる機械の方へと歩いていく。
この一室には、最新機器が搭載されていた。それらを操り、剣をサポートする隊員が四人居る。
日本各地の悪霊の出現場所を特定している彼らは、紫藤と剣のやりとりに慣れているので、全く動じずに黙々と作業をしている。
皆、霊が少なからず見えている人間ばかりだった。特に、この中では剣が一番、霊力がある。近場で悪霊が出現した時は、彼が札を使って足止めすることもある。
霊力だけなら、珠を与えても良いほどの人材らしい。だが、紫藤は現代の人間に珠を与える気は無いと言っている。魂が悪鬼と共にある達也は例外中の例外だ。
「それで。ご用をお伺いしましょうか?」
一人の男性職員の肩にしなだれるように寄り添った剣は、ついでのように腰を撫でている。気にしないのか、慣れているのか、眉をピクリと軽く跳ね上げただけで、特に喚くこともなく彼の手の甲を抓っている。
特別機関・副隊長の北条一希だ。寡黙で冷静、彼が慌てる姿を見たことがない。仕事の報告で短く話すくらいで、無駄な話はしない。
元柔道選手の彼は、俺よりも身長が高く、横幅もある。以前、よそ見をしていた紫藤が彼にぶつかって、跳ね返されたこともあった。
短く切られた黒髪と、吊り上がった細目で、見掛けは少し怖い男性に見えるけれど、心根は穏やかで優しい。真面目な彼は、いつでもスーツを着込んでいる。
剣が三十四歳、一希が三十二歳と、歳が近いためか、剣の攻撃を一番受けているように見える。
めげない剣が、一希の肩にキスを落とした。
瞬間、わしっ、と頭を掴んで引き離されている。
「……いけずですね」
拗ねた剣は、やれやれ、と肩を竦めると紫藤を振り返った。
「どうぞ?」
「……清次郎」
話したくないと、俺の腰に力一杯しがみ付いたまま隠れている紫藤に代わって、剣と向き合った。彼の顔がニヤリといやらしく微笑み始めたけれど、気にしないことにしている。
迫ってくれば、叩き伏せるだけのことだ。
「大場幸人様と、隼人様を、急ぎ他県へ移して下さい」
「……先日の悪霊事件に関わった二人ですか。彼らはまだ、ここへ来て間が無い。移す理由は何です?」
「大場隼人様には、居てはならぬモノが憑いているためです。そして、我らが預かった、月影達也にもまた、居てはならぬモノがおります。二人を会わせる訳にはいかぬのです」
「……一希、お茶を頼みます」
コンッと一希の頭に拳を当てた剣は、スッと顔を引き締めた。来客用のソファーの方へ向かっている。
本来、ここには女性隊員も一人居るはずだった。今は任務で出ているのか、姿が見えない。もう一人の男性隊員も居ないところを見ると、悪霊がどこかで発生しているのか、或いは発生しようとしているのを確認に行ったのか。
頼まれた一希が大柄な体を立たせている。高いはずの天井が、彼が立つと低く見えた。備え付けのキッチンへと大股で歩いていく。
「心路、来なさい」
ソファーに座った剣は、長い足を組みながら、残っていたもう一人の隊員を呼んだ。いつもコンピューターの群の中に隠れるように座っている青年が顔を上げる。
特別機関最年少の、沢田心路が、ちっ、と舌打ちしながら立ち上がる。ブツブツ、ブツブツ、文句を言いながら近付いてきた。
痩せた体は、達也とあまり変わらないように見える。青白く、肩まである黒髪がばさりと顔に掛かっている。
コンピューターを弄るのが大好きで、ソフト開発も手がけている。大学卒業と同時に、ここに引き抜かれた新人だった。目の下にはいつも隈があり、人を睨むように見る癖がある。
「……何で僕が……あいつが来れば良いんだ……」
「心路、ほら、ここに座って」
ブツブツ呟きながら、しかも紫藤と俺を一睨みしながら、剣の隣に座っている。その腰を、剣が引き寄せ抱き締めた。
「そんな目をして。年上は敬いなさいと教えているだろう?」
「……僕に用があるなら、あいつが来れば良い」
「こら、そんな口をきくと、もう、私に触れさせないよ?」
ちょんっ、と心路の鼻先を人差し指でつついた剣。
紫藤の白髪がぶわっと広がった。
「気色が悪いであろう!!」
「紫藤様。人の恋路の邪魔はなりませぬぞ」
「やるなら二人だけでせぬか!」
「やるだなんてはしたない。でもまあ、いっそ四人で楽しくしても……」
「お茶です」
スッと、大柄な体が割り込んだ。立ったままだった俺達に、目配せしたのは一希だった。お茶を並べてくれている。彼が間に挟まっている間に、紫藤の背を押し、座らせた。
今回は俺も座らないと紫藤が逃げてしまいそうで。いつもは立って話を聞いているけれど、隣に座って紫藤を抑えた。
「一希、お前も聞いておきなさい」
「はい」
ソファーは四人掛けだった。そのため一希は椅子を一つ、持ってくる。そんな彼の横顔を睨み付けている心路は、ふんっと鼻息を荒げると、ブツブツ、ブツブツ、何か言っている。
気にしない、涼しい顔をしている一希がお茶を勧めてくれた。一礼し、紫藤に勧める。落ち着こうと思ったのだろう、ズズッと一口飲んだ。
「……素敵な唇ですね。吸うなら私の唇を……」
「ぶほっ!!」
「紫藤様! 大事ありませぬか?」
「おおおお主……!!」
「ああ……濡れた唇も良いものです……」
うっとりと吐息を漏らす剣の隣で、心路がキッと睨み上げてくる。取り出したハンカチで紫藤の口元を拭ってやるけれど、その間もねっとりと視線が絡まった。
カタカタ、カタカタ、紫藤が怒りなのか、恐怖なのか、分からないけれど震えている。俺の腕にギュッとしがみ付いた。
剣が特別機関の隊長になってから、紫藤はここへ来るのを極端に嫌がるようになってしまった。前隊長は優しく、礼儀正しかっただけに、剣の積極的なアプローチは受け入れ難いものがある。
だが今回は、どうしても直接、来なければならなかった。現状を説明し、理解してもらうために。
紫藤から、特別機関へ出向く、と聞いた時は、達也のために勇気を振り絞ったのだろうと嬉しく思ったけれど。こうもねっとりした視線が絡むと、さすがに俺でも困ってしまう。
どうしたら良いだろう?
話が進まない。
「……うふ……ああ、もったいない……私が舐めて差し上げたものを……」
「隊長。その口、暫く封じても宜しいでしょうか?」
静かな一希の声が割り込んだ。チラリと紫藤を見ると、すぐに剣の方を向いている。
「……お前の唇なら大歓迎だよ!」
「では」
一希が立ち上がると、心路のブツブツが早くなった。親指の爪を噛み、憎悪の瞳を向けている。
構わずスーツの上着に手を掛けた一希。ボタンを外し、脱いでいる。ワイシャツに包まれた逞しい体が露わになる。
剣の頬が赤く染まっていく。期待した目が、背後に立った一希に注がれている。
「……失礼」
バフッと、大きなスーツの上着が剣の頭から被せられた。顔から綺麗に隠れている。
「…………はぁ~~……!」
ギュッと、一希の上着を抱き締めた剣は、顔を出すことはなかった。一人悶えている。
「さ、今の内に」
自分の椅子に戻り、紫藤を促す一希。
俺の腕にしがみ付いていた紫藤は、ホッと一息つくと、一希を見つめて笑った。心の底から感謝している顔だ。
「…………っ」
少しだけ顔を強張らせた一希は、コホンッと咳払いをすると再度促した。
ブツブツ苛立つ心路の隣では、剣が一希の上着に酔いしれていた。
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