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第一幕
奇ノ十四『結ばれた絆』
しおりを挟む俺は今、猛烈に後悔していた。
潜り込んだ布団から出ることができない。
何だってあんな言葉を……!
「……ぅん……清次郎」
もぞもぞと、隣の布団から転がってきた紫藤が背中に貼り付いた。俺を清次郎と間違えているのだろう、布団ごと腰を抱かれている。抱き込まれ、また後悔の念が沸き起こる。
よりによってこの人に……!
『怖い……怖いよ……蘭兄……!』
思い出しても顔から火が噴き出しそうだ。
俺ともあろう者が、紫藤に抱き付いたあげく弱気になるなんて。あり得ない。あり得ないのにそれは現実で。
あの時は本当に怖かった。俺が俺ではなくなりそうな気がして。
だからといって、何故紫藤なのか。せめて清次郎にしておけば良かった。恥ずかしくて布団から出ることができないでいる。一緒に寝ていたのか、紫藤と清次郎の布団も隣にあった。
やはり清次郎は先に起きて朝食の準備をしているようだ。端から転がってきた紫藤に抱き付かれながら、もう会わせる顔が無いと布団にくるまってしまう。
腹が減ったのに、起きることができない。もやもやしていた俺は、小さくノックされた音に、布団の中で顔を上げた。
「……起きているか?」
清次郎が入ってくると、まずは紫藤を引き離してくれた。彼の布団に戻している。
そしてくるまっていた俺の布団をポンポン叩いている。
「寝た振りは下手だな、達也。さ、お腹が空いただろう? 顔を洗っておいで」
「……寝てるし」
「寝ている人間は返事をしないぞ」
強い力で布団を剥がされた。丸まっていた俺に笑っている。
「さ、はよう」
促され、観念して起き上がる。顔を合わせられない俺の目の前に、青い瞳が飛び込んだ。
「おはよう、達也」
「……はよっす」
にこりといつものように笑われる。変わらない清次郎に引っ張られて立ち上がった。
俺を起こした清次郎は、今度は紫藤の肩を揺さぶっている。彼が起きる前に急いで部屋を出た。
洗面台に駆け込むと顔を洗って気を引き締める。言ってしまったものは仕方がない。なるべく目を合わせないようにして、何か言われたら速攻で逃げる。
そう決意した俺の背後に欠伸をしながら紫藤が現れる。鏡ごしに見てしまい、顔を拭く振りをして隠した。そのまま出ていく。
「……はよっす」
「うむ、おはよう」
挨拶はしなさい、と清次郎に躾けられていた俺は、顔を隠したままでも挨拶だけはしておいた。
顔を洗った後、部屋に戻ってつなぎに着替えた。着替えたは良いが、出ていく勇気がない。恥ずかしくてどんな顔をすれば良いのか迷ってしまう。
もんもんとしていると、ノックされてしまった。
「達也? 早く来なさい」
「……おっす」
もう、どうにでもなれ、と思って部屋を出た。リビングのソファーに行こうとしたら、キッチン側に立っていた清次郎に手招きされる。
「今日からここで食べることにした」
ここ、というのは、キッチン近くのスペースに置かれたテーブルだった。四人掛けになっている。先に座っていた紫藤の隣が清次郎で、目の前が俺らしい。
何故、急にテーブルにしたのだろう。用意されていた朝食の前に座った俺を、にこにこと笑いながら清次郎が見つめた。
「これなら、お前の顔が良く見える」
「……んだよ、それ」
「一人悩むのは止めてくれ。紫藤様も俺も、心配したのだぞ?」
よそってくれたご飯を受け取りながら、紫藤をチラリと見た。彼も俺を見ている。
「くるしゅうは無いか?」
「……別に」
「そうか」
頷いた彼は、清次郎が席に着くと手を合わせている。
「「頂きます」」
「……頂きます」
声を揃えた二人に、一呼吸遅れて俺も言った。黙々と食べている紫藤。
からかいの言葉は、無かった。
怖いと泣いた俺をネタに、暫くは遊ばれると思っていたけれど。紫藤は結構、優しい人なのかもしれない。
面倒くさがりで、清次郎一番で、俺とは反りが合わないけれど。
喧嘩ばかりしたけれど。
この人は俺を、いつも守っていた。
馬鹿な俺でも、それだけは分かる。
東京に出てきてすぐに、影が噴き出してしまった時も、勝手に飛び出して悪霊に襲われた時も、訳の分からない影にまとわり憑かれた時も。
いつも、側に居てくれた。
手を差し伸べてくれた。
「どうした? 食欲が無いのか?」
俺の手が止まったからか、清次郎が注意深く顔を見つめてくる。表情を読もうとしているのだろう。
紫藤の視線も、俺を見つめた。たぶん、何か憑いていないかと見ているのだろう。
「……何でもねぇ!」
喉まで出かかった言葉を飲み込んだ。ご飯を掻き込んでいく。
もりもり食べる俺の姿に、一つ頷いた紫藤も箸を進めた。清次郎はもう、終わっている。お茶をすすって俺を見守った。
ありがとう。
照れくさくて、言えやしない。
熱くなっている頬を誤魔化すように、ご飯を詰め込んだ。お代わりをした俺に満足そうに笑った清次郎は山盛りにしてくれる。
兄が二人、本当に居るようだった。
満腹になるまで食べた俺は、最後に出てきた美味しいお茶も飲み干した。
二人の兄は、そんな俺にホッとしたように笑っている。その顔が引き締まると、二人は俺に切り出した。
「昼から少し、家を空ける」
「……俺、一人になるってことか?」
「そうだ。連れて行くのは危険故な」
一人で残っているのも、危険なのでは。思った俺の心を見透かした清次郎が首を横へ振っている。
「心配はない。紫藤様が結界を二重に貼る故、何者も通ることはできまい」
「……あの変な影は、結界抜けて来てるじゃん」
「影との繋がりは断ち切った。繋がろうとしておった相手の方もだ。もう一度接触しないかぎり、繋ぎ直すことはできまい。そうですよね、紫藤様」
「うむ」
腕を組んだ紫藤は、俺を真っ直ぐに見つめてくる。
「私達が戻るまで、誰にも会ってはならぬぞ」
「インターフォンが鳴っても、電話も、出なくて良いからな」
「……分かった」
外に出る方が、危険だと言うことか。繋がっていた相手を断ち切ったとはどういうことだろう?
聞きたくて紫藤を見ると、ずずっとお茶をすすっている。俺と目が合うと、ニヤリと笑った。
「寂しかろうが、我慢せよ」
「……さ、寂しくなんかねぇし!」
「そうか? 怖いと泣いておったからの~」
「あ、あれは……!」
「ほれ、何だ?」
小馬鹿にした顔に腹だが立つ。やっぱり紫藤は紫藤だった。
俺とは反りが合わない。
「うっせーよ! 何でもねぇったら何でもねぇ!」
何か言われる前に席を立つ。ダカダカ歩いた俺は、自分の部屋に飛び込んだ。
ムカつく紫藤の顔を思い出しては枕を投げる。
結局、誰と何が繋がっていたのか聞きそびれてしまった。後で清次郎にでも聞いておこう。
「白いおっさんにはぜってぇ聞かねぇ!」
バフッと紫藤の枕を投げ飛ばした。
***
ふてくされること一時間、暇だ。
暇だ暇だ。
部屋に閉じこもるだけなんて、退屈すぎる。いつもなら、封印の珠の修行に入っているはずなのに。
今、紫藤の顔を見たくはない。かといって暇すぎる。
イライラしながら進まない時間を待っていた俺は、ノックされても返事をしなかった。そっとドアが開いている。
「達也、起きているのだろう? ちょっと来てごらん」
「い・や・だ!」
「またそんな……。しょうがない弟だな」
胡座をかいて断固拒否した俺を、笑いながら清次郎が抱き上げてしまう。軽々と肩に担ぎ上げられてしまった。
「清兄! 下ろしてくれよ!」
「せっかくお前の為に買ったんだ。見てもらいたい」
俺は荷物か、というくらい持ち上げたまま歩いた清次郎は、リビングのソファーに向かった。すでに紫藤が座って何かをしている。握った物を右へ左へ動かしていた。
「ほら、若い者はゲームが好きなのだろう?」
俺の定位置に下ろした清次郎。見れば最新型のゲーム機が置いてある。紫藤が握っていたのはコントローラーだった。
「むっ! おっ! ……ああ! またぶつかってしもうた!」
画面ではミニカーみたいな物に乗ったキャラクターがひっくり返っている。その側を他キャラが悠々と走り去っていく。
「手強いの……!」
起き上がったキャラクターを操る紫藤は、自分の手までも右へ左へ、時に上へ振っている。
「……あんた……ど下手だな」
あまりの下手っぷりに感心した。そもそも、コントローラーを振っても、動きはしないのだから。
「話し掛けるでない! 今集中しておるのだ!」
叫んだ瞬間、またクラッシュしている。キャラクターがクルクル回ってひっくり返った。
「……今のは達也が悪いのだぞ!」
「はんっ! 蘭兄がど下手なんだよ!」
リセットボタンを押した。紫藤が睨んでくる。
俺も睨み返しながらもう一つのコントローラーを手にした。
「勝負だ!」
「臨むところよ! 打ち負かしてやるぞ!」
紫藤はお姫様を、俺はミニキャラを選んだ。
カウントが始まる。
キッと睨み合うとスタートダッシュを決めた。先制してやる。
「どうだ!」
「こしゃくなわっぱよ!」
紫藤が後ろについてくる。
でもスタートして五秒も経たないうちにクラッシュしていた。かなりの下手さに鼻で笑ってやる。
「おのれ……!」
なんとか起き上がってきたものの、何度もクラッシュしている紫藤。その間に俺は余裕のゴールを決めてやった。
「敵じゃねぇな!」
胸を張った俺の横でフルフル震えている。後ろから観戦していた清次郎を振り返り、泣きついた。
「敵をとってくれ!」
「さて、俺もゲームは初めてですからな」
紫藤の隣に座り、スッともう一本のゲームソフトを取り出している。
「これで対戦してみぬか?」
「良いぜ。清兄も負かしてやるからな!」
家にゲーム機は買えなかったけれど、ゲームセンターで鍛えた腕がある。
清次郎が示したのは格闘ゲームだった。まずは説明書を読んでいる。
その間に俺は使うキャラクターを決めた。どのゲームでも、大抵同じ様な操作方法だし、ある程度技を出すボタンだけ知っていれば勝てる。
「ふむ。良かろう」
説明書を読み終えた清次郎は侍を選んだ。俺は赤い服を着た主人公のキャラクターにする。
始まると同時に身軽な動きを生かして、一気に懐に飛び込んだ。一撃見舞ってやろうとしたけれど。
清次郎の侍はきっちりガードしている。俺が技を出し終えたタイミングを計って飛び込んできた。
「げっ!」
一撃を喰らったのは俺の方だった。キャラクターが吹き飛んでいく。駆け寄った侍は下からなおも二撃打ち込んだ。
ダウンした後の追い打ちまでこなしている。本当に素人か?
慌てて起き上がり、俺もガードを交えて応戦したけれど。キャラクターの間合いまで操る清次郎は、軽々と俺のキャラクターに勝利した。
「おお! さすが清次郎ぞ!」
「基本は同じですからな」
何が同じなのか、俺は悔しかった。
なにより、勝ち誇った紫藤の顔が憎たらしい。
「くそっ! もう一回!」
「何度やっても清次郎には勝てぬ! 清次郎は凄いのだぞ!」
「いいや、ぜってぇ勝つ!! 清兄、もう一回!」
「帰ったらな」
にこやかに笑った清次郎は、重ねていたゲームソフトを俺に見せてくれた。
「少々、早めに出ることになった。対戦物ばかりでは退屈であろうと思うてな、ロールプレイングも入っておる。好きに遊んで良いぞ。ただし、一時間に一回、十五分の休憩は入れなさい」
「……そんなにかかんの?」
「分からぬ。白崎様は気まぐれ故な。なるべくはよう、帰ってくる」
封の切られていないロールプレイングを始め、ソフトは五本あった。
「白崎って誰?」
「我らの上、と思うてくれたら良かろう。特別機関について話したであろう? その一番上の方だ」
清次郎は立ち上がりながら足早に二階へ向かっている。紫藤もまた、ゆっくり立ち上がった。
「……案ずるな」
俺の側を通る時、一言だけ残して。
二人が二階に上がったのを見送った俺は、時間潰しになりそうなソフトを選んで入れ替えた。冒険物のロールプレイングだ。
紫藤と違って清次郎は、俺の世代の情報も分かっているようだ。俺が居なければ絶対に買ってこないだろうゲームソフト。なんと恋愛シュミレーションまで入っている。
「……すげーな、清兄は」
俺が何かを言わなくても、スルリと入ってきてくれる。おかげで紫藤と喧嘩をしても、いつの間にか仲直りしてしまっていた。だからだろう、言いたいことは言わせてもらえている。
二人が所属している特別機関に行くのなら、俺にはついて行くことはできない。
国民には知らされていない、秘密の機関。大半の人間が信じない、霊を取り締まる機関だと清次郎は説明してくれた。
出来たのは戦後。戦争によってたくさんの命が奪われた。あまりに多くの命が亡くなり、その無念が悪霊を大量に発生させた時期があった。
強い力を持った悪霊は生きている人間にも害を及ぼしてしまう。当時の国の偉い人間達に、その影響は強く現れた。
紫藤はそれを祓って見せた。そして悪霊が見えるようにしてみせ、その存在を信じさせた。
紫藤ほどではなくても、霊を見ることができる人間は各地に居る。そう言った者達を集め、作った組織だと言う。今でも悪霊は発生し、紫藤がそれを祓っているらしい。
霊媒師は紫藤一人だとしても、悪霊を足止めし、閉じ込めることはその霊感の強い人間でもできるようだ。札の使い方を覚え、紫藤が来るまで足止めする。
上から指示が来れば、紫藤が向かい、祓う。
そう言った組織らしい。
白崎という人は、その組織をまとめ、紫藤に場所を伝える役目の人なのだろう。
始めたロールプレイングを目で追いながら、いつもは紫藤の定位置になっているソファーに座り直した。横からテレビ画面を見るのは疲れるためだった。
ピコピコ進めていると、二階の部屋のドアが開いている。階段を下りてくる足音が二つ響いた。
「……そこは私の席ぞ!」
「うっせー。目がいてぇんだよ」
「紫藤様。今日はお譲り下さい」
宥めた清次郎の声に振り返った俺は、手にしていたコントローラーを思わず落としてしまった。
「……な、何だよ、その格好」
「ん? 何だ?」
腕を組んだ紫藤は、真っ白なスーツを着ていた。いつもサラサラ解いている白髪も、緩く結んで前に垂らしている。胸には白バラのコサージュまで着けていた。
その隣には、黒で決めた清次郎も立っている。執事が着ているスーツだった。上着の後ろだけが長い。黒髪を軽く後ろへ流している。
「どうした?」
「そりゃ俺の台詞! なんつー格好してんだよ!」
「特別機関へ行く時は、なるべく正装してこいと言われておる。こ度はなおのこと、頼まねばならぬ事がある故、身だしなみを整えただけのこと」
ふんぞり返った紫藤は、瞬間、バッと両腕を広げ、清次郎の前に立っている。
「清次郎に惚れることは許さぬぞ!?」
「……惚れねえし」
呆れながらテレビ画面に顔を戻した。ピコピコ話を進める。苦笑している清次郎の声が近付き、頭をポンッと叩かれた。
「昼はキッチンに置いてあるからな。温めて食ってくれ」
「おす」
「日が暮れる前には戻れると思う」
「大丈夫だって」
清次郎の手に自分の拳を当てて見送った。二人が玄関へ向かっている。
「家の周り、庭にも結界を貼っていく。良いか、誰も通すでないぞ?」
「了解!」
ピコピコ続けた俺は、二人が出て行ったのを玄関のドアが閉まる音で確認した。
そこでコントローラーを離すとソファーに身を沈める。
「……つか、蘭兄……自分が美人って忘れてるよな」
悔しいことに、紫藤の姿にドキドキしてしまった。元が美人だと、スーツが良く似合う。男だと分かっているし、男に見えるのに、白いスーツ姿は魅力的で。
パンッと自分の頬を叩いた。紫藤の姿に惹かれた自分に腹が立つ。
紫藤は紫藤、ふんぞり返っている偉そうな奴なのだから。
庭の方を見つめた俺は、二人が庭に居る霊に話し掛けているのを見守った。結界を貼るため、霊を逃がしているのだろう。
それが終わると、清次郎が先に庭を出て行った。紫藤が掌から札を取り出している。庭を囲む壁に数枚貼り付けた。
一瞬、透明な膜が庭を覆うのが見えた。その後は特に、何も見えないけれど。家の周りを更に結界で覆ってくれたのだろう。
二人は家を見つめた後、歩いていった。家の車を使わないのなら、迎えが来ているのかもしれない。姿が見えなくなったので、顔を戻した。
始まったばかりのロールプレイングを進めていく。
主人公の名前は清次郎、ヒロインの名前を蘭丸にしているのは内緒だった。
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