妖艶幽玄奇譚

樹々

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第一幕

奇ノ十一『夢現つ』

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 耳障りなシャワーの音が響いていた。

 体に流れるお湯が幾筋も分かれて伝っていく。

「……ぁ……ぅあっ!」

 立っている太股が震えた。今すぐにでも倒れてしまいたい。

「……ん……駄目、だよ? そのままで居て……」

「も……駄目……だぁ……!」

「堪え性がないな、隼人は……」

 そこが、熱くてたまらない。膝を付いた兄貴が、俺のモノをしゃぶっている。



 どうしてこんな事に?



 飛びそうな意識を何とか繋ぎ止めてはいても、兄貴から与えられる快楽が思考を鈍らせた。

 浴室の中は立ち昇る湯気で曇っている。流れ続けるシャワーは、俺の胸に当たっては弾けながら流れ落ちていた。そうさせているのは兄貴で。微妙に掠めていくシャワーも、兄貴の口の中も、俺にはどうすることもできなくて。

「隼人……こんなに元気だ……」

 シャワーの音に、兄貴の声が混ざる。もう痛いくらいに張りつめているそれを愛おしそうに手で撫でられた。シャワーに濡れながらしゃぶる兄貴の姿は、とても同じ顔をしている人とは思えなかった。

「……も……駄目……駄目……駄目だ……!」

 無意識に兄貴の後頭部を押さえていた。もっと刺激が欲しい。俺も男だ、ここまで煽られたらどうしようもない。

 深く銜え込んで欲しい、願うように押し付けたけれど。

「……まだ駄目……ふふ……お楽しみは……これからだよ?」

 兄貴の顔が離れてしまう。濡れた髪を掻き上げながら立ち上がってしまった。流れ続けていたシャワーを止めている。

「……な……んで!?」

 崩れ落ちそうになった体は、脇の下に通された兄貴の両腕に支えられてしまった。折れた左腕に振動が走り、顔をしかめてしまう。

「濡れないようにね?」

「……兄貴……!」

「そんな可愛い顔で呼ばないで。……もっと、可愛がってあげたくなっちゃうよ」

 顔を寄せられた。唇が触れそうなほど近い。

 兄貴のも立ち上がっていた。互いのモノが触れ合っている。

「……隼人……キスして良い? お前のその濡れた唇に、熱いキスをしてあげたいよ」

 唇に掛かる熱い吐息。微かに触れている唇の先端。

 静かに、首を横へ振った。

「キスは……惚れてる奴と……するもんだろう?」

 兄貴はもてるから。俺が独り立ちできればきっと、すぐに良い彼女ができるはずだから。

 俺みたいな弟と、間違いを起こしてはいけない。

 これは単なる、欲の発散行為だから。左腕が使えない俺の代わりに、兄貴が触れているだけで。



 それ以外の気持ちを持っちゃいけない。



 兄貴のために。



「……貰った札……使いこなせばさ。俺も……一人で暮らせると思う」

「……隼人」

「そうしたら、兄貴は可愛い彼女作ってさ。そん時は、紹介してくれよ?」

 目の前の兄貴に笑って見せた。俺は大丈夫だから、と。

 返事は無かった。俺のモノと、兄貴のモノが一緒に握り込まれている。急に与えられた刺激に体が大きく仰け反った。

「うあっ……! あ……ぁ……ん……ぅ……!」

 ビリッ、胸が刺激に震える。充分に尖っていた胸の突起を兄貴が口に含んで歯を立てた。とうとうへたり込んだ俺を追い掛けてくる。

「はぁ……ぁ……ん……あに……き……!」

 濡れた床に倒れ込んでしまった俺は、なおも追い掛けてくる兄貴の唇にどうすることもできなかった。両足を抱え上げられても、動けない。

 太股を滑っていく兄貴の唇は、臑を通り、足先まで伝っていった。

「……きた……ねぇよ!」

 足の指をしゃぶり始めた兄貴に戸惑った。しゃぶられるのも、見るのも、恥ずかしくてたまらない。

「兄貴……!」

「私の……隼人……どこも素敵な味をしているよ」

 指と指の間に舌が絡まると、兄貴を待てずに達していた。飛び散った白濁が、俺の顔に掛かる。


【…………じゃ…!】


「気持ち良かったかい?」

 力を抜いた俺に、兄貴が覆い被さってくる。彼の濡れた髪から雫が顔に落ちてきた。

 鼻先が、触れ合っている。


【…………あに…………!】


「私も……気持ち良くして……?」

 微笑む兄貴に、俺の頭はぼやけていた。

 自由な右手を動かし、兄貴の体に触れていく。俺と同じように鍛えているからか、張りがあった。

「撫でるだけじゃ、感じないよ?」

 微笑む兄貴に頷いた。兄貴の体を床に押し付ける。


【…………じゃ…………あに…………!】


 小さな胸の突起に噛み付いた。兄貴がしていたように。そこを噛みながら吸った。

 頭の中が霞んでいく。



 ずいぶん前に、どこかで、誰かに、触れていた気がした。



 こうやって、愛した人が居た気がする。

 誰だったろう?

 思い出せない。

「……隼人……可愛い……隼人……」

 右手で兄貴のモノを握った。熱い塊は、俺が握ると嬉しそうに跳ねている。

 胸の突起を噛みながら、上下に動かした。


【…………兄じゃ…………!!】





 目が見開いた。

 開いたはずなのに、闇に飲まれている。

「……ぅ……ぅ……!?」

 体が異常だ。何かが這っていく。

 着ていたはずの寝間着代わりのティシャツは動いてもいないのに、胸の突起を誰かが摘んで転がしている。信じられない感覚が体を伝っていく。噴き出した汗で、金髪に染めた髪が額に張り付いた。

 スルスルと、太股にも何かが這っていく。まるで人の手のようなのに、無数にも感じた。短パンもボクサーパンツも、関係ない。直に触れられている。得体の知れない何かは、俺のモノを愛撫しだした。

「ぅ……ぅん……ぅ!?」

 握り込まれ、上下に扱かれ、たまらない。

 胸への愛撫も、下の愛撫も、手慣れている。



 何が起こっているのだろうか?



 腕を動かそうにも、重たくて上がらない。押さえつけられているのだろうか。

 怖いのに、体は正直に反応していた。腰の下に何かが置かれたのか、仰け反ってしまう。追い掛けるように、何かも覆い被さってきた。



 何だ、これは。



 何だ、これは……!



 上下に扱かれているモノが限界を迎えそうだ。

「う……うぅ……うぅ――!!」

 分かっているかのように、動きが早くなる。グリッと握り込まれた俺は、何かも分からない物にいかされていた。


【…………!】


 達した瞬間、誰かの声を聞いた気がした。

 俺が言ったのか?

 それとも呼ばれたのか?

 ビクビクと跳ねた俺は、強い力で抱き締められていた。



~*~



 反射的に飛び起きていた。慌てて辺りを確認する。

 一人で寝ていた、俺の部屋だった。

 大丈夫だろうと、紫藤と清次郎は二人の寝室で寝ている。家の中に居る限り、安全なはずだった。

 暗がりが怖くて、手探りで明かりを点けた。眩しい光の中、自分の体を確認した。

 下着の中が気持ち悪い。震える手で短パンもろとも、下着を引き下ろした。

 そこは自分で放ったのか、白濁に濡れていて。ティシャツを捲れば、赤い噛み跡が幾つもあった。触れたら、まだ新しい。たった今、付けられたばかりで。

「……うそ……だろ?」

 夢を見て、ただ自慰をしていたのだと思いたかった。でも、こんな噛み跡は、自分で付けることはできないだろう。

 だからといって、これは何なのか? 悪鬼の仕業だとしても、意味が分からない。

 しゃがみ込んで震えた。紫藤と清次郎に言うべきだろうか。でも何と説明すれば良いのか分からない。ただのスケベな男と思われないだろうか。



 あの二人に、軽蔑されたくない……!



 濡れている下半身に目眩がしてしまう。封印の珠が働いている以上、これは俺の問題のような気がした。

 二人には言えない。絶対に。

 ようやく、家族みたいになれたのに。ここで嫌われるようなことは言えなかった。

「くそっ……!」

 抱えた膝を抱き込んだ俺は、震える事しかできなかった。



***



 紫藤の家に引き取られて二週間が過ぎていった。毎日、封印の珠を操る修行をした。この珠をもっと上手く扱えるようになれば、あんな夢は二度と見ないだろうと思って。

 それなのに。

 変な夢は、三度、見ている。

 昨晩、また見てしまった三度目は……。

 思い出しても吐きそうになってしまう。

 俺は男だ。



 男だ……!



 フラフラと、玄関へ向かった。この家を一度飛び出してから、外へ出ていない。封印の珠を自由に扱えるようになるのは、まだ先のことだと言われている。デリケートな珠だから、扱いが難しいから、と。

 分かっているけれど外へ出たい。

 とにかく出たい。

 ここが牢屋のような気がしてならなかった。変な夢を見てしまうのは、きっとここに閉じこもっているからだ。外へ出て、新鮮な空気を吸えばきっと、あんな夢は見なくなる。

 靴も履かずにドアノブを握った。押し開けようとした手を、大きな手に握られる。

「達也。どうしたんだ?」

「……出たい」

「この頃ずっと、顔色が悪いようだが……何か隠していないか?」

「出たい……出たい! 頼む……出してくれ!!」

 俺の手を握る清次郎の手を握り返した。外に出してくれと懇願した。

「清兄……!」

「とにかく落ち着け。紫藤様にご相談してみよう。な?」

 抱き抱えられながらリビングへ連れて行かれた。テレビを見ていた紫藤が振り返る。

「……どうした?」

 食べていた煎餅を置いている。清次郎が紫藤の隣に、俺を座らせた。

「このところ、様子がおかしいとは思うていたのですが……達也、何を隠している?」

 目の前にしゃがみこんだ清次郎が手を握ってくれた。強い兄の眼差しで見つめてくれている。

 言っても、良いだろうか。

 喉元まで出かかった言葉をどうしても言えなかった。

 軽蔑されるかもしれない。子供の夢だと笑われるかもしれない。

 奥歯を噛み締めた俺は俯いた。

「外に……出たい」

 言いたい言葉を飲み込んだ俺の顔を見ていた紫藤は、スッと立ち上がっている。

「分かった。庭くらいなら、出してやれよう。しばし準備をしてくる故、ここを動くでないぞ? 清次郎」

「はい」

 清次郎も立ち上がっている。俺の頭を大きな手が撫でてくれた。

「すぐに戻る。一人で行くでないぞ?」

「……わかった」

 二人が足早に二階へ上がっていく。階段を上がる音を聞きながら、フラリと立ち上がった。



 夢だ。



 きっとあれは夢だから。



「……ぅっ」

 思い出しただけで体が震えてしまう。あんなの、俺じゃない。

「……嫌だ……くんな……!」

 逃げるようにガラス戸に手を当てた。早く外へ出たい。

 外へ出れば、何かが変わる。そんな気がしてならない。



 自由になりたい。



 何かに引かれるように鍵を外し、外へ出ようとした。

「達也!!」

 怒鳴る紫藤の声に、意識が戻ってくる。出ようとした体を寸前で止めた。もう一歩、踏み込めば出られた体を清次郎が抱き込むようにして引き戻した。

「ほんにどうしたのだ?」

「何でも……ねぇから」

「達也……」

 抱き込まれたまま外を見た。眩しい光が降り注いでいる。あの光に当たれば、夢なんて消えてしまうだろう。

 求めるように手を伸ばした俺は、その手を紫藤に握られた。強く握り込まれている。

「清次郎、皆を頼む」

「はい」

 清次郎が体を引かせた。彼の手には木刀が握られている。

 何故、木刀を持っているのだろう?

 霞み始めた思考力。紫藤に手を引かれるままに、求め続けた光の中に飛び出した。

 降り注ぐ光が俺の体を照らしている。見上げれば眩しくて、目を細めた。当たり前のように空の下に居たのが懐かしく感じる。光に当たっていると、嫌な夢の事は忘れられた。

「……清次郎、準備は良いか?」

「少々お待ちを。さ、皆様、どうか離れて下され」

 紫藤に引っ張られながら歩いていた俺は、清次郎が誰かと話している姿を目で追った。俺には見えなくなった霊と話しているようだった。

 ぼんやりしていると、庭の中央に連れて行かれる。風がさわさわと流れ、紫藤の長い白髪を揺らしている。綺麗だな、と見つめた。この人の白髪は、光に良く映えた。

「達也」

 顔を覗き込まれた。見上げた俺に黒い瞳が見つめてくる。

「封印の珠を常に意識するのだぞ? 霊気の流れは把握しておるな? お主が持つ霊気と、悪鬼の気を分け、悪鬼の気だけを珠に封じよ」

 紫藤の言葉に頷いた。ずっと練習してきている。俺の中にある霊気には、二つの物が混ざり合っていた。

 俺がもつ本来の霊力も高いと、紫藤は言った。その霊力も半分くらいは抑えた方が良いらしい。まずは悪鬼から噴き出す霊気を封じ込めることから始め、行く行くは俺の霊気も封じられるようにならなければ。

 今日は特別に、紫藤の監視のもと、外へ出してもらえた。練習も兼ねているのだろう。胸と腹の間に手を当て、意識を集中させていく。

「紫藤様。皆、離れました」

「うむ。達也、手を離すぞ。良いな?」

 頷き、目を閉じて珠に集中する。紫藤が手を離すと、一瞬、噴き出す霊気が増えた気がして押し込んだ。

 霊気の流れを感じる。

 中に封じる。

 心の中で繰り返し、力を抑え込んでいく。紫藤と清次郎が見守る中、俺は封印の珠を操った。

 降り注ぐ光を浴びながら、特に霊気が暴走することもなく、庭に立ち続ける。紫藤がゆっくりと、離れていくのを気配で感じていた。

 これなら、もう外に出て良いと言われるかもしれない。封印の珠を意識しながらそっと目を開いた。

 黒い、もやのような影が広がっている。

 声を出そうとして、できなかった。

 紫藤と清次郎は気付いていない。

 もやは大きく広がっていく。


【…………!】


 何か言った。

 一歩、後ずさった俺に影が迫ってくる。俺の体にまとわり付いてくる。


【…………じゃ!】


 まるで抱き締められているかのようだった。息ができなくなる。封印の珠から意識が削がれた。

 瞬間、どす黒い気配が広がった。影は人の形になっていく。顔が浮かび、俺の体を痛いほど抱き締めてくる。

 溢れてくる霊気を抑えることができない。

 俺の体からも黒い影が噴き出してくる。

 息が出来ない。


【兄じゃ……!】


 はっきりと、声が聞こえた。目の前に浮かんだ、知らない人の顔。三十代くらいの、男の顔が。

「誰だよ……あんた……!」


【兄じゃ……! 兄じゃ……!】


「知らねぇって言ってんだろ……!」

 引き剥がそうとした俺を包み込んでくる。

 知らない男だ。見たこともない。



 なのに、どうして懐かしく感じる?



 体は震えているのに、心が知っているかのように、影を受け入れようとしている。

 知って、いるのだろうか?

 浮かび上がる顔をまともに見てしまった俺は、その顔がゆっくりと形を変えていく様に目を見開いた。歪んだ顔が、俺を呼ぶように口を開いた。

 言葉を発する前に体が突き飛ばされ、押し倒されていた。痛みが、霞んでいた思考を少しだけ戻してくれる。

「清次郎!」

「承知!」

 紫藤に抱き締められ、下敷きになっていた俺と繋がっていた影を、清次郎の木刀が断ち切った。影が四散するように消えていく。

 消えながら、まるで手を伸ばしているかのように最後まで漂っている。

 俺を求めるかのように。

 薄い影が目の前で掻き消えた。

「辛抱せい……!」

 紫藤の手が俺のつなぎのチャックを下ろし、胸と腹の間に触れてくる。グッと何かを押し込んでくる。

「ぐっ……ぁ……ああ!!」

 噴き出していた影が俺の中に戻ってくる。その衝撃に体が揺れた。痛くて、紫藤の腕に爪を立ててしまう。

「蘭兄……!」

「今少しだ……! 繋がってはならぬ……!」

 何のことだろう?

 力一杯紫藤の腕を掴んだ。彼もまた、俺から決して手を離さない。俺が操れなかった封印の珠を彼が操っているのか、影がどんどん中に入ってくる。

 一際強く押し込まれた時、俺から溢れていた悪鬼の影は消えていた。大量に噴き出した汗が全身を濡らしている。着ていたつなぎは草色を濃くしていた。

「紫藤様……今の顔は……」

「しっ! 言うでない」

 紫藤の手が俺の体を支えている。抱き上げられた俺は、清次郎ではなく、紫藤の胸に頭をもたげていた。

「この様な事が起ころうとは……!」

 頭を抱えられ、抱き締められていた。

「紫藤様……」

「あってはならぬことだ。決してあってはならぬ!」

 抱き込まれた胸の中で、意識を手放していた。

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