妖艶幽玄奇譚

樹々

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第一幕

奇ノ八『特別機関』

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 紫藤一人が、安らかに眠っている中で、俺達は少し緊張していた。

 運転席に乗り込んだ警察官、大場隼人と名乗った彼は、何度も申し訳ないと謝っている。

 眠っている紫藤を支えた清次郎もまた、子供の前でする事じゃなかったと大人らしく反省していて。

「もう良いじゃん。話進まないし」

 俺が言うのも変だけど、二人の大人の話を切ってやった。大人の立場としての話を進めている間、問題点を話し合えない。

 大人二人は顔を見合わせ、照れたように笑い合っている。

「本当に申し訳ありませんでした。すぐに離れるべきものを……」

「いえ、こちらこそ。少々取り込んでおりまして。達也を助けて頂き、本当にありがとうございました」

 深々と頭を下げた清次郎に、隼人は少し跳ね飛んでいる黒髪を触りながら笑っている。

「助けになりませんでしたよ。俺は見えるだけで……。あなた方が来て下さらなかったら、どうなっていたか……」

「見える……とおっしゃいますが、どれくらい見えるのです?」

「普段、街を飛んでいる霊は普通に見えています。おかげで、白バイにも乗れません」

 そう言った隼人の顔は、少し曇っている。無意識にだろう、包帯が巻かれた左腕をさすっている。

「車も運転できないんです。運転中に頬を触られただけで、体が竦んでしまう。情けない話ですが、白バイに憧れ就職したまでは良かったのですが、霊が怖くて運転ができないんです」

「……それ、俺も分かる。電車乗ってると肩に貼り付かれるし、寝てる時に踏まれるし」

「お前も?」

「うん。十七の誕生日過ぎてから、ムチャクチャだし」

「苦労してんだな、お前も」

 大きな手が頭に乗っている。同じように霊が見え、苦労してきたからか、俺と隼人はなんとなく気が合いそうだ。ニッと笑い返してやる。

 白バイに乗っている時に、霊に貼り付かれたら、運転が鈍ってしまうのは目に見えていた。不意に掠めるように触れていく霊達に、俺も隼人も、対処法を知らないから。

 自然と離れてくれるのを待つしかない。見えない振りをするしかない。

 そうやって、過ごしてきたから。相手の苦労は、よく分かった。

「……もし、大場様さえ宜しければ、日を改めて、紫藤様の家に遊びに来て下さい。霊を遠ざける術をきっと、伝授して下さるかと思いますので」

「本当ですか! 俺でも霊を遠ざける事ができますか?」

「ええ。紫藤様のお力があればきっと。達也を助けて頂いたのです。手を貸して下さいましょう」

「それは助かります!」

 笑った隼人の顔は輝いていた。その気持ちも分かる。

 俺も紫藤のおかげで、東京に出てきてからは霊を見なくなっていたから。その間は、とり憑かれる心配もしなくて良かったし、夜もぐっすり寝ていた。

 ただ、見えなくなっただけじゃない。妙な気怠さもなくなっている。霊がとり憑かなくなっていたからか。

 そのことに、改めて気付いた。眠っている紫藤を見つめてしまう。

 家に居る間、ずっと紫藤は寝ていただけで、特に何かをしているようには見えなかったけれど。俺の側に居ることで、力を使い続けていると清次郎は言っていた。

 霊が見えなくなるように。

 普通に暮らせるように。

 してくれていたのだろう。

 こうして、ここまで、助けにも来てくれた。

「…………ありが……とう……」

 ポツリと出てきた言葉に、清次郎の青い瞳が嬉しそうに綻んだ。

「その言葉、紫藤様へ伝えてくれ」

「……あんたから言ってくれよ」

「ならぬ。達也から伝えてくれ。きっとお喜びになろう」

 コツンッとおでこに拳が当たる。照れくさくなって前を向いた。すやすやと眠る紫藤の寝息までくすぐったくなる。

 起きたら、ちょっとだけお礼を言っても罰は当たらないだろうし。一言だけ、伝えてやろう。

 足を持ち上げ体育座りの姿勢になった俺にクスクス笑っていた隼人は、ポケットの中で振動している携帯電話を取り出した。

「すみません、ちょっと出て良いですか?」

「ええ、どうぞ」

 通話を押した隼人は、声を出す前に仰け反っている。

〔隼人! 無事なのかい!?〕

 俺達にも聞こえるくらい、大きな声で叫んでいる。

「兄貴! 落ち付けって! 俺は大丈夫だから!」

〔怪我は!? 交番が爆破されたって……! お前も巻き込まれたと聞いて……!〕

「大丈夫!!」

 大きな声で怒鳴った隼人に、ビクッと紫藤が起きている。無意識に清次郎に抱き付いている。

「何事ぞ?」

「お目覚めですか、紫藤様」

 紫藤を抱き締めた清次郎は、長い白髪を整えてやっている。俺の隣では隼人が跳ねた髪を指に巻き付けながら苦笑している。

「心配しすぎ。どうってことないから」

〔お前のどうってことないは信用できないよ。今、そちらへ向かっているから〕

「おいおい。仕事中だろう?」

〔弟の方が大切だよ〕

 電話の相手は隼人の兄のようだった。サイレンが微かに聞こえている。隼人の兄も警察官だと言っていたから、パトカーで来ているのか。

 俺達が見守る中、隼人は困ったように髪を掻き回している。

「あのさ、兄貴。ほんっとーに大丈夫だから!」

〔顔を見るまで安心できないよ〕

「兄貴……」

〔着いたから。どこに居るんだい、隼人? 隼人?〕

「お~い、兄貴~! 話聞いてくれよ~」

 騒がしい人の声が聞こえている。交番の方に着いたようだった。頭を抱えた隼人が、どうしたら、と清次郎を見ている。

「お兄様は警察官でしょうか?」

「刑事です。捜査一課に所属しています」

「ならば呼んで頂いても大丈夫でしょう。くれぐれも他言しないよう、言って頂ければ」

「すみません。ちょっと心配性で……兄貴、封鎖してる一角があるから、そっちに来てくれ」

 携帯に向かって話す隼人の横顔を見ながら、清次郎を振り返った。

「ここ、封鎖してんの?」

「ああ。紫藤様もそうだが、お前も休めてやりたくてな。上に伝えて、この一角を守ってもらっている。霊の仕業だと言っても、下の警察官達は信じてくれないからな」

「そっか……って、あんたら、何者? 上と繋がってんの?」

「特別機関、とだけ、今は言っておこう。後でおいおい、説明するからな」

 にこりと笑った清次郎の隣で、ふふん、と鼻を鳴らしたのは紫藤だった。

「私は偉いのだぞ!」

「……へ~」

「何だ、そのふざけた顔は!」

「偉い奴はもっと威厳ってもんがあるだろう? あんたガキっぽいし!」

「お前に言われとうないぞ!」

「うっせー! ガキガキガキ!!」

「……このわっぱめ! 少し懲らしめて……」

「はい、そこまでです」

 紫藤を抱き込み、俺のおでこを指で弾いた清次郎。喧嘩に発展しようとした俺達を止めた彼は、楽しそうに笑っている。

 何も楽しくなんかないのに。睨み合う俺達にますます笑っている。

「おっと、来たみたいだ。ちょっと失礼」

 俺達の喧嘩をよそに、隼人が車の外に出ていった。その彼のもとへ、スーツに身を包んだ男性が走り寄ってくる。

 隼人に似た身長で、隼人に似た顔をしている。

「……あれ、同じ顔?」

 俺の呟きは、車に体当たりするくらい力一杯抱き締められた隼人のぶつかる音で掻き消えた。押し付けられている背中が見えている。

「いってー! 兄貴! 痛いって……!」

「心配した……! どれほど心配したと思って……!」

「分かった……! 分かったからたんま……! 本気で痛いから……!」

 同じくらいの体格の男に抱き込まれた隼人は、怪我している左腕もろとも抱き込まれていた。その腕が痛むのだろう、顔をしかめている。

 ようやくそのことに気付いた男性は、隼人と同じ顔をして青ざめている。

「怪我を!?」

「……たいした怪我じゃ……」

「見せなさい!」

 包帯を巻かれた腕を持ち上げ、確認している。骨までは折れていないと言っていた。まだ病院に行っていないので、簡単な手当しかされていない。

「こんな怪我を……!」

「かすり傷だよ。舐めりゃ治る!」

「……隼人」

 男性は隼人を引き寄せると、今度は優しく抱き締めている。まるで子供をあやすように、頭を撫でている。

 顔立ちはそっくりだけれど、男性の方が髪を長めに伸ばし、整えている。寝癖もついてはいない。左目の下に、目立つ黒子が一つあるくらいで、本当にそっくりだった。

「兄貴……恥ずかしいって。子供じゃないんだから」

「こんな傷を作って……私にどれだけ心配させる気なんだい?」

「大丈夫だって。兄貴が心配しすぎんだよ」

 隼人の手が男性の背中をポンッと叩くと、ようやく顔を上げている。その顔が、俺達の方へ向くと、ドアを開けた。

「申し遅れました。大場幸人と申します。弟がお世話になりました」

 清次郎が後部座席を開け、外へ出た。回り込んでくると紫藤が座っていた側のドアを開けている。俺は中で待つように言われ、窓だけ開けて外で話す四人を見守った。

「この度はうちの達也を助けて頂き、本当にありがとうございました。治療費等はこちらでお支払いさせて頂きます」

「そんな! いりません! 警察官として、職務を全うしただけですから」

「そうですよ。弟は当たり前のことをしただけです。礼には及びません。事情はだいたい、伺っていますが……」

 隼人と同じ顔をした幸人は、俺の方を見つめてくる。その視線を遮るように、紫藤が割り込んだ。

「詮索はするでない。これは特別機関の仕事だと、上から連絡がきたはずだ」

「はい……。そう、聞かされました。世間にはガス爆発として公表されるそうです」

「そう言うことだ。お主等は知らぬ方が良い」

 俺を隠した紫藤は、ビシッと隼人を指差している。

「お主も、くれぐれも今宵見た事は、口にしてはならぬ。たとえ兄だとしてもだ」

「……うっ……わ、分かりました」

 一瞬、口ごもった隼人は、力無く頷いている。その横顔を熱く見つめた幸人は、彼の腰を抱き寄せた。

「弟を病院へ連れて行きます。その子の事は、皆知らないようでした」

「調書も作ってる途中だったしな。たぶん、消去されると思う」

「ええ。そのようにお願いしています。ご面倒をお掛けしますが、宜しくお願いいたします」

 清次郎が丁寧に頭を下げると、隼人の腰を抱いた幸人が連れていく。同じ顔の、同じ様な体格の二人は寄り添いながら帰っていった。

「……清次郎」

「達也がおります故」

「少しくらい良いではないか!」

「なりませぬ」

 紫藤が伸ばし掛けた手は、清次郎の手に握られ、クルリと反転させられている。素早く開けたドアに押し込められた紫藤は、後ろから顔を突き出した。

「清次郎! わっぱと隣とは何事ぞ!」

「さ、シートベルトをして。このまま帰るぞ」

「これ、清次郎!」

「うぃーっす」

 言われた通りにシートベルトを締めた俺は、突き出されている紫藤の顔を振り返り、ニヤリと笑って見せた。

「……このわっぱめ! 何と生意気な!」

「紫藤様! 紫藤様もシートベルトをして下さい」

「代われ! 清次郎の隣は私の席ぞ!」

「面倒くさ~い!」

 必死の形相で肩を揺さぶられたけれど、席を替わってはやらなかった。清次郎が宥め、紫藤が後ろの席に落ち着くまで出られなかった俺達は、十五分も動けずにいた。

 ようやく紫藤が諦め、ぶつぶつ言いながら後ろの席でシートベルトを締めるとエンジンが掛けられる。苦笑しながら運転した清次郎は、封鎖していた警察官に手早く何かを見せた後、悠々と通過した。

「……やっぱ凄いの?」

「家に着いたら詳しく話してやろう。紫藤様が行っていることもな」

 バックミラーの中でふんぞり返っている紫藤を見た俺は、どうしてもこの人が偉い人には見えなかった。



***



 俺は、噴き出す冷や汗を止めることができなかった。

 兄貴と二人で住んでいるマンション。もうすぐ夜が明けるという時にようやく戻れた俺達。

 同じ顔。

 一卵性双生児。

 見た目には髪型と兄貴の左目の下に黒子があるくらいの違いしかない俺達は、性格だけは何もかも違う。

「……お、俺……寝るから……!!」

 部屋に入るなり、自分の寝室を目指した。シャワーを浴びてさっぱりしたかったけれど、始終微笑んでいる兄貴がたまらなく恐ろしかった。

 兄貴が微笑み続けている時は、メチャクチャ怒っている時だ。

 汚れた警察官の制服のまま、俺は自分の寝室に飛び込み、ドアを閉めようとしたけれど。

 ガッ、と兄貴の足が挟み込まれた。ドアが閉まらない。無理矢理閉めることができない俺は、じりじりと部屋の中を後ずさっていく。

「……隼人」

 スーツのジャケットを脱ぎ捨て、放っている兄貴。双子の兄・幸人は、やっぱり微笑み続けている。ネクタイをシュルリと外した。ワイシャツのボタンも上から二つ、外している。

 電気をパチッと点けた兄貴は、大きなダブルベッドに当たって倒れ込んでしまった俺に、素早くのし掛かった。羽織っていた青い制服の上着が脱げてしまう。吊るされていた左腕に、兄貴の手が触れた。

「……いけない子だ。こんな怪我をして……」

 固められた腕を撫でられる。

 治療するため、警察病院に連れて行かれた俺は、初めてそこで折れている事に気が付いた。綺麗に折れていると診断され、腕を固められている。

 その診断を聞いた時から、兄貴の微笑みは続いている。俺の休みと、自分の休みを無理矢理もぎ取った事も、俺には恐ろしい。

 今日は一日、兄貴と過ごすことになる。

 それすなわち、逃げられない。

「私がどれほどお前を大切にしているか……無茶をしないでくれと、何度も言っているのに」

「し、仕方がないだろう? 俺は警察官だし……ま、守るのは当たり前だって……」

「それでも……お前が傷付くのは嫌なのだよ」

 スッと、顔を寄せてくる。俺と同じ顔なのに、モテ具合は兄貴の方が上だ。女達に言わせれば、色気が違うらしい。

 鼻先が触れ合った。微笑む兄貴の手が、スルリと俺の頬を撫でている。

「……何があったんだい?」

「い、言う訳にはいかないから……ほ、ほら! 特別機関のことだから……」

「そう……」

 ふわりと、微笑む兄貴の手が、俺の脇腹に当てられる。ビクッとなった俺に、女ならとろけてしまいそうな笑顔を見せていて。

 だが俺は、それが何を意味するのか知っているから。何とか逃げようと身を捩ったけれど。

 添えられた手は外れない。

 極上の微笑みが見つめている。

「あ、兄貴……! 勘弁してくれ……!」

「だ・め……」

 ふうっと息を吹きかけた兄貴は、俺の脇腹に添えた手で容赦なく擽ってきた。

「ぶっ!! あはは……いて……あは……! ちょ……いてっ! ぶっくっくっくっ……!」

「ほら……早く言わないと他の所も折れるよ?」

「あ、兄貴……あは……あはは!!」

 脇腹も、お尻も、持ち上げられた足まで、容赦のない擽り攻撃を受けてしまう。兄貴の手はくすぐったくてたまらない。子供の頃からこの攻撃に、俺はいつも完敗してしまう。

 制服の下に着ていたシャツを捲り挙げられていた。滑り込んできた素手が胸の辺りも擽ってくる。悶える俺に覆い被さった兄貴は、俯せになって笑う俺の首筋に唇を寄せた。擽る手は止まらない。

「白状しなさい」

「だ……駄目……だから……!」

 俺が見た、あの影は異常だ。あんな物までこの世界に居るなんて、兄貴に言うことはできない。きっと心配するだろう。

 特別機関も関わっているのなら、兄貴は知らない方が良い。兄貴にまで、危険が及ぶのは嫌だ。

「あに……き……! ぶふっ!! いって……! も……やめ……!」

「……意地っ張りだな、隼人は。今日は私も、引かないよ?」

 片手で擽りながら、シャツのボタンが外された。広げたそれを腕の方へ引っ張ってくる。折れている左腕と、無事な右腕を一緒に持ち上げた兄貴は、脱がせたシャツで固定した。剥き出しの背中に、唇が触れている。

「……ぁ……はぁ……あに……き! ……これはまずいだろう!」

「何が?」

「……ほんっと……勘弁してくれって!」

「お前の唇が言いたくないのだから、体に聞くしかないだろう?」

 仰向けにひっくり返された。笑いすぎて息が整わない。兄貴の右手が俺のヒクつく胸をつーっと伝っていく。

 兄貴の微笑みが、悪魔の微笑みに見える。じりじりと逃げようとした俺の足を引っ張って戻し、ズボンのベルトに手を掛けてきた。

 兄弟でこれはない。

 ここまでされる訳にはいかない。

「兄貴! 怒るぞ!」

「私の怒りには遠く及ばない」

 一瞬、無表情になった兄貴の手によってベルトが抜かれ、ズボンが引きずり降ろされた。明るく照らし出された室内で、えらいことになっている。兄弟でこんな姿をさらすことになるなんて。

「兄貴!」

「快楽の波に溺れなさい……」

 固定されてしまった腕を押さえられ、中途半端に足に脱がされたズボンが邪魔で動けない。ゆっくりと俺の下着を降ろした兄貴は、出てきたそれを優雅に摘んだ。

「ふふ、隼人のこれは、私のとあまり差がないね」

「……兄貴……おかしいって……!」

「おかしくさせているのは隼人だよ。言うなら今の内だ。何があったんだい?」

「それは……」

 摘まれたまま、言えない俺に微笑みが加速する。

「……可愛い隼人。お前をこんなにした理由を知るまで、私は止めないよ?」

「…………!」

 唇の際どい位置にキスされた。そのまま首筋を辿って降りていく。摘まれたそれが、緩急をつけて握り込まれた。

「あに……き……!」

「……さあ、言って……言うまで止めないよ」

 微笑み続ける兄貴は、俺の胸の突起に吸い付いた。

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