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第1章
第41話 嘘はやめた
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「巻き込んでしまってすまんな」
「いいんだ。元はと言えば、俺が変な魔術を扱えるのが悪いんだから」
ルミナリオは、お前という奴は……と呆れ顔だ。
「奇跡の魔術を変なもの呼ばわりとはな」
王立学園を卒業後、俺はルミナリオの監視下で生活することになった。
つまり、ブルブラック伯爵の納める土地を出て、王宮に最も近い王都での生活が始まったのだ。
俺は地元を出るとあって緊張で何回かお腹を下したが、リューテシアはあっけらかんとしていて、「劇場が近くなりますね」とポジティブ全開だった。
現在の俺はルミナリオの護衛兼王宮薬師見習い兼奇跡の魔術師という、肩書きの大盤振る舞いになっている。
おかげで学園を卒業してからもディードやマーシャルとは同僚だ。
「ウィルフリッド、そろそろ休憩したい」
「いい時間か。お紅茶を淹れるよ」
いくら肩書きが増えたとしても俺たちの関係は変わらない。もちろん公の場ではしっかりと敬語を使う。
執務室で書類業務に勤しむルミナリオの秘書も俺の役目だ。
役目というか好きでやっているだけだが。
「ウィルフリッドはお紅茶というから好きだ」
「リュシーがそう言うんだよ。昔から聞き続けていたから、うつってしまって」
「そうか、そうか」
ルミナリオは、あちっと舌を出しながら紅茶をひとすすりして、窓の外を見上げた。
「次の他国訪問も頼むぞ。余が死ねば、この国は破滅だからな。まぁ、ウィルフリッドなら心配ないか!」
「分かってるって。何回も言われるとプレッシャーになるからやめてくれ」
あの無機質な電子音の言う通りで、俺は常に破滅と隣り合わせ状態が続いている。
どこまでがゲームのストーリーなのか分からないし、知りたいとも思わないが、不安は紛いきれない。
「今日は早く帰っていいぞ。リューテシア嬢、ではなくて、夫人も待っているのだろう?」
「お言葉に甘えてもいいが、一人でこの書類の山を崩せるか?」
「…………」
そんな涙目で見られると、黙って退室はできない。こうして今日も俺の運命を忘れるためにデスクに向かう。
「やっぱり、伝えた方がいいよな」
職場である王宮からの帰り道、俺はそんなことを呟いた。
実のところ、俺たちはまだ結婚式を挙げていない。
リューテシアとの成婚には至ったが、卒業式は途中から荒れたし、俺と父以外の人たちの記憶は消されて何事もなく卒業したと思い込んでいる。
それは、リューテシアも例外ではない。
俺が彼女に渡した青い薔薇は回収されて、今では厳重に王宮のどこかに保管されているのだ。
リューテシアは俺と結婚してくれたけれど、俺が本物のウィルフリッド君ではないことをまだ伝えられていない。
それだけがどうしても心残りだった。
◇◆◇◆◇◆
王都の住宅街で一際、大きなお屋敷が俺たちの家だ。
ただでさえ、身分が低いのだからとルミナリオが気を利かせてくれた結果、成金みたいなことになっている。
間違ってはいないけど。
「ただいま、リュシー」
「おかえりなさいませ。……今日はお疲れですか?」
さすがは元婚約者殿だ。
俺のわずかな変化を見逃してはくれない。
「大切な話があるんだ」
ダイニングテーブルを囲み、対面に座った俺は彼女を見据え、深呼吸をしてから第一声を発した。
「実は俺、ウィルフリッド君じゃないんだ」
リューテシアは可愛いらしく小首を傾げることはあっても、眉をひそめるような俺を疑う仕草は見せなかった。
俺が転生者であること。俺はプレイしたことはないが、この世界はゲームの中だということ。
ゲームに登場するウィルフリッド君はリューテシアの婚約者であることに変わりはないが、他の子に手を出して二人の婚約が破棄されること。
そして、リューテシアと結ばれる運命にあったのは、ディード、マーシャル、クロード、ルミナリオ、そしてマリキスの五人だったこと。
一時的にカーミヤ嬢が転生者に体を乗っ取られていたこと。
カーミヤ嬢の中の人が暴走した結果、リューテシアに毒を盛るという愚行に及んだこと。そして、そいつは追い返すことに成功し、今では元のカーミヤ嬢に戻っていること。
と、ざっくり説明した。
案の定リューテシアは、ぽかんとして「お休みになりますか?」と控えめに心配してくれたので何度か否定した。
「信じてくれるか?」
「すんなりと受け入れられるお話ではありません。ですが、ウィル様は娯楽として夢物語を読まれる方ではないので、事実なのでしょう」
そうだよな。にわかには信じられないよな。
「クロード先輩にはざっくり説明したんだけど、リュシーにだけは隠し続けることはできなかった。俺はこの先もずっと一緒にいるつもりだから……」
「わたしも同じ気持ちです。一つだけ聞かせてください」
なんでもどうぞ、と促すとリューテシアは背筋を正した。
「仮に前世というものがあるのなら、本当のお名前はなんですか?」
その質問の答えは考えるまでもなかった。
転生していると気づいた時から今日まで一度も思い出せないのだから。
「分からない。昔のことは何も思い出せないんだ。ただ、若くして死んだとしか」
「であれば、あなたはウィルフリッド・ブルブラックです。誰がなんと言うとも。わたしが証言します」
その力強い瞳に吸い込まれそうになってしまう。
「俺は嘘をついたんだ。親にも、弟妹にも、友人にも。……婚約者殿にも」
「嘘ではありません。あなたはウィル様です。他の何者でもありません。わたしの婚約者殿で、これから正式に夫となるお方です。誰にも嘘などとは言わせません。たとえ、それがウィル様ご本人だとしても」
リューテシアは昔から強い女の子だ。それは今でも変わらない。
「ありがとう。俺はウィルフリッド・ブルブラック。リューテシア・ファンドミーユを心から愛している男だ」
頬を染める姿はいつになっても慣れそうにない。
このままリューテシアを抱きしめてしまいたくなったが、やはりダメだと考えを改めて拳を握る。
「あ、あと……」
「お待ちください」
リューテシアは席を立ち、俺の隣へと移動した。
音も立てずに着席して、力の入った俺の拳を包み込んでくれる。
「わたしも覚悟を持ってお話を聞きます。それなら、少しはお気持ちが軽くなりますか?」
やっぱり、リューテシアには敵わないな。
この子に嘘はつけない。
「俺が贈った黒薔薇は枯れたから捨てたんじゃない」
はっとしたリューテシアの手にも力がこもる。
「訳あって散ってしまったんだ」
リューテシアは卒業式の記憶の一部を改竄されたまま卒業して、俺との生活を始めた。
最初は黒薔薇がないことに混乱していたが、必死に嘘を突き通して無理矢理に納得してもらったのだ。
俺は罪悪感に押しつぶされそうな毎日を送っていたがもう限界だ。
全てを打ち明けて、リューテシアが受け入れられないなら結婚なんてしない方がいい。
俺がリューテシアに話したことで未来が変わらないとは言い切れない。それでも、こんな気持ちのままではリューテシアを誠実に愛しているとは言えないし、彼女の愛を受け止められない。
「……良かった」
はっとして顔を上げれば、リューテシアは涙を流していた。
「そうなんだ。だから、リュシーの管理が悪かったわけじゃなくて――」
「ウィル様の苦しいお顔がやっと晴れました」
「え……?」
「以前のような屈託のない笑顔ではなく、少し憂いでいるような微笑みを見るのが苦しくて。ウィル様の気持ちに寄り添えない自分が情けなくて」
「違うんだっ! ごめん! リュシーが責任を感じることはない。きみに気を遣わせていた俺が悪いんだ」
いつしか俺の視界もぼやけていた。
必死に涙を堪えているが、いつこぼれ落ちてもおかしくない。
「黒薔薇は役目を終えて散った。捨てたなんて嘘をついて、ごめん」
「その必要があったのですね」
俺は小さく頷くしかなかった。
もう言葉が続かない。
リューテシアに抱きしめられて、頭をゆっくり撫でられるものだから、涙が止まらなくなった。
「実はわたし、ウィル様の口癖が大好きなんです。何があっても守ってくれるって安心感を感じられるから」
涙を拭った俺はテーブルに置かれていた一輪挿しの薔薇を花瓶から抜き取り、リューテシアの前に差し出した。
「この薔薇をきみに贈る」
真っ赤な薔薇は花弁の先端から青に染まり、リューテシアは瞳を輝かせた。
「俺はリュシーを絶対に離さない。たとえ破滅するとしても」
ついさっきまで俺の頭の中にはあの無機質な電子音がけたたましく鳴り響き、絶対に破滅させてやるという強い意志がひしひしと伝わってきていた。
しかし、今はリューテシアの「愛しています」という囁きにかき消され、体中に幸せが溢れている。
「俺の背後からは破滅が追いかけてくる。またリュシーを危険な目に遭わせることになるかもしれない。でも、絶対に守るから! 何度だって助けるから! だから、一緒にいて欲しい」
「もちろんです。破滅するその日までウィル様のお側を離れません。破滅に追いつかれないように共に歩みを進めるまでです」
「……やっぱり敵わないな」
願わくば、この幸せが永遠に続きますように。
いや、願ってばかりではダメだ。
最後までこの幸せを掴み続ける。たとえ破滅するとしても。
「いいんだ。元はと言えば、俺が変な魔術を扱えるのが悪いんだから」
ルミナリオは、お前という奴は……と呆れ顔だ。
「奇跡の魔術を変なもの呼ばわりとはな」
王立学園を卒業後、俺はルミナリオの監視下で生活することになった。
つまり、ブルブラック伯爵の納める土地を出て、王宮に最も近い王都での生活が始まったのだ。
俺は地元を出るとあって緊張で何回かお腹を下したが、リューテシアはあっけらかんとしていて、「劇場が近くなりますね」とポジティブ全開だった。
現在の俺はルミナリオの護衛兼王宮薬師見習い兼奇跡の魔術師という、肩書きの大盤振る舞いになっている。
おかげで学園を卒業してからもディードやマーシャルとは同僚だ。
「ウィルフリッド、そろそろ休憩したい」
「いい時間か。お紅茶を淹れるよ」
いくら肩書きが増えたとしても俺たちの関係は変わらない。もちろん公の場ではしっかりと敬語を使う。
執務室で書類業務に勤しむルミナリオの秘書も俺の役目だ。
役目というか好きでやっているだけだが。
「ウィルフリッドはお紅茶というから好きだ」
「リュシーがそう言うんだよ。昔から聞き続けていたから、うつってしまって」
「そうか、そうか」
ルミナリオは、あちっと舌を出しながら紅茶をひとすすりして、窓の外を見上げた。
「次の他国訪問も頼むぞ。余が死ねば、この国は破滅だからな。まぁ、ウィルフリッドなら心配ないか!」
「分かってるって。何回も言われるとプレッシャーになるからやめてくれ」
あの無機質な電子音の言う通りで、俺は常に破滅と隣り合わせ状態が続いている。
どこまでがゲームのストーリーなのか分からないし、知りたいとも思わないが、不安は紛いきれない。
「今日は早く帰っていいぞ。リューテシア嬢、ではなくて、夫人も待っているのだろう?」
「お言葉に甘えてもいいが、一人でこの書類の山を崩せるか?」
「…………」
そんな涙目で見られると、黙って退室はできない。こうして今日も俺の運命を忘れるためにデスクに向かう。
「やっぱり、伝えた方がいいよな」
職場である王宮からの帰り道、俺はそんなことを呟いた。
実のところ、俺たちはまだ結婚式を挙げていない。
リューテシアとの成婚には至ったが、卒業式は途中から荒れたし、俺と父以外の人たちの記憶は消されて何事もなく卒業したと思い込んでいる。
それは、リューテシアも例外ではない。
俺が彼女に渡した青い薔薇は回収されて、今では厳重に王宮のどこかに保管されているのだ。
リューテシアは俺と結婚してくれたけれど、俺が本物のウィルフリッド君ではないことをまだ伝えられていない。
それだけがどうしても心残りだった。
◇◆◇◆◇◆
王都の住宅街で一際、大きなお屋敷が俺たちの家だ。
ただでさえ、身分が低いのだからとルミナリオが気を利かせてくれた結果、成金みたいなことになっている。
間違ってはいないけど。
「ただいま、リュシー」
「おかえりなさいませ。……今日はお疲れですか?」
さすがは元婚約者殿だ。
俺のわずかな変化を見逃してはくれない。
「大切な話があるんだ」
ダイニングテーブルを囲み、対面に座った俺は彼女を見据え、深呼吸をしてから第一声を発した。
「実は俺、ウィルフリッド君じゃないんだ」
リューテシアは可愛いらしく小首を傾げることはあっても、眉をひそめるような俺を疑う仕草は見せなかった。
俺が転生者であること。俺はプレイしたことはないが、この世界はゲームの中だということ。
ゲームに登場するウィルフリッド君はリューテシアの婚約者であることに変わりはないが、他の子に手を出して二人の婚約が破棄されること。
そして、リューテシアと結ばれる運命にあったのは、ディード、マーシャル、クロード、ルミナリオ、そしてマリキスの五人だったこと。
一時的にカーミヤ嬢が転生者に体を乗っ取られていたこと。
カーミヤ嬢の中の人が暴走した結果、リューテシアに毒を盛るという愚行に及んだこと。そして、そいつは追い返すことに成功し、今では元のカーミヤ嬢に戻っていること。
と、ざっくり説明した。
案の定リューテシアは、ぽかんとして「お休みになりますか?」と控えめに心配してくれたので何度か否定した。
「信じてくれるか?」
「すんなりと受け入れられるお話ではありません。ですが、ウィル様は娯楽として夢物語を読まれる方ではないので、事実なのでしょう」
そうだよな。にわかには信じられないよな。
「クロード先輩にはざっくり説明したんだけど、リュシーにだけは隠し続けることはできなかった。俺はこの先もずっと一緒にいるつもりだから……」
「わたしも同じ気持ちです。一つだけ聞かせてください」
なんでもどうぞ、と促すとリューテシアは背筋を正した。
「仮に前世というものがあるのなら、本当のお名前はなんですか?」
その質問の答えは考えるまでもなかった。
転生していると気づいた時から今日まで一度も思い出せないのだから。
「分からない。昔のことは何も思い出せないんだ。ただ、若くして死んだとしか」
「であれば、あなたはウィルフリッド・ブルブラックです。誰がなんと言うとも。わたしが証言します」
その力強い瞳に吸い込まれそうになってしまう。
「俺は嘘をついたんだ。親にも、弟妹にも、友人にも。……婚約者殿にも」
「嘘ではありません。あなたはウィル様です。他の何者でもありません。わたしの婚約者殿で、これから正式に夫となるお方です。誰にも嘘などとは言わせません。たとえ、それがウィル様ご本人だとしても」
リューテシアは昔から強い女の子だ。それは今でも変わらない。
「ありがとう。俺はウィルフリッド・ブルブラック。リューテシア・ファンドミーユを心から愛している男だ」
頬を染める姿はいつになっても慣れそうにない。
このままリューテシアを抱きしめてしまいたくなったが、やはりダメだと考えを改めて拳を握る。
「あ、あと……」
「お待ちください」
リューテシアは席を立ち、俺の隣へと移動した。
音も立てずに着席して、力の入った俺の拳を包み込んでくれる。
「わたしも覚悟を持ってお話を聞きます。それなら、少しはお気持ちが軽くなりますか?」
やっぱり、リューテシアには敵わないな。
この子に嘘はつけない。
「俺が贈った黒薔薇は枯れたから捨てたんじゃない」
はっとしたリューテシアの手にも力がこもる。
「訳あって散ってしまったんだ」
リューテシアは卒業式の記憶の一部を改竄されたまま卒業して、俺との生活を始めた。
最初は黒薔薇がないことに混乱していたが、必死に嘘を突き通して無理矢理に納得してもらったのだ。
俺は罪悪感に押しつぶされそうな毎日を送っていたがもう限界だ。
全てを打ち明けて、リューテシアが受け入れられないなら結婚なんてしない方がいい。
俺がリューテシアに話したことで未来が変わらないとは言い切れない。それでも、こんな気持ちのままではリューテシアを誠実に愛しているとは言えないし、彼女の愛を受け止められない。
「……良かった」
はっとして顔を上げれば、リューテシアは涙を流していた。
「そうなんだ。だから、リュシーの管理が悪かったわけじゃなくて――」
「ウィル様の苦しいお顔がやっと晴れました」
「え……?」
「以前のような屈託のない笑顔ではなく、少し憂いでいるような微笑みを見るのが苦しくて。ウィル様の気持ちに寄り添えない自分が情けなくて」
「違うんだっ! ごめん! リュシーが責任を感じることはない。きみに気を遣わせていた俺が悪いんだ」
いつしか俺の視界もぼやけていた。
必死に涙を堪えているが、いつこぼれ落ちてもおかしくない。
「黒薔薇は役目を終えて散った。捨てたなんて嘘をついて、ごめん」
「その必要があったのですね」
俺は小さく頷くしかなかった。
もう言葉が続かない。
リューテシアに抱きしめられて、頭をゆっくり撫でられるものだから、涙が止まらなくなった。
「実はわたし、ウィル様の口癖が大好きなんです。何があっても守ってくれるって安心感を感じられるから」
涙を拭った俺はテーブルに置かれていた一輪挿しの薔薇を花瓶から抜き取り、リューテシアの前に差し出した。
「この薔薇をきみに贈る」
真っ赤な薔薇は花弁の先端から青に染まり、リューテシアは瞳を輝かせた。
「俺はリュシーを絶対に離さない。たとえ破滅するとしても」
ついさっきまで俺の頭の中にはあの無機質な電子音がけたたましく鳴り響き、絶対に破滅させてやるという強い意志がひしひしと伝わってきていた。
しかし、今はリューテシアの「愛しています」という囁きにかき消され、体中に幸せが溢れている。
「俺の背後からは破滅が追いかけてくる。またリュシーを危険な目に遭わせることになるかもしれない。でも、絶対に守るから! 何度だって助けるから! だから、一緒にいて欲しい」
「もちろんです。破滅するその日までウィル様のお側を離れません。破滅に追いつかれないように共に歩みを進めるまでです」
「……やっぱり敵わないな」
願わくば、この幸せが永遠に続きますように。
いや、願ってばかりではダメだ。
最後までこの幸せを掴み続ける。たとえ破滅するとしても。
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