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第1章
第14話 女の園で困らされた
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薬術とは不治の病に著効する薬や、不老不死の薬の作成を目的とする学術だった。
簡単に言えば、錬丹術の一種だ。
王立学園の卒業生には有名な薬術学者や有能な薬師も居るらしいが、居たとしても俺の母は救われていない。
それが答えだ。
失敗した。
こんなやるせない気持ちになるくらいなら、剣術か魔術を専攻すればよかった。
それに見渡す限り女生徒たちしか居ない。
初日は彼女たちの何とも言えない視線を浴びながら自己紹介を終えた。
この授業だけは学年関係なく同じクラスとして行われるから、隣の席が先輩だったなんてことは珍しくない。もちろん、リューテシアとカーミヤ嬢も同じクラスだ。
逆に剣術クラスは男子しか所属していない。聞くだけでむさ苦しいはずなのに、イケメン揃いだから遠くから見るとそうは感じない。
魔術クラスは男女の比率が半々だ。出会いの場にもなっているとか。
ただでさえ、魔術は誰もが発動できるものではないから真剣に学んでいる生徒と、そうでない生徒との差が生まれやすいとも聞いた。
「今日のペアよろしくね」
「ウィルフリッド・ブルブラックです。よろしくお願いします」
「知ってるって。ウィルフリッドくんが入ってからクラス全体が引き締まったんだよ」
「はぁ……。なぜですか?」
「男子の目があるって重要なんだよ」
そういうもんなのか。
この授業の時だけは女子校みたいなノリだったんだろうな。
それなら俺は居ない方が良いのでは?
「ミスターブルブラック。この薬草について答えろ」
隣の先輩女子とおしゃべりしていたからか、男性教師に当てられてしまった。
静かに立ち上がり、知っていること全てを答える。
俺は妹のリファと一緒に薬草について学んだし、リファの家庭教師はこの学園の卒業生でもある。
つまり、答えられないはずがないのだ。
「もういい。座りなさい。……もういいと言っているのだ!」
おっと。
つい熱中してしまった。
薬草や花は調べれば、調べるほど沼にはまっていく不思議な魅力がある。
教卓に立つ、影のあるイケメン男性教師も俺と同じパターンかと思ったが、そうではないらしい。
「マリキス先生って、剣術クラスで問題を起こしたから薬術クラスに左遷《させん》されたんだって」
着席した俺に耳打ちする先輩。
待て待て。
このクラスって左遷先なのかよ。
自分で言ってて悲しくならないのか?
俺なんて、他のクラスに目もくれずに選んだってのに……。
まぁ、人それぞれ得意不得意があるからな。
そういうことにしておこう。
結論から言うと、この先生の授業はつまらなかった。
俺が十歳の時に十分で習ったことを六十分かけて説明するのだ。
これで不治の病の薬を作る学術とは笑わせてくれる。
こんな授業なら出る価値はない。次からは適当にサボって、テストだけ受けようかと考えてしまった。
それに俺が正解を答えるとリューテシア派閥の女子は必要以上に拍手して、カーミヤ派閥の女子は親の仇でも見るような目で睨みつけてくる。
こんなのが続くなら出ないほうがましだ。
それから数日が経った放課後。
リューテシアと玄関で待ち合わせをしていた俺は下駄箱の前でおろおろしている彼女に声をかけた。
「どうかした?」
「ウィル様。それが、わたしの靴がなくなっていまして」
失礼して下駄箱を開けてみたが、そこに外履き用の靴は入っていなかった。
学園から女子寮までは徒歩で三分ほど。
男子寮は更に遠く五分ほどの所に建てられている。
婚約者殿を内履きで歩かせるのは気が引ける。何か手はないものか。
「あっ。リュシー、もしよければこの靴を使ってくれ」
「しかし、それではウィル様が。これは?」
「ちょうどもう一足持ってるんだ」
俺は鞄の中から剣術クラスで使われている専用の靴を取り出して、リューテシアに見せた。
これは、ついさっき担任から渡されたもので、俺も父親と同じ剣術クラスに入るだろうと予測して事前に取り寄せたものらしい。
しかし、残念なことに俺は薬術クラスを選択してしまったから、ずっと職員室に置いたままだったとか。
なぜ勝手に決めつけた。
なぜ母親と同じ道を行くかもしれないと想像力を働かせなかった。
ま、いっか。タダだし。
「俺は自分の靴があるから」
「では、お言葉に甘えさせていただきます」
リューテシアは新品の靴を履き、「おっきいですね」と呟いた。
案の定、靴のサイズが合っていない。
「ありがとうございます」
「内履きは持って帰るの?」
「はい。こちらまでなくなってしまっては明日からの授業に差し支えるので」
確かにその通りだ。
リューテシアの靴はなくなったのではなく盗まれた。あるいは隠されたか、捨てられたか。
どちらにしても、楽しい話ではない。
「思い当たる人はいますので、心配ご無用です」
「やっぱり、カーミヤ派の?」
「おそらくですが」
その日、リューテシアは靴の底をカパカパと鳴らしながら寮まで歩いた。
サイズが合っていないから仕方ないが、それすらも楽しんでいるのだから、俺の婚約者殿はつくづく強かだなと思う。
数日後、俺は学園内にあるサロンへと足を向けた。
サロンは上級生だけが使える場として提供されているが、唯一、新入生でも使える場所がある。しかし、今は専用サロンとなっていて自由には使用ができない。
「それで、わたくしの指示に従って、女生徒がリューテシア嬢の靴を隠したと?」
「そうは言っていない。カーミヤ嬢のお友達が婚約者殿の私物を隠している現場を見てしまったと言っているんだ。きみの知らぬ所での犯行なら、まずいと思って伝えに来た」
「なるほど。ご忠告はありがたく受け取りましょう。それとは別件で、わたくしの元には数多くの女生徒があなたに泣かされているというお話がよく舞い込んでくるのですが、こちらの真相は?」
「あー、最近はハニートラップが多くて」
「はにーとらっぷ?」
「要するに俺への誘惑が多いってこと。普通に考えて、婚約者がいる貴族の息子を女子寮に誘うか?」
「あら。人のものを欲しがるのは人の性ではなくて?」
あー。そういや前世でもクラスに居たわ。カップルクラッシャーの異名を持つ女。
俺には一生、縁がないと思っていたが、転生してからご縁があるとはな。
そういうやり方で俺を破滅へ突き落とすつもりか。
告白なら百歩譲って受け入れ、丁重にお断りするが、誘惑となると話は変わってくる。その手には乗らんぞ。
「とにかく、カーミヤ嬢の友人からのお誘いが多くて、大迷惑しているのは事実だ。でも、リューテシアの方が問題だろ? 場合によっては学園側にも報告する」
「いくら、わたくしでも人の気持ちを操作などできませんわ。真摯に向き合ってくださいまし。代わりにリューテシア子爵令嬢の件はこちらで請け負いましょう」
よし。話は横道に逸れたが、目的は達成できた。
みんな誤解しがちだけど、カーミヤ嬢は意外と話せば分かってくれる人なんだよ。
その日以降、リューテシアへの嫌がらせはぴたりと止み、彼女にとって穏やかな日常が戻って来た。
ついでに俺へのハニートラップもなくなった。カーミヤ嬢が手を回してくれたのだろう。
これで俺も一安心と思っていたのだが……。
「魔力暴走だ!! 誰か、マーシャルを止めてくれ!」
絶賛、事件に巻き込まれている。
簡単に言えば、錬丹術の一種だ。
王立学園の卒業生には有名な薬術学者や有能な薬師も居るらしいが、居たとしても俺の母は救われていない。
それが答えだ。
失敗した。
こんなやるせない気持ちになるくらいなら、剣術か魔術を専攻すればよかった。
それに見渡す限り女生徒たちしか居ない。
初日は彼女たちの何とも言えない視線を浴びながら自己紹介を終えた。
この授業だけは学年関係なく同じクラスとして行われるから、隣の席が先輩だったなんてことは珍しくない。もちろん、リューテシアとカーミヤ嬢も同じクラスだ。
逆に剣術クラスは男子しか所属していない。聞くだけでむさ苦しいはずなのに、イケメン揃いだから遠くから見るとそうは感じない。
魔術クラスは男女の比率が半々だ。出会いの場にもなっているとか。
ただでさえ、魔術は誰もが発動できるものではないから真剣に学んでいる生徒と、そうでない生徒との差が生まれやすいとも聞いた。
「今日のペアよろしくね」
「ウィルフリッド・ブルブラックです。よろしくお願いします」
「知ってるって。ウィルフリッドくんが入ってからクラス全体が引き締まったんだよ」
「はぁ……。なぜですか?」
「男子の目があるって重要なんだよ」
そういうもんなのか。
この授業の時だけは女子校みたいなノリだったんだろうな。
それなら俺は居ない方が良いのでは?
「ミスターブルブラック。この薬草について答えろ」
隣の先輩女子とおしゃべりしていたからか、男性教師に当てられてしまった。
静かに立ち上がり、知っていること全てを答える。
俺は妹のリファと一緒に薬草について学んだし、リファの家庭教師はこの学園の卒業生でもある。
つまり、答えられないはずがないのだ。
「もういい。座りなさい。……もういいと言っているのだ!」
おっと。
つい熱中してしまった。
薬草や花は調べれば、調べるほど沼にはまっていく不思議な魅力がある。
教卓に立つ、影のあるイケメン男性教師も俺と同じパターンかと思ったが、そうではないらしい。
「マリキス先生って、剣術クラスで問題を起こしたから薬術クラスに左遷《させん》されたんだって」
着席した俺に耳打ちする先輩。
待て待て。
このクラスって左遷先なのかよ。
自分で言ってて悲しくならないのか?
俺なんて、他のクラスに目もくれずに選んだってのに……。
まぁ、人それぞれ得意不得意があるからな。
そういうことにしておこう。
結論から言うと、この先生の授業はつまらなかった。
俺が十歳の時に十分で習ったことを六十分かけて説明するのだ。
これで不治の病の薬を作る学術とは笑わせてくれる。
こんな授業なら出る価値はない。次からは適当にサボって、テストだけ受けようかと考えてしまった。
それに俺が正解を答えるとリューテシア派閥の女子は必要以上に拍手して、カーミヤ派閥の女子は親の仇でも見るような目で睨みつけてくる。
こんなのが続くなら出ないほうがましだ。
それから数日が経った放課後。
リューテシアと玄関で待ち合わせをしていた俺は下駄箱の前でおろおろしている彼女に声をかけた。
「どうかした?」
「ウィル様。それが、わたしの靴がなくなっていまして」
失礼して下駄箱を開けてみたが、そこに外履き用の靴は入っていなかった。
学園から女子寮までは徒歩で三分ほど。
男子寮は更に遠く五分ほどの所に建てられている。
婚約者殿を内履きで歩かせるのは気が引ける。何か手はないものか。
「あっ。リュシー、もしよければこの靴を使ってくれ」
「しかし、それではウィル様が。これは?」
「ちょうどもう一足持ってるんだ」
俺は鞄の中から剣術クラスで使われている専用の靴を取り出して、リューテシアに見せた。
これは、ついさっき担任から渡されたもので、俺も父親と同じ剣術クラスに入るだろうと予測して事前に取り寄せたものらしい。
しかし、残念なことに俺は薬術クラスを選択してしまったから、ずっと職員室に置いたままだったとか。
なぜ勝手に決めつけた。
なぜ母親と同じ道を行くかもしれないと想像力を働かせなかった。
ま、いっか。タダだし。
「俺は自分の靴があるから」
「では、お言葉に甘えさせていただきます」
リューテシアは新品の靴を履き、「おっきいですね」と呟いた。
案の定、靴のサイズが合っていない。
「ありがとうございます」
「内履きは持って帰るの?」
「はい。こちらまでなくなってしまっては明日からの授業に差し支えるので」
確かにその通りだ。
リューテシアの靴はなくなったのではなく盗まれた。あるいは隠されたか、捨てられたか。
どちらにしても、楽しい話ではない。
「思い当たる人はいますので、心配ご無用です」
「やっぱり、カーミヤ派の?」
「おそらくですが」
その日、リューテシアは靴の底をカパカパと鳴らしながら寮まで歩いた。
サイズが合っていないから仕方ないが、それすらも楽しんでいるのだから、俺の婚約者殿はつくづく強かだなと思う。
数日後、俺は学園内にあるサロンへと足を向けた。
サロンは上級生だけが使える場として提供されているが、唯一、新入生でも使える場所がある。しかし、今は専用サロンとなっていて自由には使用ができない。
「それで、わたくしの指示に従って、女生徒がリューテシア嬢の靴を隠したと?」
「そうは言っていない。カーミヤ嬢のお友達が婚約者殿の私物を隠している現場を見てしまったと言っているんだ。きみの知らぬ所での犯行なら、まずいと思って伝えに来た」
「なるほど。ご忠告はありがたく受け取りましょう。それとは別件で、わたくしの元には数多くの女生徒があなたに泣かされているというお話がよく舞い込んでくるのですが、こちらの真相は?」
「あー、最近はハニートラップが多くて」
「はにーとらっぷ?」
「要するに俺への誘惑が多いってこと。普通に考えて、婚約者がいる貴族の息子を女子寮に誘うか?」
「あら。人のものを欲しがるのは人の性ではなくて?」
あー。そういや前世でもクラスに居たわ。カップルクラッシャーの異名を持つ女。
俺には一生、縁がないと思っていたが、転生してからご縁があるとはな。
そういうやり方で俺を破滅へ突き落とすつもりか。
告白なら百歩譲って受け入れ、丁重にお断りするが、誘惑となると話は変わってくる。その手には乗らんぞ。
「とにかく、カーミヤ嬢の友人からのお誘いが多くて、大迷惑しているのは事実だ。でも、リューテシアの方が問題だろ? 場合によっては学園側にも報告する」
「いくら、わたくしでも人の気持ちを操作などできませんわ。真摯に向き合ってくださいまし。代わりにリューテシア子爵令嬢の件はこちらで請け負いましょう」
よし。話は横道に逸れたが、目的は達成できた。
みんな誤解しがちだけど、カーミヤ嬢は意外と話せば分かってくれる人なんだよ。
その日以降、リューテシアへの嫌がらせはぴたりと止み、彼女にとって穏やかな日常が戻って来た。
ついでに俺へのハニートラップもなくなった。カーミヤ嬢が手を回してくれたのだろう。
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「魔力暴走だ!! 誰か、マーシャルを止めてくれ!」
絶賛、事件に巻き込まれている。
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