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中学生編小話
陸実のテスト結果
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白鳥美鈴が俺達の部屋にいる。
100位アップ。それを宣言された今、白鳥美鈴が部屋に案内するように言ったのだ。
それは良いとして。
ルーズリーフを受け取ったかと思うとペンを片手に何か書き始めた。
一瞬悩んだかと思うと、また書き始める。
夢姉が隣で覗き込んで顔を顰めた。…一体何書いてんだよ。
俺達は顔を見合わせて…よし、覗こうと俺達が頷き合った時、白鳥美鈴が動き出した。
「よしっ、出来たっ。じゃあ、これからテストするよ~」
『えっ!?』
「制限時間は……そうね。1時間で。その間にこの国数英理社の問題全部やってみること」
「はい。シャーペンと消しゴム」
夢姉が俺達に配ってくれる。
…どうやら逃げられないパターンらしい。
仕方なくシャーペンと消しゴムを受け取り、白鳥美鈴が書いていたルーズリーフを裏返しで受け取る。その枚数は五枚。うおぉ…きっかり国数英理社全部あるのか…。
白鳥美鈴が壁にある時計を見て、
「今から一時間だから…あの時計で55分になったら終了ね。はい、スタートっ」
今更逃げる事も出来ず俺達は一斉に問題に取り掛かった。
―――1時間後。
結果から言うと…全ッ然わっかんねぇっ!!
所々は解けた気がするけど…。
「回収したし。じゃあ、陸実くんから答え合わせしていくね。あ、そうそう。これはあくまでも三人のレベルを確かめる為にやってる事だからね。問題は難しいのから簡単なのまで混ぜて出してるから、答えられなくて当然のもあるからね」
なんだ、そうなのか。ホッとした。
……ん?ちょっと待てよ?その難しい問題ってのをお前は今即興で書いた訳だよな?
……どんな脳味噌してんだ、こいつ。
「えーっと。じゃあ、陸実くんから答え合わせして行こうかな。教科は何から行こうかな…陸実くんだし。うん、国語から答え合わせしよう。文章問題がなかったから楽だと思ったんだけど…」
おい、なんでそんな悲しそうな顔すんだよ。
白鳥美鈴が赤ペンで丸をしていく。まず一つ。……………終了。おおっ!?間違いは一つだけかっ!?
成長したな、俺っ!!
「………陸…あんた、ちょっと馬鹿過ぎるでしょ。王子ちょっとそれ貸して」
夢姉が白鳥美鈴からルーズリーフを受け取る。
「漢字穴埋め問題。『油○大○』…まぁ、普通は油断大敵、よね。『油田大金』って舐めてんの?」
え?違うのかっ!?
「次。『首○一○』は首尾一貫。『首狩一族』…。そんな種族いたら怖くて堪らないわ」
確かに…。うんうん。白鳥美鈴は怖い問題を出すよな。
「次。漢字の書き取り問題。1~4のカタカナ部分を漢字に直しなさい」
「これ、滅茶苦茶簡単だったぜっ!」
胸を張る。ここは全部合ってると思うっ!
「全部間違ってるのよ、馬鹿っ!!まず、『1:タイヨウ光』、漢字は『太い』に陽光の『陽』で太陽。あんたのは犬っ!『犬陽』って。次『2:私のツマ』のツマは奥さん、お嫁さんの妻っ。アンタが書いた『だいこん』はそもそもが違うっ!そして、せめて漢字で書けっ!次、『3:要求にオウジル』のオウジルは答えるって意味の『応じる』なのっ。『王子る』って何処の略語なのよっ!『4:ダイクさんに依頼する』これくらいは書いてよっ!なんでこういう時だけ難しい漢字で『第九』って書くのっ!曲かよっ!!」
ぜー…ぜー…。
「夢姉。そんな叫んでたら倒れちまうぜ?」
「誰の所為よ、馬鹿っ!!」
誰のって自分の所為じゃね?
「次の問題っ。次の慣用句を完成させなさい。『1:壁に(A)あり、障子に(B)あり』答えは『壁に耳あり、障子に目あり』でしょっ。なのにアンタの答えは『壁に夢あり、障子愛あり』ってロマンチストかっ!そもそもそんな所に夢も希望も埋め込んでないわよっ!『2:鼻で(C)』答えは『鼻で笑う』よ。『鼻でたーかだっか』って作者の年代がバレるじゃないっ!この答えの場合は『で』がいらないでしょうっ!?」
「……ユメ。そろそろ突っ込みがずれて来てるよ」
「『3:焼け石に(D)』これは簡単なのに…滅茶苦茶簡単なのに…『タコ』って…。それただのたこ焼きじゃない…。水よ、答えは水なのっ!『4:可愛い子には(E)をさせよ』…この問題に関しては努力は認めるわ。でもこれだと『旅』じゃなくて『族』だから。可愛い子をヤンキーにしないで」
「ユメ。全部に突っ込み入れていく気なの?喉枯れちゃうよ?」
「だって、王子っ!あまりにも馬鹿なんだものっ!現実を見せつけないと駄目だと思うのっ!」
「そ、そうなんだ…。じゃ、じゃあ私ユメに飲み物作ってくる…」
白鳥美鈴が夢姉の勢いに押されて部屋を出て行く。
「王子…。難しい問題も入れたって言ってたけど。比較的簡単な問題ばっかり。でもそれすらも解けないとかどれだけ馬鹿なの…うぅ…」
「おっかしいなぁ。当たってると思ったんだけどなぁ…」
「これで当たってると思える方が凄いわ。次の答え合わせするわよ。えーっと次の言葉を使って文章を作りなさい。『1:「もっともな」』か。う~ん。これは例えば、『上司の言葉はもっともな言い分である』とかかなぁ」
「そうだね。テストで答えるなら『生活苦の一般市民が増税に反対するのはもっともだ』とかかな?」
戻って来た白鳥美鈴が夢姉だけでなく俺達の分の飲み物をお盆に載せて部屋へ入るなり答えを言う。
「こう言う問題は少し固めに答えると教師は丸をくれやすくなるよ」
「へぇ。そうなんだ」
「じゃあ、俺が書いたのは教師受けしやすいんだなっ」
「……教師受け…。まぁ確かに教師はウケるわね。『もっともなかアイスが食べたい』だと多分大爆笑してくれるわ。あまりに残念過ぎて涙を流して笑ってくれるわよ」
ハハッと白鳥美鈴が渇いた笑みを浮かべる。
「次『2:「あしからず」』ね。……『頭の悪い陸実を殴っても仕方ないと思う。あしからず』…?」
「ユメ。その使い方は色んな意味でちょっと…。あしからずだとそうだね、例えば『明日はお休みを頂いております。あしからずご了承下さいませ』とかかな?」
「じゃあ、間違っても『あしからズバッときられた』ではないのよね」
「まぁ、それは間違い確定かな」
じと目で夢姉が睨んでくる。
「し、仕方ねーだろっ。そんな言葉普段使わねぇんだしっ!」
「……せめて漢字の読みは出来るかと思えば…。『1:祭りに必要な『足袋』を探す』これは『たび』ね。『ソックス』って日本語じゃないし。『2:悲しい『様子』だ』これは『ようす』であって『ざます』ではないざますっ!」
「ゆ、ユメ…?」
「『3:天ぷらは私の『好物』です』これは『こうぶつ』ざますっ!『すきもの』って意味がかわって来るざますっ!!」
「ユメ、落ち着くざますっ!あっ…うつっちゃった…」
「もうっ、もうっ!なんなんざますっ!?ショックざますーっ!!」
夢姉がハンカチをきぃーって噛み締める。
「…陸実くん」
「なんだよ」
「ユメをこれ以上壊さないように、勉強頑張ろうね」
「………おう」
納得する以外選択肢はなかったように思えた…。
100位アップ。それを宣言された今、白鳥美鈴が部屋に案内するように言ったのだ。
それは良いとして。
ルーズリーフを受け取ったかと思うとペンを片手に何か書き始めた。
一瞬悩んだかと思うと、また書き始める。
夢姉が隣で覗き込んで顔を顰めた。…一体何書いてんだよ。
俺達は顔を見合わせて…よし、覗こうと俺達が頷き合った時、白鳥美鈴が動き出した。
「よしっ、出来たっ。じゃあ、これからテストするよ~」
『えっ!?』
「制限時間は……そうね。1時間で。その間にこの国数英理社の問題全部やってみること」
「はい。シャーペンと消しゴム」
夢姉が俺達に配ってくれる。
…どうやら逃げられないパターンらしい。
仕方なくシャーペンと消しゴムを受け取り、白鳥美鈴が書いていたルーズリーフを裏返しで受け取る。その枚数は五枚。うおぉ…きっかり国数英理社全部あるのか…。
白鳥美鈴が壁にある時計を見て、
「今から一時間だから…あの時計で55分になったら終了ね。はい、スタートっ」
今更逃げる事も出来ず俺達は一斉に問題に取り掛かった。
―――1時間後。
結果から言うと…全ッ然わっかんねぇっ!!
所々は解けた気がするけど…。
「回収したし。じゃあ、陸実くんから答え合わせしていくね。あ、そうそう。これはあくまでも三人のレベルを確かめる為にやってる事だからね。問題は難しいのから簡単なのまで混ぜて出してるから、答えられなくて当然のもあるからね」
なんだ、そうなのか。ホッとした。
……ん?ちょっと待てよ?その難しい問題ってのをお前は今即興で書いた訳だよな?
……どんな脳味噌してんだ、こいつ。
「えーっと。じゃあ、陸実くんから答え合わせして行こうかな。教科は何から行こうかな…陸実くんだし。うん、国語から答え合わせしよう。文章問題がなかったから楽だと思ったんだけど…」
おい、なんでそんな悲しそうな顔すんだよ。
白鳥美鈴が赤ペンで丸をしていく。まず一つ。……………終了。おおっ!?間違いは一つだけかっ!?
成長したな、俺っ!!
「………陸…あんた、ちょっと馬鹿過ぎるでしょ。王子ちょっとそれ貸して」
夢姉が白鳥美鈴からルーズリーフを受け取る。
「漢字穴埋め問題。『油○大○』…まぁ、普通は油断大敵、よね。『油田大金』って舐めてんの?」
え?違うのかっ!?
「次。『首○一○』は首尾一貫。『首狩一族』…。そんな種族いたら怖くて堪らないわ」
確かに…。うんうん。白鳥美鈴は怖い問題を出すよな。
「次。漢字の書き取り問題。1~4のカタカナ部分を漢字に直しなさい」
「これ、滅茶苦茶簡単だったぜっ!」
胸を張る。ここは全部合ってると思うっ!
「全部間違ってるのよ、馬鹿っ!!まず、『1:タイヨウ光』、漢字は『太い』に陽光の『陽』で太陽。あんたのは犬っ!『犬陽』って。次『2:私のツマ』のツマは奥さん、お嫁さんの妻っ。アンタが書いた『だいこん』はそもそもが違うっ!そして、せめて漢字で書けっ!次、『3:要求にオウジル』のオウジルは答えるって意味の『応じる』なのっ。『王子る』って何処の略語なのよっ!『4:ダイクさんに依頼する』これくらいは書いてよっ!なんでこういう時だけ難しい漢字で『第九』って書くのっ!曲かよっ!!」
ぜー…ぜー…。
「夢姉。そんな叫んでたら倒れちまうぜ?」
「誰の所為よ、馬鹿っ!!」
誰のって自分の所為じゃね?
「次の問題っ。次の慣用句を完成させなさい。『1:壁に(A)あり、障子に(B)あり』答えは『壁に耳あり、障子に目あり』でしょっ。なのにアンタの答えは『壁に夢あり、障子愛あり』ってロマンチストかっ!そもそもそんな所に夢も希望も埋め込んでないわよっ!『2:鼻で(C)』答えは『鼻で笑う』よ。『鼻でたーかだっか』って作者の年代がバレるじゃないっ!この答えの場合は『で』がいらないでしょうっ!?」
「……ユメ。そろそろ突っ込みがずれて来てるよ」
「『3:焼け石に(D)』これは簡単なのに…滅茶苦茶簡単なのに…『タコ』って…。それただのたこ焼きじゃない…。水よ、答えは水なのっ!『4:可愛い子には(E)をさせよ』…この問題に関しては努力は認めるわ。でもこれだと『旅』じゃなくて『族』だから。可愛い子をヤンキーにしないで」
「ユメ。全部に突っ込み入れていく気なの?喉枯れちゃうよ?」
「だって、王子っ!あまりにも馬鹿なんだものっ!現実を見せつけないと駄目だと思うのっ!」
「そ、そうなんだ…。じゃ、じゃあ私ユメに飲み物作ってくる…」
白鳥美鈴が夢姉の勢いに押されて部屋を出て行く。
「王子…。難しい問題も入れたって言ってたけど。比較的簡単な問題ばっかり。でもそれすらも解けないとかどれだけ馬鹿なの…うぅ…」
「おっかしいなぁ。当たってると思ったんだけどなぁ…」
「これで当たってると思える方が凄いわ。次の答え合わせするわよ。えーっと次の言葉を使って文章を作りなさい。『1:「もっともな」』か。う~ん。これは例えば、『上司の言葉はもっともな言い分である』とかかなぁ」
「そうだね。テストで答えるなら『生活苦の一般市民が増税に反対するのはもっともだ』とかかな?」
戻って来た白鳥美鈴が夢姉だけでなく俺達の分の飲み物をお盆に載せて部屋へ入るなり答えを言う。
「こう言う問題は少し固めに答えると教師は丸をくれやすくなるよ」
「へぇ。そうなんだ」
「じゃあ、俺が書いたのは教師受けしやすいんだなっ」
「……教師受け…。まぁ確かに教師はウケるわね。『もっともなかアイスが食べたい』だと多分大爆笑してくれるわ。あまりに残念過ぎて涙を流して笑ってくれるわよ」
ハハッと白鳥美鈴が渇いた笑みを浮かべる。
「次『2:「あしからず」』ね。……『頭の悪い陸実を殴っても仕方ないと思う。あしからず』…?」
「ユメ。その使い方は色んな意味でちょっと…。あしからずだとそうだね、例えば『明日はお休みを頂いております。あしからずご了承下さいませ』とかかな?」
「じゃあ、間違っても『あしからズバッときられた』ではないのよね」
「まぁ、それは間違い確定かな」
じと目で夢姉が睨んでくる。
「し、仕方ねーだろっ。そんな言葉普段使わねぇんだしっ!」
「……せめて漢字の読みは出来るかと思えば…。『1:祭りに必要な『足袋』を探す』これは『たび』ね。『ソックス』って日本語じゃないし。『2:悲しい『様子』だ』これは『ようす』であって『ざます』ではないざますっ!」
「ゆ、ユメ…?」
「『3:天ぷらは私の『好物』です』これは『こうぶつ』ざますっ!『すきもの』って意味がかわって来るざますっ!!」
「ユメ、落ち着くざますっ!あっ…うつっちゃった…」
「もうっ、もうっ!なんなんざますっ!?ショックざますーっ!!」
夢姉がハンカチをきぃーって噛み締める。
「…陸実くん」
「なんだよ」
「ユメをこれ以上壊さないように、勉強頑張ろうね」
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