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小学生編小話

★ 100なんですっ!

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「指令書?誰からの指令だ?」
「作者」
「実は一番姫ちゃんを苛めてる作者」
「本来なら一番しばかれなあかん作者」
「あぁ、あの眼鏡ダルマか。猫なんておこがましいPN使ってる奴」
まぁ、なんでもいい。一応あんなのでも作者だ。俺達の行く末を知ってるのもあいつだしな。逆らわないでおこうか。
手渡された指令書…と書かれた花柄の封筒を開き四つ折りにされた紙を開く。
「えーっとなになに?『指令。今から美鈴の男性恐怖症を薄くして鬼ごっこを開催しますっ!捕まえた人にはご褒美っ!』だそうだ」
「ほな、鴇。先、行くわ」
「あ、待ちやがれっ、奏輔っ」
「オレも行こーっ」
「…………早すぎるだろ。行動」
駆け出した3馬鹿を見送り、手元の指令書に視線を戻す。
「……『なお。双子はハンデの為に遅れて動いております』…?、遅れて?」
普通早く動かすものじゃないのか?なのになんで遅れて?
……最後に捕まえた奴に別個の罰ゲームか、もしくは褒美がありそうだな。
なら、…あいつらの様子を暫く見てるとするか。
あいつらの後を追い掛けて行くと、美鈴が楽しそうに三人の手からひらひらと逃げていた。
「お姫さん、逃げ足はやいなぁ。全然追い付けへん、わっ!」
「きゃっ、捕まらないも~んっ」
「姫ちゃーん。こっちおいでーっ」
「やだよーっ!えへへっ」
「姫ー。こっちに来てくれたら、七海と遊ぶ約束取りつけてやるぞー」
「じゃ、とまりますっ」
ピタッと美鈴が動きを止めた。そして美鈴が透馬の腕に抱っこされる。
「七海お姉ちゃんと遊べるの?遊べるのっ?」
「あぁ。ちゃんと取り付けてやる。…まぁ、あいつなら、約束なんてしなくても姫が呼んでるってだけで来そうだけどな」
透馬の約束で美鈴は全身で喜びを表現している。そして、そのまま透馬の頭に抱き着いて、
「透馬お兄ちゃん、大好きーっ」
とニコニコ微笑んだ。
「ひ、姫…か、可愛いっ」
美鈴を地面に降ろして、透馬が頭を抱えて悶えている。………アホだ。
「なんや。餌さえあれば捕まえられるんか?なら、姫さん。俺もお姉達と約束取りつけてやるで?」
「ほんとっ!?奏輔お兄ちゃん、ほんとっ!?奏輔お兄ちゃんの命削られるよっ!?」
「…………ははは。嫌やわぁ、お姫さん。お姫さんの為なら俺の命の一つや二つ…」
命がけだな…奏輔。ちょっと視界がぼやけるぞ…。
「奏輔お兄ちゃん、自分は大事に、ね」
とてとてと美鈴が奏輔に近寄り、その足に抱き着いた。
「はい、奏輔お兄ちゃん、あーん」
ポケットから飴玉を取り出すと奏輔に向かって口を開ける様に促す。奏輔は素直にそれに従い腰を折って、口の中に飴を招き入れた。
「よしよし」
飴を口に含んだままの奏輔の頭をその小さな手が撫でる。
「お姫さん…優しいなぁ…」
あ、泣き崩れた…。あいつもアホだな。
「いいなぁー。餌がある透馬と奏輔は」
…奏輔に関しては命がけだがな。でもまぁ確かに。大地に餌はないな。男兄弟しかいないしな。
「…うーん。本気で行くしかないかなぁー?」
「止めろ。お前の本気で追い掛けられたら美鈴が泣く」
「だよねぇ。うーん…もうちょっと頑張って見ようかな」
よしよしと未だ奏輔の頭を撫でて慰めている美鈴の後ろをそーっとそーっと近付き、
「えいっ」
「ふみゃっ!?」
抱き上げた。片腕に美鈴を乗せながら、大地は首を傾げる。
「あれー?姫ちゃん、あっさり捕まったねー」
確かに。…あぁ、そうか。男性恐怖症を薄くするってあれが言ってたっけ?だから気配を察知できなかったのか。
「大地お兄ちゃん、反則、めっ」
美鈴が大地のおでこをつんと人差し指で弾いた。
「ご、ご褒美ー…っ」
……………こいつもアホだったか。いや、間違えた。こいつが一番アホだったな。
「鈴ーっ!」
「鈴ちゃーんっ!」
お、棗と葵が来たか。
ドゲシッ!
大地が葵に蹴り飛ばされた。葵の手に美鈴が奪い取られる。それでも既にご褒美を貰った大地は嬉しそうだ。…こう言う所あの兄達と同じ血が流れてるなと実感する。
「はい。鈴ちゃん、捕まえたよ~っ」
「葵お兄ちゃん、速かったね~。えへへっ。大好きーっ!」
すりすりと美鈴が葵の頬に頬を擦り寄せる。
「あー、もうっ。鈴ちゃん、可愛いっ。僕も大好きっ!」
ぎゅむむっ。
葵、美鈴がだいぶ苦しそうだぞ…。パシパシと叩いてギブアップ宣言してる。
「あ、ごめんね、鈴ちゃん。可愛くてつい…」
美鈴が解放されて、地面に降ろされるとホッと一息ついた。ははっ、余程苦しかったんだろうな。
面白くて、ついつい笑みが浮かんで、咄嗟に口を隠す。
「鈴ー。おいでー」
「わーいっ、棗お兄ちゃーんっ!ぎゅーっ!」
棗の腕の中に突進。棗には素直に抱き着くよな、美鈴は。
「棗お兄ちゃん、大好きーっ!」
「僕も鈴が大好きだよーっ」
前回あれだけ回転したってのにまだ回るのか、お前達は。棗が美鈴を抱き上げてくるくると回転する。
さ、てと。
「俺で、最後だな、っと」
棗を止めて、美鈴を抱き上げる。
「それで?最後にお前を捕まえるとどうなるんだ?美鈴?」
「………ほんっと、鴇お兄ちゃんって抜かりないって言うか、何て言うか…」
「褒め言葉として受け取っておく」
「……………ご褒美無くして、齧っても良い?」
「お前はとことん俺を齧りたがるな。なんでだ?」
「だって、だって悔しいんだもんっ!!何にも敵わないならもう齧るしかないっ!!」
……なんて言って良いのか。苦笑しか浮かばないぞ、美鈴。
「むぅー…鴇お兄ちゃん」
「なんだ?」
「えいっ!」
ぐきっ!
美鈴…何の予兆もなくいきなり首を横向かされると痛いんだが…。

―――チュッ。

頬にキスされた?
「……………ん?」
「私を最後に捕らえた人のご褒美。ラストワン賞。ほっぺにちゅう」
ほっぺにちゅうは良いんだが…。
「ははっ。美鈴。顔、真っ赤だぞ?」
そっとその真っ赤に染まった頬を撫でる。美鈴は、むっと拗ねたかと思うとカチカチと歯を鳴らした。
「こら。照れ隠しに齧ろうとするな。…そうだな。…なぁ、美鈴?」
俺は美鈴の頬にそっと唇を寄せた。
「ふみっ!?」
「これでお相子、な」
「ふみぃぃっ!!」
「はははっ、暴れるなって、美鈴」
ほんと、こいつは可愛いよな。
「鴇兄さん、ずるいっ!」
「僕も、鈴ちゃんにしたいっ」
「ふみゃああっ!」
葵と棗に美鈴を渡した途端にキスの嵐。モテモテだな、美鈴。くすくすと笑っていると、再び俺の下へ封筒が届いた。
「今度は一体なんだよ…えーっと?『感想、100越えありがとうございます。感謝感激でございます。今回のサービスショットはお気に召して頂けたでしょうか。これからも美鈴の成長にお付き合い頂けると嬉しいです』…って何だ、これ」
「…作者の感謝の言葉、だろ」
「感想が100越えたもんねー。だから今回こんな真っ白い何もない空間に呼ばれたんだー?」
「何処を見ても真っ白な空間って逆に怖いわ」
確かに。急に呼び出されたと思ったら指令書とか渡されて、こんな何もない空間で追いかけっこって。
「そもそも、自分で感謝の言葉位、自分で言えっての。大体、ここ何処だよ」
はぁ、と四人で溜息をつき合っていると、双子のキスの嵐から解放された美鈴がその手を双子と繋ぎながら歩いてきて、真顔で言った。
「次元の狭間」

『…………………え?』


※※※

うぅっ…まさか、感想100の小話を書く事が出来るなんてっ!(ノД`)・゜・。
本当に、本ッ当にありがとうございますっ!!
こんなに幸せな事はないですっ!!
それに一杯一杯美鈴が可愛いって言って頂けて嬉しくてっ!
今まで可愛い系の主人公を書いたことがありませんでした。今回が初めてです。
それが、1000人以上もお気に入りにしてくれて、感想も100を越えて、嬉しいですっ!!
因みに近況でも書きましたが、この話は6部で構成されています。
今、小学生編に入ってやっと中盤に片足突っ込んだかな~位です。
長々と続いてしまうかもしれませんが、是非是非お付き合い下さいませ。
感想もお待ちしていますっ!(*'ω'*)
(…宜しければ、チキンなのでオブラートに包んで、むしろこれってオブラートそのものじゃね?くらい包んで頂いて貰えたら嬉しいです/笑)
これからも美鈴の成長にお付き合い頂けると嬉しいですっ!
ありがとうございますっ!(*'ω'*)

三木猫

PS:前回も書きましたが、この手の文章が苦手な方がいらっしゃって、何か申し出がありましたらこの文章は撤去させて頂きますので、ご了承下さいませ~(*'ω'*)
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感想 1,230

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