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小学生編小話
入学準備
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「これだと大きいかな?」
「でも、直ぐに大きくなるでしょう?少し大きめの方がいいんじゃない?」
鈴が僕達の通う小学校の入試に合格した為、僕達は鈴の学校用品を揃えるのを目的に家族でデパートに来ていた。
二年前、僕達もこうして制服を買いに来たけど。
「鈴ちゃん。可愛い」
「うん。可愛いね」
うちの妹はどんな恰好しても似合う。
「ちょっと大きめなの着ても可愛い」
「でもぴったりならぴったりで可愛い」
うんうんと頷き合う。
「まぁ、可愛いことは否定しないが、葵、棗ちょっと落ち着け。言ってる事が大分ヤバい」
鴇兄さんに頭をわしわしと撫でられて僕達は我にかえる。いけないいけない、つい鈴が可愛くて本音を漏らしてしまった。
「佳織。立ちっぱなしだと辛いだろう。椅子を借りてきたよ」
一ヶ月後に出産を控えている佳織母さんに父さんが椅子を差し出す。
「ありがとう、誠さん。でも、大丈夫よ?私美鈴を産む時には出産前日までバーゲンセールで格闘してたもの」
にっこり。
凄いね、佳織母さん。僕達の言葉、どっかに飛んでっちゃった。
「誠パパ、お兄ちゃん達、深く考えたら負けだよ?」
「……そのようだな」
「それから、早く、決めちゃいたいな。お兄ちゃん達の背後が怖い」
背後?
葵と鴇兄さん三人で同時に振り向く。…?、いつも通り女の人が群がってるだけだよね?
何か問題あるのかな?
「まぁ、あれを気にする必要はないが、私としては佳織と美鈴を遠巻きで眺めて鼻の下を伸ばしている連中に殺意を覚えるから、早く決定するのは賛成だ」
父さん、それには僕達も賛成。うんうんと三人で頷き合う。
男からの視線を感じないように僕達が鈴を囲う様に立ってるんだけど、それでも気付いてくるんだから、厄介だ…ちっ。
「ね、ママ。どう思う?大きめにしとく?」
「そうねぇ。もう一段階上げてみる?サイズ」
「出来るだけピッタリの方がいいんじゃないか?制服なんて買い替えれば済む話だし」
父さんの言葉に頷きかけた瞬間、凄い視線で佳織母さんと美鈴が父さんを睨んだ。
……頷かなくて良かったぁ…。
「何言ってるの?誠さん。この年代の子達は直ぐに大きくなるのよ?その度に買い替えてたら幾らかかると思ってるの?ただでさえ高い制服なのよ?ちゃんと先を考えて買わないとお金の無駄でしょう?」
「……はい。すみません」
「やっぱり、もう一段階、上のサイズを着てみましょう。美鈴、着替えてみて」
「はーい」
父さんの威厳が翼をはやして飛んでいったような気がした。
それから鈴は何着か試着してみて、ようやく思うサイズのを決定した。
そのまま、文房具のコーナーへ向かおうとしたら、鈴は首を傾げた。
「新しい文房具買うの?私お兄ちゃん達のおさがりで十分だよ?」
「おさがりって、そんな高い買い物じゃないんだから、気にせず新しいの買って貰えよ」
「だ、だって鴇お兄ちゃん。可愛いの買うとそれが気になって勉強に集中できなくなるよ?」
「お前が?集中できない?そんな訳ないだろ」
鴇兄さんにあっさりと反論されて、鈴はうむむと何やら言い淀む。
どうしてそんなに新しいのを拒否するんだろう?
僕は鈴に近寄りその手を握って、問いかけてみた。すると、鈴は顔を真っ赤にして。
「だって、教室に、いる時、お兄ちゃん達のペン、あると、安心出来る、んだもん…」
うんっ!可愛いっ!!
ぎゅっと鈴に抱き着き、反対側から葵が抱き着き、鴇兄さんが鈴の頭をわしゃわしゃと撫でて、そんな僕達を纏めて父さんが抱きしめた。
「なら、僕のペンを鈴ちゃんにあげるからそれも一緒に持って行けばいいよ。新しいのと一緒に」
「ついでに僕達も新しいペン買おうか」
「美鈴。ほら、行くぞ」
ぺいっ。
あ、父さんが鴇兄さんに跳ね除けられた。
そのまま鴇兄さんは鈴を抱き上げて歩き出す。その後ろを僕達は慌てて追いかける。
「……佳織。息子達が冷たいよ」
「大丈夫よ。娘も母に冷たいから」
「…そう言う問題じゃないと思うんだが…」
背後から何か聞こえたけど聞かなかった事にした。
僕達は文房具売り場に辿り着き、かごを持ってノートの束を放り込む。
「僕達のノートの消費量って半端ないよね」
「うん。いっそルーズリーフに変える?」
「いや。それはあまり勧めない。正直ファイルにした方が場所をとるからな」
「そういうもの?」
「あぁ。あと、バラになるものは、必ず何枚か紛失する。それを持って行かれたり、懐に入れられて大事にされたり、とにかく奇妙な現象が起こるから止めておけ」
「鴇お兄ちゃん、実感たっぷりだね…」
「言うな、美鈴…」
なにか二人で遠い目をしてしまった。よし、話を変えようっ!
「鈴。どんなのがいい?全部お揃いの柄にする?ほら、子猫の柄とか」
そう言って差し出した白い子猫の柄のペンケースに鈴の目がキラキラと輝く。
うん。本当は嫌いじゃないんだよね、こういうの。でも、節約も好きなんだよね、鈴は。
「鈴ちゃん。同じシリーズで子犬もあるよ?」
「か、可愛い~っ。鴇お兄ちゃん、降ろして、降ろしてっ。直に見たいっ」
「はいはい。分かった分かった」
鴇兄さんの腕から降りた鈴はてててとすぐ側まで来て文房具を見る。あぁ、目が輝きまくってる…。
「んんーっ、クラウンも可愛いなぁっ。眼福~っ!」
うん。僕も可愛い鈴を見れて眼福。
鈴は悩みに悩んだ末に、僕が最初に手に取った子猫の文房具一式を選んだ。
「えへへ…これ、使えないなぁ…。飾りたいなぁ…」
「いや、使えよ。その為の文房具だろ」
「飾りたいなら、ほら。あっちに同じ柄の掛け時計があるよ。そんなに高くもないし、あっちも買ったらいいよ」
父さんの言葉に僕達はうんうんと頷く。すると鈴はおずおずと佳織母さんを見上げて、
「ほんとにいいの…?」
と確認をとった。
「良いわよ。どうせならママも小さい時計かってお揃いにしようかしら」
そう返事が返ってきた瞬間、鈴の顔が嬉しそうに輝く。可愛いっ!
文房具の買い物も済ませ、丁度お昼に差し掛かり、レストランでご飯を食べる事にした。
僕達は適当に頼んだけれど、鈴は何を頼むのかな?…え?お子様ランチ?
「今しか食べれないものね。いいわね、美鈴。ママちょっと羨ましい」
「えへへ~。楽しみ~」
確かに、鈴くらいの年齢じゃないと頼み辛いけど。でも鈴が頼むとは思わなかったからちょっとびっくり。……でも、可愛いからいっか。
注文を待つ間。僕達はゆっくりと会話を楽しむ。
「それじゃあ、この後はどうしようか?美鈴。他にどっか寄りたい所はあるかい?」
「はいはーいっ、サバイバル用品店に行きたいですっ」
……………………ん?
佳織母さんも含め全員の動きが止まる。
何でサバイバル用品?
「美鈴?なんでサバイバル用品?」
珍しく佳織母さんが慎重に問いかけている。けれど、鈴は一切気にも止めずに、
「護身用のナイフっ!欲しいっ!」
宣言した。
えーっと、なんでそうなったのかな?鈴がこれから行くところは小学校だよね?
「大丈夫っ!可愛いの売ってるよっ!」
鈴。お兄ちゃん達はそこの心配をしている訳ではないよ?
これは何か言うべきだよね。皆で視線で会話をしていると、タイミング悪く注文した料理が到着した。
料理を美味しく食べてる間、美味しそうにお子様ランチを食べる鈴を見て、さっきのは気の所為だったのかなと思い始めていたけど。
レストランを出た直後、僕と手を繋いで真っ直ぐサバイバル用品に行く姿を見て気の所為ではなかったのだと思い知る。
そこで鈴は猫形をした折り畳みの小さなナイフを購入して、ホクホク顔で僕に抱き着いてきた。
うん。可愛いよ?可愛いんだけど…。
実際小学校に進学してから鈴はそれを胸ポケットに入れて持ち歩いてるようだった。
筆箱の中には僕達が上げたペンも入ってたみたいだし。安定剤みたいなものなのかもしれない。
……男対策なんだろうけど、まさかそこまで覚悟を持って学校に行くなんて思わなかったなぁ…。
僕はしみじみと思った。
「でも、直ぐに大きくなるでしょう?少し大きめの方がいいんじゃない?」
鈴が僕達の通う小学校の入試に合格した為、僕達は鈴の学校用品を揃えるのを目的に家族でデパートに来ていた。
二年前、僕達もこうして制服を買いに来たけど。
「鈴ちゃん。可愛い」
「うん。可愛いね」
うちの妹はどんな恰好しても似合う。
「ちょっと大きめなの着ても可愛い」
「でもぴったりならぴったりで可愛い」
うんうんと頷き合う。
「まぁ、可愛いことは否定しないが、葵、棗ちょっと落ち着け。言ってる事が大分ヤバい」
鴇兄さんに頭をわしわしと撫でられて僕達は我にかえる。いけないいけない、つい鈴が可愛くて本音を漏らしてしまった。
「佳織。立ちっぱなしだと辛いだろう。椅子を借りてきたよ」
一ヶ月後に出産を控えている佳織母さんに父さんが椅子を差し出す。
「ありがとう、誠さん。でも、大丈夫よ?私美鈴を産む時には出産前日までバーゲンセールで格闘してたもの」
にっこり。
凄いね、佳織母さん。僕達の言葉、どっかに飛んでっちゃった。
「誠パパ、お兄ちゃん達、深く考えたら負けだよ?」
「……そのようだな」
「それから、早く、決めちゃいたいな。お兄ちゃん達の背後が怖い」
背後?
葵と鴇兄さん三人で同時に振り向く。…?、いつも通り女の人が群がってるだけだよね?
何か問題あるのかな?
「まぁ、あれを気にする必要はないが、私としては佳織と美鈴を遠巻きで眺めて鼻の下を伸ばしている連中に殺意を覚えるから、早く決定するのは賛成だ」
父さん、それには僕達も賛成。うんうんと三人で頷き合う。
男からの視線を感じないように僕達が鈴を囲う様に立ってるんだけど、それでも気付いてくるんだから、厄介だ…ちっ。
「ね、ママ。どう思う?大きめにしとく?」
「そうねぇ。もう一段階上げてみる?サイズ」
「出来るだけピッタリの方がいいんじゃないか?制服なんて買い替えれば済む話だし」
父さんの言葉に頷きかけた瞬間、凄い視線で佳織母さんと美鈴が父さんを睨んだ。
……頷かなくて良かったぁ…。
「何言ってるの?誠さん。この年代の子達は直ぐに大きくなるのよ?その度に買い替えてたら幾らかかると思ってるの?ただでさえ高い制服なのよ?ちゃんと先を考えて買わないとお金の無駄でしょう?」
「……はい。すみません」
「やっぱり、もう一段階、上のサイズを着てみましょう。美鈴、着替えてみて」
「はーい」
父さんの威厳が翼をはやして飛んでいったような気がした。
それから鈴は何着か試着してみて、ようやく思うサイズのを決定した。
そのまま、文房具のコーナーへ向かおうとしたら、鈴は首を傾げた。
「新しい文房具買うの?私お兄ちゃん達のおさがりで十分だよ?」
「おさがりって、そんな高い買い物じゃないんだから、気にせず新しいの買って貰えよ」
「だ、だって鴇お兄ちゃん。可愛いの買うとそれが気になって勉強に集中できなくなるよ?」
「お前が?集中できない?そんな訳ないだろ」
鴇兄さんにあっさりと反論されて、鈴はうむむと何やら言い淀む。
どうしてそんなに新しいのを拒否するんだろう?
僕は鈴に近寄りその手を握って、問いかけてみた。すると、鈴は顔を真っ赤にして。
「だって、教室に、いる時、お兄ちゃん達のペン、あると、安心出来る、んだもん…」
うんっ!可愛いっ!!
ぎゅっと鈴に抱き着き、反対側から葵が抱き着き、鴇兄さんが鈴の頭をわしゃわしゃと撫でて、そんな僕達を纏めて父さんが抱きしめた。
「なら、僕のペンを鈴ちゃんにあげるからそれも一緒に持って行けばいいよ。新しいのと一緒に」
「ついでに僕達も新しいペン買おうか」
「美鈴。ほら、行くぞ」
ぺいっ。
あ、父さんが鴇兄さんに跳ね除けられた。
そのまま鴇兄さんは鈴を抱き上げて歩き出す。その後ろを僕達は慌てて追いかける。
「……佳織。息子達が冷たいよ」
「大丈夫よ。娘も母に冷たいから」
「…そう言う問題じゃないと思うんだが…」
背後から何か聞こえたけど聞かなかった事にした。
僕達は文房具売り場に辿り着き、かごを持ってノートの束を放り込む。
「僕達のノートの消費量って半端ないよね」
「うん。いっそルーズリーフに変える?」
「いや。それはあまり勧めない。正直ファイルにした方が場所をとるからな」
「そういうもの?」
「あぁ。あと、バラになるものは、必ず何枚か紛失する。それを持って行かれたり、懐に入れられて大事にされたり、とにかく奇妙な現象が起こるから止めておけ」
「鴇お兄ちゃん、実感たっぷりだね…」
「言うな、美鈴…」
なにか二人で遠い目をしてしまった。よし、話を変えようっ!
「鈴。どんなのがいい?全部お揃いの柄にする?ほら、子猫の柄とか」
そう言って差し出した白い子猫の柄のペンケースに鈴の目がキラキラと輝く。
うん。本当は嫌いじゃないんだよね、こういうの。でも、節約も好きなんだよね、鈴は。
「鈴ちゃん。同じシリーズで子犬もあるよ?」
「か、可愛い~っ。鴇お兄ちゃん、降ろして、降ろしてっ。直に見たいっ」
「はいはい。分かった分かった」
鴇兄さんの腕から降りた鈴はてててとすぐ側まで来て文房具を見る。あぁ、目が輝きまくってる…。
「んんーっ、クラウンも可愛いなぁっ。眼福~っ!」
うん。僕も可愛い鈴を見れて眼福。
鈴は悩みに悩んだ末に、僕が最初に手に取った子猫の文房具一式を選んだ。
「えへへ…これ、使えないなぁ…。飾りたいなぁ…」
「いや、使えよ。その為の文房具だろ」
「飾りたいなら、ほら。あっちに同じ柄の掛け時計があるよ。そんなに高くもないし、あっちも買ったらいいよ」
父さんの言葉に僕達はうんうんと頷く。すると鈴はおずおずと佳織母さんを見上げて、
「ほんとにいいの…?」
と確認をとった。
「良いわよ。どうせならママも小さい時計かってお揃いにしようかしら」
そう返事が返ってきた瞬間、鈴の顔が嬉しそうに輝く。可愛いっ!
文房具の買い物も済ませ、丁度お昼に差し掛かり、レストランでご飯を食べる事にした。
僕達は適当に頼んだけれど、鈴は何を頼むのかな?…え?お子様ランチ?
「今しか食べれないものね。いいわね、美鈴。ママちょっと羨ましい」
「えへへ~。楽しみ~」
確かに、鈴くらいの年齢じゃないと頼み辛いけど。でも鈴が頼むとは思わなかったからちょっとびっくり。……でも、可愛いからいっか。
注文を待つ間。僕達はゆっくりと会話を楽しむ。
「それじゃあ、この後はどうしようか?美鈴。他にどっか寄りたい所はあるかい?」
「はいはーいっ、サバイバル用品店に行きたいですっ」
……………………ん?
佳織母さんも含め全員の動きが止まる。
何でサバイバル用品?
「美鈴?なんでサバイバル用品?」
珍しく佳織母さんが慎重に問いかけている。けれど、鈴は一切気にも止めずに、
「護身用のナイフっ!欲しいっ!」
宣言した。
えーっと、なんでそうなったのかな?鈴がこれから行くところは小学校だよね?
「大丈夫っ!可愛いの売ってるよっ!」
鈴。お兄ちゃん達はそこの心配をしている訳ではないよ?
これは何か言うべきだよね。皆で視線で会話をしていると、タイミング悪く注文した料理が到着した。
料理を美味しく食べてる間、美味しそうにお子様ランチを食べる鈴を見て、さっきのは気の所為だったのかなと思い始めていたけど。
レストランを出た直後、僕と手を繋いで真っ直ぐサバイバル用品に行く姿を見て気の所為ではなかったのだと思い知る。
そこで鈴は猫形をした折り畳みの小さなナイフを購入して、ホクホク顔で僕に抱き着いてきた。
うん。可愛いよ?可愛いんだけど…。
実際小学校に進学してから鈴はそれを胸ポケットに入れて持ち歩いてるようだった。
筆箱の中には僕達が上げたペンも入ってたみたいだし。安定剤みたいなものなのかもしれない。
……男対策なんだろうけど、まさかそこまで覚悟を持って学校に行くなんて思わなかったなぁ…。
僕はしみじみと思った。
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