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幼児編小話
★ 50なんですっ!
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くるんくるん♪
くるんくるんくるん♪
……鈴ちゃんが回ってる。
それも嬉しそうに元気よく。
良く見れば庭でご機嫌で水撒きしてるように見えるけど。
でも、それにしたって…。
くるりんくるりん♪
………真っ白なワンピースがふわふわと踊る。
うん。可愛いからいいかな。
「鈴、上機嫌だね…」
「うん。絶好調だね」
「可愛いけどね」
「うん。すっごく可愛いけどね」
でも、鈴ちゃん。一ついいかな?お兄ちゃん思うんだ。
お祖父ちゃん家の庭って広いけど、そんなびちゃびちゃになるほど、水撒かなくていいと思うんだ。
たまにお祖父ちゃんが鈴ちゃんを止めようとホースの栓を締めようとするんだけど、鈴ちゃん笑顔で歌いながらもう一度栓を開けちゃうんだよね。
もうその攻防戦も何度目かな…?
縁側で僕達はその光景を眺めているから同罪だと思うけど…。
だって、可愛いんだもん。
仕方ない。これは仕方ないんだ。
「でも、そろそろ止めないとね」
「うん。お祖父ちゃんがもう水妖になりつつあるしね」
僕達は石の踏み台の上に置いてあるサンダルを履いて、僕は鈴ちゃんの手からホースを受け取り、棗は鈴ちゃんを背後から抱っこした。
「えへへ~。棗お兄ちゃんっ」
「ははっ、鈴、くすぐったいよっ」
鈴ちゃんが棗の頬に頬を擦り付ける。羨ましい。
ホースを急いで戻してきた僕は鈴ちゃんの頭を撫でる。
「えへへ~、葵お兄ちゃんっ」
僕の手に鈴ちゃんが自分から頭を擦りつけてくる。可愛いよーっ!
棗の腕から鈴ちゃんが地面に着地すると、僕と棗の間に立ち手を繋いでくる。
そしてそのまま歩き出した。
何処に行くのかな?
連れられるまま行った先は、見晴らしのいい原っぱ。この村は結構こんな場所があるけど、ここはお祖父ちゃんの敷地内。
そこに到着して、鈴ちゃんは楽しそうに僕の手を引っ張った。
くるりんくるりん♪
僕の手を両手でつかんで一緒に回る。
楽しそうで嬉しそう。
本当に何でこんな上機嫌?
僕の手を離して、棗の手をとりやっぱりくるくると回る。
嬉しそうで可愛いのは何より、なんだけど、本当にどうしてこんなに上機嫌なの?
鈴ちゃんの顔はずっとにこにこと笑みを浮かべてる。うん。可愛いよ。
僕は棗と視線を合せ会話する。
『理由知ってる?』
『知らない』
『だよね』
『うん』
そして同時に首を傾げた。
そんな僕達を無視して、鈴ちゃんは僕と棗の手を繋がせ、自分も棗と僕と手を繋ぐ。輪になった。
で、やっぱりくるくる回らされる。
可愛いけど、段々速度が増していく。ちょ、ちょっと気持ち悪くなって来た。
どうやら、それは二人も同じだったらしく、耐え切れなくなって三人同時に手を離し、原っぱに転がる。
「す、すずちゃん…限度が、あるよ…」
「わ、私も、今、そう、思った…うっぷ」
「あれだけ、回転、したら、こう、なる、よね……」
大の字になって転がる僕達。でも話してる事は結構情けない。
それがおかしくて、僕達は堪えきれず声を出して笑った。
「全く、お前ら急に走りだして何処行くかと思ったら、何してんだか」
声がして体を起こすと、そこには鴇兄さんがいた。
「鴇お兄ちゃんっ、苦しみは共にっ」
「は?」
「えいっ」
鈴ちゃんが鴇兄さんの腕にしがみつく。
僕達ですら軽いと思う鈴ちゃん。鴇兄さんにしてみたら腕に縋りつかれた所でどうって事はないだろう。
「んむむ?えいっ」
手を両手で握って引っ張る。けどびくともしない。
「美鈴?」
「んむーっ…葵お兄ちゃん、棗お兄ちゃん、手伝ってー…」
しょんぼりしている鈴ちゃんに僕達は苦笑するしかない。
鈴ちゃんのやりたい事は解っていた。きっと鴇兄さんとも一緒に回転したいんだろう。
何でなのかは解らないけど。
僕達は立ち上がり鴇兄さんの腕を鈴ちゃんと一緒に引っ張ってみた。
「……」
かなり本気で引っ張ってるのに鴇兄さんは口元に笑みを浮かべて微動だにしない。嘘だろ、三人がかりなのに…。
あ、鈴ちゃんが悔しさに口をぱかりと開けた。
齧られると本能的に悟った鴇兄さんがひょいっと腕を上にあげた。
掴まっていた僕達は強制的に宙に浮く。
「片腕だけで持ち上げるのは結構きついな。棗、お前こっちにこい」
「わわっ!?」
右腕にいた僕達の中から棗だけが左腕に移動させられた。体は相変わらず宙に浮いたままだ。
手を離せばいいだけの事だろうけど。鴇兄さんがこうやって遊んでくれるのは珍しいから離したくない。
鴇兄さんはもう一度にやりと笑うと、そのままぐるんっと回転した。
「きゃっ」
「うわっ」
「おわっ」
僕達三人の声が同時に発せられる。
そのまま僕達の体が鴇兄さんの力と遠心力で鴇兄さんの肩の位置くらいの高さまで上がって行って…まるで鴇兄さんが回旋塔のようだ。
でもちょっと、いやかなり楽しい。
そのまま、鴇兄さんのスピードは落ちて行き、僕達は地面に降ろされた。軽く目が回る。
「面白かったーっ」
「でも、暫く回転は、いいかな…」
「そう、だね…」
鈴ちゃんだけが元気だ。
鴇兄さんもどっかりと座りこむ。
「やっぱり、大地のようにはいかないか…」
なにやら鴇兄さんが呟いているけど、あの人のようには誰もなれないから気にしなくていいと思う。
気にするなって意味を込めて僕は鴇兄さんの背中から首に腕を回して抱き着く。
すると、棗も同じ事思ったのか鴇兄さんの横から腰に抱き着く。
「大地お兄ちゃんは大地お兄ちゃん、鴇お兄ちゃんは鴇お兄ちゃん。違って当然っ」
鈴ちゃんが鴇兄さんの胸に抱き着く。
「ったく。お前らは本当に可愛いな。あいつらにブラコン、シスコン言われても仕方ない気がしてきた」
呆れ顔しながらも、鴇兄さんは嬉しそうだ。
「僕達もブラコンでシスコンだよ、鴇兄さん」
棗の言葉に僕達は頷く。
「でも、何の問題もないし」
僕も棗をフォローする。
「私もブラコンで問題ないよっ。えへへっ」
うんうん。鈴ちゃんは特にブラコンであって欲しいから、僕はしっかりと頷く。
見ると、二人もそうだったからきっと鈴ちゃんに関しては皆一緒。
「っと、そうだ。なぁ。美鈴?」
「なぁに?鴇お兄ちゃん?」
「お前なんで今日そんなにやたらに機嫌良かったんだ?」
あ、僕達もそれは知りたい。
じっと視線が鴇兄さんの腕の中にいる鈴ちゃんに集中する。
「だって、『感想が50に到達』したんだもんっ!」
………ん?
「だから、兄妹できゃっきゃしている図のサービスショットですっ!」
…………えーっと?
「悪い。美鈴。言っている意味がさっぱりわからん」
うんうん。全然分からない。
「これからも、応援感想、よろしくお願いしますっ!」
ぺこりと頭を下げる。えーっとそれは鴇兄さんに言ってるの?
とりあえずさっぱり分からない僕達はただただ首を傾げるのだった。
※※※
本当に感想ありがとうございますっ!
まさかここまでの方に読んで頂けるとは思ってもいなくて。
初めてこういうサイトでオリジナル作品を載せましたが、皆様とてもお優しく感想を書いて頂いて。
感謝感激でございますっ!
自分が書く理想の文章は「するめ」です。
何度読み返しても、新しい発見のある文章を目指しておりますっ!
どうぞこれからも美鈴を愛して頂けると嬉しいですっ!
PS:この手の文章が苦手な方がいらっしゃるかとおもいます。
何か意見があった地点でこの小話はひっこめますのでご了承下さいませ(*'ω'*)
三木猫
くるんくるんくるん♪
……鈴ちゃんが回ってる。
それも嬉しそうに元気よく。
良く見れば庭でご機嫌で水撒きしてるように見えるけど。
でも、それにしたって…。
くるりんくるりん♪
………真っ白なワンピースがふわふわと踊る。
うん。可愛いからいいかな。
「鈴、上機嫌だね…」
「うん。絶好調だね」
「可愛いけどね」
「うん。すっごく可愛いけどね」
でも、鈴ちゃん。一ついいかな?お兄ちゃん思うんだ。
お祖父ちゃん家の庭って広いけど、そんなびちゃびちゃになるほど、水撒かなくていいと思うんだ。
たまにお祖父ちゃんが鈴ちゃんを止めようとホースの栓を締めようとするんだけど、鈴ちゃん笑顔で歌いながらもう一度栓を開けちゃうんだよね。
もうその攻防戦も何度目かな…?
縁側で僕達はその光景を眺めているから同罪だと思うけど…。
だって、可愛いんだもん。
仕方ない。これは仕方ないんだ。
「でも、そろそろ止めないとね」
「うん。お祖父ちゃんがもう水妖になりつつあるしね」
僕達は石の踏み台の上に置いてあるサンダルを履いて、僕は鈴ちゃんの手からホースを受け取り、棗は鈴ちゃんを背後から抱っこした。
「えへへ~。棗お兄ちゃんっ」
「ははっ、鈴、くすぐったいよっ」
鈴ちゃんが棗の頬に頬を擦り付ける。羨ましい。
ホースを急いで戻してきた僕は鈴ちゃんの頭を撫でる。
「えへへ~、葵お兄ちゃんっ」
僕の手に鈴ちゃんが自分から頭を擦りつけてくる。可愛いよーっ!
棗の腕から鈴ちゃんが地面に着地すると、僕と棗の間に立ち手を繋いでくる。
そしてそのまま歩き出した。
何処に行くのかな?
連れられるまま行った先は、見晴らしのいい原っぱ。この村は結構こんな場所があるけど、ここはお祖父ちゃんの敷地内。
そこに到着して、鈴ちゃんは楽しそうに僕の手を引っ張った。
くるりんくるりん♪
僕の手を両手でつかんで一緒に回る。
楽しそうで嬉しそう。
本当に何でこんな上機嫌?
僕の手を離して、棗の手をとりやっぱりくるくると回る。
嬉しそうで可愛いのは何より、なんだけど、本当にどうしてこんなに上機嫌なの?
鈴ちゃんの顔はずっとにこにこと笑みを浮かべてる。うん。可愛いよ。
僕は棗と視線を合せ会話する。
『理由知ってる?』
『知らない』
『だよね』
『うん』
そして同時に首を傾げた。
そんな僕達を無視して、鈴ちゃんは僕と棗の手を繋がせ、自分も棗と僕と手を繋ぐ。輪になった。
で、やっぱりくるくる回らされる。
可愛いけど、段々速度が増していく。ちょ、ちょっと気持ち悪くなって来た。
どうやら、それは二人も同じだったらしく、耐え切れなくなって三人同時に手を離し、原っぱに転がる。
「す、すずちゃん…限度が、あるよ…」
「わ、私も、今、そう、思った…うっぷ」
「あれだけ、回転、したら、こう、なる、よね……」
大の字になって転がる僕達。でも話してる事は結構情けない。
それがおかしくて、僕達は堪えきれず声を出して笑った。
「全く、お前ら急に走りだして何処行くかと思ったら、何してんだか」
声がして体を起こすと、そこには鴇兄さんがいた。
「鴇お兄ちゃんっ、苦しみは共にっ」
「は?」
「えいっ」
鈴ちゃんが鴇兄さんの腕にしがみつく。
僕達ですら軽いと思う鈴ちゃん。鴇兄さんにしてみたら腕に縋りつかれた所でどうって事はないだろう。
「んむむ?えいっ」
手を両手で握って引っ張る。けどびくともしない。
「美鈴?」
「んむーっ…葵お兄ちゃん、棗お兄ちゃん、手伝ってー…」
しょんぼりしている鈴ちゃんに僕達は苦笑するしかない。
鈴ちゃんのやりたい事は解っていた。きっと鴇兄さんとも一緒に回転したいんだろう。
何でなのかは解らないけど。
僕達は立ち上がり鴇兄さんの腕を鈴ちゃんと一緒に引っ張ってみた。
「……」
かなり本気で引っ張ってるのに鴇兄さんは口元に笑みを浮かべて微動だにしない。嘘だろ、三人がかりなのに…。
あ、鈴ちゃんが悔しさに口をぱかりと開けた。
齧られると本能的に悟った鴇兄さんがひょいっと腕を上にあげた。
掴まっていた僕達は強制的に宙に浮く。
「片腕だけで持ち上げるのは結構きついな。棗、お前こっちにこい」
「わわっ!?」
右腕にいた僕達の中から棗だけが左腕に移動させられた。体は相変わらず宙に浮いたままだ。
手を離せばいいだけの事だろうけど。鴇兄さんがこうやって遊んでくれるのは珍しいから離したくない。
鴇兄さんはもう一度にやりと笑うと、そのままぐるんっと回転した。
「きゃっ」
「うわっ」
「おわっ」
僕達三人の声が同時に発せられる。
そのまま僕達の体が鴇兄さんの力と遠心力で鴇兄さんの肩の位置くらいの高さまで上がって行って…まるで鴇兄さんが回旋塔のようだ。
でもちょっと、いやかなり楽しい。
そのまま、鴇兄さんのスピードは落ちて行き、僕達は地面に降ろされた。軽く目が回る。
「面白かったーっ」
「でも、暫く回転は、いいかな…」
「そう、だね…」
鈴ちゃんだけが元気だ。
鴇兄さんもどっかりと座りこむ。
「やっぱり、大地のようにはいかないか…」
なにやら鴇兄さんが呟いているけど、あの人のようには誰もなれないから気にしなくていいと思う。
気にするなって意味を込めて僕は鴇兄さんの背中から首に腕を回して抱き着く。
すると、棗も同じ事思ったのか鴇兄さんの横から腰に抱き着く。
「大地お兄ちゃんは大地お兄ちゃん、鴇お兄ちゃんは鴇お兄ちゃん。違って当然っ」
鈴ちゃんが鴇兄さんの胸に抱き着く。
「ったく。お前らは本当に可愛いな。あいつらにブラコン、シスコン言われても仕方ない気がしてきた」
呆れ顔しながらも、鴇兄さんは嬉しそうだ。
「僕達もブラコンでシスコンだよ、鴇兄さん」
棗の言葉に僕達は頷く。
「でも、何の問題もないし」
僕も棗をフォローする。
「私もブラコンで問題ないよっ。えへへっ」
うんうん。鈴ちゃんは特にブラコンであって欲しいから、僕はしっかりと頷く。
見ると、二人もそうだったからきっと鈴ちゃんに関しては皆一緒。
「っと、そうだ。なぁ。美鈴?」
「なぁに?鴇お兄ちゃん?」
「お前なんで今日そんなにやたらに機嫌良かったんだ?」
あ、僕達もそれは知りたい。
じっと視線が鴇兄さんの腕の中にいる鈴ちゃんに集中する。
「だって、『感想が50に到達』したんだもんっ!」
………ん?
「だから、兄妹できゃっきゃしている図のサービスショットですっ!」
…………えーっと?
「悪い。美鈴。言っている意味がさっぱりわからん」
うんうん。全然分からない。
「これからも、応援感想、よろしくお願いしますっ!」
ぺこりと頭を下げる。えーっとそれは鴇兄さんに言ってるの?
とりあえずさっぱり分からない僕達はただただ首を傾げるのだった。
※※※
本当に感想ありがとうございますっ!
まさかここまでの方に読んで頂けるとは思ってもいなくて。
初めてこういうサイトでオリジナル作品を載せましたが、皆様とてもお優しく感想を書いて頂いて。
感謝感激でございますっ!
自分が書く理想の文章は「するめ」です。
何度読み返しても、新しい発見のある文章を目指しておりますっ!
どうぞこれからも美鈴を愛して頂けると嬉しいですっ!
PS:この手の文章が苦手な方がいらっしゃるかとおもいます。
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