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最終章 数多の未来への選択編

※※※

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「…さん?」
…ん?誰かに呼ばれてる?
光の奥から声がして、意識がハッキリして来たと思ったら目の前に知らない女性のドアップ。
「ふみぃーっ!?」
「きゃあっ!?」
驚くよね。私も驚くけど相手も当然驚くよね。
二人で一歩後ろに下がり、きょとんとして向き合って。その光景が何だかおかしくて笑い合った。
「本当に大丈夫なの?具合が悪いとか?」
目の前の女性は私に心配気に言った。
でも、まぁ、体調が悪い所はないから。
「ううん。大丈夫。ありがとう。ついぼーっとしちゃった」
えへへと笑って誤魔化すと女性もふふっと笑って答えてくれる。
「駄目よ、仕事中にぼーっとしちゃ。なぁーんてね。その気持ち解るわぁ~。今日だもんね。奥様の出産予定日」
女性は嬉しそうに微笑んだ。
…奥様って、誰?
うふふふっ。にっこり笑いつつも内心冷汗だーらだら。
そもそも私今何処にいるのっ!?
ちょっとおさらいしようか?
私は優兎くんを助け出し、優兎くんが私達の為に薬に抗ってくれていて、そんな優兎くんをとにかく休ませてあげようとベッドに寝かせて、看病している最中に私も眠くなって。
夢を見てたんだよね。
優兎くんの記憶を弄っている薬の効果が解るような夢。
で、ただ何もない空間になって、そこに落ちていたジグソーパズルを組み立てたら光が……うん。おさらいしてもさっぱりわからんっ!
どう言う状況?これ。
「家政婦って仕事、こう言う時にやりがいを感じるよね」
「そうねぇ」
つい咄嗟に答えてしまったけど、そっか。私今家政婦なのね?
…私って今美鈴なんだろうか?それとも他の誰か?
だって、足下を見ると、地面が近いのよ。私もうちょっと身長ある方だからさ?
でも働いてるって事は、社会人な訳で。大人って事はもうこれから成長する事はないだろうし。って事は私の身長な訳ないんだよね。
鏡でもあれば違うんだろうけど…。
……うん?
そう言えば、違和感がない事が逆に不思議だったんだけど、ちょっとここおかしくない?
今会話している女性。目線が合わない。顔が解らないって言った方がいいのかな?
微笑んでいる事は解る。雰囲気でね?
私の姿だってデニムに企業名の入ったポロシャツを着ているって事は解るんだけど、その企業名はぼやけていて何て書いているか読めないし。
周囲だって、建物の中にいるって事は解るのに、窓の外の景色は解らない。
ここは一体何処になるんだろう?
光に飲まれた訳だけど、結局は夢の中って事なのかな?
んんー?解らないなー。
「ちょっとっ。本当に大丈夫なの?仕事出来るの?」
女性に思い切り疑われてしまった。
「だ、大丈夫大丈夫っ。でもごめん、これからの作業工程確認しても良い?」
「なあに?作業リスト表忘れちゃったの?ちゃんと持ち歩きなさいって言ってるのに。貴女は本当に抜けてるんだから」
言いながら手渡された作業リスト。はい、なーんも書かれてない。
詳細な部分は全部ぼやけてる世界ってどうなのよ。
「さ、作業に移るわよっ」
「お、おーっ」
拳をあげては見たものの…何したらいいの?
一先ず家政婦なんだし家事をしたらいいのかな?
私も取り合えず足を動かした、その時。
「あぁ、ちょっとそこの貴女。ごめんなさい、手を、貸して、下さる?」
突然声をかけられて私は驚き振り返るとそこには大きなお腹を抱えて、しんどそうに歩く胡桃色の髪をした女性がいた。
「大丈夫ですかっ!?」
気になる所はあれどまずは女性の身の安全の方が大事。
私は急ぎ駆け寄って彼女に肩を貸した。
「あぁ、ありがとう…」
「大丈夫なんですか?出そうですかっ?出しますかっ?行きますかっ!?」
私が怒涛の勢いで問うと、冷汗流しながらも私の聞き方がおかしかったのか、笑った。
「多分、生まれそう、なの。お医者様を」
「分かりましたっ!任せて下さいっ!」
胸を張って答えると彼女は安心したように笑った。
彼女の手を握りつつ、私は一緒にいた女性に指示を出して、人を集める様に手配して貰った。
そして皆に指示を出していく。
胡桃色の髪の女性の腰を撫でつつ、家の中にいた男性…50代前後かな?に女性をベッドへと運んで貰った。
「ほ、ほほ他に何か出来る事は?」
そう言って男性が初めて私と視線を合せた。そこでハッキリと私は理解した。
「出産に男が出来る事は殆どありませんよ。あなたは外で待っていて下さいまし」
言って部屋に入って来たのは、やっぱり若い頃の美智恵さんだった。
「大丈夫かい?今お医者様が来るからね。頑張るんだよ」
「はい、お母、様…」
私は静かにその場を退いて美智恵さんと場所を変わる。
そっと部屋を出て、次に準備するものはお湯とタオルっ。それから換えのシーツも必要だし。
何処にお風呂場があるんだろーっ!?
分かんないけど手あたり次第行くのよーっ!
だって、だって今産まれてくるのは、間違いなく優兎くんなんだものーっ!
美智恵さんをお母さんと呼んだ胡桃色の髪をした女性。いや、もう間違いないでしょーっ!
なんでこんな場面に居合わせてるか、はさっぱり解らないけど、でも優兎が産まれるなら無事に産まれて欲しいじゃなーいっ!?
例え産まれると解っていてもねーっ!?
走ってやっと辿り着いたお風呂場に私は急いでシャワーから大きめのタライにお湯を溜めて、洗面所にある棚からタオルを持てるだけ取りだして、お湯が溜まるまでの間にタオルを運ぶ。
で、もう一度戻って今度はお湯を運ぶー、っと、あれ?
玄関の方で話し声がする。
誰だろう?
コソコソと移動して壁の後ろからこっそりと覗き込むと、そこには優兎くんの父親の姿があった。
「なに?産まれそう?」
「はい。先程奥様が」
「そうか。なら今は帰らない方がいいな。血の匂いとか吐き気がするしな」
「え?」
「しかし、暫くあの女で処理も不可能ってことか。ならお前で良い。ちょっと来い」
「え?え?」
……優兎くんの父親ってこんな時から屑だったの…?
むしろ、どうしてこんなのからあんなに優しい優兎くんが産まれたのか不思議でならないんだけど…。
っと、いけないいけない。あの父親から連れてかれそうになってる同僚を助けなきゃ。
どうしようかな?
あ、そうだ。
丁度今手にお湯を持ってるし。ぶっかけちゃえ☆
急いでいるふりをしつつ、二人の前を通る時、勢い余って転んじゃってー。
「きゃー」
そぉいっとお湯を優兎くんの父親にぶっかける。
「うおおっ!?」
「きゃっ!?」
突然のタライからの大量のお湯攻撃に二人が驚き動きを止めた。
「ごめんなさーい。今タオルお持ちしますねー。きゃー、たいへーん。ごめーん、手伝って貰えますかー?」
言って絡まれていた同僚の手を引っ張った。
追われたら面倒だから、下手な所には逃げられない。私達はタライを持ってそのまま優兎くんのお母様のいる部屋まで逃げる事にした。
ここには美智恵さんもいるし絶対安全。
「ちょ、ちょっとちょっと、二人共どうしたのっ!?」
一番最初に会話した同僚が私と濡れた彼女の姿を見て驚き駆け寄ってきた。
「実は…」
ごにょごにょと今あった事を耳元で説明すると、どんどん同僚の目が吊り上がって行く。
「何があったの?説明なさい」
そんな様子を見て美智恵さんが私達に問うてきたので、答えようと私達が口を開いたが。
「奥様っ、お医者様が到着なさいましたっ」
お医者様が到着して、
「痛いいたいいたいたいぃっ!!」
優兎くんのお母さんが本格的な陣痛が始まったので、お流れとなってしまった。
そうして、数時間後。
無事に優兎くんが産まれた。
産まれたての優兎くん、可愛いぃーっ!!
あー、もうっ、絶対守ってあげるからねーっ!!
優兎くんのお母さんに抱かれて、すよすよ寝ている優兎くんが滅茶苦茶可愛いくて、じーっと眺めていると。
「ふふっ。そんなに眺めていて飽きない?」
「飽きませんっ」
「抱っこ、してみる?」
「いいんですかっ?」
優兎くんのお母さんが優しく微笑み頷いて、優兎くんを私に預けてくれた。
産まれたての優兎くんを抱っこして、顔をプニプニと突いてみる。
すると、優兎くんの目が一瞬、私を見た気がした。
「随分、抱っこに慣れてるのね?貴女、アルバイトでしょう?」
ふみっ!?
まさかの大人じゃなかった説っ!?
ま、まぁ、いいや。
「下に弟が四人いるんです」
「まぁ、四人も?じゃあ、貴女が一番のお姉ちゃんなのかしら?」
「いえ、私の上に兄が三人」
「まぁまぁまぁっ」
すっごい驚いてる。でもそりゃそうか。なかなか八人兄弟ってないよね。しかも男が七人って。
…ん?ちょっと待って?
私今美鈴じゃないんだよね?
つい美鈴の話しちゃったんだけど、やっちゃったかな?
「あらぁ?やぁーっと産まれたのねぇ」
出たぁーっ!!
オリビアちゃんっ!!
しっかりと大人ですけどーっ!?
優兎くーんっ!?
いや、優兎くんだって好きで記憶を入れ替えられてる訳ではないけどねっ!
でも年齢的に無理があると思うんだよねっ!
私と入れ替えるにはねっ!
「あ、オリビアさん…」
優兎くんのお母さんが嬉しそうに微笑んだ。
荒みまくっている私の心には誰も気付くことなく会話が進……うん?
オリビアちゃんの顔が歪んでる。歪んでるはおかしいかな?
モザイクが入っている、みたいな感じなの。
あ、あれ?
モザイクがどんどん広がって行く。
抱いている筈の優兎くんまでモザイクに飲みこまれて行く。
ベッドに寝ている優兎くんのお母さんも。周囲でバタバタしている家政婦達も。
モザイクが全てを飲みこみ、そして場面が大きく切り替わって。

―――お母様は僕を産んだ時にずっと手を握っていてくれたアルバイトの子がいたって言ってた。

―――そのアルバイトの女の子は、優しくて、強くて、いつもお母様の側にいてくれたんだって。

―――僕は見た事ないんだけど、その話を聞いた時、あぁ、○×△ちゃんみたいだなって、思ったんだ。

…優兎くんの声が聞こえた。
だけど…今、少し、聞こえない部分があった?聞き取れない部分って言うのかな?
それにこの声は一体何処から聞こえてるんだろう?
あ、モザイクが晴れて来た。
私の腕の中の産まれたての優兎くんがこっちをじっと見ている。
その瞳に映っている抱っこしている私の顔…まさかのオリビアちゃんっ!?
似てるだけだよね?だって、そっちに部屋に入って来たばっかりのオリビアちゃんが…私の顔してるぅーっ!?
ビックリしたけど、良く見ると私に似ている顔だ。あー、びっくりした。
…ってちょっと待てぃ。
さっきまで普通だったのに、どうして入れ替わった?
ん?何か、分かった気がするぞ?
ここってもしかして、優兎くんの夢の中?
もっと言うなら優兎くんの記憶の中なのかもしれない。
で、薬の効果で優兎くんの記憶が弄られている。
……うーん…、とっても不愉快だねっ!
どうにかして薬の効果を消し去りたいんだけど、どうしたら良いんだろう?

―――オリビアちゃんはいつも優しくて、強い。

優兎くんの声がまた響く。
どうして優兎くんの声が聞こえるんだろう?
……って、あ、そっか。
どうしても何もない。私、今優兎くんを抱っこしてるから聞こえるんだ。
「優兎。聞こえる?私の声、聞こえる?」
私は腕の中の優兎くんに話かけた。

―――誰?

「誰かなんて今は解らなくて良いよ。ただ、一緒に考えて欲しい事があるの」

―――考えて欲しい事?

「そう。産まれたばかりの時、優兎はずっと誰かに抱っこされていたとお母様に聞いたんだよね?」

―――うん。そう、聞いた。

「アルバイトの女の子、だったんだよね?」

―――うん。

「じゃあそこで優兎に問題です。優兎のお母様は誰かを苦手としていた。それは、どんな人だった?」

―――どんな人…お母様は良く僕に言ってた。僕のお父様の弟の奥さんが苦手だって。

「そっか。じゃあもう一つ質問。その人は、優兎のお母様が優兎を、自分の子供を預けるような信頼に値する人?」

―――そんな訳ない。だって、あの義叔母さんは僕が産まれた時、乗り込んできて僕を見て唾をかけたってお母様が…。

「何ですってぇっ!?」

ギンッ!!
私はオリビアちゃんを思い切り睨みつけた。
つい話を中断させてしまったよ。怒りのあまりに。
私はオリビアちゃんを睨みつけてガルガル唸っていたけれど、優兎はちゃんと考えていた。

―――そうだ。そんな訳ないんだ。お母様が信頼する【大学生のアルバイト】がこんな化粧の香りをさせて現れる訳がないんだっ。

抱っこしている優兎の目に光が宿った。
途端に瞳に映る私の顔は、美鈴に似た顔に戻り、オリビアちゃんの顔も元へと戻った。
「あらあらぁ?ぶっさいくな子供ぉ。ペッ」
目の前にまで近寄って来たオリビアちゃんが優兎くんが言っていた通りに唾を吐き出した。
私は自分の手でそれを庇い、優兎くんをお母様の手に戻して、力の限りオリビアちゃんの頬を引っ叩いた。
「きゃあっ!?」
「ほらほら、行くよ。アンタは優兎の美しいこの記憶にはいらない。邪魔邪魔。とっとと消えるよっ」
グイッと耳を掴んでずるずると部屋の外へと引き摺り、ポイッと投げ捨てた。
「ちょっと何するのよぉっ!」
「うっさいっ!優兎の記憶を弄る奴に文句を言う権利はないっ!とっとと記憶から出て行けっ!」
言った瞬間、オリビアちゃんはパリンッと音を立てて砕けて散った。
「…う~ん…。ついカッとなって追い出しちゃったけど、これ、私も優兎の記憶変えちゃってない…?」
うぅ~ん…申し訳ない、けど、オリビアちゃん達に変えられるよりは良いと思って貰おう、うん。
…ごめん、優兎くん。
しかし、さっき優兎くんが化粧の香りをさせる訳がない、って言ってたね。
って事はオリビアちゃんが結構な年齢になっているって意識はあるんだ。
でもって、薬の所為で【オリビアちゃんと義叔母さんが同一人物】なのに、同一人物だと脳内で直結させられなくなっている。
厄介な事してくれるよね…ガルルルル…。
現実に戻ったら覚えてなさいよ、ホント。思いっきり制裁与えてやる。
私は唸りながら部屋へと戻ると、そこには安堵した美智恵さんと優兎くんのお母さんの姿があった。
「ありがとう。この子を助けてくれて」
「私からもお礼を言うわ。ありがとう」
二人が嬉しそうに微笑むから、私もつい満面の笑みを浮かべて言ってしまった。
「私にとって三人共とても大事な人だから」
言うと二人は一瞬キョトンとしたけれど、微笑み私に向かって手招きをした。
何かなと思って駆け寄ると、もう一度優兎くんを抱っこするように言ってくれた。
良いのかな?と思いつつも、抱っこすると優兎くんのお母様は言った。
「この子が貴女みたいな良い人に将来出会えますように」
そう言いながら私の頭を撫でてくれた。
その優しい笑みに私は何故か泣きたくなった。
優兎くんを産んでくれたこの優しい女性の手は数年後には失ってしまう事を知っているから。
「会えますよ。私みたいな人間でいいのなら、会えます。絶対に」
「そう?なら嬉しいわ」
「そして、彼が助けを求めていたら必ず助けます」
「あら?本当に?じゃあ、約束してくれるかしら?」
お道化た様に笑って優兎くんのお母様は私に向かって小指を差し出した。
「約束しますっ。絶対に助けてみせますっ。だから、安心していて下さい」
差し出された小指に私も小指を絡めた。
優兎くんのお母様がとても素敵な笑顔を浮かべて、そして、視界が揺れた。
そのまま周囲が一気にぼやけて…。

パリィンッ!

空間が割れた。
また、何もない空間に戻って来た。
足下にはまた無数のジグソーパズルのピース。
そして、私の手の中には水晶で出来た透明な兎が握られていた。
その兎は手の平に収まる程の小さい兎だったけれど、その中には小さなハートがあり、本当に小さくだけれどトクントクンと音を刻んでいた。

―――あsdfghjkん、hjk;lf。

鼓動以外の何かが聞こえた気がして、私は耳を兎に傾けてみたけれど、何も聞こえなかった。
「……取りあえず、次のジグソーを組み立てようかな?」
そうしたらさっきみたいにまた何かが起きるかもしれない。
そこで優兎くんに会えれば何かが変わるかもしれない。
優兎くんを助けてみせるって約束したしね。
前に進まないとっ!
私は床に座って、足元のジグソーパズルのピースを集めるのだった。

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