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最終章 数多の未来への選択編

※※※(棗視点)

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「美鈴が猪塚の所のと行方不明?」
白鳥財閥が経営するハワイのホテルの一室。
鴇兄さんの声が室内に響いた。
ホテルの部屋の中で華菜ちゃんを中心に皆で姿を見失った四人の捜索を行っていたのだけど…。
鴇兄さん、背中に悪魔の羽が…いや、頭に鬼の角と言った方がいいかな?
兎に角、どす黒い怒りと色んな意味を含めた心配のオーラが渦巻いている。
腕組んで、誰に言う訳でもないんだけど、今入った情報を聞いた途端その言葉とぶわわっと真っ黒オーラが鴇兄さんの周囲に飛び交った。
「……久しぶりだね。鴇兄さん、黒オーラ」
「確かに久しぶりだけど…気の所為かな?この部屋の温度が下がって来てる気がするんだ」
「おおぅっ!筋肉にっ!冷えはっ!」
「ダーリン。落ち着いて下さい。私がきちんと温めますから」
……何か余計な声が混じっていたような?
「ダーリン」
「ハニー」
気のせいではなかったみたいだ。
「はぁ…とにかくだ。美鈴の無事を確認するのが先だ。あいつの事だから一人でもどうにか生きて行くだろうが、問題は」
「男が側にいると話は別って事だよね」
「そうだ」
いっそ猪塚でも良いから一緒にいてくれれば…。
本当にあの時ヘリから飛び降りなかったのが悔やまれる。
「優兎と樹の御曹司も行方不明。あの時ヘリから落下するであろう場所は捜索を続けているが、四人の姿はなかった。流されるにしても、そこまで時間をかけていないのに見つからないなんて事はまずないだろう。となると、第三者が連れ去ったと考えるべきだ」
「誰もいない、痕跡も無い、とかおかしいもんね」
「落ちたのは確かで、僕達もしっかりと見てるからね」
「何か見つかれば、ちょっとは違ったのかもしれないけど」

「見つけたーーーーっ!!」

僕達の会話は見事に分断された。
鈴の親友の声が僕達の声を全て遮ったのだ。
華菜ちゃんは僕達が話している間、ずっとパソコンを弄って鈴の居場所を探ってくれていた。
「それで、花崎。美鈴は何処に?」
「イタリアの端に私が美鈴ちゃんのイヤリングに仕込んだGPSが反応してるっ」
「……うん?華菜ちゃん、鈴ちゃんにGPSなんていつの間に…?」
「ついでに猪塚先輩のご飯に混ぜて体内に取りこませたGPSも同じ所で反応を」
「…うん。華菜ちゃん。ちょっと待とうか?聞き捨てならない事が次々と」
「優兎くんと樹先輩も発見しました。それぞれ違う場所に連れ去らわれたみたいですね」
カチャカチャとキーボードを叩く音が聞こえたかと思うと、付属のミニプリンターから地図を印刷。
その印刷した紙を鴇兄さんにまとめて渡した。
鴇兄さんは渡された三枚の紙をざっと確認して、僕に一枚、葵に一枚渡した。
渡された紙を見ると、どうやらイタリアの地図。
一か所に赤い丸が書かれている。
「棗はイタリアに、葵は樹の場所に行け。俺は優兎の所へ行く」
「え?でも」
「うん。鈴の所に鴇兄さんが行った方が」
安全なんじゃ…?
と葵と二人で視線で鴇兄さんに問いかける。
「…いや。…恐らく優兎が一番ヤバい場所に捕らえられている」
ぺらっと目の前に開かれた鴇兄さんの持っている紙は、優兎の所在地を記している。
……ここはもしかして…。
「確かにヤバいかも」
「力技でも連れて帰って来なければ、アイツは確実に処分される。弟を処分される訳にはいかないだろ」
「…むしろ僕達もそっちに行くべきでは?」
「問題ない。最悪親父に声をかけるさ。こっちの心配はするな。それよりお前らは美鈴と他二人を頼んだ」
鴇兄さんに頼まれるまでもない。
僕も葵も同時に深く頷いた。
優兎が捕らえられている場所から想定するに危険度が一番高い為、鴇兄さんは準備をする必要があるといち早くこの場を去った。
そして僕達も早速行動に移る事にした。
葵は樹を助けに行くのに必要なものなんてない、とあっさり着の身着のまま出て行った。
猪塚を探しに行くだけだったら僕もそうした所だけど。鈴もその場にいるとなったら話は別だ。
食料とか必要かもしれない。
一先ずお金は必要だよね。もしもの時の為に鈴の財布と綾小路さんに頼んで鈴の着替えも用意して貰おう。
用意した鞄に手早く必要な物を詰めて、華菜ちゃんに飛行機のチケットの手配をして貰い、綾小路さんに頼んだ鈴の着替えを受け取り、肩に鞄をかけて部屋を出た。
玄関で車を回してくれた巳華院くんに感謝しつつ、僕は真っ直ぐ空港へと向かう。
行く先はイタリアだ。
タイミングバッチリの飛行機を用意してくれたらしく直ぐに搭乗出来た。
直行便ではなかったにしても、早くつけるように計画してくれてるはずだ。
それもきっと携帯に経路は届くだろうし。
僕は迷いなく飛行機に飛び乗って、指定された席に座る。
着いた先でどうなるか解らないし、鈴を所在を確認出来るまでは生きた心地がしなかったので少しも休めなかったから、今は少し体を休めよう。
アナウンスが聞こえ、飛行機が離陸したタイミングで僕は瞳を閉じてゆっくりと体を座席へと沈ませた。

―――。
――――――『……てるのかっ!?』
…うるさいな。
一体何の騒ぎだ?
公共の場なんだから静かにして欲しい。
『いつまで寝てんだこらっ!こっちは銃を持ってんだぞっ!!』
……?、銃?
あぁ、僕いつの間にか寝ちゃってたんだ。
少し目を閉じて体休めようと思ってただけなんだけど、いけないいけない。油断してた。
眠い目を擦り、瞼を開けると視界に唐突に飛び込んできた銃口。
「………は?」
顔を上向かせると、目の前には肩にしっかり刺青を入れた、見るからに脳筋馬鹿がいた。
顔にはそこにやる?って位置のピアスだらけ。
まさかとは思うけど、これはもしかして。
「ハイジャック?」
沈ませていた体をゆっくりと起こして、やっと気付く周りのピリ付いた空気。
『動くなっ!舐めてんじゃねぇぞっ!てめぇっ!!』
「え?ちょっと待ってっ!?今ここ何処っ!?」
立ち上がって座席を越えて周囲を見渡すと、皆怯えたように隣の席に座る人と手を取り合って隅に移動している。
「怯えてる所悪いけど今どの辺りっ!?」
ガバッと前の座席に身を乗り出して、怯えてる女性に問う。
「わ、わわかりません。たたたぶん…」
そう言いながら彼女が見たのは、僕に銃口を向けている脳筋だった。
察した。
…空路勝手に変えやがったな、コイツ。
『あぁん?何だその面は。この銃が見えねぇのかっ!!』
『おい、ザックっ。何手間取ってんだっ!』
『マックスっ!ちょっと待てよっ!』
この犯人達は恐らく本当に馬鹿なんだろう。
堂々と名前を言う奴があるか?
来たのは緑のモヒカン…ビニール箒を彷彿とさせるな。
ピアス男とビニール箒男か。
『バーニーの首尾はどうだ?』
『お前より心配はないさ。しっかりコックピットをジャックしてやったぜっ!』
『マジかっ!すげぇっ!流石バーニーだぜっ!』
はぁ。溜息しか出ない。
こんなお遊びに付き合ってる暇はないんだが?
『このまま、イタリアに向かえば後はドンがどうにかしてくれるぜっ!』
うん?ちょっと待てよ?
僕はポケットから携帯を取りだす。あー、機内だから見れないか?
でもイタリアに向かうって言うって事は、この飛行機は違う場所に降りる筈だったのを航路を無理矢理変えて向かってると。
…これは僕にとって好都合では?
ならもう少し寝て休んで置こう。
機長は本部に連絡はしてるだろうし、衝突等の問題もなさそうだし。
あるとしたら燃料不足だろうけど、それもこいつらは脅したらどうにかなるとどっかに立ち寄らせるだろうし。
『これなら問題なくイタリアまで一直線だぜっ!』
あ、無理だ。
そもそもイタリアまで行く為の飛行機じゃないってのに、燃料が持つ訳ないだろ。
あーあー…やっぱり脳筋だった。
僕って本当運悪いな…。

『棗お兄ちゃんっ!そんなことないないっ!』

脳内の鈴が笑って僕の名前を呼んでくれてる。
うん。そうだね。鈴に会えただけで僕は幸せだもんね。きっとここで運を使いきったんだ。
はーあ。
まぁ、休もう。
休める範囲で休む。
『おいっ!』
…忘れてた。
銃口向けられてるんだった。
『おい。ザック。さっきから何やってるんだ。そいつがどうした?』
『こいつ、俺を舐めてんだよっ!ずっと寝てるんだぜっ!?』
『……』
お?下らないとか言うかな?
『そいつぁ、腹が立つなっ!!』
……マジか。
銃口がもう一つ増えた。
『そうだろっ!しかも見ろよっ!この顔っ!!イケメンは滅べっ!!』
良く解らない言い分がもう一つ増えた。
「あー…もう面倒になってきた」
真っ直ぐ向かえなさそうだし、いっそもうどっかに緊急で着陸して貰って、華菜ちゃんに連絡とって飛行機別途で用意して貰った方が早い気がしてきた。
…うん。そうしよう。
座ろうと思ってたけど、僕は銃口を向けたそいつらと向き合って。
向けられた銃口を片手で塞ぐ。もう一つの銃口も同じく片手で塞いで。
そいつらが驚き間違って発砲する前に、へし折るっ!!
ぐにっ!!
『!?!?』
銃の先が曲がるなんて想定してなかったんだろう。
目が飛びでそうだね。
笑っちゃう。
『こいつ、マジかよ…』
『やべぇ奴じゃん』
『日本人、やべぇ』
え?日本人って一括りにする?
そのくくりがちょっと面白くて、僕は笑った。
すると、それすらも可笑しく見えたのかピアス男とビニール箒男。
一先ず折れた銃を奪い取り僕は自分の背後に投げ、怯えた二人の顔にアイアンクローをかける。
『……うわあっ!?』
『い、いでぇっ!!』
『僕が日本人だからってイタリア語、解らないとでも思った?』
『『!?!?』』
『はいはい。予想外だったんだよね?もうさ、正直僕、お前らに構っている暇はないんだよ』
グググッと手に力を込める。
苦しみもがき始めたそいつらの頭を抑えたまま歩きだす。
「あ、すみません。僕の前後の席の方」
「あ、はははいっ」
「すみませんが荷物預かってて貰えますか?僕はこいつらをちょっと片付けてきますので」
ニッコリ微笑み、僕は今度こそそいつらを連れてコックピットへと向かった。
通り過ぎる度に怯えてる人達が目を点にして僕を見てる気がしたけど、気にしない。
コックピットの中にバーニーとやらが銃口を操縦士に向けて脅しているのが見える。
さ、てと。
まずはこいつらの意識を飛ばしてっと。
手前の方に引っ張ってそいつらが倒れそうになった所に手刀を入れて気絶させる。
こういうのは葵の方が得意なんだけどな。
女性CAさんを守っていた男性CAさんにこの脳筋達を縛り上げて貰う事にして、僕は暫くドアの窓から見えない所で待機。
恐らくこの手の奴は、騒ぐ音が聞こえなくなったら…。

『おいっ!ザックっ!マックスっ!どうしたっ!?』

こうやってドアを開けて出てくるので。
そいつがドアから数歩進んだ所で後ろから手刀一発で気を失わせる、と。
「他に実行犯らしき人はいますか?」
僕がCAさんに問うと、三人だけだと返された。
「ならこれで一安心ですね。なるべくきつく縛り上げて置いて下さい。最悪、パラシュート背負わせてどっかで投げ捨てても」
「い、いいいえっ!さ、流石にそれは」
「まぁ、そうですよね。僕は座席に戻ります。こいつらが何かしでかしそうならまた呼んで下さい。では、失礼します」
笑顔で伝えて、僕は席に、と思ったけど念の為。
他に共犯者がいないか調べてからにした。
一通り巡回はしたけど怪しい所も気配もなさそうだ。
安心して席に戻り、鞄を見ていてくれた人にお礼を言って、僕はゆっくりと目を閉じた。
次に目を開けた時からきっと忙しくなるだろうから、体力を回復しないと。
鈴の為に。
(鈴。無事でいてね…)
願うように僕は瞳を閉じた。
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