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最終章 数多の未来への選択編

※※※

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ヒュルル~。
もうすっかりこの落下音にも慣れてしまった。
落ちて来たブロックの形は…□ブロックだった。
重さはどうかな?
私と猪塚先輩はブロックに駆け寄り、持ち上げようとした。
のだけど…。
「お、重い…」
「最初の頃と同じ重さの様ですね」
ヒュルル~。
音が聞こえて急ぎ飛び退く。
ドンッ。と音を立てて落ちて来たそれを見ると、今度はLブロック。
「すみませんが、服を持ってて貰えますか?それから指示をお願いします」
「うん。了解」
着替えの服を猪塚先輩から預かり、私は邪魔にならない位置に移動しつつ、猪塚先輩にブロックの配置指示を出す。
四段綺麗に積んで、最後落ちて来た長い棒を端っこに縦に入れると四列同時消しになる。
猪塚先輩がそれを嵌めた瞬間。

ヒュンッ!

突然足下が涼しくなった。
その奇妙な感触に咄嗟に足下を見ると、盛り上がった床が四段分消えている。
「嘘ぉーっ!?」
落下してもそんな凄い高さじゃないから怪我はしないし、上手く着地もするけれど、驚きはするよね。
ビックリして私と猪塚先輩が慌てて着地をして、落下してくるブロックに当たらないように回避する。
「ちょ、え?こんなの初めてだよねっ!?」
「初めてに決まってんだろっ。っつか、マジでビビったわ。白鳥、怪我してたらただじゃおかねぇーぞっ!?」
「怪我はないけど、あービックリした」
心臓がバクバクしてる。
その動悸が収まってきたら、今度は腹が立って来た。
何でいきなり消える仕様にしたの?
危ないじゃない…。
そう、そこまで本気なの。ふーん…。
「良い根性してるわね…。このゲームを私はどれだけやり込んできたと思ってるのっ!絶対、脱出してやるんだからっ!」
『……怒ってる白鳥さんも可愛い…』
「猪塚先輩っ!今はそんな事言ってる場合じゃないでしょっ!でもありがとうっ!!」
褒めて貰ったんだからお礼はしっかりねっ!でも今はそんな状況じゃないのよねっ!
「それでどうするんですか?」
「簡単よ。四段目だけ一マス空くように埋めていく」
『……それは本当に簡単なんでしょうか…?』
「全く問題ないわ。猪塚先輩。まずこのブロックを左端に」
私は宣言通り。
四段目の一マスだけ空くようにブロックを組んでいく。
ブロックは一列にならないと安定した床にはならない。
だから一旦一列をブロックで埋めてみた。すると床がなくなる事はなかったのだ。
と言う事は三段の地盤をしっかり固めて、四段目だけ一マスだけ空ければ少なくともグラグラ揺れる床にはならない筈だ。
『四段同時』ってのが駄目なのだ。
そしてそれさえ解れば何の問題もない。
猪塚先輩の頑張りで段はどんどん積み上がって行く。
私も頑張って脳を働かせ右端だけ一マス空くように猪塚先輩に指示を出した。
とは言え猪塚先輩の方がよっぽど頑張ってるんだけどね。
何か申し訳ない、と思ってその度に声をかけて休ませようとするんだけど。
『……あー…、白鳥さんが心配してくれている…。これだけで僕あと80年は動ける…』
と言って積み上げ作業に戻ってしまうので、下手に声かけられなくなっちゃったんだよね…。
そしてなんやかんやで、気付けば最初に出た脱出口まで高さが到達していた。
「ここを出ても一緒だよね」
「そうですね。かと言ってあの上も…」
「同じ結果」
猪塚先輩は積み作業を続けてくれている。他を観察出来るのは私だ。
何処か出口はないのかな…。
凹みらしき凹みはもう見当たらない。
外に繋がっているような場所なんてそうそう見つからな……ドサッ。
ドサッ?
あぁ、ブロックが落ちて来た音か。
もうびっくりさせないで……うん?
そう言えばこのブロックってどっから落ちて来てるの?
私は上を見上げた。

―――ビクッ!?

「………合った」
「はい?どうかしましたか?白鳥さん」
「目が合った。……成程?盲点だったわ」
猪塚先輩が落ちて来たブロックを取りに側に来ていたのに気付かずに呟いてしまったけれど、隠す必要は欠片も無いから別にいいか。
「猪塚先輩。出口、見つけたよ」
「えっ!?本当ですかっ!?」
「うん」
驚く猪塚先輩の前で私は人差し指を上に向けた。
それに釣られるように猪塚先輩は頭上を見上げ、あっ!と驚いた声を上げる。
「成程。出口、ですね」
「ブロックを落とす穴で、しかも今視線が合ったと言う事はこのブロックは人の手で落とされてると言う事。なら、あそこには人が出入り出来る空間があると言う事」
「…出口が分かったのなら、楽勝ですね」
「そうだね。あの目線が合った人をとっ捕まえて全て白状して貰おう」
決まった瞬間、私達の動きは速かった。
ガンガンと積んでいき、あっという間に天井まで到達した。
穴から脱出するように、ブロックを落としている穴に手をかけてまずは猪塚先輩が登り上がる。
「誰かいる?」
「いえ、…気配もない。どうやら逃げたようですね」
私も登ろう。
縁に手をかけて、グッと登り上がる。
最後の方はブロックを態と階段状に積み上げていたから、結構楽に登れた。
さて。ここはどんな場所?
周囲を見回すと、意外と暗い場所だった。照明が思ってたよりも暗い。
んー…例えて言うならちょっと前のオフィスの一室、見たいな感じかなぁ?作業も出来て事務仕事も出来るーみたいな?
これから落とす筈だったブロック類が積まれているのがまたそれを一段と感じさせると言うか。
それにこのタオルの山。どれだけ重労働だったかが良く解る。何せその横に使用済みのタオルを入れる籠まであるのだから。
「…とても作業感溢れるお部屋で」
私がそう言うと猪塚先輩も大きく頷いた。
「それで、出口は何処に?」
キョロキョロと二人で出口を探すと、部屋の奥にドアが開け放たれていた。
どうやら、さっき私と目が合った人が速攻で逃げ出したらしい。
「猪塚先輩。行こう」
『はい』
「それから、猪塚先輩」
『はい?』
「大体犯人の予想は付いたしそれが外れてる可能性はかなり低いので、もうイタリア語で話していいですよ」
「え?あ」
『私がそちらに合わせますよ、猪塚先輩』
『白鳥さん…。とても可愛いです』
『うん。ありがとう。でも、返事としては可笑しくない?』
結局猪塚先輩の慣れた言語にしても、意思疎通が難しいと言う事が分かった。
『それにしても、日本にいた時間の方が長いのに、やっぱりイタリア語の方が楽なんですか?』
『あぁ、うん。そうだね。小さい頃に馴染んだ言語ってのもありますが、それ以上に日本語は難解ですから』
『ふふっ。それは確かに』
『それに僕は結構イタリア語を使う事が多いんですよ。どうしても。役員達とのやりとりはイタリア語が主ですし』
『そっかー。そう言えば猪塚先輩の所のグループは、イタリア企業の支援があったんでしたっけ?』
『正しくは、父が祖父の経営している事業に賛同出来なくて、母に一目惚れしたのをきっかけに同じく祖父についていけない賛同者を企業から引き抜いて、母の所に婿入りしたんです』
『へぇ。そうなんだ』
始めて聞いたかも。
あ、でも猪塚先輩のお父様がイタリア人ってのは知ってたよ。
パーティとかでご挨拶する事が多いからね。
でもほら。他人様の馴れ初めとかあんまり聞くのもね。
あ、でも、賛同者を引き抜いてって事は、もしかして、お父様方の仲が悪かったり…?
えーっと、これは…聞いて良い事?
ちらっと視線だけ、猪塚先輩に送ると、私の表情を見て察してくれたのか、猪塚先輩は笑った。
『大丈夫ですよ。祖父と父の仲は悪くありません。ただ、父は祖父の職を理解していないだけで、父自体を嫌っている訳ではないんです』
『あ、そうなんだ。なら良かった』
ホッと息を吐いて、安心して微笑む。
『可愛いです』
『うん。あのね。嬉しいけど恥ずかしいからもう勘弁して欲しいです』
『可愛いですっ!』
「うん。全く聞いちゃいねーや」
思わず口調が悪くなるのも許して欲しい。
一先ず歩こう。
行こうと言って置きながら会話をしていた私達は一歩もその場から動いてなかったので。
綺麗なタオルは二、三枚貰って、トイレか個室か発見次第着替えよう。水があれば尚良し。
私達は開け放たれたドアからその部屋を出て、廊下に出た。
見渡す限り下りになるような場所は無い。
それ所か、一番奥にはどうやら上へ登る階段がある。
左右にドアがあるけれどこれは何の部屋だろう?
歩きながら、その部屋を確認する。
鍵がかかっているドアもあれば、開くドアもある。
鍵のかかっていないドアを開けると、そこはただの会議室だったようだ。
椅子と机が並んでいて、ホワイトボードが置かれている。
あれ?あそこにあるのペットボトルのミネラルウォーターじゃない?
『丁度いいや。あれでタオル絞って体拭いて着替えよう。猪塚先輩』
『そうですね。じゃあ、僕は外で見張ってますので、白鳥さんは先にどうぞ』
いやいや、猪塚先輩こそ一杯動いたんだから先にどうぞ、と言いたい所だけど。遠慮合戦になりそうだから私は素直に頷いて着替える事にした。
机の上に持って来ていた着替えを置いて、キョロキョロと監視カメラとかがないかどうか確かめて、盗聴器等々もないか確かめて、念の為に机の下に潜って手早く着替える事にした。
まずは準備。
着替えとして用意されたのはどんな服?
開くと一般的なTシャツにデニムのパンツだった。
これは素直に有難い着替えなのでは?
タオルを水で濡らして、パパッと体を拭いてそれこそササッと着替えた。
あー、スッキリしたー。
汗でびっしょりになっている服はもう一枚のタオルでくるむようにして小さくして畳んだ。
着替えも終わったので、机の下から脱出してすぐに猪塚先輩と交代した。
『それじゃあ、私は外で待ってますね』
『はい。直ぐに着替えますから』
『大丈夫ですから、ちゃんと汗拭いて下さいね?じゃないと風邪引いちゃいます』
言ってドアを閉めて外に出たんだけど。
何か怪しい。
自分は汗拭かなくても良いから私の為にとか早く出て来そうじゃない?
着替えればいいや、みたいなさ。
ふみみ…。
あっ、そうだっ。私が猪塚先輩の背中拭いてあげたら良いんじゃないっ?
名案っ!
早速私はドアをノックして、猪塚先輩の返事が聞こえたと同時にドアを開けた。
先輩は今まさに着替えの服を着ようとしていて、どうやら下は既に着替えてしまったらしい。
こっちもやっぱりデニムだけど黒のデニムパンツで。上はグレーのTシャツだったらしいがそれを腕に通した状態で私を見て動きを止めていた。
『あ、あの…?』
『猪塚先輩。ちゃんと体水で拭いた?』
『え、えっと…』
やっぱり拭いてないんだ。
『ちゃんと拭いてね?って言ったのに。タオル貸して下さい。猪塚先輩。私が背中拭いてあげます』
『えっ!?』
『汗で濡れた状態で着替えたって意味ないんですから。ほら、猪塚先輩、タオル貸して』
『うえええっ!?』
顔を真っ赤にして固まってしまった猪塚先輩。
…うん。取りあえず猪塚先輩の汗を拭く方が大事。
机の上に持っていた服を置いて、猪塚先輩の前に置かれていたタオルを手に取ってミネラルウォーターで濡らして、良し、準備オッケ。
『猪塚先輩。背中見せて』
『…………ッ』
パクパクと口が動いているんだけど、むしろ口しか動いてない。
『先輩?』
顔を見ながら小首を傾げると、先輩が更に硬直した。
『??、猪塚先輩?先輩?…おおーい、猪塚要せんぱーい?要せんぱーい?』
『し、白鳥さんが、僕の背中、しかも名前、なな名前呼んでっ!?』
ボンッ。
えっ!?何っ!?
今の爆発音は何っ!?
『ふみーっ!?先輩、顔中が真っ赤ーっ!?鼻血ーっ!!?タオルーっ!?!?』
私は動転して何故か持っていたタオルを机に置いて、私が使ったタオルを猪塚先輩の鼻に押し付けてしまった。
『ふみみーっ!?ごめーんっ!!これ私の体拭いたタオルだったーっ!?ご、ごめんねーっ!!猪塚先輩ーっ!!』
だって、咄嗟に汚れても構わない物って思ってしまったんだもの…。
『………ここは、天国、なんでしょうか…』
『ふみーっ!猪塚先輩、旅立つ、ダメ、絶対ーっ!!』
テンパリMAX。
一先ず上を向かせるかっ!?
それより横にならせるっ!?
そうだっ!膝枕して頭を高くして横になって貰おうっ!!
慌て過ぎて男性恐怖症が何処かに行ってしまったみたいだ。
それよりも目の前の猪塚先輩が大事っ!!
『先輩っ!横になりましょうっ!私の体貸しますからっ!!』
『からっ!?』
ボンッ!
ぐらぁ…。
『ふみーっ!?猪塚先輩、しっかりぃーっ!?』
猪塚先輩の体が傾き後ろに倒れそうになるのを私は慌ててその腕を取り引き寄せる。
すると、猪塚先輩の体はどうにか私の方に傾いてくれて、顔を胸でキャッチするような形になったけど、後ろに倒れて頭をぶつけるよりは余程良い。
でも、お、重い…。
意識のない男性がこんなに重い、なんて…んぐぐっ…。
何とか態勢を立て直そうと足に力を入れた、その時。

ピピーッ!!

何故か突然ホイッスルが鳴り響いた。
何でホイッスル?なんて考える暇もなく、

『回収ーっ!!』
『了解っ!!』

声がして数人の黒スーツの女性が現れて、カツカツとヒールを鳴らして接近して。
あれよあれよと言う間に、猪塚先輩を私から引き離して。
大変っ、猪塚先輩が攫われるっ!?
と、慌てて私は身構えた、のだけど…。

「ふみっ!?」

彼女達は猪塚先輩を床にポイッして、部屋から撤収してしまった。
しかも、私を担ぎ上げて。

「って、攫うの私かーいっ!?」

私の叫びが沸騰してしまった猪塚先輩に届いたかどうかは謎である。
…私、どこに連れて行かれるんだろう…?

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