上 下
300 / 359
最終章 数多の未来への選択編

※※※

しおりを挟む
案の定、葵お兄ちゃんは直ぐに戻って来てくれた。
樹先輩の使っていた鞄を背負って。
鞄の中を見るとメダルと鍵、それから食料、タオル類、そしてライオンのフィギュアが入っていた。
「それ?」
「うん。これ」
良し。このフィギュアも嵌めてみよう。ライオンのフィギュアの底を確認すると、女神の底よりも少し大きい。これは間違いなく女神は歌ってくれるだろう。
水夫を外してライオンのフィギュアを嵌め込む。すると、何時ものように女神は歌い始めた。

【黄金の獅子。貴方は乙女の守護神。乙女から奪う事は出来ない。例えそれが私の心からの願いだとしても。貴方はずっと乙女と共に…。乙女の中に…】

リピートに変わった。
…うん。やっぱり今この水槽に関して一番該当しているのは、水夫を相方にした時だね。
私はライオンを外してもう一度水夫を嵌めた。
水を統べる君は悲しむなかれ。って所は恐らく水夫の事を表しているよね?
そして奪われた金貨は私の形見。これはどう言う意味かな?私の形見…女神がいなくなるってこと?
求めるは魔物を鎮める鋏の肉。
「魔物を鎮めるの魔物がこの下にいる蟹なら、魔物を鎮める鋏の肉って、もしかして…」
私は鞄を漁り中から蟹缶を取りだした。
「もしかして、これの事?」
「あぁ、確かに鋏の肉だね」
「これを入れてみればいいのかな?」
「やってみる?」
「あ、ちょっと待って。残りの歌の文言を確認してからにする」
えっと残りは、貴方の心が求めるまま戦いへ。手を貸しましょう。貴方の戦いに。だっけ?
となると戦いに手を貸す…だから、船の上に水夫と女神を置いたまま、この蟹缶を開けて中に入れればいいのかな?
「うん。…やってみようっ」
パキュッ。
缶のプルタブを引っ張って開けるとお腹の減りを更に誘導する蟹缶の良い匂いがする。
無事に帰れたら蟹しゃぶ食べようと心に決めて、私はその蟹缶の中身を水槽に投入した。
すると、水槽の中のグミのような部分に埋められた蟹の鋏が飛び出した。右の鋏、左の鋏、そして頭…。
もしかすると、あの蟹缶に入っている成分か何かがグミ部分を弱体化させる効果があるのかもしれない。
蟹が動き出すのを葵お兄ちゃんと眺めていると、唐突に水夫のフィギュアが動き出した。
オールを片手に水の中に飛び込み、蟹と一騎打ち。
木のオールで戦うって漢らしいな。
水夫の行動を見守ってると、自分より何倍も大きい、普通の蟹よりも倍は大きい蟹に痛恨の一撃を与え、水夫は無念そうに沈んで行く。
「ふみみっ!?負けちゃうのっ!?が、頑張れっ!」
応援してみたけれど、やっぱり沈んで行く。
水の中に沈んで行く水夫の顔は悲しみと悔しさで涙を溢れさせていた。
ど、どうしようっ、助けるべきっ!?
ちょっとおろおろしていると、船から女神が飛び降りた。
女神は発光しながら蟹へと突撃。接触した瞬間蟹は反撃を繰り出す事なく、
バァァンッ!!
「ふみーっ!?」
大きな爆発を起こし、水槽ごと大破した。
咄嗟に私を葵お兄ちゃんが引き寄せてくれたので水に濡れたりとか一切なかったけど、まさかの爆発。
全くの想定外だった。
「鈴ちゃん、鈴ちゃん」
「な、なぁに?葵お兄ちゃん」
「下。下見て」
「下?」
足下を見ると水槽から溢れた水とグミみたいな固形の物体の破片がちらほら。それから…、
「水夫のフィギュア?」
「うん。見て彼の持っている物」
水夫のフィギュアが大事そうに何かを抱えている。
「……メダル?」
私はそっと水夫のフィギュアを手の上に乗せて彼が抱きしめている物をそっと覗くと、葵お兄ちゃんの言った通りメダルを抱きしめていた。
「蟹座のメダルだね…」
「うん。…でも、これは…」
正直取り上げ辛い。
だって女神が命を張って倒した【女神の形見】なんだもんね。
彼女の歌の通りに、これが形見になる訳だ。
「…一先ず彼も彼女も役目は果たしたんだよね。蟹の手の届かない場所へ置いておこうか」
水夫を中央のテーブルの上に置いて、私は爆破された蟹をマジマジと眺めた。
「…この蟹食べれるかな?」
「…蟹だったら脱出してからゆっくり食べようよ」
確かに。
お腹が減ってるからついつい。
しかもほら。目の前に蟹の身があるから…うん?
蟹の甲羅部分が剥がれていたから、そこを更に剥がしてみたら本来蟹味噌が詰まっている場所に小さな蟹のフィギュアが入っていた。
「……生物の中に無機物…どゆこと?」
「鈴ちゃん。それに疑問を覚えたらフィギュアが動きだす事も疑問に思わないといけなくなるから」
「あー…うん。そうだね。一先ず回収しておこうか」
蟹のフィギュアを取りだして、他に何かないか探っていると、船が落ちている事に気づく。
玩具の船だから小さいけど、これも不思議な物だよね。…念の為に持って行こう。
あ、でもちょっと待って?
この蟹のフィギュアって船にはまるのかな?
思い立って嵌めてみようと思ったんだけど…どうにもサイズが合わない。
じゃあここに嵌める物じゃないって事か。ふむぅ~…。
蟹の底の形は三角形。他のは四角。まぁ、絶対合わないのは分かりきってたけど、四角は半分にしたら三角形にもなるから可能性もゼロじゃないよね?
と思って確かめてみたけどさっきも言ったようにそもそものサイズが合わないようだ。
う~ん…。
一先ずテーブルの上にフィギュアを拾って置いてみようかな。
女神のフィギュアはもうなくなったから…残るはライオンとケンタウロス、それからセーラー服の少女とメダルを抱きしめている水夫。それから船の玩具と蟹の中にあった蟹のフィギュア。
一通り並べて見ると何か解ったり…?
順番に並べていると、セーラー服の女の子のフィギュアだけ上手く立たない。何で?
下に何かあるのかな?
例えば机に傷があるとか…?
と思ってセーラー服の女の子のフィギュアを立てようとした所の下を覗くと、そこには三角形の窪みがあった。
「…ん?これって」
もしかしてと思いつつもその窪みに蟹のフィギュアを嵌めてみた。すると。
「ふみっ!?」
蟹のフィギュアは机の中に吸収され、テーブルに大きな蟹座のマーク。6と9を合わせて横にしたような形のマークがテーブルに現れた。
そして、
―――ガタンッ。
と何処かで何かが動く音がした。
「葵お兄ちゃん。今何処から音がした?」
「多分、そっちの水槽が置かれていた棚の中からだと思う」
言って、葵お兄ちゃんは棚へと近寄った。
まだ水槽から零れた水が滴っているけれど、気にせずに棚を開けると中には金庫があった。
「その金庫って」
「うん。ちょっと待ってね。多分さっき鈴ちゃんが蟹のフィギュアを机に嵌めた事により開いたと思うんだ」
葵お兄ちゃんが金庫の取っ手を握って金庫を開く。すると中からざらざらと大量の蟹のメダルが出て来た。
「……こんなに要らないんだけどな」
「十枚くらいあれば充分だね」
「そうだね」
葵お兄ちゃんがざっくり一掴み分手に取り私に手渡してくれた。
それと残ったフィギュアをリュックに詰めて、私と葵お兄ちゃんは他に何かないか確認して、その場を後にした。

「次はどうするの?鈴ちゃん」
「次は…ちょっと気になる事があるから3階に行こうと思うんだ」
「分かった。じゃあ行こうか」
葵お兄ちゃんの先導と下、私は3階へと戻って来た。
私と樹先輩が最初に閉じ込められていた場所だね。
私が何故3階に行きたいと言ったかと言うと、手に入れた弓を使う場所に心当たりがあったからだ。
場所は私が閉じ込められていた部屋の隣。
乙女座の部屋にある。
鍵はもう沢山あるので気にせずドアを開ける。ここは乙女座の鍵だ。
鍵を使って中に入ると、うん。あまり変わり映えはしていない。
そう。この部屋は応接間でもあって、壁に絵画が飾られていたんだ。
で、あの時はここに絵画があるだけとしか認識せずにいたんだけど、実はこの絵画の裏。
ここにもう一つの絵があるのだ。
絵画を取り外すとそこには壁に直に書かれた絵があった。そしてここにはテーブルもあり、そのテーブルには凹みがある。
その凹みは、恐らく蟹のフィギュアと同じくフィギュアを嵌める所だと思う。そこにあれ。ケンタウロスのフィギュアを嵌め込む。
私はリュックからケンタウロスのフィギュアを取りだして、そこへ嵌めると壁に直に描かれた絵が立体的に浮き出した。
「おおお」
「これは、本当にどう言う仕組み何だろう…」
「うん。ほんと気になるよね」
気になるけど触れない。
どうせ解明出来ないだろうから。
浮き出した絵は案の定ケンタウロスだった。
しかも何かを構えている様な立ち姿。私は早速不自然に空いた場所に持っていた弓を嵌め込んだ。
すると何も持っていなかったケンタウロスのフィギュアの手にサイズの合った弓が装備された。
「これで射手座が出来上がったね」
「そうだね。でも…メダルは現れなかったね?」
「う~ん…そうなんだよね」
てっきりさっきみたいにメダルが出てくると思ったのに、全然そんな気配はない。
「んー…どっかに変化が出た感じもしないし…」
「一旦取り外して他の場所に行ってみよう」
「それしか、無いかな~」
私は弓を装備したケンタウロスのフィギュアを持って、部屋を出た。
さて、どうしよう?
謎らしき場所は一通り行ってしまった気がする。
今の所足りないメダルは、射手座、魚座の二種類。
で、多分だけどこのケンタウロスは射手座のメダルを手に入れるには絶対必要だと思うの。
射手座…弓を射ている姿の星座な訳だからね。これはきっと必須。
ただこれを何処で使うんだろう?
弓は何かを射落とす道具だよね?射落とす…ふみみ?
「ねぇ、葵お兄ちゃん」
「うん?」
「射落とす物と言えば?」
「的?」
「的になる物と言えば?」
「的になる物?それは何にでも当てはまるなぁ。普通は狩りに使う物だから獣だけど、遠くや高い所にあるものを近寄らせる、もしくは落とす事にも使えるから果物や魚なんかも狙おうと思えば狙えるだろうし、人を的にしたら立派な凶器にもなりえる」
「だよねぇ…でもそれを狙うのは何か違う気がするんだよねぇ」
「鈴ちゃん?」
高所にあるものや遠方にあるものを狙う?
でもそれをしても手に入れる事は不可能だよね?だとしたら物を手に入れる為に使うものじゃないってことになる。
それじゃあ狩り?
それもこの場所じゃクローンしか狙えない。外の生き物を狙うとしたらさっきも言ったように、それで攻撃する事は出来てもそこで得たものをこちらに持ってくる事は不可能だ。
それが出来るなら私も樹先輩も、心愛さんだって脱出してるよね。
じゃあ、何だろう?
考える。頭を目一杯動かして、辿り着いたのはやはり【星座】と言う事だった
「射手座ってどんな神話があったっけ?」
「確か、ケンタウロス種のケイロンって人の話だったよね。間に色々あるけど神に与えられた不死の力がヘラクレスの放ったヒドラの毒との間で苦しみ、神に懇願して不死の力を巨人族のプロメテウスに譲ってやっと死ぬことが出来た。だが弓の名手だったケイロンを惜しんで彼を夜空に上げて星に、星座にしたって話じゃなかった?」
「うんうん。そうだよね」
ヒドラの毒…ヒドラって確か円筒型の水様生物じゃなかったっけ…?
水の……あっ!
「葵お兄ちゃんっ、四階に行こうっ」
「オッケー」
葵お兄ちゃんも何かに気づいたらしく私達は四階へと急いだ。

四階に到着したら真っ直ぐ山羊座の部屋へと向かった。
ドアを開けると相変わらず部屋いっぱいに水槽が並んでいる。
「後はこの中からヒドラを探すだけだね」
「うん。でも鈴ちゃん。どうやって探すんだい?」
「それはね。これ」
私は鞄を降ろして船の玩具を取りだした。
「船?」
「そう。確かセーラー服のフィギュアと一緒に乗せた時、女神が言ってたでしょう?船は魔物を浄化するって」
「あ、確かに。じゃあ、水槽にその船を乗せて見たら」
「ヒドラがいる場所はきっと浄化されてヒドラが現れるよ。ついでにケンタウロスを乗せて置けば」
早速小舟にケンタウロスをセットして水槽一つ一つを確かめた。
すると、ど真ん中にある水槽に円筒型で触手がうようよしている生き物が現れた。
私達が、これかっ、と思うのとほぼ同時にケンタウロスが素早く動いた。
矢を射てヒドラを貫通させた。
ヒドラが苦しみのたうち回り、そして、死んだ。
ヒドラが死んだ途端にその水槽の水は消えて、金色の光を放った後水槽一杯のメダルへと変化した。
「僕が取るね」
葵お兄ちゃんがとったメダルを見て確認すると、それは斜め上に向かう矢印のマークがしるされている。
これは射手座のメダルだ。
「射手座もこれでゲットだね。後は魚座のみ」
「恐らく魚座もここに関係すると思うんだ」
「うん。私もそう思う」
「魚座なんだから魚関係だよね?」
「うん。魚…魚…」
なんか魚どっかで見た気がするんだよね…。
確か樹先輩と一緒にいた時、こう会話したような?
『こんな玩具買う奴いるのかよ』
『はいっ!』
『おい…』
ってあまりにも下らない会話過ぎてすっかり忘れてたけど、あの時確か見てたのはお魚の玩具が並んでる…。
「売店だっ!」
「売店?」
「一階の売店っ。あそこに魚の玩具あったよっ」
「…一階か。あそこはクローンも多いし、僕が行ってくる。鈴ちゃんはここで待ってて」
「え?葵お兄ちゃん?」
何か…デジャヴ?
さっきもそう言いながら葵お兄ちゃんが駆けて行ったような…?
でも、それこそさっきと同じように葵お兄ちゃんは直ぐ戻って来てくれるだろう。
だったら私は素直にここで待っていよう。
私はケンタウロスのフィギュアと船の玩具を回収しながら葵お兄ちゃんを待った。

しおりを挟む
感想 1,230

あなたにおすすめの小説

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

悪役令嬢の慟哭

浜柔
ファンタジー
 前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。  だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。 ※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。 ※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。 「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。 「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。

村娘になった悪役令嬢

枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。 ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。 村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。 ※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります) アルファポリスのみ後日談投稿しております。

【完結】私ですか?ただの令嬢です。

凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!? バッドエンドだらけの悪役令嬢。 しかし、 「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」 そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。 運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語! ※完結済です。 ※作者がシステムに不慣れな時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///)

悪役令嬢の独壇場

あくび。
ファンタジー
子爵令嬢のララリーは、学園の卒業パーティーの中心部を遠巻きに見ていた。 彼女は転生者で、この世界が乙女ゲームの舞台だということを知っている。 自分はモブ令嬢という位置づけではあるけれど、入学してからは、ゲームの記憶を掘り起こして各イベントだって散々覗き見してきた。 正直に言えば、登場人物の性格やイベントの内容がゲームと違う気がするけれど、大筋はゲームの通りに進んでいると思う。 ということは、今日はクライマックスの婚約破棄が行われるはずなのだ。 そう思って卒業パーティーの様子を傍から眺めていたのだけど。 あら?これは、何かがおかしいですね。

【完結】死がふたりを分かつとも

杜野秋人
恋愛
「捕らえよ!この女は地下牢へでも入れておけ!」  私の命を受けて会場警護の任に就いていた騎士たちが動き出し、またたく間に驚く女を取り押さえる。そうして引っ立てられ連れ出される姿を見ながら、私は心の中だけでそっと安堵の息を吐く。  ああ、やった。  とうとうやり遂げた。  これでもう、彼女を脅かす悪役はいない。  私は晴れて、彼女を輝かしい未来へ進ませることができるんだ。 自分が前世で大ヒットしてTVアニメ化もされた、乙女ゲームの世界に転生していると気づいたのは6歳の時。以来、前世での最推しだった悪役令嬢を救うことが人生の指針になった。 彼女は、悪役令嬢は私の婚約者となる。そして学園の卒業パーティーで断罪され、どのルートを辿っても悲惨な最期を迎えてしまう。 それを回避する方法はただひとつ。本来なら初回クリア後でなければ解放されない“悪役令嬢ルート”に進んで、“逆ざまあ”でクリアするしかない。 やれるかどうか何とも言えない。 だがやらなければ彼女に待っているのは“死”だ。 だから彼女は、メイン攻略対象者の私が、必ず救う⸺! ◆男性(王子)主人公の乙女ゲーもの。主人公は転生者です。 詳しく設定を作ってないので、固有名詞はありません。 ◆全10話で完結予定。毎日1話ずつ投稿します。 1話あたり2000字〜3000字程度でサラッと読めます。 ◆公開初日から恋愛ランキング入りしました!ありがとうございます! ◆この物語は小説家になろうでも同時投稿します。

逆ハーレムエンド? 現実を見て下さいませ

朝霞 花純@電子書籍化決定
恋愛
エリザベート・ラガルド公爵令嬢は溜息を吐く。 理由はとある男爵令嬢による逆ハーレム。 逆ハーレムのメンバーは彼女の婚約者のアレックス王太子殿下とその側近一同だ。 エリザベートは男爵令嬢に注意する為に逆ハーレムの元へ向かう。

悪役令嬢はモブ化した

F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。 しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す! 領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。 「……なんなのこれは。意味がわからないわ」 乙女ゲームのシナリオはこわい。 *注*誰にも前世の記憶はありません。 ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。 性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。 作者の趣味100%でダンジョンが出ました。

処理中です...