上 下
297 / 359
最終章 数多の未来への選択編

※※※(樹視点)

しおりを挟む
美鈴に社員証を受け取った俺はその社員証をくまなく確認した。
……ふん、やっぱりな。
都貴静流の転生体の為に作られたカードだ。
どうせ俺が記憶を取り戻したら、足にする為にこれを使って動かそうと思ったんだろ。
はっ、残念だったな。
…アイツの言うようにアレは俺の前世なんだろうと思う。
だが、正直アレを実体験のように思うのは無理だ。と言うよりやっていることが変質者過ぎて気持ち悪い。
出来る事なら、無理矢理与えられたあの記憶を消去してしまいたいと思う所だが…この場所から脱出する為とそしてあの気持ちの悪い都貴静流を潰す為にもまだこの記憶を失くす訳にはいかない。
「…樹先輩?」
不思議そうに俺の顔を覗き込む美鈴に俺は一歩退き、大丈夫だと頷くとそのまま俺に無理矢理前世を見せた装置へと近付いた。
無駄に記憶を取り戻された所為で、この社員証の使い道も良く解る。
大きいこの人工記憶再生機にあるパネルを操作して、社員証を機械の中に入れこむ。
するとパネルの上方にある画面が黒字に緑の文字が下から上へせり上がって行った。
ふとこれを作った時の事が記憶を過る。
何代目の俺かは覚えていない。
ただ、分かるのは【俺(都貴静流)】は同じ人間に転生する事は出来ない。
そして、前世の記憶を取り戻させるには【記憶を持っている俺】が【記憶を持っていない俺】の目を見る必要がある。
が、どうしてもそれを出来ない奴らがいるのも確かで。
そこで記憶を取り戻させる為にはどうしたらいいか考えた末に作ったのが、この機械だ。
この機械と接続されたカプセルに転生体である奴を入れると、流し込まれた液体から記憶を取りこむ事が出来る。
目を見て取り戻す記憶と違って植え付けられた記憶だから、どうにも前世と言う認識は薄い。因みに目を見て取り戻した記憶は完全に前世の記憶だ。取り戻した記憶に意識は乗っ取られる可能性が高い。
まぁ、何が言いたいかって言うと、俺には取り戻した記憶はあるが、アイツに操られてはいないし、操られるつもりもないって事だ。
そして、俺にこんな記憶を植え付けやがったこの機械を破壊してやろうと破壊衝動に駆られている。
話を戻して。
この文字、実は何の意味もない。とある人間の思考を言葉にして表記しているだけ。
…この中には都貴静流が母親であるショウコが持っていた力を奪い取った後に転生した人間の頭脳が入っている。
もっと言うなら。
「ふみっ!?」
機械が動き、画面が左右に開き中から薬液に沈められた【脳】が現れた。
「え?え?ちょっと樹先輩?これ何?」
美鈴が俺の隣に移動して、服を引っ張りつつ問いかけて来た。
俺はその手をやんわりと離させながら、俺は一歩横にずれて美鈴の質問に答える事にする。
「……見ての通り、【脳】だ。………心愛の、な」
「えっ!?」
急いで振り返った先には、勿論美鈴の知っている心愛がおり、美鈴は俺と心愛を交互に見比べた。
「言いたい事は解る。…美鈴。双子の写真を覚えているか?」
「うん。勿論。あれを見たから私は心愛さんをクローンじゃないって確信出来たんだもん」
「……まず前提として、そこにいる心愛は人間だ。それはお前の想定通りだ。その双子の片割れがこの脳味噌の奴だ」
「……じゃあ、あの映像に映ってたのは?」
「そっちは全てクローンだ。表舞台に出てた奴は全てクローン。奴らは女の双子が生まれたと知って、クローンの研究がはかどると思い実験を繰り返した。だが…」
その時点でこの脳だけになった双子の片割れが実験の途中に死んだ。既に【都貴静流】の記憶を取り戻していた双子の片割れはこれ幸いと自分の脳味噌をこの機械に取りこませ、クローン達を手足代わりに使い【転生体】を集めていた。
…双子は小さい頃に捨てられたようなもの。名前だって、双子が勝手に決めたものだ。…転生体としての記憶を取り戻す前に【ここに在る】と訴えを込めた名前、【ここあ】と。
ここあと呼び合っていた二人に会いに来た母親が【心愛】と漢字をつけたものの…母親は【ショウコ】だ。
心愛に…転生体の方の心愛に力を奪い取られ、そのまま命を失った。
「だが…?ねぇ、樹先輩続きは?」
「話してる途中で黙り込むなんて珍しい事するね。龍也」
声をかけられてハッと我に返る。…が、続きが話せるような内容ではないから。
俺は口を噤み、話を逸らす事にする。
「…失敗したんだよ。双子の一人は実験に失敗し死亡。もう一人は逃走した。……だよな?心愛」
「…………あ、ぅ……」
「じゃあ…育児放棄されたって事?」
「鈴ちゃん。目が吊り上がってるよ?」
…相変わらず育児には厳しいな…。
子供を捨てたのもあり得なければ、女をないがしろにしているこの状況も許せないんだろう。
「けど、龍也?」
「ん?」
「龍也の言ってることを信じると、今度は逆に彼女が普通に話せる事が不思議になるんだけど」
「……それは」
前世の記憶の所為だろう、とは言えないか。流石に。
恐らく時間はかかったにしても、この場にいる心愛も前世の記憶を取り戻していたんだろう。
だがそれはきっと、高校のあの時。白鳥の兄弟が美鈴を襲った連中の記憶を消した。その時以降に転生した先だったのだろう。
だからあの事件の以降の転生者だった心愛の記憶は消されて記憶を失った。そうなると残るのはまともに教育されずに育った心愛本人の部分のみ。
それをどう説明するか。
俺が考え込んでいると、美鈴がケロッと。
「世の中には色んな事があるってことだよね。うんうん」
「えーっと鈴ちゃん、それで済む問題?」
「……捨てられた奴は捨てられたなりに勉強して生き残ろうとした、そう言う事だろ」
「樹先輩。言い方が悪いっ」
「……悪い」
素直に謝ると美鈴が目を点にして驚く。
俺が素直に謝ったのがそんなに珍しいか……まぁ、珍しいかもな。
「……樹総帥。お姉ちゃんの脳、どうするつもりですか?」
「……お前には悪いが、利用させて貰う」
「そう、ですか…」
片割れを失う事に悲しそうに目を伏せたが、目を開いた時には既にきっちりと心の整理をしていた。
「分かりました。お姉ちゃんの事は、任せます」
「…あぁ」
こいつは恐らく理解している。俺がこの脳を利用した後停止させようとしている事を。
だからこそのこの言葉だ。
俺はそれにしっかりと答えて頷く。
…記憶を刻み込まれた俺は、この建物が一体どうなっているかも分かっている。
脱出する為の経路も、何もかも。
…が。
分かっている事と直ぐに脱出出来るとは話が別である。
「美鈴、葵。ちょっとやって欲しい事がある」
「なぁに?」
「俺はここから脱出する方法が既に解っている。だが、その為にはやらなきゃならない事がある」
「やらなきゃならないこと?」
「そうだ。この建物にある謎を全て解かなきゃならないんだ。いや、正しくは全てを解かなくても脱出は出来る。だが…」
「この建物を残して置く訳にはいかない、って事かな?」
「……あぁ。俺はこの建物を【元の姿】に戻して、【凍結】させたい」
「………ん。分かった。樹先輩の言う通りに動いてみるっ。で?謎解くだけでいいの?」
「お前達はそれで構わない」
「分かった。…葵お兄ちゃん。行こうっ。解けてない謎の所は大体解ってるのっ」
「あぁ、そうだ。葵。行く前に、そこの貯水プールの水を持って行け。あれはクローンを溶かす薬液が入ってる」
「鈴ちゃんが持ってる液体と同じ物って事?」
「そうだ」
「了解。じゃあ、行ってくる」
背を向けた二人に、そう言えばと言い忘れた事を思い出し、呼び止める。
すると二人は同時に振り向いた。
「言い忘れてた。良いか?謎が全て解けたら、屋上に行け」
「屋上に?」
「ここじゃなくて?」
「ここには来るな。逃げるんだから屋上に決まってるだろ」
「………樹先輩?何か、怪しくない?」
「………そんな事はない」
「間が怪し過ぎるんだけど、龍也?」
「……大丈夫だって。良いから言う事聞けよ」
「樹先輩。私達だけを脱出させようとか考えてないよね?」
「ない。絶対俺も脱出する」
ここで俺が死んだら、都貴静流が喜ぶだけだろう。それだけは俺もしたくない。
それに…都貴静流が美鈴に惚れて襲うのは…。
色濃く残る記憶に俺は顔を顰める。……良い記憶所かただのトラウマになってる。惚れた女を抱いた記憶がこうも苦く辛いものになるとは…。
…静かに頭を振って、心が苦しくなる記憶を飛ばす。
「二人共。頼んだ」
「……任せて。行こう、鈴ちゃん」
「うん。…樹先輩。あの時みたいに私だけ…自分を犠牲にしようとしたら許さないからね。外で絶対会うんだから。分かった?」
美鈴が腰に手をあてて胸を張って言った。こいつは…本当に…。
「分かってる。もう…美鈴を悲しませる事はしないさ」
「…龍也。…後でしばく」
「何でだよっ!」
葵はふっと唇の端で笑いながら、美鈴と共に駆けて行った。
この場に残されたのは俺と心愛の二人。
再び俺はパネルの操作に移る。
「樹総帥。…心愛を利用するって、どう言う…?」
「……心愛の中のアイツの記憶を全部取りだす」
「記憶を…」
説明している間にも美鈴と葵は動いている。
俺はパネルの操作を優先させた。
「樹総帥は…」
「何だ?」
「………樹総帥は…兄を知っているんですか?」
「…………話した事は数回しかないがな」
「………そうですか」
「何故、そんな事を聞く?…捨てた人間の事なんて考える必要ないだろ」
「捨てた…やっぱり兄は私達を捨てたんですか?」
「それ以外何がある?あぁ、違うな。お前の兄が捨てたとは限らないか。お前の父親が捨てたのかもしれない」
「…ッ…」
操作を終わらせ、記憶を全て印刷する。
量が量だから直ぐには終わらないだろう。
俺が完了した物から手に取り、内容を読みこんで笑った。
「……ほら」
「え?」
「お前の姉が、妹を苛めるなってよ」
言って、印刷された一枚目の紙を心愛に渡し、心愛はそれを見て小さく笑った。
一枚目の一番上に、『ここあをいじめるな』とそう印刷されていた。
「それにこれ以上お前を苛めたら、美鈴に刺されそうだ」
笑って俺は印刷された数枚を手に取り、記憶を確かめて行く。
予想通り都貴の記憶が残っていた。
俺は所々見せられただけだから、記憶が曖昧だが…こいつはそうじゃないと思ったのだ。
何せ都貴の妹だ。
正直俺が欲しいのは前世の記憶ではない。
都貴静流がどうして美鈴を知り、執着するようになったのか。
本当にそこに恋情はなかったのか。他にもどんな家族構成で、どうして双子を捨てたのか。一切出て来ない母親は?
気になる事は他にもあるが…まず必要な所だけ抜粋しよう。
【都貴静流(ときしずる)】
【都貴グループの社長の息子】
【性格は軽薄】…自分の兄の事結構あっさり斬ってるな。
【家族構成は父、母、妹一人。…と世間では知られているが、本当は双子】
それで?双子なのは分かったが、何故こいつらは捨てられたんだ?それを知るにはクローンを作った理由を知る必要があるな。
クローンを作った理由は?
【都貴グループは、白鳥財閥並びに樹財閥に取引を断られ、その復讐を兼ねて新しい技術を生み出そうと禁止事項に手を出した】
……と書かれてるが、俺も恐らく美鈴も都貴グループとそう言う提携に関する対談も会談もした覚えはない。
と言う事は、これは俺達の代じゃないって事だ。そもそもが何時の話だ?
印刷された紙を読み込むと、それは俺達より5代前の話だったようだ。美鈴の所の祖母がまだ子供だった頃の話って事になるな。
そんな時から先祖代々恨んでたのか?それで禁忌に手を出すって馬鹿だろう…。
頭が痛くなる。
だがまぁ良い。これでクローンが作りだされた理由は分かった。理解は出来ないけどな。何で相手を見返す為に悪事に手を出す?返って足枷だろ。…まぁ、あんな父親がいて、尚且つ昔美鈴にした事を考えると俺も人の事はあまり言えないが…。
…あれに関しては、美鈴と無事外に出れた時に謝るとして。
次だ。気になるのは双子を捨てた理由だ。
なんで双子を捨ててクローンを連れ歩いてるんだ?そしてその事を都貴は知っている?
【都貴家に生まれた女児は代々実験の道具にされてきた。私達は双子だったから尚人間の研究には持ってこいだったのだろう。私達の代わりなんてクローンで十分。私達をクローンの捨て場へ放棄して、私のクローンとして一番出来の良かったものを連れて行った】
大体想像通りだったな。だがこうなると心愛は都貴家には戻さない方が良さそうだ。…明子さんに相談してみよう。最悪俺と美鈴の間で養子にしても良い…年齢的に出来るか、ちょっと不安ではあるが都貴家に残すよりは余程安心だろう。ここは美鈴と要相談だな。
次に気になるのは…都貴が美鈴に惚れたタイミングだ。
俺が見た記憶だと正直中途半端だ。
前世の記憶では遠目に見た美鈴に惚れたような事を言っていたが、本当にそうなのか?
【兄が白鳥総帥に恋をした瞬間は、『白鳥美鈴が白鳥鴇と会話をしていた時』です】
……ちょっと待て。幅が広過ぎるだろ。何時だ?いつなんだ?それが解らないと防ぎ様がない。
それにこれは【何時の時点での瞬間】だ?前世なのか?今なのか?俺が見せられた場面は、あれは【何時の都貴】の記憶なんだ?
……この前世の記憶と言う奴は、どうやら入り混じっているようだ。
何処が始点なのかさっぱり解らない。ここが解らない事には、美鈴を完全に守る事は不可能に近い。
ただ一つ言えるのは、都貴静流は同じ体に転生する事が出来ない。これだけは確かだ。
けどちょっと待てよ?何処が始点なのかは解らないが、都貴静流が始点なのは間違いないんだよな?
なら、都貴静流が美鈴に惚れなければ、どうにかなる?…いや、だが、それだとさっきの話に戻るな。惚れた瞬間が何処なのか解らない。
そこをどうにかする必要があるよな…。
実際美鈴は既に俺と結婚してるし、ハッキリ言えば性格も前世の時とは結構違うから都貴が惚れるのかどうかも…。
いっそ、都貴に惚れられないようにしたら、どうだろうか?
…と考えてみたが、それも難しいか。今、印刷された物を確認していく限り、どうやら都貴は俺達が今いるこの世界を目指して転生している。
と言う事は、何度も美鈴は違う運命を歩んでいた筈だ。所謂パラレルワールドって奴だな。並行世界とも言う。
もしも俺と結婚する運命が都貴の転生の中で一度も起きなかった事象だとするなら、都貴が惚れる瞬間がなくなっている可能性がある。美鈴と白鳥鴇が会話をしている姿を見るタイミングがないんだ。
更に言えば…転生体の一つである俺が美鈴と結婚している事により、都貴の悲願が果たされた可能性もある。
そんな可能性の話を言いだしたらキリがないんだがな。
…現状で、都貴を倒す方法はないんだろうか?記憶の消却を試みても良いんだが、それをすると俺の記憶も下手すると弄られる。それは避けたい。
美鈴を守る手は保って置きたい。
何かヒントはないか?
印刷された物を読み進めていると、【記憶を殺す鬼】と書かれた要項が出て来た。
そう言えば都貴の記憶を見せられていた時、都貴の母親が鬼の様になっていたのを見た。
…もしかして、その鬼さえ見つける事が出来たら、その鬼となった母親を持つ転生体ならば、都貴の転生を抑えられるかもしれない。
美鈴を守る事が出来るかもしれない。
俺は紙に印刷された内容を只管に読み進めた。
そして、全て読み終わった時、紙の一番最後に【終了。もう出ない。もう空っぽ。あと覚えてる事なーい】と書いていた。
双子の片割れの記憶の中は、俺が見せられた記憶の補填情報は多かった。けど俺しか知らない情報もあった事も考えると、こいつは俺より前の転生者って事か。
「これで記憶は全部だな」
俺の用はもうないんだが…。
心愛は紙の中にある姉の言葉を読んでは笑い、読めない文字を見つけては俺に尋ねて、また笑って。
そんな心愛は暫く読み続け、双子の会話を続けて、小さく息を吐いた。
……覚悟が、決まったか?
そんな意味を込めて俺は心愛の名を呼んだ。
「……心愛」
「はい」
「別れを告げるか?」
「………いいえ。あの時、お姉ちゃんが脳だけをここに移植すると言った時、私はもうお姉ちゃんとは会わないと決めていました。それに、こうしてちゃんと会話が出来た。だから…」
「そうか…」
手早くパネルを操作する。
まずは周囲にあるカプセルに入っている都貴静流の転生体をどうにかしなくては。
薬液を取り除き、カプセルをそれぞれロックを解除する。
すると、カプセルの中にいた転生体達が揃って倒れ込んだ。
俺と心愛は急いで駆け寄り、転生体達の生存を確認したが…残念な事に生き残っている人間は一人もいなかった。
この薬液。転生体で都貴静流の記憶がある奴は一旦仮死状態になる事が出来る。どう言う原理かは説明しても時間が無駄に過ぎるだけだからしないが、あくまでも仮死状態になれるのは【転生体】だけだ。
都貴静流の記憶が失われた人間はただの人になる。【転生体】でなくなった体は薬液もただの液体としか受け付けなくなり、当然溺れてしまう。意識を失ったまま溺れたらどうなるか、なんて言う必要もないだろう。
後は…双子の片割れであるこの脳を停止させるだけ。
双子の片割れの脳は、言葉通りこの機械の頭脳でもあるはずだ。
「……停止するぞ」
「はい」
心愛が頷いた事を確認して、俺は機械を停止させた。
脳が入っている薬液が澄んだ青色からどんどん濁って行く。
心愛はゆっくりと歩いて、その脳が入ったそれに近寄ってそっとそのガラスへ触れた。
「………ゆっくり、眠ってね。…お姉ちゃん…」
額をガラスへくっつけて、そう呟くと心愛は振り向き俺を見た。
「さぁ、次はどうしますか?」
「クローンを出来うる限り片づける。あの薬液の中に落とす。そうすれば、あの薬液が増える筈だ。行くぞ。心愛」
「はいっ!」
俺と心愛はまず一階へ向かって駆け出した。


しおりを挟む
感想 1,230

あなたにおすすめの小説

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

悪役令嬢の慟哭

浜柔
ファンタジー
 前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。  だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。 ※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。 ※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。 「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。 「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。

村娘になった悪役令嬢

枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。 ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。 村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。 ※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります) アルファポリスのみ後日談投稿しております。

【完結】私ですか?ただの令嬢です。

凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!? バッドエンドだらけの悪役令嬢。 しかし、 「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」 そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。 運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語! ※完結済です。 ※作者がシステムに不慣れな時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///)

悪役令嬢の独壇場

あくび。
ファンタジー
子爵令嬢のララリーは、学園の卒業パーティーの中心部を遠巻きに見ていた。 彼女は転生者で、この世界が乙女ゲームの舞台だということを知っている。 自分はモブ令嬢という位置づけではあるけれど、入学してからは、ゲームの記憶を掘り起こして各イベントだって散々覗き見してきた。 正直に言えば、登場人物の性格やイベントの内容がゲームと違う気がするけれど、大筋はゲームの通りに進んでいると思う。 ということは、今日はクライマックスの婚約破棄が行われるはずなのだ。 そう思って卒業パーティーの様子を傍から眺めていたのだけど。 あら?これは、何かがおかしいですね。

【完結】死がふたりを分かつとも

杜野秋人
恋愛
「捕らえよ!この女は地下牢へでも入れておけ!」  私の命を受けて会場警護の任に就いていた騎士たちが動き出し、またたく間に驚く女を取り押さえる。そうして引っ立てられ連れ出される姿を見ながら、私は心の中だけでそっと安堵の息を吐く。  ああ、やった。  とうとうやり遂げた。  これでもう、彼女を脅かす悪役はいない。  私は晴れて、彼女を輝かしい未来へ進ませることができるんだ。 自分が前世で大ヒットしてTVアニメ化もされた、乙女ゲームの世界に転生していると気づいたのは6歳の時。以来、前世での最推しだった悪役令嬢を救うことが人生の指針になった。 彼女は、悪役令嬢は私の婚約者となる。そして学園の卒業パーティーで断罪され、どのルートを辿っても悲惨な最期を迎えてしまう。 それを回避する方法はただひとつ。本来なら初回クリア後でなければ解放されない“悪役令嬢ルート”に進んで、“逆ざまあ”でクリアするしかない。 やれるかどうか何とも言えない。 だがやらなければ彼女に待っているのは“死”だ。 だから彼女は、メイン攻略対象者の私が、必ず救う⸺! ◆男性(王子)主人公の乙女ゲーもの。主人公は転生者です。 詳しく設定を作ってないので、固有名詞はありません。 ◆全10話で完結予定。毎日1話ずつ投稿します。 1話あたり2000字〜3000字程度でサラッと読めます。 ◆公開初日から恋愛ランキング入りしました!ありがとうございます! ◆この物語は小説家になろうでも同時投稿します。

逆ハーレムエンド? 現実を見て下さいませ

朝霞 花純@電子書籍化決定
恋愛
エリザベート・ラガルド公爵令嬢は溜息を吐く。 理由はとある男爵令嬢による逆ハーレム。 逆ハーレムのメンバーは彼女の婚約者のアレックス王太子殿下とその側近一同だ。 エリザベートは男爵令嬢に注意する為に逆ハーレムの元へ向かう。

悪役令嬢はモブ化した

F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。 しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す! 領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。 「……なんなのこれは。意味がわからないわ」 乙女ゲームのシナリオはこわい。 *注*誰にも前世の記憶はありません。 ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。 性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。 作者の趣味100%でダンジョンが出ました。

処理中です...