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最終章 数多の未来への選択編

※※※(華菜視点)

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やっと繋がったと思ったら、ほとんど会話する事なく念話は切れた。私が見ていた(聞いていた?)限りだと、そう感じた。嵯峨子先生の悔しそうな顔を見ると間違いはなさそう。
毒を手に入れてから、私達はまず知り合いの女性に協力を頼むと同時にもう一つ探さねばならない物に気付いた。
それは男性の手が触れていない水を探すと言う事。
当然、水道水では駄目。水道管の工事を女性だけがしてるのを見た事がない。あの場所で流れている水は純粋に女性だけの水とは言えないのだ。水道水がダメだとなると難易度がぐんと上がる。
安パイなのは多分【湧き水】だ。となると山の中に行く必要がある。湧き水は何処にでもあるだろうけど…毒作りに利用されていた事を考えるとやっぱり忍者の里の山にある湧き水を使った方がいい。そう私達は判断し急遽来た道を戻る事になった。
毒も手に入れたし、里に戻る事には何の問題もない。ついでにキャンピングカーを改良してバリバリネット環境にしたので私の力はフル活用出来るようになった。
忍者の里へ戻り、私は真っ先に水を取りに向かった。水を手に入れるのは女じゃないといけないから。
私は出来るだけ多めに水を汲むことにした。山との往復は大変だったけど、そこは愛奈ちゃんと美鈴ちゃんのお祖母ちゃんに協力をお願いしたから何とか一杯持ち帰る事が出来た。これで多少の失敗は出来ると思う。
だけど、実際の問題はそこじゃなかった。
一万人以上の女性が触れた水。
これがやっぱり一番厄介だった。もっと早めに取りかかれば良かったんだけど、どうしても皆意識が幻の材料の方に行ってしまって、これだったらやってやれない事じゃないからと思ってしまった。良く考えるとこっちもかなり厳しい条件なのに。
実際、幻の品は忍者の助けがあれば早く入手出来て、逆に一般の人の助けが必要な水の方は今入手に困っている。
勿論私達だって行動を起こしていない訳じゃない。私達は女子校出身者だ。しかも男子禁制の女子校。教師も女性と言う徹底ぶりに女子校育ち。更に言うなら美鈴ちゃんはそこでもはや伝説と言っていい程崇め奉られている。美鈴ちゃんの為にと一言協力を頼めばかなりの人数が一気に集まる。集まるがそれでも一万人には程遠い。
道行く人にも声をかけているけれど。
(正直、このご時世。良く知らない、赤の他人が水持って触ってくれませんか?なんて言われたって不審者以外の何者でもないよね…)
と言う事である。衛生面や不信感。諸々の事情がありハッキリ言って一万人なんて不可能に近い。
美鈴ちゃんを助けるにはやるしかないんだけど。
忍者の里、私達の母校である中学校、通ってる大学、当たれる場所は全てに当たった。その人からまた声をかけて貰ってと繰り返してそれでもやっと四千人くらい。半分にもいかない。
それに男の人が触れないってのもかなりきつい。人通りが多い所でやると、なんやかんやで悪戯してくる男が多いのだ。それだけで散々集めたそれが全ておじゃんになる。
私達はそれぞれ手分けする事にして、更に、何とか美鈴ちゃん達と連絡をとる術を探した。
連携がとれないのは、効率が悪過ぎるから。
そして、今、嵯峨子先生がリンクしている場所に行けば会話が出来るんじゃないか説を実行し、リンクしている場所をリンさんに探しだして貰って、やっと会話は出来たけれどあっさりと繋がりは切れてしまったのである。
その場所に残された手紙。こちらの世界程綺麗な紙ではないけれど、確かに天川先生の文字があるそれを嵯峨子先生は拾い上げて中を開いた。
そこに書かれていた文字を目で追う嵯峨子先生の表情はどんどん険しく顔色が悪くなっていく。
「なんて書いてるんです?」
「……姫さんが倒れたそうや。それにざっくりやけど透馬の仮説が書いてあった」
言って渡された紙を私も読む。
逆癒…多重複合毒…。色々と書かれているけれど、結論は一つでしょ。
「…ここでこうして何ていられないっ。美鈴ちゃんを助ける為には変化の毒が必要だって。ただそれだけのことっ。私は今やれることをやって、胸を張って美鈴ちゃんに会ってっ、美鈴ちゃんにお説教するのっ」
急がなきゃっ!美鈴ちゃんが倒れたって書いてたっ。意識がないってっ。
美鈴ちゃんが意識を失ったならきっとっ。
私は急いで天川家の敷地から出て、キャンピングカーに戻る。
すると、想像していた通り、
「リン様っ。リンっ!」
リンさんが胸を抑え苦しみ悶えていた。
やばいっ。
「だい、じょう、ぶだ…ッ」
「全然大丈夫じゃないっ。トーマさんっ、ベッドにっ」
「あ、あぁっ」
トーマさんがリンさんを抱き上げて二階へと向かう。
残された時間は本当に少ない。
今回はあちらとのやりとりでリンク場所を一つ使ってしまった。
だけど、リンクしている場所がこの側にもう二つある。リンさんが教えてくれた、天川先生が経営している店とエイト学園の美術室。この二ヵ所は把握済みだ。
だから、本当に後は、女性が触れた水を集めるだけ。それだけなのにっ。
全然、思うように進まないっ!
あと約六千人弱。
商店街でも声かけて集めて貰ってるけど、それだけじゃ足りない。失敗は許されない。
兎に角どんどん声をかけて行こう。躊躇ってる暇なんてないんだ。
急がなきゃ。
でないと、最悪の手段に出るしかなくなっちゃう。
最悪の手段…。【対象生物を生み出しし生き物の命を使う】しか…美鈴ちゃんのお母さんの命を使うしか方法がなくなってしまう。
それだけは絶対に避けなきゃいけない。
美鈴ちゃんが一番悲しむ。それだけは、絶対に。
顔を上げて、携帯を取りだした。
他に頼れる人間がいないかと。
スマホに登録された人の名前を順に追って行く。
同時に紙に書きだして、連絡をとった人には×印をした。…あれ?
どうして、美鈴ちゃんのお兄ちゃん達に連絡とってないんだろう?私。
一番重要な事じゃない。
直ぐに電話をかけてみる。だけど、何故か繋がらない。
美鈴ちゃんのお兄ちゃん達以外にも、樹先輩始め他の美鈴ちゃん第一仲間達にも連絡をとったけれど誰も繋がらない。何で?
あの人達に頼めば一気に集まりそうなのにっ!
まるで意図的に邪魔が入ってるみたい…。
誰か…誰かいないの?電話が繋がりそうな人は…。
順番にかけてみるけれど、誰にも繋がらない。
一人でも良いのにっ。こんなに繋がらないって事あるっ!?
樹先輩、優兎くん、猪塚先輩、繋がらない。
四従士の人達は恐らく四聖の皆経由で既に協力してくれていると思っていい。
美鈴ちゃんのお兄さん達は繋がらないし。
お馬鹿猿三人も、陸実、空良と繋がらない。後試して無いのは…海里のみ。
電話の呼び出しボタンを押して、コール音をじっと待つ。
今はすっかり有名な三人。私からの電話なんて出れないかもしれない。事実陸実も空良も出れなかった。三人常に一緒に行動しているのだから海里も出れないかもしれない。だけど、もしかしたらと一縷の望みを賭ける。
コール音が、4回、5回、6回……やっぱり駄目か。
諦めて電話を切ろうとしたその時。
『はい。海里です。…花崎先輩。どうかしましたか?』
繋がっ、たっ…!!
『もしもし?花崎先輩?寝てますか?じゃあボクも寝ます』
「寝るなっ!今はそんな暇ないのっ!」
『?、何かあったんですか?』
「美鈴ちゃんを助ける為に協力して欲しいのっ!」
『鈴先輩をっ?鈴先輩に何かあったんですかっ?ボクは何が出来ますかっ!?』
海里の声の強さが今は本当に心強かった。
私は掻い摘んで、美鈴ちゃんの今の状況と、今本当に欲しい水の事を話した。
『…どうして、直ぐにボク達に連絡くれないんですかっ!それこそ、ボク達の得意分野じゃないですかっ!』
「えっ…?」
『花崎先輩。ボク達の職業、忘れたんですか?』
「…あ」
『任せて下さい。直ぐにその必要数を達成させて見せますっ。今すぐボク達の所へその【水】を持って来て貰えますか?今日のライブ会場は…』
この子達がこんなにも頼もしかった事があっただろうか?
安堵感が私の涙腺を壊しそうだ。ぐっと堪えて私は急いで運転席の方へ向かって叫ぶ。
今教えて貰ったライブ会場へ向かって貰う為に。

丑而摩先生に可能な限り急いで貰い、私達は【アッフェ】のライブ会場に到着した。
海里は既に手を回してくれていたようで、スタッフの案内で私達は余計な手間なく中へと入る事が出来た。
楽屋に行くとライブ衣装を身に纏った三人の姿があった。
「花崎先輩っ!良かった、間に合いましたねっ!」
「海が本番以外の空き時間に寝てないなんて何かあったのかと思って理由を聞いたら驚いたぜっ。美鈴センパイの為ならいくらだって協力するぜっ。任せとけってっ」
「………既に手回しは完了してる。……おれ達のマネージャーもとり先輩の大ファン。だから………問題ないっ」
あぁ、もう、本当に泣きそうっ。
「一先ずボク達のライブが終わるまで、女性スタッフに触れて貰ってください」
「それじゃ、行ってくるっ」
「…………行って来ます」
三人が楽屋を飛び出して行く。
「休んでる暇はないで」
「うん。急ごー。姫ちゃんの命がかかってる」
「解ってますっ!早速準備しましょうっ!」
女性スタッフに協力して貰い、次々と水に触れて貰う。水は美鈴ちゃんのお祖母ちゃんが作った特製の瓶に入れて持ち歩いている。一から女性の手だけで作った瓶だと美鈴ちゃんの為に作ってくれたものだ。
触れるのは指先だけで十分だから、あっと言う間にスタッフ分は終わってしまう。
後はこれを念の為に保存用のと半分に分けて、半分は愛奈ちゃんに管理して貰う。
私は何時でも海里に手渡せるようにと許可をきちんと得てから舞台の袖へ走った。
舞台上では、常におねむな海里が、常に人の話を聞かない陸実が、常に話さない空良が立派にアイドルの顔で皆を魅了している。立派になって…と美鈴ちゃんなら言いそうだ。
舞台袖で何時でも対応出来るようにかつ、母親心でライブ見続ける。ライブは滞りなく進み、次でラストの曲。その前にフリートークが入るらしい。いつもは代表で話すのは陸実なのだけど、今日は海里が中心に立ってマイクを持った。
『皆っ。今日は来てくれてありがとうっ!とてもとても感謝してますっ!本当ならボク達はその気持ちに答えてお礼をしなきゃいけないっ。それは解ってますっ。だけどっ、今日だけはもう一つだけ皆に甘えさせてくださいっ!』
海里が代表で話すだけでも結構レア度が高いのに、更にお願いがあると言う。
ざわざわと会場がざわついている。
『ボク達にはボク達を育ててくれた沢山の恩師がいます。でも、その中でもボク達を救い励まし叱咤してボク達をここまで作ってくれた一番の恩人がいますっ!その恩人が今、命の危機にさらされていますっ!彼女を助けるには、皆の協力が必要なんですっ!どうか、どうかっ、力を貸して下さいっ!お願いしますっ!』
『頼むっ!オレ達はあの人がいたからここまで来れたんだっ!』
『……あの人がなかったらおれ達はここにいないっ!どうかっ、助けてくれっ!』
…美鈴ちゃん。
美鈴ちゃんの為に、あの子らがあんなに頭を下げてるよ。あれだけお馬鹿で将来が不安だった子達が…。
会場のざわつきが止まり…。
「協力するよーっ!!」
「頭を上げてーっ!!」
「何したらいいのーっ!?」
「頑張れーっ!!」
「アッフェーっ!!」
沢山の声援へと切り替わる。
この会場の座席数は一万二千。内、男性は二千もいない。ほぼ女性客だ。
三人が会場にいる人へ説明をしている。今から回す瓶に入っている水に女性だけが触れて欲しい事。そして男性は決してそれに触れないで欲しいと言う事。約束を守ってくれたら緊急握手会をライブ後に開催すると言う事を宣言してくれた。
陸実と空良が説明している間に海里は急いで舞台袖に走って来た。
「先輩。スタッフの手も貸すので、会場を一緒に回って下さい。何かあったらいけないので先輩も一緒に」
「うんっ。解った。ありがとう、海里」
「大丈夫ですっ。それじゃあボクは舞台に戻りますっ」
…彼は本当にいつも寝惚けて寝ながら会話すらしている海里だろうか…。一瞬疑いたくなったけど、今はそれよりも美鈴ちゃん優先だ。
海里に言われた通りに女性スタッフと私一緒に会場内を瓶を持って回る。老若関わらず会場には女性が埋め尽くしている。どんな年齢でも女は女。これで間違いなく一万は越えた。
(待ってて、美鈴ちゃんっ!もうすぐだからねっ!)
私達は手に入れた水を持って、急ぎリンク場所へと向かった。

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