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第14話 寄生生活20日目

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 さぁみなさん始まりました!
 キリュウ君と行く名湯百選のお時間です!
 前回は残念ながら紹介できませんでしたが、今回はご期待に応え、紹介していきますよー!
 今回はこちら!

 ウィンターコテージ『ブレードタイガー』

 こちらはですねー、寒く氷に覆われた世界にひと時の安らぎと温もりを与えてくれる。
 寒暖差による極楽を提供する氷の宿となっております!

 はい。茶番も流石にちょっとネタ切れしてきたね。前回も軽くやったし、短めで。

 さて、今俺がいるのは消化液の中だ。
 無事外部寄生が成功した俺だったが、外部寄生したままでもフィトンチッドのダメージを受けた。
 そのため、地道によじ登って刃牙虎の鼻から体内に入り込んだというわけだ。
 そのまま内部を通って、無事消化液という名のシェルターにたどり着いた。

 この刃牙虎という生物だが、外皮を白に黒のまだら模様をした長い体毛に覆われている。
 大きさは小竜とあまり変わらないくらいの体長2mほど。
 そして、特徴となるのが名前にもある刃牙。
 刃状になった牙を武器に生きている生命体らしい。
  体毛の長いサーベルタイガーみたいな見た目だ。

 ともかく、なんとか九死に一生を得た俺。
 猛毒耐性のLVが上がっていたのは、おそらくフィトンチッドが毒扱いとなったのだろう。
 あ、そうだ。とりあえずスキルについての報告をしとこう。

【刃牙:刃状になった牙を使った攻撃。LVが上がるにつれ、刃の斬撃性が向上する】

【氷結耐性:寒冷や魔術による凍結に対する耐性】

 もはや嫌がらせとしか思えないくらい、自分自身で利用できないレンタルスキルである。
 この氷結耐性を何故コイツが持っていて、この森の中で必要なのか。
 それは数日共にしてわかった。
 巣にしている場所が、氷に覆われた洞穴の中だったのだ。

 この寒さのせいだろう。外敵はほぼ巣の中に入ってくることはない。
 刃牙虎自体も外に出るのは、食糧を調達する時くらいだ。

 ひとまず、新たな宿主を得て、人心地ついた。

『宿主より経験値を獲得しました。LVが上がりました。LV:4→LV:5』
『スキルLVが上がりました。寄生LV:4→LV:5』
『スキル:寄生同調を獲得しました』
『スキル:感覚共有、思考操作、寄生同調により、精神侵食を獲得しました』

 お? レベルアップした。
 珍しく寄生のスキルも上がって新しいスキルを得たらしい。なになに?

【寄生同調:稀生虫の性質により、宿主との高い親和性を獲得する。これにより、宿主と感覚および精神を同調することができる】

【精神侵食:精神を侵食し、意のままに操作する】

 は? ハァァ!?

 いやいやいや、待て待て待て。
 これはどう考えてもぶっ壊れてる。壊れスキルだろう。
 これだけ壊れてるとデメリットがこわすぎる。
 デメリットがなければ、それが一番だが……

 いきなりの壊れスキルというかチートの登場に戸惑いを隠せない。
 しかし俺は知っている。
 今までの経験通りいけば、ラノベなんかのご都合展開は期待できない。
 美味しい話には裏があるというが、もしこれがラノベの世界なら書いているヤツは相当に性格が悪い。
 簡単に強くしたり、ただご褒美にチートスキルを渡すなんてことはしないはずだ。
 そんなことをするヤツならば、最初から寄生虫なんてもんにするわけがないのだ。
 俺は引っかからないからな!

 とはいったものの、手に入れたものは最大限試して活かすが俺の主義だ。
 ありがたく使わせてもらうとしても、危険性が現状では判断できない。
 さて、どうしたものか……
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