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2章 学園生活
3 魔法オタクと頼られ男
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昼休みを迎えると、多くの学生が学食へ向かう。
王立学院というだけあって、学食で提供される食事も一級品だ。
ちなみに、無料ではない。
学食らしく値段は抑えられているが、貧乏娘のマリアベルには手の出ない価格だった。
一度だけアーロンに食べさせてもらったときには、あまりの美味しさに「ん~~」と声が出てしまったものだ。
その後も彼に「代金はこちらで持つから」と誘われたが、流石に申し訳ないので辞退している。
……ので、彼女は弁当を持参し、その日の感じで選んだ場所で、昼食をとっていた。
ちなみに、マリアベルの手作りである。
今日のマリアベルは、中庭の気分だった。
溢れる自然。見事な噴水。複数のベンチに、芝生に……と、なかなかよい場所である。
他の学生にも人気のあるスポットで、昼休みの後半になると人が増えてくる。
しかし、昼休みが始まったばかりの今は、学食にいる人が多いため、まだ空いていた。
人もまばらな中庭で、ベンチに座り。
お弁当を広げたマリアベルは、にっこにこだ。
本日のメニューはサンドイッチ。
野菜はマニフィカ邸の畑で採れたもの。肉は、昨日のマリアベルが帰宅後に狩った魔物のものだ。
「いっただっきまーす!」
待ちに待った、ご飯の時間。
一人ぼっちなのはちょっと寂しいが、とにかく早くご飯にありつきたい。
サンドイッチを手に取り、かぶりつこうとしたとき。
「おっ、いたいた。マリアベル嬢!」
「んえ?」
サンドイッチに口をつけた状態のマリアベルが、顔を上げる。
目の前に人はおらず、きょろきょろとあたりを見回してみると、ちょっと離れた場所で、黒髪の男子生徒がマリアベルに向かって手を振っていた。
その隣には、アーロンの姿もある。
「あーおんさあと……だえ?」
もぐもぐと口を動かしながらも、マリアベルは首を傾げた。
「お昼中にごめんねえ! 僕はミゲル・ミエト。魔法研究会の会長さ!」
「魔法、研究会……?」
「そう! きみ、魔法特待だろ? 領地では魔物をばっさばさ倒し、王立学院にも特待生として認められるほどの実力……。僕はねえ……ずっと前から、きみに興味があってねえ……」
ミゲルと名乗った男子生徒は、興奮した様子でずいずいとマリアベルに近づいてくる。
息は荒く、紫の目も爛々と輝いて。
流石のマリアベルも、ちょっと後ろに身体がのけぞった。
「ミゲル。近い」
アーロンはそんなミゲルの襟首を掴み、マリアベルから引き離した。
ぐい、とミゲルと引っ張るアーロンの表情は、氷のように冷たい。
「ベルにそれ以上近づくな」
「おー怖い怖い」
ミゲルがあっははと愉快そうに笑うものだから、アーロンが凄む。
彼に柔らかな笑顔ばかり向けられているマリアベルは、「アーロン様ってこんな顔もするんだ」とちょっと感心してしまった。
「どうしてもと言うから紹介してやったんだぞ……? ベルを怖がらせるなら、この話はなしだ」
「怖がらせたのは悪かったけど、どうして自分に決定権があると思ってるのさ。決めるのはマリアベル嬢自身だよ」
「くっ……」
アーロンが悔しそうに顔を歪める。
「というかきみさ、なんで最近制服なの? 前は私服だったよね?」
「その話、今、関係あるか?」
「ないねえ」
「っ……!」
いつもにこやかなアーロンが、顔をひきつらせた。
公爵家に生まれたアーロンは、その生まれゆえに、余裕ある態度を崩さない。
穏やかに微笑んでいることが多く、女生徒には「微笑みの貴公子」なんて呼ばれているほどだ。
マリアベルの前でも同様で、彼はいつもにこやかだ。
……まあ、マリアベルの前での笑顔は、作りものではなくて、彼の素だが。
好きな子の前だから、自然と表情が柔らかくなるのである。
――ミエト、ってどこかで聞いたことがあるような。
男二人がやり合う様子を見上げながらも、マリアベルはうーんと記憶を掘り起こす。
訳あって、領地に引きこもっていたマリアベル。その彼女でも、「ミエト」という家名には聞き覚えがあった。
「……魔法のミエト家!」
「おっ! せいか~い!」
嬉しそうにけらけらと笑うミゲルの隣で、アーロンは彼を睨み続けていた。
アーロンの生まれたアークライト家が武の家なら、ミエト家は魔法の名家。
剣のアークライト家と、魔法のミエト家。そんなふうに呼ぶものもいる。
「きみの言う通り、僕は魔法の名門、ミエト家の人間だよ。ミゲル・ミエト。よろしくね。ちなみに、アーロンと同じ二年生」
「は、はいっ! マリアベル、マニフィカです」
ミエト家といえば、アークライト家に並ぶ名門公爵家だ。
食事の途中だったマリアベルも流石にハッとして立ち上がり、つたないカーテシーを披露した。
アーロンとミゲルは、ともに長身で、身長はさほど変わらない。
だが、体形にははっきりと違いがあった。
同年代の男性といえばアーロンぐらいしか知らなかったマリアベルは、ここでようやく、彼の体つきが意外としっかりしていることを理解した。
ミゲルもひょろひょろというわけではないが、明らかにアーロンのほうが胸板も厚い。
「ベル。この男にそんなにかしこまる必要はないよ。ただの魔法オタクだから」
「まほうおたく」
「そう! 僕は魔法が大好きでねえ! だからもちろん、魔法の名手のきみにも興味があるわけ。どう? 魔法研究会、入らない?」
「ええと……どういったかつど」
「聞いたよ~! 詠唱が歌なんだって? どうやってるの? 今ここでできる? 魔法陣なしや無詠唱もいけるって聞いたんだけど、それ、ほんと? 誰に教わったの? マニフィカ家は魔法の家系じゃないよね? 独学? 独学なら、勉強に使ったのはどの本?」
「あ、あの」
「家族にも魔力の高い人がいるの? それともきみだけ? 弟がいるらしいけど、弟さんはどう? 魔法使える? 強い?」
怒涛の質問攻めに、流石のマリアベルも「あわ……あわわ……」状態である。
魔法研究会について聞きたいのに、質問にも答えたいのに、ミゲルがとまらない……!
アーロンはアーロンで、こんなにもマリアベルがたじたじなところは見たことがなかったため、「ベルが引いてる……!?」と驚いて、止めに入るのが遅れてしまった。
「ミゲル。いい加減にしろ。ベルが困ってる」
しかし流石に、このままにもしておけず。
アーロンが軽くミゲルの頭を叩くと、ようやくミゲルの暴走が収まった。
「いったいなあ……暴力はんたーい」
「こうでもしないと、止まらないだろ。ごめんね、べ……る……」
今度は、アーロンがびしっと固まる。
何故なら、マリアベルがささっとアーロンの後ろに隠れたからである。
アーロンの腕に手をおき、彼の背からそっと顔を出して、ミゲルの様子をうかがっている。
初対面の男性にぐいぐいこられて、マリアベルもちょっと怖かったのだ。
マリアベルに盾にされたアーロンはといえば。
――頼られた……!?
と、大感激していた。
王立学院というだけあって、学食で提供される食事も一級品だ。
ちなみに、無料ではない。
学食らしく値段は抑えられているが、貧乏娘のマリアベルには手の出ない価格だった。
一度だけアーロンに食べさせてもらったときには、あまりの美味しさに「ん~~」と声が出てしまったものだ。
その後も彼に「代金はこちらで持つから」と誘われたが、流石に申し訳ないので辞退している。
……ので、彼女は弁当を持参し、その日の感じで選んだ場所で、昼食をとっていた。
ちなみに、マリアベルの手作りである。
今日のマリアベルは、中庭の気分だった。
溢れる自然。見事な噴水。複数のベンチに、芝生に……と、なかなかよい場所である。
他の学生にも人気のあるスポットで、昼休みの後半になると人が増えてくる。
しかし、昼休みが始まったばかりの今は、学食にいる人が多いため、まだ空いていた。
人もまばらな中庭で、ベンチに座り。
お弁当を広げたマリアベルは、にっこにこだ。
本日のメニューはサンドイッチ。
野菜はマニフィカ邸の畑で採れたもの。肉は、昨日のマリアベルが帰宅後に狩った魔物のものだ。
「いっただっきまーす!」
待ちに待った、ご飯の時間。
一人ぼっちなのはちょっと寂しいが、とにかく早くご飯にありつきたい。
サンドイッチを手に取り、かぶりつこうとしたとき。
「おっ、いたいた。マリアベル嬢!」
「んえ?」
サンドイッチに口をつけた状態のマリアベルが、顔を上げる。
目の前に人はおらず、きょろきょろとあたりを見回してみると、ちょっと離れた場所で、黒髪の男子生徒がマリアベルに向かって手を振っていた。
その隣には、アーロンの姿もある。
「あーおんさあと……だえ?」
もぐもぐと口を動かしながらも、マリアベルは首を傾げた。
「お昼中にごめんねえ! 僕はミゲル・ミエト。魔法研究会の会長さ!」
「魔法、研究会……?」
「そう! きみ、魔法特待だろ? 領地では魔物をばっさばさ倒し、王立学院にも特待生として認められるほどの実力……。僕はねえ……ずっと前から、きみに興味があってねえ……」
ミゲルと名乗った男子生徒は、興奮した様子でずいずいとマリアベルに近づいてくる。
息は荒く、紫の目も爛々と輝いて。
流石のマリアベルも、ちょっと後ろに身体がのけぞった。
「ミゲル。近い」
アーロンはそんなミゲルの襟首を掴み、マリアベルから引き離した。
ぐい、とミゲルと引っ張るアーロンの表情は、氷のように冷たい。
「ベルにそれ以上近づくな」
「おー怖い怖い」
ミゲルがあっははと愉快そうに笑うものだから、アーロンが凄む。
彼に柔らかな笑顔ばかり向けられているマリアベルは、「アーロン様ってこんな顔もするんだ」とちょっと感心してしまった。
「どうしてもと言うから紹介してやったんだぞ……? ベルを怖がらせるなら、この話はなしだ」
「怖がらせたのは悪かったけど、どうして自分に決定権があると思ってるのさ。決めるのはマリアベル嬢自身だよ」
「くっ……」
アーロンが悔しそうに顔を歪める。
「というかきみさ、なんで最近制服なの? 前は私服だったよね?」
「その話、今、関係あるか?」
「ないねえ」
「っ……!」
いつもにこやかなアーロンが、顔をひきつらせた。
公爵家に生まれたアーロンは、その生まれゆえに、余裕ある態度を崩さない。
穏やかに微笑んでいることが多く、女生徒には「微笑みの貴公子」なんて呼ばれているほどだ。
マリアベルの前でも同様で、彼はいつもにこやかだ。
……まあ、マリアベルの前での笑顔は、作りものではなくて、彼の素だが。
好きな子の前だから、自然と表情が柔らかくなるのである。
――ミエト、ってどこかで聞いたことがあるような。
男二人がやり合う様子を見上げながらも、マリアベルはうーんと記憶を掘り起こす。
訳あって、領地に引きこもっていたマリアベル。その彼女でも、「ミエト」という家名には聞き覚えがあった。
「……魔法のミエト家!」
「おっ! せいか~い!」
嬉しそうにけらけらと笑うミゲルの隣で、アーロンは彼を睨み続けていた。
アーロンの生まれたアークライト家が武の家なら、ミエト家は魔法の名家。
剣のアークライト家と、魔法のミエト家。そんなふうに呼ぶものもいる。
「きみの言う通り、僕は魔法の名門、ミエト家の人間だよ。ミゲル・ミエト。よろしくね。ちなみに、アーロンと同じ二年生」
「は、はいっ! マリアベル、マニフィカです」
ミエト家といえば、アークライト家に並ぶ名門公爵家だ。
食事の途中だったマリアベルも流石にハッとして立ち上がり、つたないカーテシーを披露した。
アーロンとミゲルは、ともに長身で、身長はさほど変わらない。
だが、体形にははっきりと違いがあった。
同年代の男性といえばアーロンぐらいしか知らなかったマリアベルは、ここでようやく、彼の体つきが意外としっかりしていることを理解した。
ミゲルもひょろひょろというわけではないが、明らかにアーロンのほうが胸板も厚い。
「ベル。この男にそんなにかしこまる必要はないよ。ただの魔法オタクだから」
「まほうおたく」
「そう! 僕は魔法が大好きでねえ! だからもちろん、魔法の名手のきみにも興味があるわけ。どう? 魔法研究会、入らない?」
「ええと……どういったかつど」
「聞いたよ~! 詠唱が歌なんだって? どうやってるの? 今ここでできる? 魔法陣なしや無詠唱もいけるって聞いたんだけど、それ、ほんと? 誰に教わったの? マニフィカ家は魔法の家系じゃないよね? 独学? 独学なら、勉強に使ったのはどの本?」
「あ、あの」
「家族にも魔力の高い人がいるの? それともきみだけ? 弟がいるらしいけど、弟さんはどう? 魔法使える? 強い?」
怒涛の質問攻めに、流石のマリアベルも「あわ……あわわ……」状態である。
魔法研究会について聞きたいのに、質問にも答えたいのに、ミゲルがとまらない……!
アーロンはアーロンで、こんなにもマリアベルがたじたじなところは見たことがなかったため、「ベルが引いてる……!?」と驚いて、止めに入るのが遅れてしまった。
「ミゲル。いい加減にしろ。ベルが困ってる」
しかし流石に、このままにもしておけず。
アーロンが軽くミゲルの頭を叩くと、ようやくミゲルの暴走が収まった。
「いったいなあ……暴力はんたーい」
「こうでもしないと、止まらないだろ。ごめんね、べ……る……」
今度は、アーロンがびしっと固まる。
何故なら、マリアベルがささっとアーロンの後ろに隠れたからである。
アーロンの腕に手をおき、彼の背からそっと顔を出して、ミゲルの様子をうかがっている。
初対面の男性にぐいぐいこられて、マリアベルもちょっと怖かったのだ。
マリアベルに盾にされたアーロンはといえば。
――頼られた……!?
と、大感激していた。
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