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1.赤かぶ漬け(岐阜)
好みの味
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勤務二日目、千影は「今日こそ明るい顔で対応したい」と思いながら杉野館に出勤した。
朝食をこしらえていると、背後から陽汰に声をかけられた。
「有村さんっていう呼び方、なんか他人行儀だよね」
早朝なのに元気いっぱい、という感じで配膳台から身を乗り出して作業場を覗き込んでくる。
「そうですか……?」
どこが他人行儀なのだろう。明るい顔で対応すると決心したはずが、陽汰の言っている意味がよく分からず真顔になる。
「会社の同僚を名字で呼ぶことは、普通のことだと思いますが」
そう言いながら、「さん」付けしてもらえることは上等だとも思う千影だった。料理の世界は縦社会だ。弟子入りすれば師匠のいうことは絶対だし、修行期間中は一人前として扱ってもらえない。
千影が勤めていた創作料理の店は比較的おおらかな雰囲気だったが、それでも体育会系的な雰囲気は漂っていた。
特に店が忙しいとき、先輩社員に「有村」と呼び捨てにされることがあったし、「早く料理を運べ」と命令口調で指示されることもあった。そのことに対して、特に不満に感じることはなかった。
他人行儀の意味はよく分からないが、思いを巡らせていると、もしかしたら、と気づいたことがあった。
「ひょっとして、アットホームとかいうやつですか?」
株式会社ワカミヤは、超絶アットホームな会社なのかもしれない。店ごとにカラーがあるように、会社にもさまざまな社風があるのだろう。
「社員同士は名字ではなく名前で呼び合う決まりでもあるんですか?」
もしそうなら、従うしかない。
「そうなんだよ~!」
満面の笑みで陽汰が頷いた。その陽汰の後頭部を、眠そうな顔をした貫井がぺしりと叩く。
「嘘を教えるなよ。そんなおかしなルールはうちの会社にはない」
「叩かないでくださいよ! ちょっとした冗談じゃないですか」
後頭部をさすりながら陽汰が貫井に文句を言う。
なんだ、冗談だったのか。いきなり下の名前で呼ぶのはハードルが高いなと密かに思っていたので良かった。ほっとしていると、身なりを整えた結野が食堂にやって来た。
「俺は、濃いめの味が好きだな」
「え?」
「薄味よりも濃いほうが好き。貫井さんと陽汰もそうじゃない?」
「そうだな」
「うんうん」
結野の問いかけに、ふたりが頷く。
「やさしい味もいいんだけど、ジャンクな感じでも全然OKだから。ていうか、そっちのほうが皆も好きだと思う」
昨日、味の好みはあるかと千影は訊ねた。その答えだった。
「わ、わかりました」
頷きながら、ぎこちなく笑ってみせる。
「昨日は気を使ったつもりだったんだけど。よく考えてみたら、最初にはっきり言ってるほうが作る側としては楽なのかなって思ったんだよね」
「ありがとうございます」
やはり気を使ってくれていたことが分かって恐縮する。視線をあちこちに彷徨わせながら、千影は頭を下げた。
「前はね、板前をやってたひとがまかない係の仕事をしてくれてたんだけど」
結野が若干、言いにくそうに言葉を続ける。
「なんていうか、昔堅気の職人って感じのひとで。良いひとだったんだけど、味が優し過ぎるというか……」
その昔堅気の職人然とした先代のまかない係は、長年勤めた和食店を定年退職した後、杉野館での仕事に就いたのだという。
「関東に住む息子さんと同居する話が持ち上がって、退職することになったんだけどね。まぁ、なんといっても昔堅気だから。職人さんに味がどうのこうの言ったりとかは難しいじゃない? 失礼だと思ったし。おまかせでお願いします、って感じだったんだよ」
「そうだったんですか」
おそらく、繊細で上品な味だったのだろう。杉野館で暮らす社員の多くは二十代だから、少し物足りないと感じたのかもしれない。
「飾り包丁のテクニックは圧巻だったな」
貫井が思い出したようにつぶやく。
「林檎の飾り切りが特に凝ってましたよね。特別感が出るから好きだったなぁ」
結野も、うんうんと同調している。
とりあえず、濃いめの味付けにしよう、と千影は心に決める。
「唐揚げとか、カレーとか、ハンバーグとか、俺はそういうのが食べたいな~! あとはオムライスとかエビフライも好き。ここに住んでるのは基本若手が多いからさ。貫井さんを除いて。若者が好きそうな味付けが良いと思うよ!」
若者というより子供が好みそうなメニューを陽汰が羅列する。同時に、貫井にぎろりと睨まれている。
「お前はお子様ランチでも作ってもらえよ」
それもアリだなと内心思う。陽汰のように食べたいものを言ってくれるのは、献立を考える際のヒントにもなるので助かる。
「具体的なメニューを言っていただけるのは助かります。参考にさせていただきます」
「え、そうなの?」
そう言って貫井がこちらを見る。
「すべてのご要望に沿うことは難しいかもしれませんが」
「じゃあ、もし可能ならビーフシチューが食べたいんだけど。いつでもいいから」
貫井のリクエストは、有り難く献立の参考にさせてもらう。
「ビーフシチューだって十分に子供っぽいメニューで笑えるんですけど」
陽汰が貫井を見ながらにやにやしている。
「いや、ワインとか入ってるから大人の味だろ」
貫井も負けじと応戦する。二人を見ながら、今晩の献立が頭の中で決定する。
「夕食のメニューですが、オムライスのビーフシチューがけにしようと思います」
もちろんサラダも付けよう、季節の野菜を入れたいなと考えていると、陽汰がキラキラした目で千影の顔を見る。
「くるくるってしてるやつ、できる?」
かなり期待に満ち溢れた顔だ。
「くるくる……? もしかして、ドレス・ド・オムライスのことでしょうか」
とろとろの卵がドレープ模様になった華やかなオムライスのことだ。優雅で特別感がある。画像検索して陽汰に見せると、大きく頷いた。
「それだ!」
「できますよ」
千影が答えると、陽汰と貫井はおぉ、と声をあげて喜び顔を見合わせた。陽汰が指摘した通り、実は貫井も子供っぽいメニューが好みなのかもしれない。
出勤しようとする陽汰に、千影は「私は気にしませんので」と声を掛けた。
「呼び方は何でも結構です」
陽汰は一瞬、きょとんとしてから「了解」と言って笑った。それから椅子にかけていた背広を着てくるりとこちらを振り返る。
「じゃ、千影さん行ってきまーす!」
明るく元気な声が、杉野館の食堂に響いた。
朝食をこしらえていると、背後から陽汰に声をかけられた。
「有村さんっていう呼び方、なんか他人行儀だよね」
早朝なのに元気いっぱい、という感じで配膳台から身を乗り出して作業場を覗き込んでくる。
「そうですか……?」
どこが他人行儀なのだろう。明るい顔で対応すると決心したはずが、陽汰の言っている意味がよく分からず真顔になる。
「会社の同僚を名字で呼ぶことは、普通のことだと思いますが」
そう言いながら、「さん」付けしてもらえることは上等だとも思う千影だった。料理の世界は縦社会だ。弟子入りすれば師匠のいうことは絶対だし、修行期間中は一人前として扱ってもらえない。
千影が勤めていた創作料理の店は比較的おおらかな雰囲気だったが、それでも体育会系的な雰囲気は漂っていた。
特に店が忙しいとき、先輩社員に「有村」と呼び捨てにされることがあったし、「早く料理を運べ」と命令口調で指示されることもあった。そのことに対して、特に不満に感じることはなかった。
他人行儀の意味はよく分からないが、思いを巡らせていると、もしかしたら、と気づいたことがあった。
「ひょっとして、アットホームとかいうやつですか?」
株式会社ワカミヤは、超絶アットホームな会社なのかもしれない。店ごとにカラーがあるように、会社にもさまざまな社風があるのだろう。
「社員同士は名字ではなく名前で呼び合う決まりでもあるんですか?」
もしそうなら、従うしかない。
「そうなんだよ~!」
満面の笑みで陽汰が頷いた。その陽汰の後頭部を、眠そうな顔をした貫井がぺしりと叩く。
「嘘を教えるなよ。そんなおかしなルールはうちの会社にはない」
「叩かないでくださいよ! ちょっとした冗談じゃないですか」
後頭部をさすりながら陽汰が貫井に文句を言う。
なんだ、冗談だったのか。いきなり下の名前で呼ぶのはハードルが高いなと密かに思っていたので良かった。ほっとしていると、身なりを整えた結野が食堂にやって来た。
「俺は、濃いめの味が好きだな」
「え?」
「薄味よりも濃いほうが好き。貫井さんと陽汰もそうじゃない?」
「そうだな」
「うんうん」
結野の問いかけに、ふたりが頷く。
「やさしい味もいいんだけど、ジャンクな感じでも全然OKだから。ていうか、そっちのほうが皆も好きだと思う」
昨日、味の好みはあるかと千影は訊ねた。その答えだった。
「わ、わかりました」
頷きながら、ぎこちなく笑ってみせる。
「昨日は気を使ったつもりだったんだけど。よく考えてみたら、最初にはっきり言ってるほうが作る側としては楽なのかなって思ったんだよね」
「ありがとうございます」
やはり気を使ってくれていたことが分かって恐縮する。視線をあちこちに彷徨わせながら、千影は頭を下げた。
「前はね、板前をやってたひとがまかない係の仕事をしてくれてたんだけど」
結野が若干、言いにくそうに言葉を続ける。
「なんていうか、昔堅気の職人って感じのひとで。良いひとだったんだけど、味が優し過ぎるというか……」
その昔堅気の職人然とした先代のまかない係は、長年勤めた和食店を定年退職した後、杉野館での仕事に就いたのだという。
「関東に住む息子さんと同居する話が持ち上がって、退職することになったんだけどね。まぁ、なんといっても昔堅気だから。職人さんに味がどうのこうの言ったりとかは難しいじゃない? 失礼だと思ったし。おまかせでお願いします、って感じだったんだよ」
「そうだったんですか」
おそらく、繊細で上品な味だったのだろう。杉野館で暮らす社員の多くは二十代だから、少し物足りないと感じたのかもしれない。
「飾り包丁のテクニックは圧巻だったな」
貫井が思い出したようにつぶやく。
「林檎の飾り切りが特に凝ってましたよね。特別感が出るから好きだったなぁ」
結野も、うんうんと同調している。
とりあえず、濃いめの味付けにしよう、と千影は心に決める。
「唐揚げとか、カレーとか、ハンバーグとか、俺はそういうのが食べたいな~! あとはオムライスとかエビフライも好き。ここに住んでるのは基本若手が多いからさ。貫井さんを除いて。若者が好きそうな味付けが良いと思うよ!」
若者というより子供が好みそうなメニューを陽汰が羅列する。同時に、貫井にぎろりと睨まれている。
「お前はお子様ランチでも作ってもらえよ」
それもアリだなと内心思う。陽汰のように食べたいものを言ってくれるのは、献立を考える際のヒントにもなるので助かる。
「具体的なメニューを言っていただけるのは助かります。参考にさせていただきます」
「え、そうなの?」
そう言って貫井がこちらを見る。
「すべてのご要望に沿うことは難しいかもしれませんが」
「じゃあ、もし可能ならビーフシチューが食べたいんだけど。いつでもいいから」
貫井のリクエストは、有り難く献立の参考にさせてもらう。
「ビーフシチューだって十分に子供っぽいメニューで笑えるんですけど」
陽汰が貫井を見ながらにやにやしている。
「いや、ワインとか入ってるから大人の味だろ」
貫井も負けじと応戦する。二人を見ながら、今晩の献立が頭の中で決定する。
「夕食のメニューですが、オムライスのビーフシチューがけにしようと思います」
もちろんサラダも付けよう、季節の野菜を入れたいなと考えていると、陽汰がキラキラした目で千影の顔を見る。
「くるくるってしてるやつ、できる?」
かなり期待に満ち溢れた顔だ。
「くるくる……? もしかして、ドレス・ド・オムライスのことでしょうか」
とろとろの卵がドレープ模様になった華やかなオムライスのことだ。優雅で特別感がある。画像検索して陽汰に見せると、大きく頷いた。
「それだ!」
「できますよ」
千影が答えると、陽汰と貫井はおぉ、と声をあげて喜び顔を見合わせた。陽汰が指摘した通り、実は貫井も子供っぽいメニューが好みなのかもしれない。
出勤しようとする陽汰に、千影は「私は気にしませんので」と声を掛けた。
「呼び方は何でも結構です」
陽汰は一瞬、きょとんとしてから「了解」と言って笑った。それから椅子にかけていた背広を着てくるりとこちらを振り返る。
「じゃ、千影さん行ってきまーす!」
明るく元気な声が、杉野館の食堂に響いた。
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