81 / 189
第4章
人の噂も七十五日⑭ ~ゼロ距離告白~
しおりを挟む
すみれを言葉責めして楽しんでいた一は部屋の時計が視線に入ったところで、本題を思い出したように言った。
「そうだ、本来の目的を忘れていたよ。早いとこすーみんの話を聞かないとあっという間に守衛さんが来る時間になっちゃうから、いつまでもそんな床で悶えてないでその椅子に座わってくれ」
「うぅ、ひどいよ一君。散々私をからかって楽しんでいたくせに、急に1人だけ真面目になって」
「ごめん、ごめん。あんまりすーみんが可愛くて、ついからかいたくなってさ。ほらちゃんと話を聞くから落ち着いて話してごらん」
一は半泣き状態で床に座るすみれに手を貸し、普段巴が使っている一のデスクの隣にある椅子にすみれを引き上げて座らせた。
「ありがとう。ふー」
「それで、どうしたの。俺に話したい事って何かな」
ようやく2人は椅子に座り体を互いが向き合うように椅子を回し、一がすみれをしっかり見つめながら話すように促した。
「うん、その何か特別相談することがあるわけじゃないんだけど、この一週間で色々とあって、それを一君にも聞いて欲しくて。それだけなの」
「そうだったのか。話がしたけりゃいつでも電話してきたって良かったんだぞ」
一が優しくすみれに返事をするとすみれが恥ずかしそうに言った。
「ありがとう。でも電話だとずっとだらだらと余計なことまで話してしまいそうで忙しい一君の迷惑になっちゃう気がして、だから直接話した方が良いと思って」
面倒な女と思われたくないがために、すみれが自分への接触を控えていた事を知った一は申し訳なさそうに返事をした。
「そうだったのか、そんな気を遣ってくれていたのか。ゴメンな、気付かなくてさ。俺は結構さっぱりした人間だから用事とかがないと余り頻繁に連絡とか取らないから、俺が勝手にすみれがこまめに連絡とかしてくれると思っていたのかもしれない。だけど付き合い始めてから思った以上にすみれからの連絡が少ないからちょっと寂しかったというか、もっと毎日のように連絡して遅くまでイチャイチャトークでもするモノかと思っていたから、付き合い始めはそんなに浮かれてはいけないモノだと思って俺も普段と変わらず過ごしていんだけど・・・」
一は反省するようにそして少し照れ隠しをするようにこれまで感じていた正直な想いを語った。
それは仕方のないことだった。一は今まで彼女がいた事もなく恋人となったすみれとどう付き合って行けば良いのか当然悩んでいた。というのも、一とすみれは夏休み前まではただのクラスメイトであり、挨拶程度を交わす薄い間柄だったため、そもそも友人としての関係期間すらなく恋人となった経緯から、いくらコミュニケーションモンスターの一であってもその距離感を詰めるのは簡単ではなかった。ましてや現状で変な噂が出回っており、二郎にすら付き合い始めた報告も出来ていない状況で、すみれとのやり取りを難しくさせていたのであった。
「そんな風に考えていたの。私は余りベタベタすると嫌われちゃうと思っていたから、毎日電話もしたいけどそれも我慢していたんだよ。それに本当は一緒に下校したり放課後にデートしたり一杯一君とやりたいことがあるのに、色々一君に関する話を聞かされて怖くなっちゃってどうして良いか分からなくなっちゃって・・・・・」
初めてかもしれない一の本音を聞いたすみれは今までため込んでいた想いを決壊させるように大粒の涙を流しながら今抱える正直な気持ちを打ち明けた。
すると一は向き合っていたすみれの手を握りすみれが俯いていた顔を上げた瞬間、そっと、それでいて力強くすみれの手を引いた。
すみれは手を握られた後、何が起きたのか分からなくなり、自分の体が前のめりにふわっと浮くのを感じた次の瞬間、体をぎゅっと抱きしめられていることに気がついた。
「!!!」
「本当に色々ゴメンな。俺は自分が持っていた以上に、周りのことが見えていないみたいなんだ。だから、もう我慢なんてしないで思った事、感じた事、考えている事を何でも俺に話してくれないか。そうじゃないとすみれの事をもっと知りたい、好きになりたいと思っても、俺もどうして良いか分からないんだよ。だから俺も考えすぎずにもっと色々と話すから、これから2人でちゃんと恋人になっていこう。・・・・・それじゃ駄目かな」
一はすみれを抱きしめながら、勢いだけでなんとなく始まったこのふわふわとした恋人関係を今度こそちゃんと始めようとすみれに提案した。
すみれは一の告白のような言葉を聞き、なかなか声が出せず何度もうんうんと顔を立てに振りながら、ようやく小さな声を絞り出すように言った。
「うん、私もそうなりたい。・・・ちゃんと一君の恋人になりたいよ」
すみれはそうつぶやきながら一に抱きしめられていた体を浮かし、一を見つめると今度こそ妄想ではなく、確実に正しい行動だと確信を持って両目をつむり口元を上に向けてしかるべき時を待った。
「・・・・・・・・・・・」
すみれのその言葉を聞きホッと一安心した一は、すみれの体を丁寧な手つきで掴むと、ゆっくりとすみれの体を元にいた席に戻し、先程まで両者が向き合っていたような話が出来る体制を整えた。
「・・・・・・・・・???????」
「よし、そうと決まればすーみんの話を今度こそちゃんと聞かせてくれ」
「???????ん?」
万全な体勢で一からの熱い口づけを待ち受けていたすみれは、いつまで経ってもその期待していた事象が生じないことに疑問を持っていると一から理解できない声がかかり耐えきれず両目を開くと、何事もなかったかのように一人落ち着いた様子の一を見た。
「ほら、変なことしてないで早く話して」
一は素っ頓狂な表情で固まるすみれに努めて冷静な口調で話を促した。
「いや、ほらじゃないでしょ!今のは私悪くないからね」
「何の話をしているのさ。誰が悪いとかそんな事言ってないけど」
「そうじゃなくて、今の流れだったら普通、キスして2人でラブラブモードに突入する所じゃない。違うの?これも私の妄想だって言うの!これがダメなら私はもう良い恋人なんかになれなわよ、もうお願いだから私を殺して!」
わーわーと叫び散らすすみれにさすがに悪いことをしたと思った一が宥めるようにに言った。
「落ち着いてくれ、すーみん。確かに今のは俺が悪かったよ。すーみんの妄想なんかじゃないから安心してくれ。だけど、今おっぱじめたら、もう時間とかもやばいし、俺もさすがに色々と我慢できなくなっちゃうからここは我慢して、本来の目的を果たそうと思ったんだよ。だから、落ち着いて話をしようよ」
「・・・どういうこと。私がまた1人で暴走していたわけじゃないの?一君も私とイチャイチャしたと思ったってこと」
「もちろんそうに決まっているよ。すーみんみたいに可愛い彼女がいて、何も感じない男がこの世にいるわけがないだろ。だけど、一応ここは生徒会室だし、俺としても立場があるからここで情事を見られるわけにはいかんのさ。それは分かってくれるか」
一がすみれを落ち着かせようと本音を語りつつ、冷静に現在自分たちが置かれている状況を説明した。
「うん、そうだね。ゴメンね、私また1人で騒いで一君を振りますようなことして。本当に面倒くさい女だよね。本当にごめんなさい。私恋愛の事となると全然冷静になれなくて、他の事も何も考えられなくなっちゃって。だからごめんなさい」
「いいんだよ、周りのこととか何もかも分からなくなっちまうのが恋愛なんだろうさ。そう言う俺だってここが生徒会室じゃなかったらすーみんがどうこう言う前に我慢できずに手を出しているとこだよ。俺だってそんな余裕もないし、冷静でもないから安心してくれ、な」
一の言葉を聞きようやく落ち着きを取り戻したすみれが言った。
「本当に一君も私と同じようなこと考えていたの」
「ホント、ホント」
「本当に」
「本当だよ、何ならすーみんが思っている以上のあんなことやこんなことを今頃しているところだよ。そう言う意味じゃ男子高校生を舐めちゃダメだぜ」
「・・・うん」
耳元で囁かれた一の言葉に耳を真っ赤にしたすみれは大人しく頷き、ようやく話が収まった頃にはすでに部屋の時計の短針は7の数字を正確に指す時間になっていた。
「それじゃ、時間だしそろそろ出ようか。もうすぐ守衛さんも回ってくる時間だし先生にも悪いから早いところ退散しよう」
「そうだね。・・・あれ、私達何しにここに来たんだっけ」
「あー、すーみんの話を聞くの完全に忘れてたわ」
「ははは、そうだね。でも色々話せて私良かったわ」
「そうか、たいしたことは何もしてないけど、少し元気が出たみたいだから良かったよ。どうせなら駅までの道で良かったら少し話を聞こうか」
「本当に!ありがとうね。でも、もしかしたら一君にはショッキングな話になるかもしれないけど大丈夫?あたしも初めて聞いたときは思わず叫んじゃったくらいだから、きっと一君も驚くか、もしかしたら、笑っちゃうような話だけど」
「なんだそりゃ、なんか随分面白そうな話みたいだね。でも、最近すーみんのおかげで色々と驚くことには慣れているから大丈夫だよ」
「本当かな、そうなら良いけど。ふふふ」
そんなたわいもない会話をしながら、すみれは以前よりも一の事をずっと近くに感じられるような気がするのであった。
「そうだ、本来の目的を忘れていたよ。早いとこすーみんの話を聞かないとあっという間に守衛さんが来る時間になっちゃうから、いつまでもそんな床で悶えてないでその椅子に座わってくれ」
「うぅ、ひどいよ一君。散々私をからかって楽しんでいたくせに、急に1人だけ真面目になって」
「ごめん、ごめん。あんまりすーみんが可愛くて、ついからかいたくなってさ。ほらちゃんと話を聞くから落ち着いて話してごらん」
一は半泣き状態で床に座るすみれに手を貸し、普段巴が使っている一のデスクの隣にある椅子にすみれを引き上げて座らせた。
「ありがとう。ふー」
「それで、どうしたの。俺に話したい事って何かな」
ようやく2人は椅子に座り体を互いが向き合うように椅子を回し、一がすみれをしっかり見つめながら話すように促した。
「うん、その何か特別相談することがあるわけじゃないんだけど、この一週間で色々とあって、それを一君にも聞いて欲しくて。それだけなの」
「そうだったのか。話がしたけりゃいつでも電話してきたって良かったんだぞ」
一が優しくすみれに返事をするとすみれが恥ずかしそうに言った。
「ありがとう。でも電話だとずっとだらだらと余計なことまで話してしまいそうで忙しい一君の迷惑になっちゃう気がして、だから直接話した方が良いと思って」
面倒な女と思われたくないがために、すみれが自分への接触を控えていた事を知った一は申し訳なさそうに返事をした。
「そうだったのか、そんな気を遣ってくれていたのか。ゴメンな、気付かなくてさ。俺は結構さっぱりした人間だから用事とかがないと余り頻繁に連絡とか取らないから、俺が勝手にすみれがこまめに連絡とかしてくれると思っていたのかもしれない。だけど付き合い始めてから思った以上にすみれからの連絡が少ないからちょっと寂しかったというか、もっと毎日のように連絡して遅くまでイチャイチャトークでもするモノかと思っていたから、付き合い始めはそんなに浮かれてはいけないモノだと思って俺も普段と変わらず過ごしていんだけど・・・」
一は反省するようにそして少し照れ隠しをするようにこれまで感じていた正直な想いを語った。
それは仕方のないことだった。一は今まで彼女がいた事もなく恋人となったすみれとどう付き合って行けば良いのか当然悩んでいた。というのも、一とすみれは夏休み前まではただのクラスメイトであり、挨拶程度を交わす薄い間柄だったため、そもそも友人としての関係期間すらなく恋人となった経緯から、いくらコミュニケーションモンスターの一であってもその距離感を詰めるのは簡単ではなかった。ましてや現状で変な噂が出回っており、二郎にすら付き合い始めた報告も出来ていない状況で、すみれとのやり取りを難しくさせていたのであった。
「そんな風に考えていたの。私は余りベタベタすると嫌われちゃうと思っていたから、毎日電話もしたいけどそれも我慢していたんだよ。それに本当は一緒に下校したり放課後にデートしたり一杯一君とやりたいことがあるのに、色々一君に関する話を聞かされて怖くなっちゃってどうして良いか分からなくなっちゃって・・・・・」
初めてかもしれない一の本音を聞いたすみれは今までため込んでいた想いを決壊させるように大粒の涙を流しながら今抱える正直な気持ちを打ち明けた。
すると一は向き合っていたすみれの手を握りすみれが俯いていた顔を上げた瞬間、そっと、それでいて力強くすみれの手を引いた。
すみれは手を握られた後、何が起きたのか分からなくなり、自分の体が前のめりにふわっと浮くのを感じた次の瞬間、体をぎゅっと抱きしめられていることに気がついた。
「!!!」
「本当に色々ゴメンな。俺は自分が持っていた以上に、周りのことが見えていないみたいなんだ。だから、もう我慢なんてしないで思った事、感じた事、考えている事を何でも俺に話してくれないか。そうじゃないとすみれの事をもっと知りたい、好きになりたいと思っても、俺もどうして良いか分からないんだよ。だから俺も考えすぎずにもっと色々と話すから、これから2人でちゃんと恋人になっていこう。・・・・・それじゃ駄目かな」
一はすみれを抱きしめながら、勢いだけでなんとなく始まったこのふわふわとした恋人関係を今度こそちゃんと始めようとすみれに提案した。
すみれは一の告白のような言葉を聞き、なかなか声が出せず何度もうんうんと顔を立てに振りながら、ようやく小さな声を絞り出すように言った。
「うん、私もそうなりたい。・・・ちゃんと一君の恋人になりたいよ」
すみれはそうつぶやきながら一に抱きしめられていた体を浮かし、一を見つめると今度こそ妄想ではなく、確実に正しい行動だと確信を持って両目をつむり口元を上に向けてしかるべき時を待った。
「・・・・・・・・・・・」
すみれのその言葉を聞きホッと一安心した一は、すみれの体を丁寧な手つきで掴むと、ゆっくりとすみれの体を元にいた席に戻し、先程まで両者が向き合っていたような話が出来る体制を整えた。
「・・・・・・・・・???????」
「よし、そうと決まればすーみんの話を今度こそちゃんと聞かせてくれ」
「???????ん?」
万全な体勢で一からの熱い口づけを待ち受けていたすみれは、いつまで経ってもその期待していた事象が生じないことに疑問を持っていると一から理解できない声がかかり耐えきれず両目を開くと、何事もなかったかのように一人落ち着いた様子の一を見た。
「ほら、変なことしてないで早く話して」
一は素っ頓狂な表情で固まるすみれに努めて冷静な口調で話を促した。
「いや、ほらじゃないでしょ!今のは私悪くないからね」
「何の話をしているのさ。誰が悪いとかそんな事言ってないけど」
「そうじゃなくて、今の流れだったら普通、キスして2人でラブラブモードに突入する所じゃない。違うの?これも私の妄想だって言うの!これがダメなら私はもう良い恋人なんかになれなわよ、もうお願いだから私を殺して!」
わーわーと叫び散らすすみれにさすがに悪いことをしたと思った一が宥めるようにに言った。
「落ち着いてくれ、すーみん。確かに今のは俺が悪かったよ。すーみんの妄想なんかじゃないから安心してくれ。だけど、今おっぱじめたら、もう時間とかもやばいし、俺もさすがに色々と我慢できなくなっちゃうからここは我慢して、本来の目的を果たそうと思ったんだよ。だから、落ち着いて話をしようよ」
「・・・どういうこと。私がまた1人で暴走していたわけじゃないの?一君も私とイチャイチャしたと思ったってこと」
「もちろんそうに決まっているよ。すーみんみたいに可愛い彼女がいて、何も感じない男がこの世にいるわけがないだろ。だけど、一応ここは生徒会室だし、俺としても立場があるからここで情事を見られるわけにはいかんのさ。それは分かってくれるか」
一がすみれを落ち着かせようと本音を語りつつ、冷静に現在自分たちが置かれている状況を説明した。
「うん、そうだね。ゴメンね、私また1人で騒いで一君を振りますようなことして。本当に面倒くさい女だよね。本当にごめんなさい。私恋愛の事となると全然冷静になれなくて、他の事も何も考えられなくなっちゃって。だからごめんなさい」
「いいんだよ、周りのこととか何もかも分からなくなっちまうのが恋愛なんだろうさ。そう言う俺だってここが生徒会室じゃなかったらすーみんがどうこう言う前に我慢できずに手を出しているとこだよ。俺だってそんな余裕もないし、冷静でもないから安心してくれ、な」
一の言葉を聞きようやく落ち着きを取り戻したすみれが言った。
「本当に一君も私と同じようなこと考えていたの」
「ホント、ホント」
「本当に」
「本当だよ、何ならすーみんが思っている以上のあんなことやこんなことを今頃しているところだよ。そう言う意味じゃ男子高校生を舐めちゃダメだぜ」
「・・・うん」
耳元で囁かれた一の言葉に耳を真っ赤にしたすみれは大人しく頷き、ようやく話が収まった頃にはすでに部屋の時計の短針は7の数字を正確に指す時間になっていた。
「それじゃ、時間だしそろそろ出ようか。もうすぐ守衛さんも回ってくる時間だし先生にも悪いから早いところ退散しよう」
「そうだね。・・・あれ、私達何しにここに来たんだっけ」
「あー、すーみんの話を聞くの完全に忘れてたわ」
「ははは、そうだね。でも色々話せて私良かったわ」
「そうか、たいしたことは何もしてないけど、少し元気が出たみたいだから良かったよ。どうせなら駅までの道で良かったら少し話を聞こうか」
「本当に!ありがとうね。でも、もしかしたら一君にはショッキングな話になるかもしれないけど大丈夫?あたしも初めて聞いたときは思わず叫んじゃったくらいだから、きっと一君も驚くか、もしかしたら、笑っちゃうような話だけど」
「なんだそりゃ、なんか随分面白そうな話みたいだね。でも、最近すーみんのおかげで色々と驚くことには慣れているから大丈夫だよ」
「本当かな、そうなら良いけど。ふふふ」
そんなたわいもない会話をしながら、すみれは以前よりも一の事をずっと近くに感じられるような気がするのであった。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
「わたしの異世界転生先はここ?」と記憶喪失になったクラスの美少女がいってるんだが、いったいどうした!?
中靍 水雲
青春
「わたしを召喚したのはあなた?」って…雛祭さん!!どういうことだよ!?
「雛祭ちかな(ひなまつりちかな)」は、おれのクラスのまじめ女子。
対して、おれ「鯉幟大知(こいのぼりだいち)」はクラスのモブ。ラノベ好きなオタクだ。
おれと雛祭さんは、同じクラスでもからむことのない、別世界の住人だった。
あの日までは———。
それは、校舎裏で、掃除をしていた時だった。
雛祭さんが、突然現れ何かをいおうとした瞬間、足を滑らせ、転んでしまったのだ。
幸い無傷だったようだが、ようすがおかしい。
「雛祭さん、大丈夫?」
「———わたしの転生先、ここですか?」
雛祭さんのそばに、おれが昨日読んでいた異世界転生ラノベが落ちている。
これはいったいどういうことだ?
病院の検査の結果、雛祭さんは「一過性全健忘」ということらしい。
だがこれは、直前まで読んでいた本の影響がもろに出ているのか?
医者によると症状は、最低でも二十四時間以内に治るとのことなので、一安心。
と、思ったら。
数日経ってもちっとも治らないじゃない上に、自分を「異世界から転生きた人間」だと信じて疑わない。
どんどんおれに絡んでくるようになってきてるし。
いつになったら異世界転生記憶喪失は治るんだよ!?
表紙 ノーコピーライトガールさま
機械娘の機ぐるみを着せないで!
ジャン・幸田
青春
二十世紀末のOVA(オリジナルビデオアニメ)作品の「ガーディアンガールズ」に憧れていたアラフィフ親父はとんでもない事をしでかした! その作品に登場するパワードスーツを本当に開発してしまった!
そのスーツを娘ばかりでなく友人にも着せ始めた! そのとき、トラブルの幕が上がるのであった。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
俺にはロシア人ハーフの許嫁がいるらしい。
夜兎ましろ
青春
高校入学から約半年が経ったある日。
俺たちのクラスに転入生がやってきたのだが、その転入生は俺――雪村翔(ゆきむら しょう)が幼い頃に結婚を誓い合ったロシア人ハーフの美少女だった……!?
切り抜き師の俺、同じクラスに推しのVtuberがいる
星宮 嶺
青春
冴木陽斗はVtuberの星野ソラを推している。
陽斗は星野ソラを広めるために切り抜き師になり応援をしていくがその本人は同じクラスにいた。
まさか同じクラスにいるとは思いもせず星野ソラへの思いを語る陽斗。
陽斗が話をしているのを聞いてしまい、クラスメイトが切り抜きをしてくれていると知り、嬉しさと恥ずかしさの狭間でバレないように活動する大森美優紀(星野ソラ)の物語
可愛すぎるクラスメイトがやたら俺の部屋を訪れる件 ~事故から助けたボクっ娘が存在感空気な俺に熱い視線を送ってきている~
蒼田
青春
人よりも十倍以上存在感が薄い高校一年生、宇治原簾 (うじはられん)は、ある日買い物へ行く。
目的のプリンを買った夜の帰り道、簾はクラスメイトの人気者、重原愛莉 (えはらあいり)を見つける。
しかしいつも教室でみる活発な表情はなくどんよりとしていた。只事ではないと目線で追っていると彼女が信号に差し掛かり、トラックに引かれそうな所を簾が助ける。
事故から助けることで始まる活発少女との関係。
愛莉が簾の家にあがり看病したり、勉強したり、時には二人でデートに行ったりと。
愛莉は簾の事が好きで、廉も愛莉のことを気にし始める。
故障で陸上が出来なくなった愛莉は目標新たにし、簾はそんな彼女を補佐し自分の目標を見つけるお話。
*本作はフィクションです。実在する人物・団体・組織名等とは関係ございません。
ネットで出会った最強ゲーマーは人見知りなコミュ障で俺だけに懐いてくる美少女でした
黒足袋
青春
インターネット上で†吸血鬼†を自称する最強ゲーマー・ヴァンピィ。
日向太陽はそんなヴァンピィとネット越しに交流する日々を楽しみながら、いつかリアルで会ってみたいと思っていた。
ある日彼はヴァンピィの正体が引きこもり不登校のクラスメイトの少女・月詠夜宵だと知ることになる。
人気コンシューマーゲームである魔法人形(マドール)の実力者として君臨し、ネットの世界で称賛されていた夜宵だが、リアルでは友達もおらず初対面の相手とまともに喋れない人見知りのコミュ障だった。
そんな夜宵はネット上で仲の良かった太陽にだけは心を開き、外の世界へ一緒に出かけようという彼の誘いを受け、不器用ながら交流を始めていく。
太陽も世間知らずで危なっかしい夜宵を守りながら二人の距離は徐々に近づいていく。
青春インターネットラブコメ! ここに開幕!
※表紙イラストは佐倉ツバメ様(@sakura_tsubame)に描いていただきました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる