28 / 189
第3章
夏休み その1 ペンギンランド⑦ ~遊園地の最後にはお土産を忘れずに~
しおりを挟む
二郎達が昼ご飯を調達し、テーブルに戻ってから10分程ですみれたちが合流した。
「お帰り4人とも、先に頂いているよ。皆の分も適当に買ってきたけど大丈夫か」
「おう、サンキュー。ちょうど腹減っていたからありがたいわ」
「用意してくれてありがとうね」
「気にしないで大丈夫だよ。私ら何もしてないしさ。そういえば、どうだった。お化け屋敷は怖かった?」
「まぁ子供騙しだけど、女子には少し怖かったかもね。エリカは大丈夫だったか」
「私、苦手だから拓実が一緒じゃなければ入れなかったよ」
「私も駄目だ。剛君がいたからなんとか最後までいけたよ」
四人は絶叫組とは別のアトラクションをそれなりに満喫できたようだった。
皆が感想を話している中で、一がすみれにこっそり話しかけた。
「すーみん、良かったな。つよぽんと二人で回れて」
「うん、ありがとうね」
食事と休憩を終えると午後1時になるところだった。そこで剛が皆に向かって午後の計画を話した。
「午後の流れだけど、奥の広場でアシカショーが見られるんだ。時間は3時からだからみんなで行こうよ。それとゴーカートも近くで乗れるみたいなんだ。アシカショーが始まるまで時間つぶしに乗りに行くのはどうかな」
「いいね、私も気になっていたから、賛成!」
「いんじゃねーか。さすがサッカー部のモテ男。ちゃんとしたプラン考えているじゃんか」
「剛、さすが本気だね」
皆が剛を持ち上げるように賛成して、午後は剛のプランで回ることになった。
この頃になると午前中に見られた遠慮やぎこちなさが薄れて、皆がそれなりに打ち解けて良い雰囲気になっていた。
剛のプランは予定通り進み、皆が満足と言った表情でアシカショーの会場を後にしていた。
「いやー、アシカの赤ちゃん可愛かったね」
「初めてこういうショーを見たけど、色々できてびっくりしちゃったよ。最後のアクロバティックは本当に凄かったわ」
「私なんて写真一杯撮っちゃったよ」
「本当に、見せて、見せて」
女子達がキャッキャと感想を言い合っていたその後ろで男子トークが静かに展開されていた。
「剛、ナイスチョイスだったな」
「つよぽん、グッジョブだよ。女子達が楽しそうにしているのが、一番平和だからね」
「一が言うと重みがあるわ」
「どういうことだ、二郎」
「こいつ姉貴と妹にいつも振り回されていて女の恐ろしさを実感しているから、女がご機嫌を損ねることを一番恐れているんだよ」
「そうか、それはいつもご苦労様。まぁでも皆喜んでくれて、俺も良かったよ」
剛が一のいつもの苦労を想像しながら、皆からの労いを素直に受け取った。
「剛、この後は何か考えているか。時間はちょうど4時になるところだけど」
「うん、5時頃にはここを出て、どこに移動して夜ごはんでも食べに行けたらと思っているんだけど、どうかな。皆がそれで良ければあと一時間位は自由行動できるよ。おかわりでまたジェットコースターに乗りたいなら行けば良いし、お土産とか買ったり、少しゆっくりするのも良いと思うからさ」
「確かにあまり閉園ギリギリまで居ると帰りの電車も混むし、俺も剛の案に賛成だ」
「俺もそれでいいと思うよ」
「俺もかまわないぞ」
拓実が剛のプランに賛成すると一と二郎も同意を示した。
「それじゃ女子達にも話してみるよ」
剛が女子達に話をして剛プランが採用されることとなった。
まず初めに動いたのは三佳だった。
「二郎君、あのジェットコースター乗りに行こうよ。また乗りたいって朝言ってたよね」
「おう、そうだな。俺はお土産とか買う予定ないし、行くか。忍もどうだ」
「あぁまぁ私も行くよ」
忍は一瞬三佳の顔を見たが、特に深い意味で二郎を誘ったわけではなさそうだったため、気にせず2人に同行することにした。
「私はお土産を見たいから、店に行くよ。拓実も付き合ってよ」
「了解、俺は買い物組だな」
「私も絶叫系は無理だから買い物行くね」
「剛もお土産見たいって言っていただろう、行こうぜ」
「おお、そうだな」
「俺もお土産買って来るように姉貴と妹に頼まれているからこっち行くわ」
エリカ、拓実、すみれ、剛が買い物に行くと決めた後で、一もお土産組に加わることになった。
こうして絶叫組の三佳、二郎、忍とお土産、休憩組のエリカ、拓実、すみれ、剛、一の二手に分かれた。
「お帰り4人とも、先に頂いているよ。皆の分も適当に買ってきたけど大丈夫か」
「おう、サンキュー。ちょうど腹減っていたからありがたいわ」
「用意してくれてありがとうね」
「気にしないで大丈夫だよ。私ら何もしてないしさ。そういえば、どうだった。お化け屋敷は怖かった?」
「まぁ子供騙しだけど、女子には少し怖かったかもね。エリカは大丈夫だったか」
「私、苦手だから拓実が一緒じゃなければ入れなかったよ」
「私も駄目だ。剛君がいたからなんとか最後までいけたよ」
四人は絶叫組とは別のアトラクションをそれなりに満喫できたようだった。
皆が感想を話している中で、一がすみれにこっそり話しかけた。
「すーみん、良かったな。つよぽんと二人で回れて」
「うん、ありがとうね」
食事と休憩を終えると午後1時になるところだった。そこで剛が皆に向かって午後の計画を話した。
「午後の流れだけど、奥の広場でアシカショーが見られるんだ。時間は3時からだからみんなで行こうよ。それとゴーカートも近くで乗れるみたいなんだ。アシカショーが始まるまで時間つぶしに乗りに行くのはどうかな」
「いいね、私も気になっていたから、賛成!」
「いんじゃねーか。さすがサッカー部のモテ男。ちゃんとしたプラン考えているじゃんか」
「剛、さすが本気だね」
皆が剛を持ち上げるように賛成して、午後は剛のプランで回ることになった。
この頃になると午前中に見られた遠慮やぎこちなさが薄れて、皆がそれなりに打ち解けて良い雰囲気になっていた。
剛のプランは予定通り進み、皆が満足と言った表情でアシカショーの会場を後にしていた。
「いやー、アシカの赤ちゃん可愛かったね」
「初めてこういうショーを見たけど、色々できてびっくりしちゃったよ。最後のアクロバティックは本当に凄かったわ」
「私なんて写真一杯撮っちゃったよ」
「本当に、見せて、見せて」
女子達がキャッキャと感想を言い合っていたその後ろで男子トークが静かに展開されていた。
「剛、ナイスチョイスだったな」
「つよぽん、グッジョブだよ。女子達が楽しそうにしているのが、一番平和だからね」
「一が言うと重みがあるわ」
「どういうことだ、二郎」
「こいつ姉貴と妹にいつも振り回されていて女の恐ろしさを実感しているから、女がご機嫌を損ねることを一番恐れているんだよ」
「そうか、それはいつもご苦労様。まぁでも皆喜んでくれて、俺も良かったよ」
剛が一のいつもの苦労を想像しながら、皆からの労いを素直に受け取った。
「剛、この後は何か考えているか。時間はちょうど4時になるところだけど」
「うん、5時頃にはここを出て、どこに移動して夜ごはんでも食べに行けたらと思っているんだけど、どうかな。皆がそれで良ければあと一時間位は自由行動できるよ。おかわりでまたジェットコースターに乗りたいなら行けば良いし、お土産とか買ったり、少しゆっくりするのも良いと思うからさ」
「確かにあまり閉園ギリギリまで居ると帰りの電車も混むし、俺も剛の案に賛成だ」
「俺もそれでいいと思うよ」
「俺もかまわないぞ」
拓実が剛のプランに賛成すると一と二郎も同意を示した。
「それじゃ女子達にも話してみるよ」
剛が女子達に話をして剛プランが採用されることとなった。
まず初めに動いたのは三佳だった。
「二郎君、あのジェットコースター乗りに行こうよ。また乗りたいって朝言ってたよね」
「おう、そうだな。俺はお土産とか買う予定ないし、行くか。忍もどうだ」
「あぁまぁ私も行くよ」
忍は一瞬三佳の顔を見たが、特に深い意味で二郎を誘ったわけではなさそうだったため、気にせず2人に同行することにした。
「私はお土産を見たいから、店に行くよ。拓実も付き合ってよ」
「了解、俺は買い物組だな」
「私も絶叫系は無理だから買い物行くね」
「剛もお土産見たいって言っていただろう、行こうぜ」
「おお、そうだな」
「俺もお土産買って来るように姉貴と妹に頼まれているからこっち行くわ」
エリカ、拓実、すみれ、剛が買い物に行くと決めた後で、一もお土産組に加わることになった。
こうして絶叫組の三佳、二郎、忍とお土産、休憩組のエリカ、拓実、すみれ、剛、一の二手に分かれた。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
校長先生の話が長い、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。
学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。
とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。
寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ?
なぜ女子だけが前列に集められるのか?
そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。
新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。
あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
就職面接の感ドコロ!?
フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。
学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。
その業務ストレスのせいだろうか。
ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。
田中天狼のシリアスな日常
朽縄咲良
青春
とある県の平凡な県立高校「東総倉高等学校」に通う、名前以外は平凡な少年が、個性的な人間たちに翻弄され、振り回され続ける学園コメディ!
彼は、ごくごく平凡な男子高校生である。…名前を除けば。
田中天狼と書いてタナカシリウス、それが彼の名前。
この奇妙な名前のせいで、今までの人生に余計な気苦労が耐えなかった彼は、せめて、高校生になったら、平凡で平和な日常を送りたいとするのだが、高校入学後の初動に失敗。
ぼっちとなってしまった彼に話しかけてきたのは、春夏秋冬水と名乗る、一人の少女だった。
そして彼らは、二年生の矢的杏途龍、そして撫子という変人……もとい、独特な先輩達に、珍しい名を持つ者たちが集まる「奇名部」という部活への起ち上げを誘われるのだった……。
・表紙画像は、紅蓮のたまり醤油様から頂きました!
・小説家になろうにて投稿したものと同じです。
家政婦さんは同級生のメイド女子高生
coche
青春
祖母から習った家事で主婦力抜群の女子高生、彩香(さいか)。高校入学と同時に小説家の家で家政婦のアルバイトを始めた。実はその家は・・・彩香たちの成長を描く青春ラブコメです。
庭木を切った隣人が刑事訴訟を恐れて小学生の娘を謝罪に来させたアホな実話
フルーツパフェ
大衆娯楽
祝!! 慰謝料30万円獲得記念の知人の体験談!
隣人宅の植木を許可なく切ることは紛れもない犯罪です。
30万円以下の罰金・過料、もしくは3年以下の懲役に処される可能性があります。
そうとは知らずに短気を起こして家の庭木を切った隣人(40代職業不詳・男)。
刑事訴訟になることを恐れた彼が取った行動は、まだ小学生の娘達を謝りに行かせることだった!?
子供ならば許してくれるとでも思ったのか。
「ごめんなさい、お尻ぺんぺんで許してくれますか?」
大人達の事情も知らず、健気に罪滅ぼしをしようとする少女を、あなたは許せるだろうか。
余りに情けない親子の末路を描く実話。
※一部、演出を含んでいます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる