自殺志望の私と、ヒーロー志望の彼

第一話 自殺志望

　今日もまた学校へ行く。また辛い1日が始まると思うと辛くてたまらない。私「瀬海　弥生」は辛くて泣きそうになりながらも、親を心配させないために学校へ向かう。
　学校に着くと、早速それは起きていた。
　なんとなく予感はしていたけれど、実際やられるとやっぱり憂鬱になる。下駄箱の扉を開けると、そこには私のシューズは無かった。まあ、前にもこういう事はあったからこういう時どこに行けばいいかはわかっている。
　ほら、あった。トイレの用具入れに置いてあるバケツの中。そこには前回同様たっぷりと水が入れられていた。
　もうお気づきだろうが、私はイジメを受けている。よくマンガやドラマで見るような、典型的なイジメを。
　ビチョビチョに濡れたシューズを履いて教室に入ると、そこにはスクールカーストぶっちぎりのアイツらがいた。「手井　天鞠(てい　てまり)」、「瀬亜　衣恵里(せあ　いえり)」、「矢居　星禾(やい　せいか)」。この3人がいつも私をいじめてくる。
手鞠:「あれ～？弥生ちゃんなんでそんなにシューズ濡れてるの～？」
手鞠の言葉に衣恵里と星禾の2人も笑う。
　こんな事がほとんど毎日起きていた。
　そんな私は、最近自殺を考えていた。こんな事ばかりの人生なら、早く終えてしまいたい、そう思った。
　そして数日後の放課後、私は学校の屋上へ向かった…。