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第八章 これから
ギルドの後ろ盾?私情じゃねえのか?
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「だけどさあ。クリスが個人的なことで勝手にギルド長権限を行使していいのか?おもいきし私情だろ?」
当たり前のことを聞いたつもりなのに、クリスとフィオに当たり前のように頭を抱えられた。
「こういう人なんですよねえ…」
「こういうヤツなんだよなあ……」
俺が常識ねえみたいに言うな!
「はあ?おかしな事は言ってねえだろ?」
むくれてみせれば、クリスが「あのなあ」と説明してくれた。
「お前、ギルドにかかせない人間になってんの、自覚してるか?」
「いや、たまに治療してやってるだけだろ」
「じゃあ聞くが、冒険者の腕が千切れた、すぐに来いって連絡したらどうする?」
「死活問題じゃねえかよ!そりゃ即行くだろ」
「街の子供が突然倒れたが医者に見せる金がねえ、つったら?」
「子供は宝だ。行くだろ。金なんてあるところから採ればいい」
な?と言われたが意味不明だ。
「当たり前のことだろうがよ」
馬鹿なのか?と首を傾げれば、「当たり前じゃねえんだよ」と言い返された。
「お前が街に来るまでは、ガキだろうが親だろうが金がない奴は死ぬしかなかった。冒険者も、ポーションで治すしかねえ。腕や足を失えば即引退。まだ駆け出しの若い奴らが無茶して消えてくのを何人も見た。それが当たり前だったんだよ」
「ヒールなんてお貴族様だけの夢物語。平民に使うやつなんていねえんだよ。いたとしても治療費が平民にとって一生働いても返せねえ額だ。はなから無理って話なんだよ。
ここではなあ、薬草か薬、ポーションで治療できなきゃ終わりなんだよ。それをお前が変えたんだ。お前が未来をつくってんだよ」
ああ、そうだった。
エリアナの治療をした医師に連れられ、下街の現状を知った。薬や薬草の可能性に惹かれるとともに、こっちでの命の軽さに吐き気がした。
貴族がくだらない小さな怪我や単なる腹痛でヒールするのに、こっちでは死にそうな大怪我を付け焼き刃の薬で治療するしかねえ。
病に苦しむ子供、親を亡くした子供が溢れていた。
俺はそれが許せなかったんだ。
俺ならなんとかできると思った。見て見ぬ振りはできなかった。
だから、準備して機会を待った。俺が当たり前にここで治療していける、受け入れて貰える機会を。
「だとしたら、お前だろ、クリス。俺が街に受け入れられたのは、ギルドで治療できるのはお前がいたからだ。俺ひとりじゃあ無理だった」
クリスが俺の頭をバシンと叩いた。
「お前は自己評価が高いようで低い。ギルドはお前に感謝してるんだ。お前は冒険者にとって、ギルドにとって、この街にとってなくてはならない人間なんだ。後ろ盾になるのが当然なんだよ」
当たり前のことを聞いたつもりなのに、クリスとフィオに当たり前のように頭を抱えられた。
「こういう人なんですよねえ…」
「こういうヤツなんだよなあ……」
俺が常識ねえみたいに言うな!
「はあ?おかしな事は言ってねえだろ?」
むくれてみせれば、クリスが「あのなあ」と説明してくれた。
「お前、ギルドにかかせない人間になってんの、自覚してるか?」
「いや、たまに治療してやってるだけだろ」
「じゃあ聞くが、冒険者の腕が千切れた、すぐに来いって連絡したらどうする?」
「死活問題じゃねえかよ!そりゃ即行くだろ」
「街の子供が突然倒れたが医者に見せる金がねえ、つったら?」
「子供は宝だ。行くだろ。金なんてあるところから採ればいい」
な?と言われたが意味不明だ。
「当たり前のことだろうがよ」
馬鹿なのか?と首を傾げれば、「当たり前じゃねえんだよ」と言い返された。
「お前が街に来るまでは、ガキだろうが親だろうが金がない奴は死ぬしかなかった。冒険者も、ポーションで治すしかねえ。腕や足を失えば即引退。まだ駆け出しの若い奴らが無茶して消えてくのを何人も見た。それが当たり前だったんだよ」
「ヒールなんてお貴族様だけの夢物語。平民に使うやつなんていねえんだよ。いたとしても治療費が平民にとって一生働いても返せねえ額だ。はなから無理って話なんだよ。
ここではなあ、薬草か薬、ポーションで治療できなきゃ終わりなんだよ。それをお前が変えたんだ。お前が未来をつくってんだよ」
ああ、そうだった。
エリアナの治療をした医師に連れられ、下街の現状を知った。薬や薬草の可能性に惹かれるとともに、こっちでの命の軽さに吐き気がした。
貴族がくだらない小さな怪我や単なる腹痛でヒールするのに、こっちでは死にそうな大怪我を付け焼き刃の薬で治療するしかねえ。
病に苦しむ子供、親を亡くした子供が溢れていた。
俺はそれが許せなかったんだ。
俺ならなんとかできると思った。見て見ぬ振りはできなかった。
だから、準備して機会を待った。俺が当たり前にここで治療していける、受け入れて貰える機会を。
「だとしたら、お前だろ、クリス。俺が街に受け入れられたのは、ギルドで治療できるのはお前がいたからだ。俺ひとりじゃあ無理だった」
クリスが俺の頭をバシンと叩いた。
「お前は自己評価が高いようで低い。ギルドはお前に感謝してるんだ。お前は冒険者にとって、ギルドにとって、この街にとってなくてはならない人間なんだ。後ろ盾になるのが当然なんだよ」
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